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とっても嫌な聞き間違い - (2008/06/28 (土) 16:43:19) のソース
**とっても嫌な聞き間違い ◆d.NbLKVxEc 耳をつんざく轟音に、T-800は歩みを止めて振り返り、空を見上げる。 夜空に咲くそれは、爆発という名の鮮やかな花であった。 直ぐに散って消えていくそれを見つめながら、T-800は思考する。 巨大な雷音を確認。だが天候の変化は確認できない。 戦闘が発生した可能性は極大。雷音は参加者の能力、あるいは支給品によって引き起こされたものだと思われる。 発生源は近い、今からならこの雷音を引き起こした当本人に接触できる可能性大。 殺しあいに乗った危険人物である可能性50%、同時に殺し合いには乗らず反抗の意思を持った人物である可能性50%。…現状では情報不足、判別は不可能。 現状の確認 T-1000と思われるドラスの追撃、および破壊。 追撃に必要な乗り物(バイクが望ましい)の調達。 スバルの仲間を見つけ合流。 以上の事から乗り物の調達と、参加者への接触どちらを優先させるべきか。 思案の結果、T-800は西に歩みを進めた。 T-1000との戦闘になれば、現在のT-800の武装では決定打を与える事が出来ず、苦戦することは必至である。 さらにドラスがT-1000であった場合、事と次第によってはスバルとタチコマも、同時に相手にしなくてはいけない可能もあるのだ。 このまま単独行動を続けるよりも、協力者を見つけ自分の戦力を上げる必要がある。 先程の雷と思われる攻撃手段。参加者の能力か支給品かは分らないが、威力を見るならT-1000にも十分なダメージを与える事ができるだろう。 自分と協力関係を結べたら、戦力の大幅な上昇が見込める上に、T-1000に対しての勝率も上昇する。 もし危険人物であった場合でも問題はない。排除するだけである。 排除する際にこちらが損傷する可能性もあるが、それは承知の上だ。 放置する事によって弱者が狩られ、相手が装備を充実させた後で戦闘する事になる危険性を考えれば、今の内に潰しておくに限る。 T-800が歩を進めていると、西からエンジン音が聞こえてくる。 何者かがバイクでこちらに向かってくるのが見えてきた。 T-800は相手が危険人物であった場合、出来る限りバイクを破壊しない様戦闘する事を、思考の隅に置きながら相手の様子を伺う。 そこで不意に、バイクが蛇行を開始したかと思うと、そのまま転倒してしまった。 バイクに乗っていた人物は、そのまま投げ出されて雪原の上に転がる。 T-800はコルトS.A.Aを抜き、警戒しながら近づいて行く。 バイクに乗っていた人物は男で、幾つか傷が見られた。 しかし、死の危険がある様な大きな傷はなく、現在も何かしらの原因で気絶いている様であった。 T-800は、男が完全に気絶している事を確認した後、男をどうするか思案した。 放置。ただし、バイク及び支給品は貰っていく。 安全策を取るならこれが一番である。今のうちに相手のPDAから,支給品のIDをこちらのPDAに移しておけば、再転送の心配もない。 しかしこれは却下である。この男が殺しあいに乗っていなかった場合、貴重な協力者を一人失う事になるかもしれない。 殺しあいに乗っているかどうかは、50:50。情報不足を再確認。 当初の予定道理、殺しあいに乗っていなければ協力関係を結び、乗っていたら排除する。 その方針で行くしかないようだ。 T-800は男の懐を探り、PDAを取り出すと支給品のIDの転送を始める。 もし男危険人物であった時の保険である。 しかし、バイク以外に目ぼしい物はなかった。 そのままPDAを操作してマップを開く。 「…現在地確認。民家を目指して北上する」 T-800は男を担ぐと、バイクに跨り民家を目指して北上した。 その後、何事もなく民家までたどり着くと、中に誰も居ないのを確認してから男を運びこんだ。 民家の寝室に男を寝かせたT-800は、彼の衣服を脱がしていく。 T-800に何もやましい気持ちはない。 単純に身体的特徴から、男の能力を推し量ろうとしただけである。 男がこの殺しあいに乗っているのかどうか、T-800には現状で判断するすべがない。 その為、もし戦闘になったらと、考えての行為だった。 その結果、腹部の刺し傷とベルト、両腕のコイルアームの存在を知った。 コイルアームは常に帯電しており、迂闊に触れれば危険である。 しかし、コイルアームの存在から、先程の戦闘と思われるものに目の前の男がかかわっており、あの雷もこの男自身の能力だと推測できた。 次にベルトの方に目がいくが、こちらの方はよくわからなかった。 最後に出血した跡がある、腹部の刺し傷。 出血という事実から、男が完全機械のロボットではなく、生体部品のあるサイボークと推測できる。 T-800は救急箱を探す事にした。 人間用の救急箱が、サイボークの治療にどれほど役に立つかと言われたら、あまり効果がないと考えるのが普通だろう。 しかし、生体部品を持ったサイボークには、気休め位にはなる筈である。 どの道現状で男が起きるまでは、T-800にやる事はないのだ。 この先使用する事が無いとも限らないので、時間つぶしも兼ねT-800は救急箱を探しに部屋を出た、男の服装をそのままにして。 しばらく救急箱を探してみたが、見つからなかったので一度部屋に戻る事にした。 部屋に戻ると、男が意識を取り戻していた。 少々目が虚ろな所を見ると、まだ意識がはっきりしていない様だ。 試しに、T-800は男に声をかけてみる。 無論、男がいきなり襲いかかっても対応出来るよう、警戒は怠らない。 「どうやら気がついた様だな。…おい、こちらの声が聞こえるか?」 すると、男は少し間をおいて目を見開き、体を起こしこちらを見てくる。 心なしか男は青ざめ、表情が引き攣っている様にT-800は思えた。 返答が無いので、T-800は少し近づいてみた。 その途端。 「俺に近づくんじぁねぇぇ!!」 男が絶叫を上げた。 その言葉を聞き、T-800は自分が極度に警戒されていると判断した。 男はおそらくとても警戒心高い人物か、疑心暗鬼に陥っているのかどちらかだろう。 このままでは、戦闘に陥るかもしれない。 この人物が殺しあいに乗っているなら、破壊する事躊躇いはない。 だが乗っていないなら、男の能力は惜しい。 どうやって落ち着かせるか、T-800は思考する。 そもそも男が何故、これ程までに自分を警戒しているのか、それを理解できていないが、T-800は自分の使命を果たす為、思考を続ける。 茂の意識は深いまどろみの中を漂っていた。 (ここはどこだ?俺は確か…) 重度の疲労からくる意識の混濁の中、とうとう限界を超え意識が落ち、雪原に投げ出されたはずである。 しかし、今茂の肌に雪の冷たさは無く、感じるのは柔らかい布の感触。 恐らくは自分は今、ベッドに寝かされている。 (誰だか知れねぇが感謝しねぇとな) 意識を失った自分を、わざわざここまで運んできてくれたのだ。 運んでくれた相手は危険人物ではないのだろう。 もし、意識を失ったまま危険人物と遭遇したら、いくら茂でも死亡は必至である。 扉が開き、何者かがこの部屋に入ってくる音がする。 おそらく自分を運んだ人物だろう。 茂は体を起こそうとするが、あまり力が入らない。 どうやら疲労はあまり回復していない様だ、まだまだ体が重い。 しかし、疲労で意識が落ちそうになるほどでは無くなっている。 半覚醒状態の意識の中、その人物の声が茂の耳に届いた。 「**やら*******な***い***********か?」 (―今こいつ何って言った?) 茂の意識が急速に覚醒していく。 (やらないか?…ヤラナイカ?って言いやがったのかこいつ。じゃあ何かこいつは俺の―) 無理やり体起こして相手を見る。 筋骨隆々とした、逞しい体格の西洋人が其処には居た。 少し思考が混乱しだした茂の瞳には、T-800はガチムチのホモ野郎と映ってしまった。 思考の混乱は加速していく。 茂は確信する、相手は危険人物だ、間違いがない。自分を殺さなかったのは、殺し合いに乗っていなかったからではない。自分が男だったからだ。やつは俺の身体を狙っている。 だからご丁寧に自分をベッドの上に寝かせていたのだ、すぐにでも事に及べる様に。 しかも、いつの間にか自分の上半身は裸になっている。 それが決定的であった。 茂は恐怖した。幾度も死線を乗り越えてきた茂が、間違いなく恐怖していた。 それは未曾有の恐怖だった。 命の危機。そんなものは今までに何度も訪れ、その度に乗り越えてきた。 しかし、自分の貞操の危機、そんなものは初めてだ。 しかも狙ってくるのはガチムチのホモ野郎。 普段の自分なら、そんな馬鹿野郎は問題なく叩きのめせるだろう。 しかし、今の茂はチャージアップの反動で、重度の疲労に陥りまともに体を動かせない。 (このままじゃ、犯られる?) 不意に眼の前の男がこちらに向かって歩き出した。 「俺に近づくんじぁねぇぇ!!」 茂はあらん限りの声で絶叫した。 【B-3 民家/一日目・早朝】 【T-800@ターミネーター2】 [状態]:健康 [装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6) [道具]:支給品一式、コルトS.A.Aの弾丸(30/30発)、テントロー@仮面ライダーSPIRITS [思考・状況] 基本思考:シグマを打ち倒して殺し合いを破壊し、本来の任務に戻る。 その為に仲間を集める、殺し合いに乗る者には容赦しない。 1:目の前の男を落ち着かせる。 2:街を目指して南下する。 3:スバルと合流する。 4:スバルの仲間(ギンガ、チンク、ノーヴェ)を見つけ、合流する 5:T-1000の破壊 6:ドラスをT-1000でないか、疑っている。 ※本編開始直後からの参加です。 ※スバルに、ボブと呼ばれています。 ※ライダースーツのナックルとその弾丸は、スバルに手渡されました。 ※スバルの住む世界、魔法、ギンガ、チンク、ノーヴェに関する情報を得ました。 ※シグマの背後にはスカイネットがいて、スカイネットの妨害行為によって 自分はこの場に連れてこられたのではと考えられています。 【城茂@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:腹部に刺し傷、左肩に火傷、全身に小ダメージ、重度の疲労 上半身裸 [装備]:なし [道具]:支給品一式 [思考・状況] 基本:殺し合いを潰す 1:目の前のホモ野郎をどうにかする。 2:本郷猛、風見志郎、神敬介と合流する 3:チンクと呼ばれた少女に会い、保護する 4:全部終わったらセインのちゃんとした墓を作る ※参加時期は仮面ライダーSPIRITS本編開始前より ※制限は攻撃の威力制限、回復速度制限です ※チャージアップに課せられた制限は効果時間短縮、および使用後の疲労増大です ※自身にかけられた制限(威力制限・チャージアップ制限)には気がつきました *時系列順で読む Back:[[衝撃的な出会い]] Next:[[想い人は復讐者?]] *投下順で読む Back:[[決意をこの胸に――(後編)]] Next:[[想い人は復讐者?]] |050:[[狂えし少女は何思う]]|城茂|080:[[エンカウント]]| |044:[[善意と悪意の行方]]|T-800|080:[[エンカウント]]|