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リワマヒ国探訪記3

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リワマヒ訪問記~命を守る人々編~



リワマヒ訪問記~命を守る人々編~

「医道は仁道也。リワマヒの医師は悲しみと闘うために、武器ではなくメスを選んだ。
42218002 ヒジリバシの陸軍医療大学前にてダムレイ記す」

今日も今日とて、リワマヒ国のおこたの間。 

パタパタと団扇で風を送りながら、ダムレイは名物の冷温コタツで涼んでいる。

目の前には、妹に送るための手紙が置いてある。そして、脇には「疲労回復ビッグバン級!」「1万年の歴史より蘇った伝説の配合!」などという誇大広告気味な栄養剤がおいてある。無職のダムレイと違って、夜遅くまで働く政庁職員にとって栄養剤は必需品だ。

「ん~…」

 こめかみに手を当てて、唸り声をあげている。ネタが思いつかない時のダムレイの癖だった。

 ふと栄養剤に目をやる。

「む、ひらめいた!」

ポンと手を打つと、便せんにガリガリと筆を走らせ始めた。
どうでもいいが、いちいちアクションが古い。

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親愛なる妹へ

 お兄ちゃんは相変わらず元気です。この前コタツで冷やしすぎてちょっとお腹を壊してしまいましたが、薬を飲んでゆっくり寝たらすぐに治りました。

さて、突然ですがクイズです。

「アオダモ」、「シャクヤク」、「ナツメ」、「ベラドンナ」、「オタネニンジン」、「アカヤジオウ」、「シナモン」、「ジギタリス」。

これらが何を指しているかわかりますか?ちょっと難しいかな?

これらは、薬草や生薬と呼ばれるものです。すり潰したり、煮出したりして使います。飲んだり塗ったりすると、痛みを和らげてくれたり、熱を下げてくれたりするんですよ。

お兄ちゃんのお腹の痛みも、この薬草たちから作った漢方薬のおかげですっかりよくなりました。そこで、今日は、先日私がお世話になったリワマヒ国の医療についてお話ししようと思います。

最初の手紙で話しましたが、リワマヒ国の自然はとても豊かな恵みをこの国の人々に与えてくれています。

でもね、あなたも知っている通り、自然というのは実はそういう優しさだけじゃなくて、時には厳しい面も私たちの前に見せることがあります。

毒虫や、毒蛇、ジャングルの奥からやってくる未知の伝染病などは、古代の昔からリワマヒの人々を脅かしていました。

自然の脅威に対して、ある国の人々は、闘おうとしました。ある国では自然から逃げようとしました。

しかし、リワマヒの人々はどちらも選ぶことはありませんでした。自然と対決することなく、自然と対話し、自然を活かすことを選んだのです。

人々は密林の奥へとすすんで行き、植物に関する知識を蓄積していきました。

それは何世代も、何世代も続けられました。今苦しんでいるあの人のために。そして、困難に立ち向かうであろう後の世代のために。

 そうした伝統の知識によって用いられる生薬や漢方薬は、化学的に計算された現代薬学が発展した今でも、この国に脈々と息づいているのです。

 「リワマヒ国といえば?」他の国の人に聞けば、前に話したように「豊かな自然」や「おいしい食べ物」「こたつ」などという言葉が出てきます。

そして、それと同じくらい言われているのが「リワマヒは医療の国」という言葉です。

 リワマヒの医療が発展すると、優しいリワマヒの人々はその力を使って自分たちの国だけじゃなくて、もっとたくさんの人々を救いたいと思うようになりました。

 悲しみのはびこる戦場へ、苦しみが吹き荒れる災害地へ、リワマヒのお医者さんが現れはじめました。

 戦場で疲れ切り倒れた人々に駆け寄り、勇気づけ、もう一度希望に向かって立ち上がる力を与えました。

絶望的な状況に身を投じ、メスを振るって死という名の悲しみに対し、断固として否と言い続けました。

見事に戦った敵の兵にも、わけ隔てなく治療を施し平和への助けとなりました。

時には孤独な状況下で、時には他の国の人々と共に。リワマヒ国のお医者さんたち今でも世界を駆け巡っています。

ところで、そうやって世界中で闘うお医者さんたちがいる一方で、リワマヒ国の中で病気や怪我と闘う人々もいるんです。

「新進派」「科学派」と呼ばれる国内の研究者は、社会の発展とともに、他の国々を参考に猛勉強し、近代的な科学医療の研究をどんどん進めていきました。

「伝統派」「屋外派」と呼ばれる研究者は、密林の多種多様な植物の研究をさらに進め、伝統的な知識は、圧倒的な広がりと確かな根拠を得ました。

これらは対立することなく融合して、近代的な薬や治療器具と、伝統的な生薬・薬草などとを組み合わせて治療を施すリワマヒ式の医療はますます洗練され磨かれて行ったのですよ。

 昔、藩王さまが言いました。画鋲を売ってばらまくよりも、絆創膏をくばる人になりたいと。

お医者さんたちにとって戦いとは、武器をもって相手を傷つけることじゃなくて、一人でも多くの人から悲しみと苦しみを取り除くことなのだなと思います。

 リワマヒ国のお医者さんを見ていると、お医者さんの道は仁の道だという言葉を思い出します。

あなたの周りのお医者さんもきっと、あなたのために、あなたと一緒に戦ってくれているのだろうなと思って少し心強くなりました。

早く元気になってありがとうと言ってあげてください。それが何よりの恩返しなのですから。

 PS
クリスマスプレゼントを買いました。あなたが喜びそうなものをいろいろ探して結局これにしました。サンタさんに届けてもらえるように頼んでおきます。喜んでもらえたらいいのだけど。メリークリスマス。


お兄ちゃんより
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一週間後。

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親愛なるお兄ちゃんへ

クリスマスプレゼントありがとう。すごくうれしかったです。

今年のサンタさんは、あわてんぼうでプレゼントを置きに来た時に、つまづいて転んでいました。すごく大きな音がして本当は起きてしまったのだけど、寝たふりをしておきました。

それが、子供の礼儀ですよね。

今回のお手紙を読んで、私の主治医の先生と薬草についてお話ししました。先生のお知り合いの方が、生薬や漢方薬に詳しいらしく、お願いして今度元気の出る薬を作ってきてださるそうです。

苦いやつお願いするから覚悟してねって言われちゃいました。でも良薬口に苦しという言葉もあるし、苦いほうが聞くのかもしれません。

本当は秘密にしておくつもりだったんだけど、言っちゃいます。

私の将来の夢は、お医者さんになることです。

私も、誰かが悲しんでいるのを止める力が欲しいです。先生や看護師さんが私に優しくしてくれたように、私も人に優しく接することができるお医者さんになりたいです。

今はまだ夢だけど、大人になるまで生きることができたら、私はお医者さんになります。

これはお兄ちゃんだけにしか話していない秘密です。他の人には内緒にしておいてくださいね。

では来年もお手紙楽しみにしています。よいお年を。

妹より
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