【名前】狛村左陣
【性別】男
【出典】BLEACH
【仮面・覆面】鉄笠:顔をすっぽりと覆う鉄製の武骨な笠。原作では獣の顔を隠すため装着していた。尸魂界編終了後は、己の容貌を隠す必要がなくなったため外している。
【台詞】
「……儂の主は元柳斎殿のみ、ましてや悪の組織などには……」
「もののけ姫よ――儂の後ろへ、立っておれ!」
【人物】
虚(ホロウ)を狩り世界の魂の均衡を保つ、尸魂界(ソウルソサエティ)の死神の一員にして、護廷十三隊七番隊隊長。
罪を重ね畜生道に堕ちて人狼の姿となった存在であり、異形の存在である自分に生きる意味を与えてくれた総隊長・山本元柳斎重國に絶対の忠誠を誓う。彼の言葉ならば死すらも是であると言い切る愚直な武人。
一方で、友人だった東仙要の離反を知り敵同士となっても彼の闇を受け入れ友として救おうとする、黒崎一護に正面から感謝の言葉を述べる、自身の卍解で生じる被害は全て自腹で補うなど、裏表のない人格者でもある。

【本編での動向】
鉄笠を被り己が顔を隠していた時期、すなわち尸魂界編の中途よりの参戦。このふざけた目論見を粉砕し、一刻も早く元柳斎の元へ帰るために対主催のスタンスを取る。
まず、その巨体と武骨な鎧を見て「大物」の獲物と判断したプレデターより、クローキングデバイス迷彩を用いた奇襲を受け、狛村もまた姿の不明瞭な敵の異様な霊圧(地球外生命体だから当たり前だが)から、虚(ホロウ)に類する存在かと認識し開幕の交戦。ショルダー・プラズマキャノンの砲火を正面から喰らいながらも、持ち前の頑丈さと腕力でそのままプレデターを殴り倒し、痛み分けとなる。
幸運にもこの戦闘の後に自らの斬魄刀である「天譴」を発見、分け身とも言える刀を手にして安堵するが、傷を引き摺って歩いていたところへ、今度はもののけ姫ことサンから攻撃を仕掛けられる。笠を被っていたとはいえ、サンの嗅覚は狛村の異質さを捉えていたのだ。

サン「山犬じゃない……人でもない、何者だ!」
狛村「…虚ではないようだな。儂は…死神だ」

背後から飛びかかったサンの足を掴んで目の前にぶら下げ、異様な仮面を被っていながらただの人間らしいことを知ると、ため息をついて放り捨てる。
「神」の名に怒りを高ぶらせながらも、狛村の身の上と獣の顔をした正体を聞かされたサンは、山犬になりたいという自身の願いからか、そうなるやり方を教えろとしつこく迫るが、当人はにべもなく、「地獄へ堕ちる方法を知りたいとは莫迦な奴だ」と苦々しく吐き捨てるだけだった。
結局、いずれ必ず方法を聞きだしてやると血気盛んに息巻きながら逃げ去るサンを追うことなく、一人で再び歩き出す。
サンと別れた後には、主催打倒の仲間を探していたゾロリと出会う。

ゾロリ「なぜ声をかけたかって?なんだかあんた、おれさまと似た匂いがしたからな」
狛村「……貴公の正義はなんだ?ゾロリとやら」
ゾロリ「おいおい、おれさまはイタズラの王さまだぜ!正義だなんてちゃんちゃらおかしい!」
狛村「なんだと!」

サンと似て非なるような台詞(同じ匂い=イヌ科同士?)を吐くゾロリの自称「悪の貴公子」とそのお調子者ぶりには怒りを覚えるも、ひとまずは在り様を見てみねばと同行を承諾。真面目な狛村をからかうように軽口や大言壮語を繰り返したり、お約束のように突然即興の歌を歌い始めたりするゾロリの姿に頭を痛める。
続いて、悪の組織ズヴィズダーの総帥であるヴィニエイラ(星宮ケイト)と遭遇する。またもや正義と相反するような奴かと唸るが、年端もいかぬ幼女(の見た目)なヴィニエイラ相手には、草鹿やちるに対してそうだったように、強くは出られなかった。

ヴィニエイラ「よし、こうなったらゾロリもお前も我がズヴィズダーの一員だ!私の事は総帥閣下と呼ぶがいい!!」
狛村「……儂の主は元柳斎殿のみ、ましてや悪の組織などには……」(ヴィニエイラに乗っかられて笠の中に突っ込んだ手で猛烈にモフモフされながら)
ゾロリ「おれさまを部下呼ばわりとは元気なやつ……と言うか、触られまくってるけどいいのかね」

結局、「征服」という形で世界を救おうとしている彼女の事もまた道行の中で見極める事にし、こうして死神・いたずらの王・秘密結社総帥というよくわからない三人チームが完成した。
マーダーと戦闘しながら相手によってはヴィニエイラの説得術を試み、或いはゾロリの考察のために情報収集をするなど、真っ当に対主催として行動する一方、ゾロリの直したメーヴェに乗って喜んだり、明日汰を初めとするズヴィズダーの面々の自慢をしたり、狛村に肩車してもらいながら天譴の始解を見て自分と似た技だとはしゃいだりするヴィニエイラの姿で癒しチームともなっていた。
(ふとしたきっかけから喫煙者へ凄い剣幕で怒りまくるヴィニエイラにはゾロリと二人して「お、おう」「う、うむ」と少しばかり引き気味に反応するなどもしている)
共に行動する中で、狛村は二人の中にも自身と形は違えど確かな「正義」があることを感じ始め、表だって口に出さなかったが、対等な友人として認めていった。

しかし、第二放送を越えたあたりで、幾つかのきっかけを掴んだことを機に、ゾロリはヴィニエイラを狛村に任せ、主催のたくらみを解析するため単独行動を取ることとなる。
結果としてゾロリは様々な対主催チームと交流し、考察を進めることに成功したが、狛村たちと再合流するための道中で、一度は逃げおおせたマーダー・カメーンとの再戦を強いられる。そして、その時共にいたドロンジョチームことレパードたちを逃がすため囮となったことで、致命傷を負ってしまった。
とどめを刺される寸前、合流地点に来ないゾロリをいぶかしんだ二人が駆け付け、狛村が激戦の末カメーンを天譴で粉砕するが、すでにゾロリは虫の息であった。
ゾロリに縋って涙を零すヴィニエイラの傍で、狛村はゾロリと最後の会話を交わした。

狛村「貴公の正義……儂が確かに、見届けた」
ゾロリ「だーから、おれさまは正義なんて大っきらいの、いたずらの王さまなんだって…」
狛村「そうか…そうだったな…」
ゾロリ「まったく…ゾロリさまが頑張ったんだ、その子を、ちゃんと守って…ぜったいみんなで、脱出を…。
…………」
狛村「…!ゾロリ……!!」

事切れたゾロリの傍で、狛村は地に拳を叩きつける。気高く戦った友の死を前にしながら笠を取り泣いてやることもできない理不尽に、この殺し合いの主催者に、怒りをあらわにして。そして、ゾロリの遺志を継いで殺し合いを打破することを決意し、ヴィニエイラと二人で歩き出す。

しかし――運命の巡り合わせは非情であった。
ゾロリと交流したドロンジョチームを捜して歩く途中で、大望を背負い暗躍する“ゼロ”の強襲を受けたのだ。
単身でKMFを無力化するほどの力を持つ相手に、しかし二人は息の合った連携を見せて渡り合った。盾となった狛村が始解で攻撃を凌ぎ、言葉を交わす中で隙を見せたゼロに対し、渾身の“ヴィニエイラ式説得術”を叩きこむ。「征服」を目指す者同士、ヴィニエイラはゼロの中に説得の余地を見出だしていたのだ。
だが―――次の瞬間、ヴィニエイラの身体は、狛村をすり抜けて瞬間移動したゼロの徒手によって、無残に貫かれていた。

ヴィニエイラ「っ!?ガッ…フッ…!お、まえ……なぜ…だっ…!?」
ゼロ「明日を望む貴様の意思、それは確かに理解できる。だがその程度で私の使命を崩そうなど呆れたものだな」

魔王に、説得は届かなかった。
血濡れた手を拭うこともせず、影のごとく去ったゼロを前に、狛村は血の海に沈んだヴィニエイラを抱きかかえ、守ると誓った少女の命があっけなく消え果てようとしている事実に言葉を無くす。
不慣れな鬼道でせめても痛みをやわらげようとする彼へ、ヴィニエイラは弱々しくありがとうと呟いた。そして、ゾロリのためにも負けたくなかったのに、と悔しげな言葉を洩らしながら、元の世界の仲間たちの名を呼び、小さな手を天へ向かって伸ばす。
狛村は、冷たくなっていくその身体を抱きながら、真っ赤な血の中で一人、獣のように咆哮するしかなかった。……

サンが再び狛村を見つけた時、彼は一人きりで歩いていた。
体から幾つかの血の混じり合った匂いを漂わせる狛村に、ゆっくりと近寄り、声を掛けるサン。刀に手もかけず、振り返る狛村――山犬の姫と死神が、再び向かい合う。
しかし、一度目の時とは異なり、彼らは互いにこの戦いの中で様々な出会いを経てきていた。そう、狛村だけではない。サンもまた、青き衣の「虫めづる姫」ナウシカとの出会いと死別を経て、仮面の下の心を揺らがされていたのである。
森と命を共にしようとしたナウシカの姿、その死をぽつぽつと語るサンに、狛村も道を同じくする仲間を失ったことを語る。
死神の狛村に「死ぬということ」について問いかけるサン。狛村は、今の自分にその問いに答えることができるかはわからないと返しながら、ただ一つ、斃れた者たちの死を無駄にするつもりもないとだけ呟く。
サンは黙ったまま鉄笠の向こうの狛村の瞳を見つめてから、「山犬の顔をして死神を名乗るお前の傍で、私はそれを見届ける」と告げ、こうして二者は道づれとなったのであった。

しかし、狛村とサンを待つ道は険しかった。
破滅を目指す〈ともだち教団〉の核にして、ゾロリと舌戦を繰り広げた『人類最悪の遊び人』たる狐面の男、西東天の撒き散らすデマにより、二人は悪評に取り巻かれ、他の対主催から知らず距離を取られてしまう。
両者とも口の上手い方ではないということもあり、結局有力な仲間を見つけることも出来ないまま、長く会場を彷徨することとなった。

そして、殺し合いも終盤を迎えつつある局面で、黒のカリスマが覚醒させ、ともだち教団が掌握した最悪の生物兵器――“無貌の巨神兵”が起動する。
巨神兵のかつての姿を知るサンはその変容に驚愕し、「首(顔)を失った神」(元の世界で彼女が遭遇するはずだった『でいだらぼっち』を想起させる形容だが)のようだと称した――天蓋を覆わんばかりの巨大な、黒く溶け崩れた全身から生命を奪う瘴気を放ち、移動するだけで地形を変え、地平まで届くような熱光線を放って周囲を更地にしていくそれは、もはやこの殺し合いの規模において、一集団が使役していい存在ではなかった。
巨神兵の「母」であるナウシカから託された、妖精郷の癒しと守りの宝具〈全て遠き理想郷(アヴァロン)〉@Fate/Zeroを用いて肉薄し、参加者の一人であったカオナシと混じり合った彼の思いに触れるサン。しかし、巨神兵はもはや止まらず、ネオ・ロアノークの乗り込んだガンシップや、オベリスクフォースの呼び出した「オベリスクの巨神兵」のソリッドビジョンによる陽動、さらにはともだちを屠ってから教団と敵対していた悪魔将軍などによる抵抗を受けながら、暴れ続けていた。
サンと共に巨神兵の前に立った狛村は、その時、ゾロリが遺し、ヴィニエイラが身に着けていた「鍵」の一つが、懐で光を放ち始めたことに気付く。形見として持ち続けていたそれは、主催側より盗み出され、情報蓄積を条件とする解析コードを秘めた、制限解除のキーの一個であったのだ。
――亡き友二人の遺志がもたらした光の下、狛村は、呼応するように天譴を抜き放った。
佇立する巨神兵へ向け、天に閃く刀に重なるように巨大な刀が出現し、狛村とサンの背後で、もう一体の巨人が、雲突く轟きと共に立ち上がる。
天譴・卍解――“黒縄天譴明王”。
生きた鎧にして生きた刀たる狛村左陣の影〈ペルソナ〉が、頸木より解放され、再び狛村の力として顕現したのだ。
明王が現れたこと、そしてそれと同時に起こった、鬼神リンクによる教団への潜入と英雄的破壊工作により、形勢は一気に傾いた。
バックアップの壊された教団のコントロールを離れ、暴走する巨神兵の突進を明王が巨躯で受け止め、熱光線を斬り祓い、参加者を守るように立ちふさがる。退霊・退魔の存在である狛村の巨大な卍解は、歪な形で結び付いた無貌の巨神兵にとっての天敵であり、ともだち教団にとってはリンクの潜入と共に、誤算とも言える要素であった。
散射される攻撃には自ら盾となって傷を負いながらも、狛村はガンシップやオベリスクフォースと協力して巨神兵を押していく。
そして、ついに、サイズ差をものともしない悪魔将軍の捨て身の技によって体勢が崩れたところへ、とどめの一撃として明王の刀が叩きこまれ――恐るべき生物兵器は、慟哭と咆哮を撒き散らしながら、漸く沈黙したのであった。

その後、狛村とサンはロールシャッハに追い払われたロザミアと出会い、彼女から二人のスパイダーマンの正義の魂を伝え聞くと、サンもまた、杣口鵜平やナウシカ、変態仮面やヨロシク仮面といった面々を回想し、「見るべき人間の姿」を思う。
彼女と別れた後、廃墟となったロンドン塔へ一人向かう鵜平とも行き遭い、会話を交わす。
再会したサンより「人と山は、人と獣はどう関わるべきなのか」と改めて問われた鵜平は、「どう関わるべき、か。俺ぁ『感謝』だと思ってるがな…まぁ、本当のところはわかンねえよ」と笑った。
「わかるにしろ、わかンねえにしろ、“生きよう”とするだろ。俺もお前えも。そこには垣根なんざねえンじゃねえのか」
そう言い残して去った老マタギの背中を、サンは思わしげな顔で、黙ったまま見送った。
そうして二人は、ようやく対主催の集団との合流を果たすが、その頃には既に、巨神兵起動と並行したロンドン塔の決戦によって、対主催は壊滅的な打撃を受けており、戦況も取り返しようのない混沌を成していた。
そして、ラウル・クルーゼによる主催陣営への突入とデビルガンダム強奪をきっかけに、局面は最終章へと雪崩れ込んでゆく。

主催陣営・残存対主催陣営・ともだち教団による三つ巴の乱戦。種々の暗躍や内紛、すれ違いなどによって消耗し尽くしていた対主催は厳しい戦いを強いられるも、モードレッドと聞仲の二人による奮戦や、ロールシャッハの主催本陣への侵入などによって戦い続ける。狛村たちも、レパードや心たちと共に、主催の兵力との激戦を繰り広げていた。
しかし、主催が落とそうとする月@ムジュラの仮面を防ぐため、聞仲が退場した辺りのタイミングで、ユーゼスと反逆ゼロとが結託。三勢力の争いの横っ面を叩く形で、沈黙していた巨神兵を無理やり再起動・最大開放させてしまう。
暴走の結果ユーゼスは死んだが、再び動き出した巨神兵は前以上の凶悪さで咆哮し、参加者たちに襲いかかった。
対主催の要の一人であったハクオロが、自らの身を正体である大神・ウィツァルネミテア化させて立ちふさがり、全霊で押し止める。それでも、攻撃は止まない。
崩れる会場、降り注ぐ瓦礫、戦いも終わらぬ中にもたらされた更なる混沌の中、狛村の傍らで、大神と組み合う巨神兵を遠く見つめたサンが呟く。
「……泣いてる……」
「……あいつ、泣いてるんだ」
一度目の起動時、巨神兵と肉薄したサンは、彼の中にある孤独と慟哭を感じ取っていた。アヴァロンは既にその時サンの手にはなく、このまま行けば瘴気をまともに喰らう。それでも、「もう一人の姫」は、そこへ向かうことを決めた。
多くの傷を負いながら、ボロボロのまま仲間を守って戦っていた狛村は、その瞳に宿る光を見つめ、一人出て行こうとするサンの肩に手をかける。「儂もまた、お主の傍らでその正義を見届けよう」と。
そして、対主催へ降り注ぐ砲火と巨神兵の攻撃の前にゆっくりと進み出ると、狛村は血に汚れた斬魄刀を掲げ、最大最後の霊圧を解放した。

「護廷十三隊の名……そして気高き『悪戯(いたずら)の王』の矜持、小さな友が遺した光とに誓って……今しばし、斃れるわけにはいかん!」

「もののけ姫よ――儂の後ろへ、立っておれ!
      卍  解  !!」

満身創痍の身を奮い、瓦礫を打ち払いながら、黒縄天譴明王が再び顕現する。
対主催の巨大なる盾と化したそれは、攻撃をものともせず、狛村の歩みと共に、一歩ずつ巨神兵へ向かって進んで行く。サンの、もののけ姫の血路を開くため。
ウィツァルネミテアが抑えた巨神兵の元まで辿りつくと、サンは明王の手で、巨神兵の胸元へと運ばれ、瘴気が体を焼くのも構わず、じかにその肌に触れる。
顔を無くした巨大な怪物はずっと、ずっと、おぞましい声で、叫び続けていた。
サンは――その声が呼んでいるものが分かっていた。
母を。
それは、母をずっと呼び続けていたのだ。

「――――大丈夫」

タタリ神に呑まれた時よりも惨たらしく爛れていきながら、サンは、最後に狛村を振り返って少し微笑むと、目を閉じて、巨神兵の胸元に――彼の心に、核に、その体を埋めて行った。
むずがる子供を、優しく抱きしめるように。

巨神兵の叫びが途切れ、サンを取り込んだ胸の中で、核がしゅうしゅうと音を立てて、溶けていく。
呪われた漆黒の身体が溶け崩れ、滝のように黒い澱を垂れ流しながら、少しずつ、骨となっていく。
最後に、顔に嵌められていた白い仮面が外れ、その中から現れたものが――――。

「ア…あ…マ……マ………」

その言葉は、のちにオーマと名付けられるはずだった巨神兵のものであったのか、或いは、“カオナシ”のものであったのか。
誰にも解らぬまま、最悪の生物兵器は骨格を崩壊させてゆき、ようやく本当に、永遠の眠りに就いた。

巨神兵とサンの最期を見届けた狛村は、同じく満身創痍となった大神――ハクオロと視線を交わすと、既に半死の状態にある身体と明王を引き摺って、戦場へと戻っていく。
手遅れかもしれない。それでも、まだ、成すべきことがある。襤褸切れのような体で、やれることがある。
ゾロリの、ヴィニエイラの、サンの――友の見せた魂に報いるために。
そして、辺りを飛び交う砲火の中、戦場のただなかに仁王立ちした狛村と明王は、その身を徹して再び対主催の盾となった。
集中砲火を喰らい続け、身体が破壊され、崩れていきながら――それでも攻撃の前に立ち続けたのだ。
……やがて放たれた無慈悲な虐殺の火が、参加者たちの命を、その光の中に呑みこむ瞬間まで。


対主催として活動しながら、仲間の全てを失い、或いは戦局の崩壊を止め切れず。
それでも狛村は、友の正義を見届け、己の正義を全うした。
守護神の如き活躍を遂げた彼の卍解と共に、仮面・覆面ロワイアルにおいて、記憶に色濃く残る活躍を果たしたと言えるだろう。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 仮面・覆面ロワ
  • 対主催
  • 明王の立ち往生
  • 光の彼方に
最終更新:2024年03月04日 23:16