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12話 卒業 後編






目を開けると、満点の星空が見えた。
私はそのまましばらく空を見ていた。
卒業試験の最終試験に合格した。
私達には何もできなかったけど、合格した事に変わりはない。
これで私も一人前の兵士になれたのかな?
すると、いつまで経っても立ち上がらない私を心配したのか、ベルクさんが近づいてきた。

べ「何処か具合でも悪いんですか?」

私は静かに顔を横に振った。

沙「違うよ、ただ星が綺麗だなぁって思っただけ。」

べ「…そうですね。」

私の隣にベルクさんが寝転んだ。
そのまま二人で星を見ていると、不意にベルクさんが話しかけてきた。

べ「卒業試験に合格したという事は、私達は何時前線に送られてもおかしくないですね。」

兵士になった時から覚悟はしていた。
しかしそれを改めて聞くと、体が震えるのを感じた。
私は自分の頬をパンッと叩くと、その場に立ち上がった。

沙「私達の力でカセドリアを守ろうよ!」

私が急に立ち上がったのでベルクさんは驚いたが、すぐに笑顔に戻った。

べ「そうですね!」

二人で笑っていると、ゼノ君が走ってきた。

ゼ「おーい、生徒は全員集合らしいよ。
  急いで急いで!」


沙・ベ「「はーいッ!」」






全ての卒業試験が終了した為、生徒全員が集合させられた。
最終的に最後まで試験を合格できたのは、私達5人だけだったらしい。
やふやふさんが前に出ても、どうせ卒業できないと思っている生徒達は顔を背けてままだった。
しかし次の瞬間、やふやふさんの口から驚きの言葉が聞こえた。

や「生徒の皆さん、卒業、おめでとうございます。」

その言葉が聞こえると同時に、生徒達が一斉に声を上げた。

「卒業試験に落第したのに、卒業できるってのはどうゆうことだ?」

「そうよ、納得できないわッ!」

生徒が騒いでいると、ニッシンさん達が前に出てきた。

エ「今から説明がある。」

二「黙って聞いてろ!」

説明があるという事で、生徒達は静まった。
それを確認すると、やふやふさんがまた話し始めた。

や「全員卒業できる事に変わりはありません。
  しかしそれでは、試験とはどうゆう事なのかとなってしまいます。
  ですが、あの試験にはちゃんとした意味があります。
  最終試験に合格した生徒は後で私の部屋まで来てください。」

二「卒業式はクラス別に行う。」

ゼ「卒業式までクラス別なんだね。」

べ「それでは卒業式が終わるまで、しばしのお別れですね。」

クラス別という事で、皆それぞれの場所に向かうことにした。
しかしその途中で、張文遠さんに呼び止められた。

沙「何か御用でしょうか?」

張「御主は今すぐやふやふ殿の部屋に向かわれよ。」

沙「え?でもそれは卒業式の後じゃないんですか?」

張「御主達には別の卒業式が待っておる。
  とにかく急いで向かってくれ。」

沙「…よく分かりませんけど、了解です。」

私は走ってやふやふさんの部屋に向かった。


部屋の前まで来ると、ベルクさん達はもう到着していた。

べ「先ほどしばしのお別れと言いましたけども、すぐに再開しましたね。」

レ「まったくもう、別の卒業式って何なのかしら。」

皆であれこれ言っていると、スモーキーさん達を連れてやふやふさんが現れた。

や「皆さんどうぞ中に入ってください。」

やふやふさんの部屋に入るのは2度目だけども、この部屋の大きさには驚いた。
3部屋を一つにまとめたくらいの広さはある。
やふやふさんの机と思われる長机の前に、椅子が5脚置いてあった。

や「その椅子に座ってください。」

言われたとおりに椅子に座ると、アイさんが前に出てきた。

ア「これより、卒業式及び星勲章授与式を行います。」

星勲章?

ス「星勲章っつうのは、兵士のランクを表す物だ。
  ちなみに五つ星まであり上から、
  五つ星のフィフス、
  四つ星のフォース、
  三ツ星のトリプル、
  二つ星のダブル、
  一つ星のシングルだ。」

私が考えたことが分かっているかのようにスモーキーさんが説明した。
ベルクさんを除いた他の皆は納得した様に頷いた。
卒業して新米兵士となるわけだから、星は一つだと思った。

や「それではまず、ウォーリアーから行きます。
  沙羅さん、前へ。」

沙「はい。」

微妙な緊張感を感じたけども、ゆっくりとやふやふさんの前に行った。

や「卒業試験の全ての試験を合格した事を賞し、ここに星勲章を二つ贈ります。」

沙「…え?!」

他の皆も私同様に驚いたようだ。
それを見てやふやふさん達はクスクスと笑い出した。

ス「あのな、あの試験には意味があるって言っただろ。」

や「そうです。全ての試験を合格できた生徒はシングルではなくダブルからスタートです。」

…なるほど、それならあの厳しい試験も納得できた。
でも最後の試験はスモーキーさんに助けてもらったよね……。

や「沙羅さん、貴方のこれからのご活躍を期待しております。」

沙「はい!」






卒業式も終わり、アマテラスの皆がお祝いのパーティーを開いてくれた。
スモーキーさんを探したけども、何処にも見当たらなかった。
スモーキーさんは賑やかなのはあまり好きじゃないらしく、よく外に居るらしい。
私はパーティーを抜け出して外に出てみた。
すると、宿舎近くの木の下でスモーキーさんを見つけた。
近くにもう一人居るみたいだったけども、私が近づくと何処かに行ってしまった。

沙「…お邪魔でしたか?」

ス「別に、それよりどうした?また隊長がプリン騒動でも起こしたか?」

沙「そうゆうわけじゃないんですけど…。」

ス「まあいっか、ランクは違うがこれでお前も俺と同じ兵士だ。
  期待してるぜ、ルーキー。」

そう言って私の頭を撫でた。

沙「はい、期待しててくださいね!」


卒業して、新米だけども兵士になれた。
何時戦場に送られるかも分からないけども、自分の力でカセドリアを守ろう。
それを私は誓った。





カセドリア連合王国軍アマテラス~修練の書~




やっと第1部完だぜ(>w<b byスモーキー

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最終更新:2008年08月30日 16:54