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~反乱軍陣営~

昨日から隊長の姿が見えない。
散歩にでかけると言ってから、もう1日経っている。
俺は副隊長格を集めた。

ス「散歩で1日過ぎるってのはありえないな。」

二「そうだな。隊長の身にまた何かあったのかも知れんな。」

ア「それは無いと思います。ぬーさんが傍に居るんですから。」

確かに、ヌアージュが近くに居るなら大丈夫だろう。
しかし何故か嫌な予感がする。
そして、その予感は的中した。
エミヤが血だらけのヌアージュを連れてきたからだ。

エ「大変だ皆、ヌアージュが血まみれで倒れてたッ!」

二「何だと?!」

ヌアージュを倒せる敵…。
思い浮かぶのは奴しか居ない。
俺はヌアージュに聞いてみた。

ス「しっかりしろヌアージュ、誰にやられた?!」

ヌ「アト…ク……ア。」

ス「それで、何処へ連れて行かれたんだ?」

ヌ「首都の……。」

ス「もういい、分かったから喋るな。アイ、ヌアージュを頼む。」

ア「うん。でも、やふやふさんは無事なんでしょうか…?
  まだ聖女王との交渉中なのに…。」

二「隊長が攫われたんだ、もう交渉なんて終わったも同然だッ!」

リ「そうだぜ、奴らに俺達の怒りを思い報せてやろうぜッ!!」

アトラクナクアめ、とうとう痺れを切らしたか。
しかし、隊長に危害は加えないはずだ。
狙いは反乱軍とカセドリア軍の衝突か…。
ちょうど良い、全てカセドリアの省にするか。

ス「…よし、まずはシェルン緑地に向かうぞ!
  そして首都に攻め込むぞッ!」

「「オォーッ!!」」

悪いな隊長。
俺はもう、カセドリアに…聖女王に従う気は無い!



~カセドリア軍上層部~

「聖女王が俺たちを処罰しに向かっているらしい。」

「このまま居れば処罰かあるいは……。」

「こうなったら、聖女王もろとも反乱軍を討つしか手は無い!
 急ぎ聖女王の偽の出撃命令をだせッ!」







第9話 シェルン攻防戦



シェルン緑地に着くと、既に戦闘は始まっていた。

沙「何とかしないと…。」

やふやふさんを見つければ、何とかなるかもしれない。
戦場を駆けながら、やふやふさんを探した。
しかし、何処に行ってもやふやふさんは見つからなかった。
やっとの思いで見つけたのは、まるで怪物の様に戦っているスモーキーさんだった。

「奴を止めろ!」

ス「死にたくなければどけ、雑魚共がッ!」

私はスモーキーさんに近づいた。

沙「スモーキーさん、何故こんな事をしてるんですか?!
  やふやふさんは何処に居るんですか?」

しかし、私の言葉など聞こえて居ないかのように突き進んでいく。
突然、私の周りの人達がスモーキーさんに襲い掛かった。
すると、スモーキーさんが右手を上げた。
私は何か嫌な予感がした為、盾を構えた。
次の瞬間、まるで獣が盾を引っ掻いたような衝撃が来た。
周りを見てみると、襲い掛かった人が倒れていた。
体には、まるで爪か何かで抉られたかの様な傷が出来ていた。

沙「スモーキーさん、落ち着いてください!」

ス「邪魔をするなら、例えお前でも……殺す。」

沙「こんなこと、やふやふさんがやっているとは思えません。」

ス「ああそうだ、この戦いを始めたのは…この俺だ!」

沙「何故…こんな事を?」

ス「俺はカセドリアを滅ぼし、隊長を……やふやふを王にするッ!」

沙「そんな事、やふやふさんが望んでいるとは思いません。」

ス「お前に何が分かる?!俺や、ヌアージュや他の奴らも同じ考えのはずだッ!」

沙「そうだとするなら、此処から先に通すわけにはいきません!」

ス「ほう。お前とは、仮想空間でしか戦った事が無かったな。
  お前が俺に勝ったことがあるか?」

沙「勝った事はありません。それでも、止めて見せます!」

私は臨戦態勢をとった。
スモーキーさんはただ立っている。
スモーキーさんが動かないので私もじっとしていると、不意に後ろの方から気配がした。
盾を構えると、スモーキーさんがフェンリルを振り下ろす寸前だった。

ス「甘いな沙羅。目に見える物だけが全てと思わないことだ!」

沙「…ッ!」

何時の間に空蝉を放っていたの?!
振り下ろされるフェンリルを辛うじて盾で防いだ。
しかし、フェンリルが当たった部分だけが綺麗に抉られた。

ス「フェンリルは神を殺せし狼だ。そんな盾で防げるとでも思ったか?」

沙「でも、私に傷はついてませんよ!」

スモーキーさんの眉がピクッと動いた。
私の言葉が気に障った様だ。

ス「…そうか、お前はそんなに死にたいのか。」
  なら……、お望み通りにしてやるぜッ!」

言い終わった瞬間、スモーキーさんの姿が消えた。

ス「これで終わりだッ!」

?「させる訳にはいかぬッ!」

横から誰かが私に体当たりした。
誰かと思って見ると、張文遠さんだった。
張文遠さんは私を飛ばして、フェンリルから逃がしたのだ。
しかし自分も避けるのが間に合わず、胸から腹の部分を斬られていた。

張「この張文遠、この程度の傷では倒れぬ!
  沙羅よ、俺では本気のスモを止める事はできん。
  しかし御主なら、スモを止められるかもしれん。」

ス「邪魔をするなッ!」

スモーキーさんの返し刃で、張文遠さんは再度斬られた。
そして、その場に倒れてしまった。
何時も私がピンチになると出てくるあの力。
今のスモーキーさんと戦う為には、あの力を出さないと…。
しかし、どうやったら出せるのか分からない。

張「心の獣を開放しろ、己の力を信じるのだッ!」

私の…力。
お願い力を貸して、スモーキーさんを止める為に!
…イイデショウ。
不意に声が聞こえた気がした。
そして、体の奥から力が沸いてくるのを感じた。

ス「ほう、お前がその力を制御できるとはな。」

沙「何処まで行けるか分かりませんが、止めて見せます!」

スモーキーさんがフェンリルで斬りかかってくる。
私は盾で防御すると同時に、スモーキーさんに斬りかかった。
フェンリルが盾を抉ると同時に、スモーキーさんの脇腹を斬った。
スモーキーさんは脇腹から血が出たのを見ると、呟いた。

ス「皮を斬らせて肉を斬るっか。」

スモーキーさんが脇腹を手で摩ると、傷が一瞬にして治った。

ス「俺を殺したければ首を斬れ。」

スモーキーさんは、自分の首を手で叩きながら言ってきた。
やはり、少しの傷ではびくともしないね。
スモーキーさんがもう一度フェンリルで斬りかかってきた。
例え駄目でも、何度でも繰り返してみせる!
先程と同じように、盾で防御しながら斬りかかろうとした。
しかしその時、フェンリルの斬撃により、盾は跡形も無く壊れてしまった。
勢いそのままに、フェンリルは私に向かってきた。
何とか剣で防ぐ事は出来たが、これで防御と同時に攻撃する事ができなくなった。

ス「力はあっても、それを活かす術を知らんか。」

確かに、私は力を制御できていない。
それでも、何とかしてスモーキーさんを止めたい。

沙「私は、カセドリアが好きです!
  自然が沢山あって、皆が笑顔でいられるこの国が大好きですッ!」

すると、スモーキーさんの顔が歪んだ。

ス「皆が笑顔だ?ふざけんじゃねぇッ!
  噂一つで首都を追放し、あまつさえ罵声までしてくる国だぞ!
  俺たちが何故叛乱したと思う?」

沙「…首都を追放されたからじゃないんですか?」

ス「それは他の部隊の動機だ。
  俺たちアマテラスが叛乱した理由は、隊長が暗殺されかかったからだ!」

沙「そんな…。」

ス「人の命を何とも思っちゃいねえ。
  こんな国、滅んでしまえば良いんだッ!」

言い終わると同時に、スモーキーさんがフェンリルを構えた。
……あの構えは?!

ス「スモーキー槍術奥義・破槍ッ!」

私は剣で防ごうとしたが、フェンリルが当たった瞬間、剣が音を立てて砕けた。
そしてそのまま、私は後ろに飛ばされてしまった。

ス「これで終わりだ。」

スモーキーさんがフェンリルを振り上げた。

ス「お前の人を守りたいって気持ちは、嫌いじゃ無かったぜッ!」

フェンリルが振り下ろされる。
さっきの衝撃で、体が痺れて避けられない。
……このまま死ぬのかな。
しかし、何処からか光の矢が飛んできた。
それがフェンリルに当たると、フェンリルの軌道がずれた。

テ「聖女王の名において、この戦争の終焉を言い渡します。
  ……命を粗末にはしないでください。」

ティファリス様が全体チャンネルで戦争の終焉を宣言した。
横を見ると、ティファリス様が居た。
どうやら、ティファリス様が魔法の矢で私を助けてくれたようだ。

テ「戦闘を終了してください。」

ス「邪魔をするな。」

スモーキーさんはティファリス様の言葉を無視して、フェンリルを振り上げた。

ス「俺は、隊長の命令にしか従う気は無いッ!」

そして、再度フェンリルを振り下ろした。

や「辞めなさいッ!」

やふやふさんの声と同時に、フェンリルが止まった。

や「戦争は終わりました。これ以上の戦闘は、私が許しません!」

やふやふさんはスモーキーさんに近づくと、スモーキーさんの顔を平手打ちした。

や「私が何時、こんな事を望みましたか?!」

ス「……。」

やふやふさんは私に近づくと、私を抱き起こした。

や「スモーキーさん、貴方に命じます。沙羅さんを衛生兵の所に連れて行きなさい!」

ス「……了解。」

スモーキーさんは私を抱き抱えると、衛生兵の所まで連れて行った。
傷自体はたいした事が無かったようで、すぐに動けるようになった。
しかし、スモーキーさんは終始無言だった。


早めに9話UP byスモーキー

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最終更新:2008年11月14日 22:15