目を開けると、満点の星空が見えた。
私はそのまましばらく空を見ていた。
卒業試験の最終試験に合格した。
私達には何もできなかったけど、合格した事に変わりはない。
これで私も一人前の兵士になれたのかな?
すると、いつまで経っても立ち上がらない私を心配したのか、ベルクさんが近づいてきた。
べ「何処か具合でも悪いんですか?」
私は静かに顔を横に振った。
沙「違うよ、ただ星が綺麗だなぁって思っただけ。」
べ「…そうですね。」
私の隣にベルクさんが寝転んだ。
そのまま二人で星を見ていると、不意にベルクさんが話しかけてきた。
べ「卒業試験に合格したという事は、私達は何時前線に送られてもおかしくないですね。」
兵士になった時から覚悟はしていた。
しかしそれを改めて聞くと、体が震えるのを感じた。
私は自分の頬をパンッと叩くと、その場に立ち上がった。
沙「私達の力でカセドリアを守ろうよ!」
私が急に立ち上がったのでベルクさんは驚いたが、すぐに笑顔に戻った。
べ「そうですね!」
二人で笑っていると、ゼノ君が走ってきた。
ゼ「おーい、生徒は全員集合らしいよ。
急いで急いで!」
沙・ベ「「はーいッ!」」
全ての卒業試験が終了した為、生徒全員が集合させられた。
最終的に最後まで試験を合格できたのは、私達5人だけだったらしい。
やふやふさんが前に出ても、どうせ卒業できないと思っている生徒達は顔を背けてままだった。
しかし次の瞬間、やふやふさんの口から驚きの言葉が聞こえた。
や「生徒の皆さん、卒業、おめでとうございます。」
その言葉が聞こえると同時に、生徒達が一斉に声を上げた。
「卒業試験に落第したのに、卒業できるってのはどうゆうことだ?」
「そうよ、納得できないわッ!」
生徒が騒いでいると、ニッシンさん達が前に出てきた。
エ「今から説明がある。」
二「黙って聞いてろ!」
説明があるという事で、生徒達は静まった。
それを確認すると、やふやふさんがまた話し始めた。
や「全員卒業できる事に変わりはありません。
しかしそれでは、試験とはどうゆう事なのかとなってしまいます。
ですが、あの試験にはちゃんとした意味があります。
最終試験に合格した生徒は後で私の部屋まで来てください。」
二「卒業式はクラス別に行う。」
ゼ「卒業式までクラス別なんだね。」
べ「それでは卒業式が終わるまで、しばしのお別れですね。」
クラス別という事で、皆それぞれの場所に向かうことにした。
しかしその途中で、張文遠さんに呼び止められた。
沙「何か御用でしょうか?」
張「御主は今すぐやふやふ殿の部屋に向かわれよ。」
沙「え?でもそれは卒業式の後じゃないんですか?」
張「御主達には別の卒業式が待っておる。
とにかく急いで向かってくれ。」
沙「…よく分かりませんけど、了解です。」
私は走ってやふやふさんの部屋に向かった。
部屋の前まで来ると、ベルクさん達はもう到着していた。
べ「先ほどしばしのお別れと言いましたけども、すぐに再開しましたね。」
レ「まったくもう、別の卒業式って何なのかしら。」
皆であれこれ言っていると、スモーキーさん達を連れてやふやふさんが現れた。
や「皆さんどうぞ中に入ってください。」
やふやふさんの部屋に入るのは2度目だけども、この部屋の大きさには驚いた。
3部屋を一つにまとめたくらいの広さはある。
やふやふさんの机と思われる長机の前に、椅子が5脚置いてあった。
や「その椅子に座ってください。」
言われたとおりに椅子に座ると、アイさんが前に出てきた。
ア「これより、卒業式及び星勲章授与式を行います。」
星勲章?
ス「星勲章っつうのは、兵士のランクを表す物だ。
ちなみに五つ星まであり上から、
五つ星のフィフス、
四つ星のフォース、
三ツ星のトリプル、
二つ星のダブル、
一つ星のシングルだ。」
私が考えたことが分かっているかのようにスモーキーさんが説明した。
ベルクさんを除いた他の皆は納得した様に頷いた。
卒業して新米兵士となるわけだから、星は一つだと思った。
や「それではまず、ウォーリアーから行きます。
沙羅さん、前へ。」
沙「はい。」
微妙な緊張感を感じたけども、ゆっくりとやふやふさんの前に行った。
や「卒業試験の全ての試験を合格した事を賞し、ここに星勲章を二つ贈ります。」
沙「…え?!」
他の皆も私同様に驚いたようだ。
それを見てやふやふさん達はクスクスと笑い出した。
ス「あのな、あの試験には意味があるって言っただろ。」
や「そうです。全ての試験を合格できた生徒はシングルではなくダブルからスタートです。」
…なるほど、それならあの厳しい試験も納得できた。
でも最後の試験はスモーキーさんに助けてもらったよね……。
や「沙羅さん、貴方のこれからのご活躍を期待しております。」
沙「はい!」
卒業式も終わり、
アマテラスの皆がお祝いのパーティーを開いてくれた。
スモーキーさんを探したけども、何処にも見当たらなかった。
スモーキーさんは賑やかなのはあまり好きじゃないらしく、よく外に居るらしい。
私はパーティーを抜け出して外に出てみた。
すると、宿舎近くの木の下でスモーキーさんを見つけた。
近くにもう一人居るみたいだったけども、私が近づくと何処かに行ってしまった。
沙「…お邪魔でしたか?」
ス「別に、それよりどうした?また隊長がプリン騒動でも起こしたか?」
沙「そうゆうわけじゃないんですけど…。」
ス「まあいっか、ランクは違うがこれでお前も俺と同じ兵士だ。
期待してるぜ、ルーキー。」
そう言って私の頭を撫でた。
沙「はい、期待しててくださいね!」
卒業して、新米だけども兵士になれた。
何時戦場に送られるかも分からないけども、自分の力でカセドリアを守ろう。
それを私は誓った。
カセドリア連合王国軍アマテラス~修練の書~
完
やっと第1部完だぜ(>w<b byスモーキー
最終更新:2008年08月30日 16:54