「佐助…?」
眼前の光景に、幸村は思わず目を見開く。
幸村の前には、常の飄々とした表情は失せ、主と同じ様に目を見開いた佐助。
彼が落とした視線の先には、朱に染まった自らの忍装束。
「さすけ…」
呼べば応える様に上げられた視線と出会い、幸村は背に粟立つものを感じた。
佐助の元へ行かなければ。
そう思うのだが、足が言う事を聞いてくれない。
「さす、け…」
名前を呼ぶ事しか出来ない。
呼べば、いつもの様に笑ってくれるのではないか、
『大丈夫だよ、旦那』と、そう言ってくれるのではないか、
…しかしそれは、儚い期待でしかなく。
幸村の後ろで、勇猛で知られた筈の甲斐の虎が息を呑む気配がしたが、主は己の忍から目を逸らす事が出来なかった。
それと同時に装束に染込みきれなかった赤い液体が一粒ぽたりと落ちて、佐助の足先で跳ねた。
佐助が震える口を開く。
眼前の光景に、幸村は思わず目を見開く。
幸村の前には、常の飄々とした表情は失せ、主と同じ様に目を見開いた佐助。
彼が落とした視線の先には、朱に染まった自らの忍装束。
「さすけ…」
呼べば応える様に上げられた視線と出会い、幸村は背に粟立つものを感じた。
佐助の元へ行かなければ。
そう思うのだが、足が言う事を聞いてくれない。
「さす、け…」
名前を呼ぶ事しか出来ない。
呼べば、いつもの様に笑ってくれるのではないか、
『大丈夫だよ、旦那』と、そう言ってくれるのではないか、
…しかしそれは、儚い期待でしかなく。
幸村の後ろで、勇猛で知られた筈の甲斐の虎が息を呑む気配がしたが、主は己の忍から目を逸らす事が出来なかった。
それと同時に装束に染込みきれなかった赤い液体が一粒ぽたりと落ちて、佐助の足先で跳ねた。
佐助が震える口を開く。
「俺の一張羅に旦那の鼻血がかかったーーーっっ!!!」
「だ、だってお館様が幸村の顔面を殴るから…」
「いや、そもそも殴られた程度で鼻血を出す幸村の軟弱さが…」
「何この上司!信じらんねぇ!」
「す、すまん佐助!」
「悪かった!次から気を付けるから!」
「実家(里)に帰らせて頂きます!!」
「だ、だってお館様が幸村の顔面を殴るから…」
「いや、そもそも殴られた程度で鼻血を出す幸村の軟弱さが…」
「何この上司!信じらんねぇ!」
「す、すまん佐助!」
「悪かった!次から気を付けるから!」
「実家(里)に帰らせて頂きます!!」