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第6話 カセドリア崩壊





このカセドリア内部でです。
私には、ベルクさんが言った言葉の意味が分からなかった。

沙「え、カセドリア内部で……戦争?」

べ「そうです。
  連合王国の中に、賊と内通している王が居るという噂が広まっています。
  さらに、賊と内通している部隊も居るという噂も広まっています。
  ……その中には、アマテラスも含まれていました。」

沙「そんなの、信じられません!
  スモーキーさん達が賊と内通してるわけありませんよ。
  例えそうだとするなら、ベルクさんを助ける訳無いじゃないですかッ!!」

べ「私もそう思いたいです。
  ……ですが教官は、アトラクナクアの昔の仲間なんです。」

私は訳が分からなくなった。
アマテラスが賊と内通して、スモーキーさんはアトラクナクアの仲間?!

沙「スモーキーさんが……アトラクナクアの仲間って?」

べ「賊と知り合いという事は、それだけで軍法会議ものです。」

沙「そんなの、昨日ベルクさんを助けて疑いは晴れたって言ってたよ!」

べ「私だってそう思ってます。
  ですが、教官が賊の一味という事を完全に否定することにはならないんですッ!」

沙「そんなの…。」

私はその場から逃げてしまった。
家を出て、急いで宿舎に向かった。
そして、一目散にスモーキーさんの部屋に向かった。
部屋に着くと、扉を強くノックした。

沙「私です。沙羅です。開けてください!」

すると、スモーキーさんが眠そうな顔で出てきた。

ス「お前な、何があったか知らんがゆっくり寝むらせてくれ。」

沙「それ所じゃないんです!
  スモーキーさん達が賊の一味と疑われてるんです。」

スモーキーさんは驚くだろうと思った。
しかし、スモーキーさんは眉一つ動かさなかった。

ス「それがどうした?」

沙「どうしたじゃないですよ!
  また軍法会議にかけられるんですよ?!」

すると、スモーキーさんは部屋の奥へ行ってしまった。

ス「立ち話もなんだし、入れよ。」

私は部屋の中に入ると、椅子に腰掛けた。

ス「そんな事ぐらい隊長や他の奴らも知ってるぞ。
  だからこそ、俺はシュリッツ城を守りに行ったんだぞ?」

沙「でも、ベルクさんがそれだけじゃ無実にはならないと…。」

暫しの間、私もスモーキーさんも黙ってしまった。
そして、スモーキーさんが話し出した。

ス「もしも今、その疑惑を掛けられている部隊が一斉に決起したら…カセドリアは滅ぶ。
  まあ、そんな事も考えないのが上層部だからな…。
  まったく、よっぽど滅びたいらしいな。」

沙「何とかして止めないといけませんね。」

ス「いや、もう無理だろ。」

すると、スモーキーさんが扉の方を向いた。
扉の向こうから足音が聞こえて来る。
そして、扉が開いた。

「スモーキー、貴様を賊徒との内通罪で捕縛する!」

ス「ほらな。」

入ってきた4名程の兵士達が、スモーキーさんを取り囲んだ。
しかし、スモーキーさんは動じなかった。

ス「んで、捕縛するってその縄でか?本気で言ってるならかなり笑えるぞ。」

兵士達がスモーキーさんを縄で縛った。
しかし、スモーキーさんがちょっと力を入れただけで縄は切れてしまった。

「な、何をやっている、しっかり縛らんか!」

何度やっても同じ事の繰り返しだった。

ス「…たく、何処に行けば良いんだ?」

「黙れ、貴様に発言権は無い!」

そう言って、スモーキーさんに殴りかかった。
しかしその拳が当たる寸前で、兵士の動きが止まった。

ス「雑魚どもが、調子に乗るんじゃねえッ!」

スモーキーさんの一喝によって、取り囲んでいた兵士達は固まった。

沙「スモーキーさん!」

今にも兵士達に襲い掛かろうとするスモーキーさんを止めた。
スモーキーさんは殺気はそのままに、私の方に顔を向けた。

ス「沙羅、ついて来い。」

それだけ言うと、部屋から出て行った。
私が後を追うと、その後ろを兵士達もついて来た。
そしてスモーキーさんは、そのままカセドリア城に向かった。
いつもは上がっている跳ね橋が、スモーキーさんが近づくと下りた。
城に入ると、裁判所の様な所に通された。

ス「よく見ておけ沙羅、ここが軍事裁判所だ。
  まあ、お前には関係ない場所だがな。」

私は傍聴席に通された。
そして、裁判が始まった。
裁判長らしき人が語り始めた。

「被告人は賊徒と内通し、このカセドリア連合王国を混乱させた。
 しかしシュリッツ国を2度も賊徒から助けた功績がある。
 だがそれだけで賊徒との内通罪が消えるわけではない。
 被告人に弁解の余地を与えよう。」

ス「別に俺は弁解も何もしない。死刑にしたければ勝手にしろ。」

沙「スモーキーさん、何を言ってるんですか?!」

「傍聴者は発言を慎みたまえ!」

沙「すみません…。」

死刑にしたければ勝手にしろだなんて…。
裁判長は少し思案した後、刑を言い渡した。

「……ふむ、死刑にしたければ勝手にしろと言うのか。
 その覚悟を称え、死刑は取りやめとする。
 しかし被告人をこのままカセドリアに居させるのは危険とみなす。
 よって被告人を首都アズルウッドから追放する!」

沙「そんな…。」

スモーキーさんは笑うでも泣くでもなく、無表情のままだった。




宿舎に戻ると、スモーキーさんは荷物をまとめ始めた。

沙「……スモーキーさん。」

ス「何も言うな。いつかはこうなると思っていたさ。
  さてと、出て行く前に隊長に挨拶しないとな。」

や「その必要はありません。私達にも追放の沙汰が来ました。」

気がつくと、私の後ろにやふやふさん達が立っていた。

ス「隊長…。」

や「沙羅さん、貴方は即刻アマテラスから脱退してください。
  貴方には、追放されてほしくありません。」

沙「待ってください、そんな急に」

や「各員、準備をッ!」

「「了解ッ!」」

そして、やふやふさん達はアズルウッドから出て行ってしまった。
アマテラスの隊員の大半がやふやふさんについて行った。
私はスモーキーさん達を見送った後、自宅へ帰っていった。

母「昼食もとらずに何処に行ってたの?」

沙「ごめんなさい。」

お母さんはそれ以上深く追求はして来なかった。
私はそのまま自分の部屋に向かった。

べ「沙羅さん、先ほどはすみませんでした。」

沙「ベルクさん、スモーキーさん達が……。」

べ「私も先ほど聞きました。
  アマテラス以外にも、首都を追放された部隊があったそうです。
  追放された部隊の中には、歴戦の勇士も多いそうです。
  もしも彼らが反乱を起こしたら……こちらに勝ち目は無いでしょうね。
  ……何だか、嫌な予感がします。」




ベルクさんの予感は的中した。
追放された人達が、コラント平原で決起したのだ。
それに呼応するかの様に、賊と内通していると疑われた王国もカセドリアに叛旗を翻した。
他の王国も、自国以外は信じないといった状態になってしまった。
これにより、事実上カセドリア連合王国は……崩壊した。


7話はちと時間かかりそうです。byスモーキー

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最終更新:2008年10月18日 14:10