スモーキーさんはいったいどうやって首都に入ったんだろう?
いや、もしかしたらスモーキーさんの協力者が届けたのかもしれない。
沙「佐紀、誰がこの箱を持ってきたの?」
佐「家の外から物音がしたから出てみたら、その箱が置いてあったの。
箱にお姉ちゃんの名前が書いてあったから、お姉ちゃん宛ての荷物だと思ったの。
…何か問題でもあったの?」
佐紀は私に怒られると思ったのか、少し怖がっている。
沙「ううん、何でもないよ。」
そう言って、佐紀の頭を撫でた。
佐紀は安心したのか、ほっと胸を撫で下ろした。
それにしても、アゼリー一式って高価なはずだよね。
…着れるかな?
試しに着てみたが、サイズは問題ないようだった。
佐「お姉ちゃん、かっこいい!」
沙「そう?」
鏡の前に立ってみると、部隊服の時よりも勇ましそうな自分が居た。
…今度から、これを着ていこうかな。
服を着替え、シャワーを浴びた後、私はベッドに倒れこんだ。
どうやら戦場での疲れが出たようだ。
私はすぐに眠りについた。
~???~
?「荷物は届けたの?」
?「ちゃんと言われたとおりにしたわ。
それよりも、二人の姿が見えないけど?」
?「二人とも、別々の戦場に行ったわ。」
?「そう。そろそろ計画も仕上げの段階かしら?」
?「そうね。この計画が成功すれば…。」
~中央大陸のとある戦場~
俺一人に対し、多数の兵士達が襲い掛かって来る。
しかし軽く手を横に振るだけで、全ての兵士が弾き飛んだ。
?「強国エルソードって聞いてたのによ…雑魚ばっかりか。
もっと強いのは居ねえのか?」
「…ッ!」
俺の言葉が気に食わなかったのか、一人の兵士が立ち上がった。
ほほう、一人は歯ごたえのありそうな奴が居たか。
「我エルソード軍を雑魚と言うか?!」
そう言って剣を片手に襲い掛かって来るが、動きが鈍い。
剣を手で軽く弾き、そのままその兵士を殴った。
そして、戦いは終わった。
?「……つまらねえな。これならあいつと場所交代しときゃ良かったかな?」
それにしても、訓練人形ってのは便利だよな。
クリスタル一つで強さが変わるし、何より楽で良い。
ここも終わったし、そろそろ帰るか。
振り返ると、眼下には無数の兵士が横たわっている。
……つまらん。
目が覚めると、外はまだ明るくなり始めた頃だった。
散歩をしたくなったので、薄暗い街中を散歩する事にした。
家を出て、宿舎前を過ぎ、ユグドラさんの店に行く路地裏近くに着いた時だった。
?「沙羅。」
私を呼ぶ声が聞こえた。
しかし、周りを見ても誰も居なかった。
…気のせい?
前を向き直した時、目の前にユグドラさんが居た。
ユ「ずいぶんと朝が早いのね。」
沙「ユグドラさん?!」
私が驚いたので、ユグドラさんは不思議そうな顔をした。
ユ「そんなに私が珍しいかしら?」
沙「いえ、昨日お店に行ったら不在だったもので…。」
ユ「あらそう。昨日はちょっと遠出しててね。何か占って欲しいの?」
沙「いえ、そうゆうわけでは…。」
私を顔を見つつ、ユグドラさんは少し思案した。
ユ「…立ち話もなんだし、私の店に行きましょう。」
沙「はい。」
店に着くと、何故かお茶とお菓子が用意してあった。
沙「あれ?」
ユ「さすがに、お茶とお茶菓子くらいは用意しないとね。」
どうやら魔法で用意したみたいだね。
それにしても、こんな事までできるって…魔法って便利だね。
椅子に座り、ユグドラさんがお茶を一口飲んだ後だった。
ユ「アゼリーは気に入った?」
沙「え?」
何故ユグドラさんがアゼリーの事を知ってるの?!
いや、佐紀は物音がして外に出たら箱が置いてあったって言ってたね。
ユ「そう、あれを届けたのは私よ。もっとも、お金を出したのはブルーだけどね。
教え子の貴方が、フィフスになった事を凄く喜んでいたわ。
同時に、少し悲しそうだったけどね。」
沙「ユグドラさんは、訓練人形を盗んだりしてないですよね?」
ユ「盗む?あれは元々ブルーの物、盗むって言葉は間違ってるわね。
それと、人形は持ち出したんじゃなくて、私がクリスタルで転送したのよ。」
沙「そんな、私はアトラクナクアが盗んだものばっかり…。」
ユ「…まあ、疑われてもしょうがない事ばっかりしてたものね。」
沙「それじゃ、魔物を統べる者は…スモーキーさんなんですか?」
ユグドラさんは、少し思案して顔を横に振った。
ユ「それは言えないわ。約束だから。」
言えないっと言っているが、私にはそれが真実だっと言っている様に感じた。
ユ「それよりも、何故ブルーが5年前に首都を出て行ったのか、知りたくない?」
沙「え?」
スモーキーさんが首都から出て行ったのは、軍事裁判で首都から追放されたからではないの?
ユ「…本当は、これも言っちゃいけない約束なんだけどね。
知りたいなら話すし、知りたくないなら話さないわ。」
沙「教えてください。何でスモーキーさんは首都から出て行ったのですか?」
ユグドラさんはお茶を一口飲んだ後、遠いものでも見るかのような顔をした。
ユ「軍事裁判の判決は、証拠不十分で無罪に決まったわ。
でもね、それと同時に一つの取り引きが行われたの。」
沙「取り引き?」
ユ「ええ。これ以上問題を起こすなら、所属している部隊の全員を首都から追放するってね。
でもブルーが首都から出て行くなら、今までの事は水に流すっていうものよ。」
沙「そんな…、そんなの取り引きじゃなくて脅迫ですよ!」
ユ「…そうね。だからこそ、ブルーは自分から首都を出た。
それと同時に、カセドリアの兵士も辞めたわ。
カセドリアの兵士で無い者の消息は知らないって事で、ブルーは消息不明になってるわね。
…これが真実よ。」
沙「……。」
ユ「ブルーは今、世界に闇を齎そうとしているわ。
それを止める事が出来るのは…貴方しか居ない。」
沙「私は世界に光を齎す者…。闇に対抗できるのは…、光しかないですね。」
私は一礼して店を後にした。
路地から出ると、空はもう明るくなっていた。
家に戻ろうと、もと来た道を帰って行った。
そして、宿舎近くに来た時だった。
何やら宿舎前が騒がしかった。
よく見ると、ニッシンさん達が戦場に向かう様だった。
アマテラスの副隊長格が、全員集まっている。
珍しく、ラウさんも出てきている。
皆がざわざわしていると思ったら、瞬時に治まった。
何事かと思ったら、やふやふさんが出てきたのだ。
や「行く前にこれだけは言っておきます。
私より先に死ぬ事は許しません!以上!!」
二「いざ、ゴブリンフォークへ!」
「「おーッ!」」
やふやふさんを先頭に、皆戦場へと向かっていった。
…何故だか胸騒ぎがする。
アノヒトタチニツイテイッタホウガイイワ。
エフリシアがついて行けって言う事は、やふやふさん達に危険があるって事だね。
私は急いで家に帰った。
部屋に戻り、戦場に行く準備をした。
私がまたベルの城に行くと思ったのか、佐紀が部屋に入ってきた。
佐「また何処かに行くの?」
沙「うん。今度もまた戦場よ。」
佐「私も行く!」
沙「今回の戦場は危険なの、だから佐紀を連れて行くわけにはいかないわ。」
佐「私じゃお姉ちゃんの力にはなれないの?私だって戦えるよ!」
佐紀の目は、真っ直ぐに私を見ている。
こうゆう時の佐紀は、絶対に意志を曲げない。
……跡をつけられてるよりも、連れて行った方が無難だね。
沙「分かったわ。でも絶対に無理しちゃダメよ!」
佐「うん、約束する!」
佐紀は普通の兵士達よりは強い。
しかし戦場での経験はほとんどない。
今はまだ、後方で支援をさせていた方が良いね。
佐紀の準備が終わると、二人でゴブリンフォークへと向かった。
間に合えば良いけど……。
公約通りUPするぜ byスモーキー
最終更新:2009年03月20日 14:27