とある日の飲み会での会話
(文:東 恭一郎さん)
それはリワマヒという国にいる男の話。
それは晩飯を食べにきた炊き出しの片隅の出来事。
それはアルコールという血で結ばれた兄弟たちの頭の悪い話。
それは晩飯を食べにきた炊き出しの片隅の出来事。
それはアルコールという血で結ばれた兄弟たちの頭の悪い話。

(イラスト:室賀兼一さん)
「まぁ、そんなわけで幸せそうな人たちを見てると、こちらも心があったまるというかですね」
人のよさそうな顔をした彼が、ここの所の「ログ」といううわさ話を話題に持ち出していた。
でも言ってることは本当かもしれないが、本音は他所にあるなと、
付き合いもそれなりに長くなりつつある我等は思うわけである。
でも言ってることは本当かもしれないが、本音は他所にあるなと、
付き合いもそれなりに長くなりつつある我等は思うわけである。
「そうですか。いいですね」
「まぁ、まずは野菜を食え」
「まぁ、まずは野菜を食え」
私たちはまったく話を聞いていない気がするが、事実聞いてない。
ちなみに、野菜を食わすのは、話題がループする場合の常套手段である。
ループし続けるかぎり食わせ飲ませるのだ。
ちなみに、野菜を食わすのは、話題がループする場合の常套手段である。
ループし続けるかぎり食わせ飲ませるのだ。
「いや、本音を言えば、俺も嫁がほしいとかですね」
やっと本音が顔を出し始めたらしい。
隣の芝は青いというやつだなと思う。
隣の芝は青いというやつだなと思う。
「まぁ、充実してますよね」
「もっと野菜を食うといい」
「もっと野菜を食うといい」
後者はまったく聞いていない気がする。
繰り返すが、野菜を食わすのは、話題がループする場合の常套手段である。
ループし続けるかぎり食わせ飲ませるのだ。
繰り返すが、野菜を食わすのは、話題がループする場合の常套手段である。
ループし続けるかぎり食わせ飲ませるのだ。
「あの人には幸せになってほしいんですよね」
「そうですねぇ」
「幸あわせ死すればいいのに」
「それどんな死に方ですか」
「そうですねぇ」
「幸あわせ死すればいいのに」
「それどんな死に方ですか」
だめな会話が、朝まで繰り返されようとしていた