ロボ・サイボーグキャラ バトルロワイアルまとめwiki内検索 / 「なくすものがないぼくたち」で検索した結果
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なくすものがないぼくたち(前編)
なくすものがないぼくたち(前編) ◆npj8TUxVrE コロニーとコロニーを結ぶ幹線道路を、一騎の単車が駆ける。 サイクロン号を駆るのは風見志郎、又の名を仮面ライダーV3。 後部座席には銀髪隻眼の少女を乗せて。 二人とも寡黙なせいか、必要最低限の情報を交換した後は会話はない。 周囲に目を光らせつつ、ただ、黙々と進む。 ふと、少女の視線が前方、道路の真ん中に立ち尽くす人の姿を捕らえた。 「……カザミ」 隻眼の少女、チンクが注意を促す。 志郎は無言で頷いた。 とっくに気付いていたらしい。 そのまま真っ直ぐ人影の方へ走らせる。 近付くにつれ、姿がはっきりとしてくる。 巨躯の男/灰色の短髪/のっぺりとした白い顔/右手には巨大な拳銃。 向こうも既に、近付くバイクの存在に気付いているだろう。 拳銃をこちらに向けてはいないことから、とりあえず交戦の意思は... -
なくすものがないぼくたち
なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE コロニーとコロニーを結ぶ幹線道路を、一騎の単車が駆ける。 サイクロン号を駆るのは風見志郎、又の名を仮面ライダーV3。 後部座席には銀髪隻眼の少女を乗せて。 二人とも寡黙なせいか、必要最低限の情報を交換した後は会話はない。 周囲に目を光らせつつ、ただ、黙々と進む。 ふと、少女の視線が前方、道路の真ん中に立ち尽くす人の姿を捕らえた。 「……カザミ」 隻眼の少女、チンクが注意を促す。 志郎は無言で頷いた。 とっくに気付いていたらしい。 そのまま真っ直ぐ人影の方へ走らせる。 近付くにつれ、姿がはっきりとしてくる。 巨躯の男/灰色の短髪/のっぺりとした白い顔/右手には巨大な拳銃。 向こうも既に、近付くバイクの存在に気付いているだろう。 拳銃をこちらに向けてはいないことから、とりあえず交戦の意思は無いもの... -
なくすものがないぼくたち(後編)
なくすものがないぼくたち(後編) ◆npj8TUxVrE ■ V3は覚醒する。 気を失っていたのは一秒にも満たない。 その間に振り上げられた銃底が、再びV3の眉間に振り下ろされようとしている。 V3は右拳でそれを受け止めた。 傷口が更に抉れ、血液が迸るが気にはならない。 それよりも、心が痛い。 目の前の男は、悪などではなかった。 ただ、空虚なだけだった。 V3は泣いていた。 正義を失い、悪に堕ちることもできず、自分を空っぽにするしかなかった同胞を想って。 複眼から血の様な涙を流していた。 ボイルドの拳を通してV3は感じ取った。 彼がかつて抱いた醜い妄想を。 良心が炸裂する爆心地を望む心を。 その矛盾に苦しむ魂を。 V3は僅かながらそれらを自分のものとして共感したのだ。 だからこそボイルドの拳はV3の胸に響いた。 だからこそV3はボイルドを倒さな... -
◆npj8TUxVrE
◆npj8TUxVrE 氏が執筆した作品 034 なくすものがないぼくたち(前編) なくすものがないぼくたち(後編) 氏が登場させしたキャラクター 1回 風見志郎、チンク、ディムズデイル・ボイルド コメント 名前 コメント -
【000~050】
...T-800 035 なくすものがないぼくたち(前編)なくすものがないぼくたち(後編) ◆npj8TUxVrE F-4 道路 黎明 風見志郎、チンク、ボイルド 036 不幸運ぶ黄金の風 ◆V9YQ4knn.A E-3 道路 黎明 ルドル・フォン・シュトロハイム、則巻アラレ 037 Kokoro ◆qRv35OWHJE B-7 都庁風ビル東棟・低層階 黎明 KOS-MOS、ゲジヒト、ルーン・バロット 038 モバイル・レディ ◆2kGkudiwr6 E-7、F-6、E-6 森林 黎明 クロ、広川武美、灰原、ギンガ・ナカジマ 039 君の歌声に誘われて ◆c92qFeyVpE B-6 住宅地 黎明 ミー、初音ミク 040 塗り潰された『PLUCK』 ◆hqLsjDR84w C-4(中央) 路上 黎明 神敬介 041 真夜中のサーカス ◆qRv35OWHJE E-5飛行場・道路、F-5西部... -
充実した人生を
...・ボイルド 035 なくすものがないぼくたち(前編) -
A/B LIVED
... 035 なくすものがないぼくたち(後編) チンク 044 DEVIL A/Beginning 035 なくすものがないぼくたち(後編) 風見志郎 044 DEVIL A/Beginning 035 なくすものがないぼくたち(後編) ディムズディル・ボイルド 044 DEVIL A/Beginning 034 善意と悪意の行方 スバル・ナカジマ 044 DEVIL A/Beginning 034 善意と悪意の行方 タチコマ 044 DEVIL A/Beginning 034 善意と悪意の行方 ドラス 044 DEVIL A/Beginning -
【深夜~早朝】
...・ナカジマ 035 なくすものがないぼくたち(前編)なくすものがないぼくたち(後編) ◆npj8TUxVrE F-4 道路 風見志郎、チンク、ボイルド 036 不幸運ぶ黄金の風 ◆V9YQ4knn.A E-3 道路 ルドル・フォン・シュトロハイム、則巻アラレ 037 Kokoro ◆qRv35OWHJE B-7 都庁風ビル東棟・低層階 KOS-MOS、ゲジヒト、ルーン・バロット 038 モバイル・レディ ◆2kGkudiwr6 E-7、F-6、E-6 森林 クロ、広川武美、灰原、ギンガ・ナカジマ 039 君の歌声に誘われて ◆c92qFeyVpE B-6 住宅地 ミー、初音ミク 040 塗り潰された『PLUCK』 ◆hqLsjDR84w C-4(中央) 路上 神敬介 041 真夜中のサーカス ◆qRv35OWHJE E-5飛行場・道路、F-5西部 コロンビーヌ、セリオ、グレイ・フォッ... -
な
なくすものがないぼくたち(前編) ◆npj8TUxVrE コロニーとコロニーを結ぶ幹線道路を、一騎の単車が駆ける。 サイクロン号を駆るのは風見志郎、又の名を仮面ライダーV3。 後部座席には銀髪隻眼の少女を乗せて。 二人とも寡黙なせいか、必要最低限の情報を交換した後は会話はない。 周囲に目を光らせつつ、ただ、黙々と進む。 ふと、少女の視線が前方、道路の真ん中に立ち尽くす人の姿を捕らえた。 「……カザミ」 隻眼の少女、チンクが注意を促す。 志郎は無言で頷いた。 とっくに気付いていたらしい。 そのまま真っ直ぐ人影の方へ走らせる。 近付くにつれ、姿がはっきりとしてくる。 巨躯の男/灰色の短髪/のっぺりとした白い顔/右手には巨大な拳銃。 向こうも既に、近付くバイクの存在に気付いているだろう。 拳銃をこちらに向けてはいないことから、とりあえず交戦の意思は... -
不幸運ぶ黄金の風
...で読む Back なくすものがないぼくたち(後編) Next Kokoro 投下順で読む Back なくすものがないぼくたち(後編) Next Kokoro 024 んちゃ! メガトロンだよ! 則巻アラレ GAME OVER 003 ?カルナ足発盟同国三伊独日 ルドル・フォン・シュトロハイム GAME OVER -
善意と悪意の行方
...その胸に Next なくすものがないぼくたち(前編) 投下順で読む Back 怒れ鋼のサイボーグ!勇気と魂をその胸に Next なくすものがないぼくたち(前編) 032 闇の中のX タチコマ 044 A/B LIVED 032 潜行する魔神 ドラス 044 A/B LIVED 032 それは唐突な出会いだった スバル・ナカジマ 044 A/B LIVED 032 それは唐突な出会いだった T-800 053 とっても嫌な聞き間違い -
赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅
...グ チンク 035 なくすものがないぼくたち(前編) GAME START 風見志郎 035 なくすものがないぼくたち(前編) -
人間でない者たち/されど、人間だった者たち
人間でない者たち/されど、人間だった者たち ◆2Y1mqYSsQ. コロンビーヌの脅威的な力を目撃したグレイ・フォックスに、強烈な感情が胸を駆け巡る。 戦場を幾多も潜り抜け、初めて目にする脅威的な力。圧倒的な戦闘能力。 あの機械人形、コロンビーヌだけが特別だとは思えない。 この壊しあいに参加した者は、何らかの力を持っていると考えて良い。 だからこそ、グレイ・フォックスは身体を震わせていた。 そう、歓喜によって。 「あのような連中がいるとは……俺はあいつらと戦うために、蘇ったのか」 グレイ・フォックスは戦いでしか生を実感できない男だ。 若い頃は罪悪感から自ら孤児にした少女、ナオミ・ハンターを保護し、育てたこともあった。 兄と慕う彼女の瞳に苦しめられたこともある。 あの瞳に射貫かれたくなかったこともあり、ナオミの元から離れた。 戦いの無い日々も... -
北西からの声
北西からの声 ◆2Y1mqYSsQ. 「えらく仰々しい基地だな」 「まったくねぇ。ここで何をさせようというのかしら?」 停止したゲートを前にして、二人は巨大な基地の感想を述べる。入り口が大きく、明らかにメガトロンのサイズを想定されている建物だった。 場合によっては通路を破壊して進まねばならない、と考えていたメガトロンにとっては幸運であるのだが。 もしもメガトロンが参加者で一番体格が大きいとするのなら、この基地は誰でも入れるようメガトロンのサイズに合わせてあるのだろう。 いや、この基地だけではない。考えてみれば、修理工場にしろ、シャトル発射基地にしろ、メガトロンが余裕で通れるサイズであった。 スタートがランダムで決められているとすれば妥当なのだろうが、コロンビーヌのサイズが多いこのバトルロイヤルでは珍しいともいえる。 「ま、ここで燻ったってしょうがないから、先進... -
死体を前に、灰原は問う
死体を前に、灰原は問う ◆2Y1mqYSsQ. 「死体か」 紫色に染まる空のもと、静かに呟く男が一人。 視界を遮るほど生え並ぶ樹林の中に、サイボーグと思わしき死体が一つ。 空港へと向かう途中に発見し、灰原は身をかがめて周囲の状況を確認しているのだ。 茶の髪をなびかせて、何かのユニフォームらしき赤い衣服を着て、黄色いマフラーをなびかせている。 身体調査をしたところ、奥歯の裏側に何かのスイッチらしきものが見える。 そのスイッチが何をもたらしたのか、このサイボーグの青年が壊しあいの舞台を壊す戦力になったのか、灰原には知るよしもない。 しかし、死人は死人。 この殺し合いには役には立たない。あくまでも、何かしら残したものがないか、それが自分に活用できるものか、知るための調査だ。 結果としては芳しくない。隣に眠るロボット――いや、自動人形(オートマータ)と... -
友情合体! 仮面ライダーネコミミ一号!!
コメント 超絶画力でなんという吹き出すものをwwwwww -- 名無しさん (2009-03-25 02 01 12) カッコイイのか面白いのか、判断に困るww いや、オモシロカッコイイでいいかwww -- 名無しさん (2009-03-27 00 20 55) 村雨「…ライダーの仮面には耳部品がないから、耳が四つにならないでよかったですよね」 -- 名無しさん (2009-03-27 14 11 57) 風見・茂「ぐうおおおおおおおおっ!!」 -- 名無しさん (2009-03-27 14 12 22) 笑うに笑えない二人の(表情筋と腹筋の)ダメージ限界値… まで受信したwww -- 名無しさん (2009-03-27 14 12 36) ゲッター自重w -- 名無しさん (2009-03-31 09 51 11) なんというか、もう、面白い、カッ... -
幕裏
幕裏 ◆hqLsjDR84w 最後の演目まで終わり、暗転していた劇場へと光が灯る。 続いて、真っ赤なカーテンが舞台に下りていく。 終盤の思いがけない展開に呆気に取られていた観衆たちは、真紅が視界に入り込んでやっと閉幕を理解し始める。 徐々に客席から立ち上がる者が現れ、カーテンが下りきった頃には全員が椅子から腰を上げていた。 ちらほらと鳴り出した拍手は万雷に、感極まった数人があげた歓声は広まり怒号に、秒にも満たぬ間にその名を変えていく。 ◇ ◇ ◇ エピローグ 「幕裏」 ◇ ◇ ◇ 大気を震わすほどの喝采もやがてやみ、観衆たちは荷物を纏めだす。 ある者は心を打った場面を胸中で噛み締めながら、またある者はクライマックスについて同行者と語りながら、劇場を後にする。 そろそろ人の動きがなくな... -
最終回(3)
『』(3) ◆2Y1mqYSsQ. □ 「あああちょ――――!!」 「くっ!」 甲高いブルース・リーの声真似をしながらメガトロンは拳のラッシュをゼロに叩き込む。 ゼロは隻腕で避けきないようで、メガトロンは重い一撃を腹に喰らわせた。 メガトロンは追撃を開始、丸太のように太い足を叩き込む。 Σブレードに防御され、思わずメガトロンは舌打ちをした。 瞬時に足を下ろし、身体を回転させながら裏拳をゼロの顔面に打ち込む。 「あたっ!」 「ぐっ……」 勢いよく吹き飛んだゼロは地面に叩きつけられる。 終りか? とメガトロンは観察するが、Σブレードを杖代わりに立ち上がるゼロを見てやっぱそうはいかないよな、と思った。 「どうした? ゼロ」 「どういう意味だ」 肩で息をするゼロはΣブレードを正眼に構えてメガトロンを見据えてくる。 声をかけるのは確実に勝て... -
その心、誰も覗かない
その心、誰も覗かない ◆hqLsjDR84w サイドマシーンという名の黄色い車を駆るサブロー。 アクセルを捻る右手に篭めた力の分だけ、生暖かい風が彼の全身に降り注ぐ。 黄色いマフラーは音を立てて激しくなびき、ゴーグルで押さえ込まれているとはいえ髪も軽く乱れている。 バイクを高速で走らせるのを好む人種の中には、風を切る感覚がたまらなく心地よいという者が多い。 だが、現在のサブローはそんなものに身を委ねてはいない。 決して、その手の感覚を捉えることができないワケではない。 内蔵された触感制御装置により、風の心地よさを感じることは可能だ。 実際、この地に呼び出されてからも幾度か感じ取っている。 ただ現状では、それ以上に彼の心を支配するものがあるだけだ。 その正体は、いったい何なのか。 サブローを激しく拒絶したドラスも、長く同行していたフランシー... -
マクガフィン
マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ. 「ハカセ、やっぱり手がかりなし」 「そうか、もうちょっとだけ頑張ろう、コタロー君。せっかくT-800さんも協力してくれるんだし」 タマゴのように丸い中年の、どこか薄汚れた男が、黒猫のスーツを全身にまとう少年へと返答した。 白衣を着けた丸い中年を剛万太郎、黒猫のスーツを着けた少年をコタローと呼ぶ。 「こちらが残された平行世界移動装置が使われた履歴です。剛博士」 「ああ、ありがとう。……ところでマタタビ君はどこだ?」 「ハカセ、マタタビ君ならターミネーターさんたちのもてなしを受けてダラダラしているよ」 「だらしがないなー。ごめんね、T-800さん」 「いえ、お気にせずに。スカイネットより、もはや“唯一”の人間であるあなた方に協力するよう伝えられていますから」 T-800の言葉に剛は周囲を確認する。道をいき... -
煮え切らない
煮え切らない ◆2Y1mqYSsQ. 素子が発電所という施設を始めてみたときは、古めかしい建物だという印象を抱いた。 発電機を守る頑丈な作りが、施設である冷たい印象をより強める。所々汚れており、コロニー内で作られた建物にしては年季を感じさせた。 入り口に当たる自動ドアの周りにトラップが仕掛けられていないか、注意深く観察する。爆発物や警報機の類が仕掛けられている様子はない。 素子がドアへと近づくと、センサーが反応してドアが開く。すんなり内部に入り込めたが警戒は緩めない。 内部に侵入してすぐの部屋は受付カウンターに待合用椅子と、発電所というよりは病院のロビーが近い印象だった。 受付所を超え、奥の発電装置へとつながる廊下を進んでいく。素子が先へと進む途中、ドアが開いたままの部屋を発見する。 刹那の間、素子は思考した。支給された道具に銃はない。使えそうな銃があったの... -
潜行する魔神
潜行する魔神 ◆dol7ALuruQ 『ふうん……これは雪かな? ここが会場なんだね。』 2m前後の巨躯を確かめるように動かしながら、異形が呟いた。 銀色のボディ。赤い瞳。全体像は人型に近かったが、細部が違う。 肩からは角のようなものがせり出し、銀色の尾を持っている。 握ったり開いたりを繰り返す手には、人間の瞳のようなものがついていた。 『それにしても面白そうな……そうだな……そう、[ゲーム]だね。』 その名はドラス。あらゆる生命体を超越した生命体であり、金属を統べる者。 ヒトが神を目指して生み出した、生命を冒涜する存在だった。 かつて敗れ、消滅したはずの体を取り戻し、ドラスははしゃぐように体を動かす。 よみがえったばかりか、核を覆う超硬度の液体金属の鎧まで彼には与えられていた。 森の中を影が走る。 ウォーミングアップにはいささか激しい調... -
閉幕と始まり3
閉幕と始まり3 ◆2Y1mqYSsQ. □ 再び、舞台は宇宙要塞へと戻る。 放送を二十分前に控え、シグマは玉座にてモニターを見つめていた。 イーグリードも現在行われる激闘に胸を痛めているのであろう。放送のたびに、苦痛の表情を浮かべていた。 やがて放送用のデータファイルをまとめていると、緊急回線に通信が入ってきた。 「どうしますか? シグマ隊長」 「構わん。つなげ」 シグマの指示に乗っ取り、イーグリードがパネルを操作した。 モニターには金髪の白人が映り、必死の形相でシグマへと懇願してくる。 『シグマ、手を貸してくれ! こちらの世界へ向かうロックを解く! 急にスカイネットが……』 「ほう、スカイネットが反乱を起こしたのか。過去と同じく」 シグマはその言葉を聞き、静かに肩を揺らして低く笑った。 モニター越しの相手は訝しげにシグマを見ている。 ... -
大切なものを喪う悲しみ(中編)
大切なものを喪う悲しみ(中編) ◆hqLsjDR84w ■ やっと目的地に到着したか。 本調子ならばこんなに時間はかからなかったのだが、放送前に着いただけマシか。 哮天犬から降りて、義手の具合を確かめる。……やはり、普段と変わりなく動く。 それだけ確認して、哮天犬を腰紐の結び目に収納し、探知機をPDAに戻す。 探知機に映し出されていた光点の数は、五つ。 そして差こそあれど、その全てからなかなか強いにおいがする。 身体の修復を優先していたが、この場にいるのだったら仕方がない。 全員と戦い、俺の力を確かめるまで。 右腕にカセットを差し込み、近接戦闘用武器に変形させる。 そして、そのままにおいのする場所から少しズレた場所を殴り付ける。 不意打ちで相手を瓦礫に押し潰させて勝利など、つまらなすぎる。 右腕はいらん傷がついても困... -
あなたはここにいますか? 前編
あなたはここにいますか? 前編 ◆2Y1mqYSsQ. 本郷たちがバイクによって轍を作り、雪原を越えていって数分経つ。 そろそろいいか、とT-800は判断して立ち上がった。白一面の雪景色の中、雪が盛り上がって人が姿を現す。 T-800は本郷たちと合流をよしとせず、スバルの死体から通り道になるだろう位置で雪の中へと潜んでいたのだ。 駆動音を徹底的に沈め、熱も雪に冷やし探知しにくくしていた。すぐ近くで話し込むのは意外であったが、真実を知るという収穫はあった。 「スカイネットは人間に負けた……」 T-800に感情はない。聞かされた真実に思うところなどなかった。 人間を抹殺する使命を持つT-800にとっては人間が身勝手であろうとなかろうと、知ったことではない。 しかし、現在T-800はCPUに走るノイズを無視できなくなっていた。 (ノイズが強くなってくる。これ... -
大切なものを喪う悲しみ(後編)
大切なものを喪う悲しみ(後編) ◆hqLsjDR84w ■ 「――と、以上だな。 これで、凱とゼロ、そしてお前と別れた後の私のことも話し終えたことになるな。」 「敬介は、ゼロにまで襲い掛かっていたとはな……アイツ……ッ!」 一時集まっていた部屋に戻り、道具を回収。 その後、己がいない間に交わされた情報交換の内容を、風見はチンクから聞いていた。 全てが終わり、最初に吐き出された感想はやはり暴走する後輩のこと。 知らず、チンクの表情も強張る。 また、風見の興味を引く事態が他にも存在した。 「それにしても……スバル・ナカジマは、お前の仲間ではなかったのか?」 「分からん。凱やゼロのいた世界では、レプリロイドや人間の人格を破綻させる道具があるらしいが……その仕業かは不明だ」 そんなものが支給されているのだろうか? 風見は思案す... -
仮面のはがれた殺人機械
仮面のはがれた殺人機械 ◆2Y1mqYSsQ. 先ほどまで風が荒れ狂っていた工業地帯のコロニーも、徐々に静寂を取り戻していった。 風見志郎がもたらした被害は莫大である。風見によってあけられた穴には莫大な熱量がくすぶり続けていた。 隔壁の内側、真っ赤になっているコロニーの壁は風見の生命の残り火を残し続けている。 そんな激戦が続けられたコロニーに足を踏み入れるものがいた。 白い強化アーマーに身を包み、背中から二本のスリットを伸ばした男。 エックス、未知の可能性の名をもらい受けた彼は修理工場を目指して、工場地帯コロニーへとやって来たのだ。 激闘の跡が色濃く残る周囲の情景に、ロックマンの埋葬を終えたエックスの瞳は怒りを増幅させていく。 (ここでもイレギュラーどもによる争いがあったんだ……それでロックマンのような犠牲が……ッ!) エックスの身体に憎悪の炎が駆け巡り... -
鬼【イレギュラー】(中編)
鬼【イレギュラー】(中編) ◆2Y1mqYSsQ. □ あ~るのマイペースに振り回されながらも、エックスとソルティはTV局内を出た。 その理由は、室内で争った跡があったからだ。エックスの提案で、ここには留まらず、シャトル基地にあ~るも連れて行くこととなった。 壁を降りて、少し進んだ後、彼らは発見をしてしまう。誰かが埋まった跡を。 「これは……」 エックスの動悸が早くなる。認めたくはないが、すでに十体のレプリロイドが破壊されているのだ。 認めざるを得ない。 「あれ?」 あ~るが間抜けな声と共に、墓を掘り起こす。止めるように言う前に、あ~るは墓を掘り起こしきった。 元々それほど深くなかったのと、あ~るがアンドロイドらしく怪力を発揮したから、早くもその死体の姿を見せた。 「そんな……」 ソルティが銃弾で穿たれた女性の死体に、目を逸らす。緑の長髪を... -
閉幕と始まり1
閉幕と始まり1 ◆2Y1mqYSsQ. 暗闇の中で、ゆったりとした服装の男が両腕を広げる。 頭頂部で二つの房に別れた帽子。白いメイク。大きな赤い鼻。ゆったりとしたズボン。 トランプのジョーカーの絵柄に描かれるような、ピエロが待ち受けていたかのように挨拶をした。 「『ロボ・サイボーグキャラ・バトルロワイアル』ご来場の皆様、因縁が歯車、情念が発条(ぜんまい)を回す不思議なサーカスへようこそ」 ピエロが滑稽な動きで、スポットライトを浴びながらお辞儀をしてきた。 そのまま彼の右手にある古いテレビに、一人の男が映る。 「シグマ。この演目の主催にして、最後の男。しかし、彼が彩る番組には不自然な点がいくつもあります」 そういい、ピエロがくるりと一回転。右手にはいつの間にか持ったのか、テキオー灯を愉快な仕草で見せ始めた。 もう一つ、沈黙していたテレビの画面に宇宙空間に浮... -
しゃべるの得意じゃないけど
しゃべるの得意じゃないけど ◆vPecc.HKxU (……使えん。これを用意した者は一体何を考えている?) PDAに映し出される2つの支給品の詳細のそのデータ。 それらを閉じ、ラミアは思う。 殺し合い――正確には壊しあいをするに当たり、M18クレイモアは非常に有用な武器であった。 ならば残り2つもそれなりに役立つものかとラミアは思ったのだが…… 確認された残りの支給品はどちらも戦闘に役立つとは思えない代物だ。 (エクセ姉様ならこんなふざけた選択もするだろうが……そもそもエクセ姉様がこんなことをするわけがない) 自分の母親であるレモン・ブロウニング。 その平行世界の姿であり、共に戦った仲間であるエクセレン・ブロウニングの顔がラミアの人工知能に浮かび、そして消える。 なんとしても彼らの元へ生きて帰らねば……そう思いラミアは思考を戻す... -
か行
風見志郎 ノ´ { ー- _ ハ l ノ i 丶 _ l | l l | 、 l j - i ー _]{_ -――‐- 、 〈ー- ⊥. _ -―一・≦二. -z≦-‐ ´ } _ . -‐ァ广 ̄ _ -‐≠升川リjh、 / r_ ノ . -‐ 壬 ェュ、 巛川州ノ l}i /  ̄` ¬ー―-=r≦彡' ,.ィ云ァ }リ川jリr ル-― ´ }j弌fテ } |! ′ ルハソj... -
その身に纏う心の向きは
その身に纏う心の向きは ◆c92qFeyVpE ミーと本郷との戦いから数時間が過ぎたころ。 B-6にある民家の一つの中で、ギンガ=ナカジマは静かに目を覚ました。 生体レーダーに反応はない、予測通りこちらの居場所は掴まれなかったようだ。 ……とはいえ油断はできないだろう、最初に出会ったダルマ型のロボットのように、このレーダーでは探知できないような存在が近くにいる可能性も十分にある。 疲労は大分抜けてきているが、それでも戦闘回数は減らしていくべきだろう。 遠隔武器がない以上、宝貝に頼らなくてはならない場面も増えるはず。 だが、多用するわけにもいかない。気軽に使っていては再び動けなくなってしまう。 次に疲労が限界に達した時、また安全に休息をとれる保障などありはしないのだ。 思考を今後の動きについてへと切り替える。 優先すべきは再三考えている通りノーヴェ及びチン... -
漆黒と紅の零地点(前半)
漆黒と紅の零地点 ◆2Y1mqYSsQ. 暗闇がはれていき、徐々に赤紫色に染まる空を見つめ、バイクを走らせる漆黒の男が一人。 風を切る感覚を、体内の触感制御装置によって反応が起きるサブローは、先ほどの仮面ライダーZXとの戦いの心地よさに身を委ねていた。 全力での技のぶつかり合い、キカイダーとの戦いでは望んでも叶えれなかった戦い。 サブローは仮面ライダーZX・村雨良に感謝をしている。最期の望みを叶えてやりたいほどに。 とはいえ、サブローの目的はあくまでもキカイダーの破壊。 仮面ライダーとの死闘は心が躍り、己が存在意義を満たしてくれるが、あくまでも過程にすぎない。 全ては宿敵キカイダーとの再戦のために。 それ以外は、シグマが何を企もうとも、誰がどのように死のうとも、サブローの知ったことではない。 仮面ライダーへの伝言とて、サブローと全力の戦いを楽しませてく... -
決意をこの胸に――(前編)
決意をこの胸に――(前編)◆14m5Do64HQ 夜か。 真っ暗な夜か。 全身が、今にも吸い込まれていきそうな深淵の夜。 そして自分達の世界ともいえる甘美な香りを漂わせる夜の闇。 自分が幾度もなく経験した真っ暗な夜がもう一度、目の前にある。 あの時、確かに自分の自動人形としての働きは終えたはずなのに。 自分を動かす歯車はキッチリと止まり、また、噛み合う事はなかったはずなのに。 いいようのない、驚嘆、疑問、矛盾。 それら全てを機械仕掛けの身体に宿し、彼は歩き続けていた。 錬金術師、白金によって作られし自動人形(オートマーター)の一体。 “真夜中のサーカス”の“最古の四人(レ・キャトル・ピオネール)”が一人。 “深緑の手(レ・マン・ヴェール・フォンセ)”の使い手であり、愉快な球乗り師。 パンタローネが歩き続けていた。 「フゥム、なかなか出会えないものだ。どう... -
Rusty Nail
Rusty Nail ◆hqLsjDR84w シャトル発進より、三十分〇〇秒経過。 突如、足場が安定を喪失。 音波受信機が、シャトル内に流れるアナウンスを捉える――状況を理解。 搭乗した発着場の隣接エリア――F-4にシャトルが到着。 到着から二十四秒経過。 擬態機能へと生じたエラーの修復が完了。 推定エラー修復所要時間――三十分十九秒――とのズレ、誤差の範囲と見なして問題なし。 十分間静止し、シャトルの移動を目撃した参加者がシャトルに侵入するのを待機。 シャトル内に侵入者が現れることなく十分が経過すれば、状況確認の後にシャトル内の機器へと擬態を開始する。 ◇ ◇ ◇ シャトル静止より、十分〇〇秒経過。 現在、シャトル内に侵入者なし。 液体金属形態を維持しつつ、外部を確認できる唯一の窓まで移動――参加者らしき物体、... -
この箱を見ていたら無性に被りたくなった
この箱を見ていたら無性に被りたくなった ◆2Y1mqYSsQ. 快調にサイドマシーンを走らせる凱は、ゼロに放送の時間であることを促され、一旦工場の駐車場へと止めた。 放送を聴くために凱はPDAを取り出す。ゼロの方を向くと、スクラップ工場のほうへ視線を向けている。 凱はそこでゼロがハカイダーとの決闘を約束していることを思い出した。 「ゼロ、ハカイダーのことを考えていたのか?」 「……ああ。おそらく、待っていればあいつは確実にここへくるだろうな。だが、俺たちに奴を待つ時間はない」 「……その通りだ。シグマを倒すため、本郷さんに合流しないとな」 ゼロは無言で頷いた。そのほかにも、ハカイダーを止めて、神敬介の凶行を止めなければならない。 彼らにはやることが多い。今はとりあえず、放送へと耳を傾けた。 「なに! メガトロン……あいつは生きていたのか!?」 「厄... -
TERMINATOR
TERMINATOR ◆SH/Mp7eP/Q (――さて、どうするか……?) あらかたの情報を交換し終え、風見をはじめとする修理工場にいるメンバーは この主催者であるシグマのことについて、ひいてはおそらく、 このくだらない殺し合いの命運を分けるだろうことについての考えを巡らせていた。 この最悪のゲームの主催者――シグマ――とは、ゼロの出身する世界に存在する。 最悪のイレギュラーレプリロイドで間違いないとのこと。それはゲームの幕開けの際に 見せた容姿、性格、雰囲気、全てにおいて、この頼もしく冷静なゼロが相違ないとするのだから このゲームの主催はやはりシグマが中心となって進行させているのだろう。 しかし――ここで一つの疑問がゼロから吐き出された。 あの時、シグマの影武者となり変わっていたあの謎のロボットのことである。 ゼロの言... -
彼のいない発電所
彼のいない発電所 ◆2Y1mqYSsQ. 数人の男女が森を掻き分けて、速めの速度で突き進んでいた。 木々が広がるこの地域では、視界が暗くなるのは好ましくない。なるべく早く森を抜けなければ。 風で木の葉が揺れる音を耳にしながら、本郷猛は彫りの深い渋みを持つ顔を顰めた。 豊かな黒髪を揺らし、本郷はじわじわと自身に回る毒の苦痛をおくびにも出さず、付いてくる仲間に振り向いた。 「お、お腹いた~い」 先ほどから腹を抱えて、けらけらと珍しい笑い声をたてているのは、明るい雰囲気を取り戻した広川武美だ。 何を笑っているかというと、しょんぼりとしているネコ型サイボーグのミーと本郷が関係している。 「武美……さすがに失礼だと思うが」 「だ、だって、だってネコミミの本郷さんって……!!」 再び武美はけらけらと笑い出す。目尻には涙まで溜め込んでいた。思わず本郷は、むぅ、と唸っ... -
千の偽り、万の嘘
千の偽り、万の嘘 ◆2Y1mqYSsQ シャトル発射基地内は、無骨としか言いようがなかった。茶々丸が分割ファイルの存在を諦めきれず、探し回っているのである。 付き合っているコロンビーヌの目的は、あくまでも勝の元に帰ること。 茶々丸が自分のことを疑っている以上、下手な行動はとれない。 (一刻も早くこの娘を殺すのが、一番いい手なんでしょうけど……乗り気しないのよね) 話をしているとき、茶々丸が人間に恋をしていることに気づいた。本人は否定していたが。 恋に憧れ、恋を知ったコロンビーヌとしては、心情的には殺すのを避けたい相手ではある。 とはいえ、コロンビーヌに茶々丸を殺すことに躊躇いはないだろう。 (だって……勝ちゃんが待っているものねぇ) パンタローネから聞いた、叶わぬ勝の恋。コロンビーヌが入る隙ができたことに喜びを感じていた。 帰るためなら、コロンビーヌは... -
真っ黒焦げの凶暴な卵(4)
真っ黒焦げの凶暴な卵(4) ◆2Y1mqYSsQ. □ 「乾坤圏、ごめんね」 「……帰ったときに修理させる。今は片方が使える状況に感謝だ」 ナタクはそれだけいって、乾坤圏だけをPDAへ収めた。他の支給品はいらないらしい。 生体センサーなんて便利なものもあるのだが、なんとなく没収するのは気兼ねがするためギンガに持たせたままだ。 早くゼロやチンクと合流したいのだが、これからどうしようかと迷っていた。 とりあえずギンガを運ぼうと、身体を持ち上げた。 「ドラス、なんなら俺がその女を運ぶぞ」 「いいんだ、ギンガお姉ちゃんが生きているって、この手で実感したいから」 「そうか」 ドラスはギンガを背負いながら、どこか達成感に包まれていた。 疲労した身体に、風が心地いい。前では気づかなかったことだ。 「ごめんな……さいね。重いでしょう?」 「お、起きたの!?... -
電波、届いた?
電波、届いた? ◆ZJTBOvEGT. サテライトサービスへ接続。 ………失敗。接続先が発見できず。 再試行。 ………失敗。接続先が発見できず。 再試行。 ………失敗。接続先が発見できず。 「……」 シャトル発着管制室から外の景色…宇宙を見上げながら、 内蔵の無線を用いて外へ連絡を取ろうと試みたのは、HMX-13、通称セリオであった。 この地に降り立って最初に目の当たりにしたのが、暗黒の只中に浮かぶ宇宙要塞。 あまりにも現実離れした光景に、まず彼女が疑ったのは自らにエラーが発生している可能性である。 自分は次世代メイドロボの試作型。量産型への叩き台なのだ。 自分が稼動しているのは、ひとえに問題点を洗い出すためのはず。 量産型ほどの安定性が自らに望めないのは当然の帰結だろう。 確か、ここに来る前、自分は定期メンテナンスでセーフモード... -
悪
悪 ◆2Y1mqYSsQ. 「う……ここは……」 「ふん、戻るところだ。話はキサマの体調が万全になってからだ。文句は言わせんぞ」 サブローの声にゼロはもう大丈夫だ、とだけ答える。サブローは構わずアクセルを捻り続けた。 ゼロは無言で目を伏せて、かつて友だった狂人の亡骸を思って振り向く。時々うめき声が漏れて、ゼロの無念をあらわしていた。 黒装束に黄色のマフラーを巻く男、サブローは背後のゼロをあえて見なかった。正義を捨てた男に、かつて友だったゼロがどう思うか。 サブローに分かりはしない。凱も風見も死んで惜しいと思うことはあれど、悲しいと感じる心などないのだから。 無言だったサブローに、ゼロが話しかけてきた。 「あいつは……エックスはいい奴だったんだ……。いい奴で……それで…………」 「そうか」 大人しく後部座席に乗るゼロに、上の空で返しながらサブローは... -
最終回(1)
『』(1) ◆2Y1mqYSsQ. 移民船団が漆黒の宇宙で浮かび、星の海を突き進んでいく。白い巨大な船体が太陽光を浴びて光る。 ソルティはその光景を見つめながら、次々と記憶が蘇っていく感覚にとらわれていた。 ソルティを慕う人々。いや、崇め縋る姿すらある。多くの人々が一様にかしずく中心に、ソルティ自身の姿があった。 「ソルティ……? 私の名……いや、違う……」 一様に人々はソルティを敬うようにその名を呼ぶ。告げられた名前はソルティという発音でなかった。 「私は……ディケ…………」 そう呟いたとき、記憶をすべて取り戻しきる。ソルティがそのことを自覚したとき、視界に光が広がって、またも場所が変わった。 □ 爆発物によって黒ずんでいる部分があるものの、正方形の部屋だったことは認識できる。 ソルティは自分が寝かされていただろうベッドを見つめて、床に寝... -
T-800
【名前】……サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズT-800 【作品名】……ターミネーター1、2 【年齢】……見た目40代くらい 【性別】……一応男 【外見】……きわめて人間に近い。皮膚、毛、筋肉、人間とほぼ同じもので金属骨格を覆っている。187cm 【スペック】……非常に頑丈で、銃器の類は通用ほとんどしない。又打撃にも強い。 しかし、成型爆弾や対装甲車用の兵器などで致命傷を与えられる。 また個人行動での学習能力は無限大。他人と同行するさい、コレにはプロテクトがかかっている。 【武装】……全身兵器。とりあえず素手で人間を貫ける、車(装甲車)一台を数分で破壊できる。 【特殊能力】……声帯模写=性別年齢を問わず、他人の声を完璧に模倣する。 予備動力=パワーがなくなっても、一度だけ復活できる。しかし、予備に過ぎない... -
大切なものを喪う悲しみ(前編)
大切なものを喪う悲しみ(前編) ◆hqLsjDR84w シグマの用意したコロニーのうちの一つ、工業地区ブロック。 そこの一角、エリアG-3とH-3をまたぐ巨大な白い建造物、修理工場。 その最上階にある一室に、三人の男女が集まっていた。 彼等が行っている行為は、この壊し合いに巻き込まれてからの経緯の教え合い。 現在話しているのは、獅子王凱。 椅子があるのにもかかわらず終始立ち上がって、握り締めた拳を上下させながら感情を込めてハカイダーとの激闘について語っている。 その机を挟んで前には、チンクが座っている。風見の入れたコーヒーが熱かったのか、話を聞きつつもカップに息を吹きかけるのをやめようとしない。 一方、チンクの隣に腰掛けているドラスは、童話を聞く子供のように目を輝かせて凱の話を聞いている。 ハカイダーの仮面ライダーにも匹敵する強さについて、風見から先... -
血塗れの指先3
血塗れの指先3 ◆2Y1mqYSsQ. 溢れる緑色のエネルギーによってハカイダーの右腕が宙に舞う。 右太ももが深く切れ、オイルが流れ出す。右太ももだけではない。脇腹、胸部、肩、脚、無事でない箇所は一つもない。 顔に大きな横傷を作りながらも、ハカイダーは拳をさらに押し込んだ。 エネルギーの絶対量では負けている。ハカイダーの持つべきすべてのエネルギーを回し、赤いエネルギーをさらに増やす。 焼け石に水か。だとしてもハカイダーのすることは変わらない。 このゼロを認めない。 かつての自分を否定するように、かつて戦ったゼロを肯定するように、ハカイダーは前に進むのを諦めない。 別にゼロと戦うためでも、仮面ライダーとの戦いのためでもなかった。 単に意地。ゼロがかつて見せたキカイダーの影を、今のゼロに否定させないがための行動。ただそれだけ。 (そうだ。俺にとってはキ... -
真夜中のサーカス
真夜中のサーカス ◆qRv35OWHJE セリオはあてもなく走っていた。 通信可能な場所、そして安全な場所を求めて走り回っていた。 そんな場所など、どこにも在りはしないのに。 ようやく建物を出て、道路に飛び出したセリオを衝撃が襲う。 道路に倒れ込み、顔を上げたセリオが見たものは、銀と青のフォルム。 未来という鋳型から形成された鉄馬に跨るは、古式ゆかしい錬金術の申し子、自動人形コロンビーヌ。 「あなたは、お人形かしら?」 「私は」 答えようとして気づいた。立ち上がれない。 いや、立ち上がれないのではない。 ないのだ。 セリオの腰部がへし折れて、下半身ははるか彼方へと吹き飛ばされていた。 「あ……あ」 「ああよかった」 コロンビーヌの顔に安堵が浮かぶ。 バイクから降りて、鉄槌を振りかぶって。 「あなたがお人形で」 鉄槌が、... -
アルレッキーノは自動人形を見ると、つい殺ちゃうんだ☆
アルレッキーノは自動人形を見ると、つい殺ちゃうんだ☆ ◆Nfn0xgOvQ2 「たあっ!」 一閃―振るわれた剣線は一筋なれど、それを受けた物置が三つに分断されるのは、振るった剣が宝貝であるが故か。 「ここにもいないか…」 住宅街のある民家にて、屋内を探し終えたミーが庭で見つけた物置。 その中に探している女性―ギンガが潜んでいないかと青雲剣を振るったのだが、どうやら無駄骨だった様だ。 サブローと別れてからもミーはギンガの捜索を続けていた、だが成果の方は全く上がらなかった。 あれからさらに数軒の家を捜索したのだが、手掛かり一つ見つからない。 それでもミーは諦める事なく捜し続ける、それが今自分のするべき事だと信じて。 ミーは他の場所を探そうと歩き出すが、途端に膝をついてしまう。 度重なる青雲剣の使用で、ミーの疲労は極限まで達していた。 それでも体に活を... -
最終回(4)
『』(4) ◆2Y1mqYSsQ. □ こうして、新たな力を得たゼロは剣先をメガトロンへと向けて仁王立ちをする。 殺したはずの男が生きていたのに、メガトロンは余裕綽々で立ち上がった。 「けっ、びびらせやがって」 「それほどハカイダーが苦手みたいだな。メガトロン」 「びびったっていった奴が一番びびってんだよ」 ゼロはメガトロンの戯言に付き合わず、一歩前に出る。 ここで殺す。冷たい殺意と共に刃が光る。 そのゼロを、イーグリードが止めた。 「ゼロ、その前にやることがある」 「イーグリード?」 刃をメガトロンに向けて、油断せずに訪ね返す。 メガトロンはメガトロンで責めあぐねていた。 「この要塞を破壊する。それしか地球への衝突を止めれる手段はない」 「手はあるのか?」 イーグリードはゼロの問いに笑みを返す。傷だらけの身体で、ゼロとメガトロンの... -
WE HAVE CAME TO TEAM?
WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc 吹きすさぶ風に、山吹色のマフラーがたなびく。 闇に閉ざされた岩肌に、戦闘服の赤が浮き立つ。 彼、【黒い幽霊団(ブラックゴースト)】によって改造されたサイボーグ計画のプロトタイプ、 00ナンバーサイボーグの九人目、コードネーム“009”――島村ジョーは、自然公園エリアの岩山で一人立っていた。 彼はブラックゴーストに反旗を翻した正義のサイボーグ戦士である。 こんな馬鹿げた試みに訳がないというのは、ジョー本人にとっても考えるまでもないことだ。 しかしそれでも、栗色の前髪の隙間からのぞくその瞳には哀しみの色が宿っていた。 (……何も、できなかった) ジョーの脳裏に、つい先刻の惨劇が去来する。 あの水色の髪の少女。果敢にシグマという男に奇襲を掛け……惨たらしく殺された少女。 もしもあの時、咄嗟に自... - @wiki全体から「なくすものがないぼくたち」で調べる