炊き出し準備(手紙編)
蒼燐は悩んでいた。
彼の目の前には白紙の封筒と便箋が山のように積まれている。
彼の目の前には白紙の封筒と便箋が山のように積まれている。
「ふぅ、やっと3分の1かぁ」
目を横にやると、封がされた封筒も小さい山になっている。
「だんだん手首が痛くなってきたよーーー」
彼は何をやっているのか。
時は少し遡る。
「にゃんにゃん共和国の皆さん、そしてニューワールドに生きる全ての皆さんにお知らせいたします。
私リワマヒ国藩王室賀兼一は、皆様の心をわずかばかりでも癒すため、炊き出し大会を開催いたします。
犬も猫も異邦人も問いません。どうぞお越し下さい。」
――ある日の国営放送での室賀兼一の宣言
私リワマヒ国藩王室賀兼一は、皆様の心をわずかばかりでも癒すため、炊き出し大会を開催いたします。
犬も猫も異邦人も問いません。どうぞお越し下さい。」
――ある日の国営放送での室賀兼一の宣言
この放送の後、蒼燐は藩王から各藩国に食糧の提供協力をお願いする手紙を書くことになったのだが、だが。
「む。むむむ?むむむむむ!」
住所リストを渡された蒼燐はマ行のウ段の音を連発した挙句、黙り込んだ。
住所リストを渡された蒼燐はマ行のウ段の音を連発した挙句、黙り込んだ。
「(しまった、引き受けなきゃ良かった...)」
渡されたリストは長すぎて、床の上まで転がっていた。
「・・・終わるのかな、これ。」
白紙の便箋の山はやっと半分になったばかりだ。