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第1話 ベルクの招待




卒業式から数日後、新兵達に家へ帰る時間が与えられた。
他の新兵達がそれぞれの家へ帰って行ってるのに、ベルクさんだけが一人帰らなかった。

沙「ベルクさんは帰らないんですか?」

私の一言に、ベルクさんは困ったような顔をした。
私は、自分が言った事がベルクさんの気に障ったのかと思ったが、そうでは無い様だった。

べ「迎えをお願いしたのが三日後なので、それまでは宿舎に居ますよ。」

なるほど、迎えを頼んだのが三日後なんだね。
……あれ?

沙「えっと…、聞き間違えじゃ無いなら今……迎えって?」

すると、ベルクさんは苦笑いした。

べ「はい。私の家は遠いので、迎えに来て頂かないと疲れてしまいます。」

……皆色んな事情があるんだね。

沙「それじゃ、私の家に来ませんか?」

余計なお世話かな?と思ったけども、意外にもベルクさんは笑顔だった。

べ「沙羅さんの御家には前々から興味があったんです。
  そうと決まったら今すぐ行きましょう!」

ベルクさんはそう言いながら物凄い速さで支度をした。

沙「そんな、私の家なんて何処にでもあるような普通な家だよ?
  あんまり期待しない方が…。」

べ「そんな事はありません!さあ、行きましょうッ!!」

沙「わわッちょっと待ってよ!」

ベルクさんは私の手を握って走りだした。
……まあ、いっか。
宿舎を出ると、やふやふさん達が何やら話していた。
私達に気付いたのか、やふやふさんが近づいてきた。

や「今から帰宅ですか?」

沙「はい。それと、ベルクさんは迎えの人が来るまで私の家にお泊りです。」

それを聞くと、やふやふさんはびっくりしたらしい。

や「そ…そうですか。」

私は少し不思議に思ったが、ベルクさんがまた私の手を引っ張って走りだした。

沙「それでは、少しの間お別れです。」

や「分かりました、お気をつけて。」

家に着くと、ベルクさんは興味津々といった感じで私の家を見ていた。
久しぶりの我が家だ。
お母さんは元気にしてるかな?
家のドアをノックすると、お母さんが出てきた。
突然の娘の帰宅に少し驚いた様だが、すぐに私を優しく抱きしめてくれた。

母「おかえりなさい、沙羅。」

沙「ただいま…お母さん。」

お母さんはベルクさんに気付いたのか、私から離れた。

母「沙羅のお友達かしら?その様子からすると、ソーサラーね。
  もしかして、沙羅がよく手紙に書いてるベルクさんというのは、貴方の事かしら?」

べ「そうです。始めまして、沙羅さんのお母様。」

沙「立ち話もなんだし、中に入ろうよ。」

母「そうね。学校での沙羅の事を聞きたいわ。」

食事をしながら、兵士育成機関での出来事やアマテラスの人達の事等を話した。
話を聞く母の顔は、凄くにこやかだった。




長いようで短い三日間は、あっという間に過ぎていった。

べ「お世話になりました。」

母「いえいえそんな。こんな家で良かったら何時でも泊まりに来てね。」

迎えの人が来る為、ベルクさんは宿舎に戻る事になった。
ベルクさんの家かぁ…、見てみたいな。
私がそう思っていると、ベルクさんが話しかけてきた。

べ「どうやら、今度は沙羅さんが私の家に興味があるみたいですね。」

私が考えていた事をずばり言われたので、私は頷いた。

沙「私もベルクさんの家に興味があります。」

べ「三日間もお世話になりまし、来ますか?」

沙「うん!」

支度をして宿舎に戻ると、迎えの人らしき人が居た。

「お嬢様、探しましたぞ!」

べ「ごめんなさい。」

「城外に馬車を用意しております。」

べ「あ、ちょっと。この方も乗せていただけませんか?」

ベルクさんが私の方を見ながら言った。

「何を申されますか。その様な庶民を連れて来たとあったら、私の首が飛びますぞ!」

べ「これは命令ですッ!」

「……。」

どうやら私が邪魔みたいだね。

沙「いいよベルクさん。その人も困ってるみたいだし、私は家でゆっくりしてるから。」

べ「そうもいきません。」

「…分かりました。ですが乗せるだけですぞ。その後の事は責任は持てません。」

べ「ありがとう。」

何だか言い争っていたようだけども、どうやら行ける様だ。
城外に出ると、言っていた様に馬車があった。

「早くお乗りください。」

沙「すみません。」

急いで馬車に乗り込んだ。
馬車に揺られる事数時間。
首都アズルウッドとは違う御城が見えてきた。
あの中にベルクさんの家があるのかな?
しかし、何処から見てもその御城には庶民が住む様な場所は見当たらなかった。
もしかしてこれが……ベルクさんの家?
城門の前で馬車が止まった。
私が驚いた顔をしていると、ベルクさんが話しかけてきた。

べ「どうかしましたか?」

沙「ベルクさん、もしかしてこの御城が……ベルクさんの家?」

「先ほどから貴方は失礼ですね。このお方を何方と心得てるんですか?!」

べ「良いんです。沙羅さん、黙っていてごめんなさい。
  私の本当の名前は、グリュンベルク・イ・シュリッツです。」

ベルクさんは本名を隠してたんだね。
……シュリッツ?!
私が驚いたのを確認したのか、ベルクさんが苦笑いした。

べ「そうです。カセドリア連合王国の一国を治めるゲイル王は…、私の父です。」



ベルクさんの正体があのゲイル王の娘だったなんて…。
衝撃的な事実を告げられた私は、その場に立ち尽くしてしまった。

色々と予定変更してきたけども、第2部開始です>w<ノ byスモーキー

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最終更新:2008年09月13日 23:37