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#expand(480){{{ *砲撃被害復旧工事 30608002 #contents() **1.破壊された施設について ***サカサコタツ遺構  リワマヒ国の夏冬の大祭の舞台であり、コタツ布団を逆さにしたような形状をしている遺跡構造物。元の使用方法は不明だが、リワマヒ国の建国当時にはすでにあり、その年の豊作祈願と収穫の感謝を天に祈る祭りが行われている。  食糧供与イベントにおいて会場になるなど、海岸近くにあり土地が平らな為イベント会場としてよく利用されている。  今回は、難民向けの炊き出しをおこなっていたが、リワマヒ国軍の出撃発令により出動しており炊き出しが行われて居なかった為、被害が無かった。 ***臨海地区砲台跡(遺跡)  臨海地区にある砲台跡地。アプロー時代に砲台が据え付けられて居た。公開情報の修正をしていなかったため、砲撃対象となったと思われる。現在では砲は取り外されているが、一部取り付けの土台などが残っていた。  土地の多くは民間に払い下げられおり再開発工事が行われていたが、工事区域で普段は一般人立ち入り禁止となっていて、なおかつ避難勧告が出ていた為幸い被害は無かった。 ***恩賜公園(旧海軍伝習所)  リワマヒ湾に面する公園で普段はリワマヒ国民の憩いの場の一つとなっている。公園敷地内にはかつてはリワマヒ国海軍の伝習所(士官学校)があった。現在は歴史資料館という形で建物の一部が残っていたが、戦時中の為閉館しており、被害が無かった。 **2.復旧に従事する国民の様子  縦に細長いリワマヒ国は、山あり森あり川あり海ありと意外に盛りだくさんな土地柄で、遺跡もけっこう数多くある。いったいいつ誰が作ったのか判らない遺跡がほとんどで、だけど南国人気質満載のリワマヒ国人は、あんまり気にしてない。気にしないまま、ちゃっかり祭祀とか交通とかに利用していたりする。  そんなリワマヒ国で一番有名なサカサコタツ遺構が、なんと先月ぶっ壊されたのだ。はるばる宇宙から攻め込んできた天領共和国の人たちが、超々高度からレーザーをぶっ放してくれたわけだ。天領の人たちにはきっと、あの超巨大建造物が変形して空を飛んだりするように見えたに違いないと、後でリワマヒのみんなは噂したものである。  天から降る光に襲われた場所は、他にも二カ所あった。サカサコタツ遺構にほど近い、砲台跡地。それからリワマヒ湾を挟んで反対側にある恩寵公園である。どういうチョイスかよく判らない。多分砲台跡地はむかーしの砲台(当然使えない)があったから、それが見えたんだろう。公園は、そういえば昔は海軍伝習所だったっけと、老人達の言葉にみんなが手を打った。ま、真相はよく判らない。  とはいえどっちも、出してあった戒厳令のお陰で住人達は避難した後だったから、立ち入ってる人は当然いなかった。施設そのものは派手にぶっ壊されたわけだけれども、人的被害はゼロ。敵が去っていった後で避難場所から這い出してきた国民達は、やー、みんな無事でなによりと、まずそれを祝い合ったのだった。  ひとしきり無事を祝うどんちゃん騒ぎをやらかした後、よっこらせと彼らは立ち上がった。いつまでも、がれきのままにしておくのは忍びない。綺麗な公園は元の綺麗な公園に、砲台跡地は前ののんびりお散歩スペースに、そしてなにで出来ていたかよく判っていないサカサコタツ遺構も、出来るかどうかはともかくあのかっこいいお姿を取り戻してあげなければ(そう、リワマヒ国民はあの建物をかっこいい建物だと本気で思っているのである)。  幸いにして、アイドレス1の時にも瓦礫の街となった銀の街を見事復興させた経験がある。その上、みんなで作業にはおいしい弁当がつきものだ。食の国リワマヒ国民、おいしいものが食べられるならたとえ火の中水の中である。 「よーし、みんな! 頑張って復興だー!」 「おー!」 「にゃー!」 「他の国からきた人も協力してくれるっていうから、ついでにスタジアムも作っちゃおうぜー!」 「おー!」 「にゃー!」  そんな風に、リワマヒ国の二度目の国内復興作業は始まったのだった。 /*/ #image(http://eastnw.x0.to/bbs2/img/5096.jpg) /*/ 30608002 サカサコタツ遺構の前は連日大勢の人々により賑わいを見せている。一体どういうわけでこれだけの人が集まるのか? 集まってくる人は、少し前まではそのほとんどが物珍しさから破壊された遺構の様子を見にやってきた観光客であった。冷凍ミカンが飛ぶように売れたのでお店の人はウハウハである。 現在は、復興作業に従事する人々によって活気付いている。ここまで多くの人が働いているのは公共事業だからということもあるが、結局のところは、壊れてる姿よりきちんとした形の方を観光したいよね、という思いがあったからとか。 ついでに言えば夏と冬の祭りをどうするよ?という意見も多かったからである。 さて、人が集まって仕事をするとなれば気になるのはやっぱりご飯である。が、そこはやはりリワマヒ国。「あれは働くために食べてるのか、食べるために働いているのか」とは作業の様子を視察に来た国外関係者のもらした言葉である。 こんな時でも、いやこんな時だからこそ大活躍を見せる我らが「栄光の野戦炊具1号」は、戦争で使われるよりも心なしか嬉しそうに調理しているように見えるのは考えすぎだろうか? *ある文族の手記より一部抜粋 **3.復旧完了 「できたー!!」 「いやぁ、やれば元通りになるもんだなぁ」 「あそこを見んかい!あそこはワシが作ったんじゃ!」 「今まで知らなかったけど、いい場所だな。今度彼女を連れて……ふっふっふ」  ある者は料理を、ある者は杯を片手に騒いでいる。  普段はさほど人が多くないこの場所も、今日に限っては多くの人を集めていた。  リワマヒ国沿岸に位置する臨海地区砲台跡。  共和国天領艦隊による砲撃を受けて見る影もなくなっていたこの場所だが、ついに 復興作業が終わり、記念式典を執り行っているのである。  もっとも、記念式典と言ってもさほど大きな物ではない。  別の場所では復興作業が続いていたし、スタジアムの建設事業も続行中であった。  今ここに集まっている者たちのうち、復興作業に従事した者の大半は今後そちらに 向かうことになっている。  ゆえに、どちらかと言えば休日としての側面が強く、ついでにこんなイベントを やりますから良かったらどうぞ、と言ったものなのであった。  そういった性格のものであったから、藩王によるテープカットと労いの挨拶も そこそこにして、青空宴会に突入している次第である。 「兄ちゃん、呑んでるかね」 「ういっすー、いただいてますよ~」  壮年の西国人の男が、20代後半ほどの南国人の男になみなみと酒を注ぎながら言う。  二人は同じ作業に就いており、その中で何となくだが、特に気が合った者同士だった。 「お疲れ様です、はい、返杯しますよー」 「お、すまんなぁ。んじゃ、ほれ、乾杯」 「はい、かんぱーいっ」  軽く杯をぶつけ、揃って飲み干す。  二人は酒量も通常より少々多め、というレベルで合っていた。 「ぷはーっ、いやぁ、まずはお疲れ様でした。どうでした、ここの作業は?」 「おう。悪くなかったなぁ。ただ、おたくの藩王様は何だって俺らに混じってセメント  なんぞ運んでたんだ?俺ぁあれが藩王様だって知ったの3日後だぞ」  あっはっは、と軽い様子で南国人の男は笑う。  流石だなぁ、つか今も皆にお酌……というか乾杯して回ってるし。  そんな事を考えつつ、その様子を指で示す。 「あーゆー人ですからねぇ」 「わかったような、わからんような……まぁ、いいけどよ」 「つかそれ言ったら俺も一応国の人間なんですけど……」 「それこそどうでもいいな、酒が美味く飲めれば誰でもよ」 「あはは、褒め言葉と思っておきます」  そんな二人の間に、まだ若い南国人の青年がズカズカとやってきて座り込むと、 二人の肩に陽気な様子で手を回す。 「何をまったりしてやがんのさ!せっかくのお祭りだ!楽しくやろうぜ!」  ニッ、と笑った歯が白い。  肩を組まれた男二人は顔を見合わせ、同時に苦く、それでいて楽しげに笑った。 「ほらほら、呑もうぜ!騒ごうぜ!普段は意識してなかった場所だけど、なくなって  みたら結構キちまってさ。そいつが元通りになったら、こんな嬉しいんだ!」 「あっはっは、わかりました。本気で呑みますよ~」 「お前ら、ちゃんとついて来いよ。潰れたら海に放り込んじまうぞ?」 「上等上等!ほらほら、注ぐぜ!乾杯っ!!」  男たちはその後思う存分に呑み、食い、騒いだ。  身分もなく国籍もなく、周囲の者と肩を組み、笑いあい、歌いあう。  それは段々と大きくなり、いつしか全員が大きな輪を組んでいた。  臨海地区砲台跡。  この遺跡がこれまでの歴史上、最も笑いに包まれた日のことである。 }}}
#expand(480){{{ *砲撃被害復旧工事 30608002 #contents() **1.破壊された施設について ***サカサコタツ遺構  リワマヒ国の夏冬の大祭の舞台であり、コタツ布団を逆さにしたような形状をしている遺跡構造物。元の使用方法は不明だが、リワマヒ国の建国当時にはすでにあり、その年の豊作祈願と収穫の感謝を天に祈る祭りが行われている。  食糧供与イベントにおいて会場になるなど、海岸近くにあり土地が平らな為イベント会場としてよく利用されている。  今回は、難民向けの炊き出しをおこなっていたが、リワマヒ国軍の出撃発令により出動しており炊き出しが行われて居なかった為、被害が無かった。 ***臨海地区砲台跡(遺跡)  臨海地区にある砲台跡地。アプロー時代に砲台が据え付けられて居た。公開情報の修正をしていなかったため、砲撃対象となったと思われる。現在では砲は取り外されているが、一部取り付けの土台などが残っていた。  土地の多くは民間に払い下げられおり再開発工事が行われていたが、工事区域で普段は一般人立ち入り禁止となっていて、なおかつ避難勧告が出ていた為幸い被害は無かった。 ***恩賜公園(旧海軍伝習所)  リワマヒ湾に面する公園で普段はリワマヒ国民の憩いの場の一つとなっている。公園敷地内にはかつてはリワマヒ国海軍の伝習所(士官学校)があった。現在は歴史資料館という形で建物の一部が残っていたが、戦時中の為閉館しており、被害が無かった。 **2.復旧に従事する国民の様子  縦に細長いリワマヒ国は、山あり森あり川あり海ありと意外に盛りだくさんな土地柄で、遺跡もけっこう数多くある。いったいいつ誰が作ったのか判らない遺跡がほとんどで、だけど南国人気質満載のリワマヒ国人は、あんまり気にしてない。気にしないまま、ちゃっかり祭祀とか交通とかに利用していたりする。  そんなリワマヒ国で一番有名なサカサコタツ遺構が、なんと先月ぶっ壊されたのだ。はるばる宇宙から攻め込んできた天領共和国の人たちが、超々高度からレーザーをぶっ放してくれたわけだ。天領の人たちにはきっと、あの超巨大建造物が変形して空を飛んだりするように見えたに違いないと、後でリワマヒのみんなは噂したものである。  天から降る光に襲われた場所は、他にも二カ所あった。サカサコタツ遺構にほど近い、砲台跡地。それからリワマヒ湾を挟んで反対側にある恩寵公園である。どういうチョイスかよく判らない。多分砲台跡地はむかーしの砲台(当然使えない)があったから、それが見えたんだろう。公園は、そういえば昔は海軍伝習所だったっけと、老人達の言葉にみんなが手を打った。ま、真相はよく判らない。  とはいえどっちも、出してあった戒厳令のお陰で住人達は避難した後だったから、立ち入ってる人は当然いなかった。施設そのものは派手にぶっ壊されたわけだけれども、人的被害はゼロ。敵が去っていった後で避難場所から這い出してきた国民達は、やー、みんな無事でなによりと、まずそれを祝い合ったのだった。  ひとしきり無事を祝うどんちゃん騒ぎをやらかした後、よっこらせと彼らは立ち上がった。いつまでも、がれきのままにしておくのは忍びない。綺麗な公園は元の綺麗な公園に、砲台跡地は前ののんびりお散歩スペースに、そしてなにで出来ていたかよく判っていないサカサコタツ遺構も、出来るかどうかはともかくあのかっこいいお姿を取り戻してあげなければ(そう、リワマヒ国民はあの建物をかっこいい建物だと本気で思っているのである)。  幸いにして、アイドレス1の時にも瓦礫の街となった銀の街を見事復興させた経験がある。その上、みんなで作業にはおいしい弁当がつきものだ。食の国リワマヒ国民、おいしいものが食べられるならたとえ火の中水の中である。 「よーし、みんな! 頑張って復興だー!」 「おー!」 「にゃー!」 「他の国からきた人も協力してくれるっていうから、ついでにスタジアムも作っちゃおうぜー!」 「おー!」 「にゃー!」  そんな風に、リワマヒ国の二度目の国内復興作業は始まったのだった。 /*/ #image(http://eastnw.x0.to/bbs2/img/5096.jpg) /*/ 30608002 サカサコタツ遺構の前は連日大勢の人々により賑わいを見せている。一体どういうわけでこれだけの人が集まるのか? 集まってくる人は、少し前まではそのほとんどが物珍しさから破壊された遺構の様子を見にやってきた観光客であった。冷凍ミカンが飛ぶように売れたのでお店の人はウハウハである。 現在は、復興作業に従事する人々によって活気付いている。ここまで多くの人が働いているのは公共事業だからということもあるが、結局のところは、壊れてる姿よりきちんとした形の方を観光したいよね、という思いがあったからとか。 ついでに言えば夏と冬の祭りをどうするよ?という意見も多かったからである。 さて、人が集まって仕事をするとなれば気になるのはやっぱりご飯である。が、そこはやはりリワマヒ国。「あれは働くために食べてるのか、食べるために働いているのか」とは作業の様子を視察に来た国外関係者のもらした言葉である。 こんな時でも、いやこんな時だからこそ大活躍を見せる我らが「栄光の野戦炊具1号」は、戦争で使われるよりも心なしか嬉しそうに調理しているように見えるのは考えすぎだろうか?  *ある文族の手記より一部抜粋 **3.復旧完了 「できたー!!」 「いやぁ、やれば元通りになるもんだなぁ」 「あそこを見んかい!あそこはワシが作ったんじゃ!」 「今まで知らなかったけど、いい場所だな。今度彼女を連れて……ふっふっふ」  ある者は料理を、ある者は杯を片手に騒いでいる。  普段はさほど人が多くないこの場所も、今日に限っては多くの人を集めていた。  リワマヒ国沿岸に位置する臨海地区砲台跡。  共和国天領艦隊による砲撃を受けて見る影もなくなっていたこの場所だが、ついに 復興作業が終わり、記念式典を執り行っているのである。  もっとも、記念式典と言ってもさほど大きな物ではない。  別の場所では復興作業が続いていたし、スタジアムの建設事業も続行中であった。  今ここに集まっている者たちのうち、復興作業に従事した者の大半は今後そちらに 向かうことになっている。  ゆえに、どちらかと言えば休日としての側面が強く、ついでにこんなイベントを やりますから良かったらどうぞ、と言ったものなのであった。  そういった性格のものであったから、藩王によるテープカットと労いの挨拶も そこそこにして、青空宴会に突入している次第である。 「兄ちゃん、呑んでるかね」 「ういっすー、いただいてますよ~」  壮年の西国人の男が、20代後半ほどの南国人の男になみなみと酒を注ぎながら言う。  二人は同じ作業に就いており、その中で何となくだが、特に気が合った者同士だった。 「お疲れ様です、はい、返杯しますよー」 「お、すまんなぁ。んじゃ、ほれ、乾杯」 「はい、かんぱーいっ」  軽く杯をぶつけ、揃って飲み干す。  二人は酒量も通常より少々多め、というレベルで合っていた。 「ぷはーっ、いやぁ、まずはお疲れ様でした。どうでした、ここの作業は?」 「おう。悪くなかったなぁ。ただ、おたくの藩王様は何だって俺らに混じってセメント  なんぞ運んでたんだ?俺ぁあれが藩王様だって知ったの3日後だぞ」  あっはっは、と軽い様子で南国人の男は笑う。  流石だなぁ、つか今も皆にお酌……というか乾杯して回ってるし。  そんな事を考えつつ、その様子を指で示す。 「あーゆー人ですからねぇ」 「わかったような、わからんような……まぁ、いいけどよ」 「つかそれ言ったら俺も一応国の人間なんですけど……」 「それこそどうでもいいな、酒が美味く飲めれば誰でもよ」 「あはは、褒め言葉と思っておきます」  そんな二人の間に、まだ若い南国人の青年がズカズカとやってきて座り込むと、 二人の肩に陽気な様子で手を回す。 「何をまったりしてやがんのさ!せっかくのお祭りだ!楽しくやろうぜ!」  ニッ、と笑った歯が白い。  肩を組まれた男二人は顔を見合わせ、同時に苦く、それでいて楽しげに笑った。 「ほらほら、呑もうぜ!騒ごうぜ!普段は意識してなかった場所だけど、なくなって  みたら結構キちまってさ。そいつが元通りになったら、こんな嬉しいんだ!」 「あっはっは、わかりました。本気で呑みますよ~」 「お前ら、ちゃんとついて来いよ。潰れたら海に放り込んじまうぞ?」 「上等上等!ほらほら、注ぐぜ!乾杯っ!!」  男たちはその後思う存分に呑み、食い、騒いだ。  身分もなく国籍もなく、周囲の者と肩を組み、笑いあい、歌いあう。  それは段々と大きくなり、いつしか全員が大きな輪を組んでいた。  臨海地区砲台跡。  この遺跡がこれまでの歴史上、最も笑いに包まれた日のことである。 }}}

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