【名前】 オルガ・イツカ
【出典】 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ……から派生したMADシリーズ『止まるんじゃねえぞ…』
【性別】 男
【年齢】 享年19歳
【キャラ紹介】
厳密には鉄血のオルフェンズのオルガ・イツカではなく、MAD・BBシリーズのキャラ。
しょっぱいシリアスな笑いというかどうにもシュールさの拭えない最期のせいか、どこぞの淫夢動画の如く本編を改造されたり、他のアニメに登場させられたり、腹筋が痛くなるようなBBを量産され、いつの間にかニコニコ動画にて淫夢・レスリング・クッキー☆キャラの如く『例のアレ』枠のキャラになった。
そして概ねどの動画でも死ぬ。
別名『BBの数だけ死ぬ男』。
ガンダム史にネタキャラ数多しと言えど、ここまで死に様をネタにされた男はいないであろう。
【あらすじ】
開幕と同時にDBに射殺されるが、そこはBBネタ再現のために止まらずに力尽きる文字通りの開幕ズガン。
……と思いきやオルガを哀れんだ参加者を溺れさせる『川』(=怨念の集合体)の力によってゾンビ的に復活。
ニャンちゅうと共にボーちゃんの前にオルガンガー走りで出没する。勝ち取りたい! 物もない! 無力なバカに(ry
なんか色々あって肉体が限界を迎えて崩れ去ったがその不屈の精神が川の怨念に影響を与えて崩れ落ちた場所が他の参加者が溺れなければ到達できないはずの新宝島となり、これ以降、新宝島へは溺れずに通行できるようになった。
ついでにドバーランド、野獣邸も転移した。これもうわけわかんねえな……
とギャグばかりだが、最後は溺死覚悟で主催への鍵を手に入れるために奮闘するボーちゃんの不屈の意思に呼応したのか、多くの川に引きづられた参加者の魂と共に鍵探しを手伝ってくれたのだった。
余談だが
例のアレロワが終わった後に元々多かったBB・ネタ動画がさらに増大。
ヘッドスピンとかFGO廃人ネタとかエロゲのヒロインになるなどやりたい放題である。
それにあやかってか、この
リピロワでは分身したり召喚術士のように三日月やバルバトスを召喚できるようになっている。
【本ロワの動向】
例のビルにてリスポンするかの如く、
リピロワにて復活させられたオルガ。
そんな彼はオープニングにて鮫に喰われて「ゲームオーバー」という言葉と一緒に消滅する見せしめたちと共に主催戦力である艦隊と量産型ブラックヴォルフにより火に包まれるオルフェンズ火星を目撃する。
自分たちをさんざん苦しめたギャラルホルン、アリアンロッド艦隊すら一気に蹂躙され、更には自らが育てた鉄華団や関係のない民間人さえその毒牙が向けられる。
高性能機である
ガンダムすらブラックヴォルフの前に易々と撃墜され、ハシュマル暴走時とは比べ物にならないほど破壊される街と虐殺される人々。
映像の最後には滅亡した火星の都市をバックに黒焦げになったガンダム・フロラウスを映されていた……
この火星は厳密には世界線の違う
パイロットロワ火星であり、本ロワの参加者とは誰ひとり関係ないのだが、それを知っていても火星や鉄華団という家族を主催が虐殺した事実には変わらず。
怒ったオルガは主催がどれだけ強大な力を持っていても構わず、報復のために対主催を貫くことを決めたのだった。
……と登場話はシリアスだったが、次の回はさっそくカオスである。
街エリアにてマーダーである世界一腕の立つ殺し屋に襲撃される。
さっそく粗撃(誤字にあらず)を試みる殺し屋だったが、命中率よりも弾幕を張ることを重視したガトリングガンを「あの持ち方」で撃って遠巻きから当たるハズもなく、発射音で鼓膜が破れるバカバカしい戦いが開幕。
オルガもオルガで銃撃を避けるためにヘッドスピンして回ったり、分身を増やしてChoo Choo TRAINをするなど意味不明な泥仕合を展開する。
Q、弾丸を切り裂くオルガBBや市街戦慣れしたオルガBBの技を使えば簡単にカタがつくんじゃね?
A、技の発動はFGOガチャ並に不安定なんやろ
手に汗握る(?)戦いを繰り広げる二人だったが、そこへアクシズ教団の乗った黒塗りの乗用車とアスティオの車にまとめて轢かれてしまう。
(フォローするとアクア率いるアクシズ教団はマーダーのアスティオに追われていたので偶然轢いてしまっただけである)
突然のアクシデントによる複雑骨折で両者ろくに動けなくなったが、殺し屋は執念から銃を手に取ってオルガを殺そうとするも
殺し屋「クソッ、あと少しでおまえのその尖ったアホ毛を……」
オルガ「ミカアァァァァァァッ!!!」
召喚獣三日月「まあいいか、こいつは殺して良いやつだし」
銃声(パンッ パンッ パンッ)
異世界オルガMADの如く、まさかの三日月・オーガス召喚で殺し屋を撃破。白星を上げる。
それだけでなく死にかけるほどの傷もしばらくすると回復し何事もなかったように動けるようになった。
解説のために召喚したスマホ太郎曰く、死後に怨霊の集合体である川と接触してまた生き返された結果、本当の死である「ゲームオーバー」にならない限りは死んでも再生できる生ける屍になったとのこと。
ようはジョジョ第五部後半のブチャラティであり、カブトボーグの勝治・カオスロワの野比玉子である。
また「川」との接触のおかげで能力がアップグレードされたために以前のロワでは使えなかった技も使えるようになったと考察がなされた。
殺し屋撃破後に単独行動を取っていたオルガであったが、学校エリアにて決闘者の遊星・中学生の世界・妊婦のディスメラの三人組と接触、合流し、この四人組の読み手のからの通称が鉄華団になる。
(遊星は最初の内は
バーン様率いるけもフレファン一行と行動をしていたが道すがらにシャークネードが発生してはぐれてしまった)
この三人は元ロワでマーダーであったが、遊星とディスメラは改心し過ちを反省して対主催として行動するとのこと。
一方で世界は殺し合いについては様子見のスタンスであり、脱出が無理とわかれば即殺し合いに乗るつもりらしい。
ただ、原作世界の友人に似ている上に妊婦だった自分を殺すことを躊躇した辺り、人間性は残っているとディスメラは弁護する。
とりあえず単独行動の危険は承知しているので三人に加わったオルガだが、そこで落ち込み気味の遊星を見る。
どうやら以前のロワで復讐心から闇落ちしてしまった件を引きずっており、犠牲者の顔がチラついてデュエルに集中できないらしい。
そこでオルガは支給品にデッキがあることを思い出し、ルールを把握した後に遊星にデュエルを持ちかけた。
余談だがオルガの中の人はゼアルのⅣやARC-Vの赤馬もやっていたりする。
オルガ「どうした? ルール覚えたての素人に負けるぐらいおまえの腕は弱いのか!」
遊星「なにを! 俺のバトルフェイズはまだ終了してないぜ!」
オルガにとっては初デュエルであったが、遊星がスランプ気味だったこともあり押していく。
だが熱いデュエルをしていく内に遊星の中で決闘者としてのプライドが蘇っていく。
側で見ていた世界・ディスメラも所詮札遊びと最初は思っていたが、頭脳と
モンスターによって繰り広げられる戦いにいつしか興奮を覚え始める。
結果は遊星がプライドと一緒に普段通りのプレイスタイルを思い出し、オルガは逆転負けをする。
しかし遊星は久しぶりに楽しいデュエルができたということを感謝しオルガと握手をした。
ちなみにこのデュエルがきっかけで参戦時系列の関係上、まだ使えない技を後に使えるようになるのだが、それは後の話である。
競技用ロボディによる試合よりも熱い戦いにディスメラと世界も寄ってくるが、この時にオルガがこけてディスメラの胸と腹に触れてしまうラッキースケベが発生してしまい、それによって世界と呼んでもないのに出てきた三日月にしばかれて死亡。
世界「女の敵ィーーー!」
三日月「まあ良いか、これは死んでも良いオルガだし」
オルガ「(女性の肌に)触れるんじゃねぞ……」
だが手違いでディスメラの大きくなった腹に触れた時に明らかな違和感を感じたが、彼女が妹のように心配している世界を見て、なんとなく察しをつけて彼女の嘘には触れないことにした。
その後、遊星とのデュエルを終えたオルガは比較的仲が進展したディスメラと世界のコンビの話にも耳を傾ける。
世界の話す、自分が生まれた軍事国家である大東亜帝国。(※死亡時までに魔女に作られた架空の世界と知らない。また魔理沙やこなたと違い、世界はまだ真の記憶を取り戻しきっていない)
他国への侵略や恫喝のみならず、学生にも国家のための戦闘を強いる。
力ある子供たちを歪んだ大人たちが抑えつけるために見せしめ的に開催されるバトルロワイアル及びそれに基づくBR法などディストピアの極みであり、火星でも起こりうるかもしれない国家として最悪の展開である。
ヒューマン・デブリとはまた違うベクトルの歪みの中で生きてきた世界にはただ同情することしかできなかった。
ディスメラに関しても浄化杜という最悪のテロリストによって住んでいた島が戦火に覆われ、戦場で出会った愛すべき者を失った。
恋人ラップスとその兄のロックスによる回縞兄弟の悲劇は戦友である昭弘のそれとほぼ似ていた。
紛争は終わり浄化杜も解体したが、夫になれるかもしれなかったラップスは戻ってこない。
それでも子供のために母として強く生きようとするディスメラには三日月の妻になるであろうアトラの面影を重ねた。
この時ばかりは、いつものコメディ路線を忘れてしんみりとした表情で耳を傾けるオルガ。
彼女らに失った者を取り戻す術はないが、せめて明るい未来を歩んで欲しい手助けしたいというのがオルガの願いだった。
で、未亡人とJCの信頼度を稼いだが、次の回でスズメバチに刺されてスズメバチの毒を吸い出すために傷口にションベンを掛ける行為により婦女子からドン引きされたのは流石のオルガクオリティである。
また、上の方法は誤った対処法なので気を付けよう!
「ああ痛て……」\チーン/ 希望の花~♪
スズメバチの襲来こそあったものの、比較的平和だった鉄華団だったが転機が訪れる。
ディスメラに復讐心を抱くマーダーのラングセンが桃太郎印のきびだんごで手懐けたベビーゴジラを伴って学校に襲来してきたのだ。
このモンスターパニックに戦えないディスメラ以外の三人が迎撃を開始。
遊星はデュエルで装者である世界はガングニールで、オルガは指揮と囮役を担う。
遊星のスターダストドラゴンがベビーゴジラを焼き払い、世界が歌いながら殴り、オルガが喰われて復活コンボで時間を稼ぐ。
駆逐具合から迎撃は成功するかと思われたが、そこへベビーゴジラを殺されたことを怒ったマグロことゴジラが襲来。
主催によって怪獣惑星仕様にされているせいか圧倒的な機動力とパワーで鉄華団が追い詰められる。
そして世界が危うく踏み潰されかけたところでゴジラが急に学校方面へと転進。
実はこの時、学校の近くにはラングセンが出没しており、事態を好転させるためにディスメラが吶喊を決意。
ラングセンを守るベビーゴジラを蹴散らしていくもそれがゴジラの怒りを買ってしまい、自分の下へ誘導させてしまったのだ。
三人は大慌てでディスメラを助けに行こうとしたが、隠れて様子見していた強マーダー今田耕司先輩に襲われて引き離されてしまう。
今田耕司先輩を振り切った時には消耗もあって学校周辺に向かうことができず、すぐに流された放送にはディスメラの名前があった。
仲間を守れなかったことを悔いる三人。
特に世界はあと5秒遅ければゴジラに殺されていたところをディスメラに庇われたことを理解し、子供の顔さえ見れずに死んだディスメラの絶望を考えるとやりきれない気持ちになった。
結果としてラングセンや彼女を殺し合いに巻き込んだ主催への復讐のために、対主催へ転向をする
まだどこか不安定なところはあったがオルガと遊星は世界を信じて正式に仲間として認めるのだった。
ディスメラ没後にゴジラ・アスラ・海魔・メガシャークによる怪獣大戦争が発生し、やむなく拠点にしていた学校を鉄華団は放棄。
こちらを虎視眈々と狙う今田耕司先輩から逃れるつつ、誘導された先は……トラップハウスと化した野獣邸だった。
怪獣と今田から逃れるように罠の巣窟へ入るこむ鉄華団。
案の定、真っ先に罠の餌食になるオルガ。
勝ち取りたい!物も無い!(ガンガー走り)
う゛ぅっ!(罠の餌食) 希望の花~
「止まるんじゃねぇぞ……」
が、↑の繰り返しでトラップを強引に突破し続けるオルガ。
後ろから迫ってくるトラップもあったので地味にあの台詞の用法も合っている始末。
一方、遊星はこのトラップ地獄に心当たりが……
そしてトラップを越えた先に待ち構えていたのは野獣邸の主と化したクマ吉。
この熊は元ロワで鬼柳を罠にはめて殺した遊星にとっての仇敵であった。
クマ吉は遊星も巻き込まれた以前の殺し合いにおいて、新しい血族によって真っ黒な思想を植え付けられており、欲望のままに生きること……それはいつもどおりのセクハラではなく、目的のためなら殺人も辞さない獣性に目覚めていた。
今の彼ならば通報したうさみちゃんを駆けつけた警官ごと虐殺できると言っても過言ではない。
この狂気の熊は最初に世界に目を付け、最悪死姦でも構わないのでミラー
モンスターであるボルキャンサーを使って鏡の世界へ連れ込もうとするが、遊星のトラップカードである屑鉄の案山子により失敗。
モンスターも破壊されてしまうが、今度は館の奥に隠していた虎の子ブラックサレナに乗って館ごと鉄華団を焼き払おうとする。
遊星はブラックサレナに対抗できそうなスターダストドラゴンを召喚するが、このままではオルガと世界を守りきれない。
そこで支給された爆走バイクガシャットを使った結果…実体化したスターダストドラゴンがバイクに変形するミラクルが起きる。
まるで意味がわからんぞ! という事態だが、結果的に機動力を得た遊星はスタダをD・ホイール代わりにクマ吉を誘導して仲間がいる野獣邸から離し、1対1の直接対決にもつれ込むことができた。
ブラックサレナと共に遠くへと離れていく遊星の姿。
だがその直後にトラップの妨害で疲弊したオルガと世界に後ろから迫っていた今田耕司先輩が襲い掛かる。
オルガは死ぬと十全で復活してしまうという特性を見抜いた今田は、オルガを殺さずに迫真空手で気絶させて後回しにすることを思いつく。
オルガも銃弾を撃ち込むも大したダメージにはならずに倒れてしまった。
オルガは気絶し世界一人では分が悪い……という状況から、駆けつけた世界の親友の正嗣の助太刀が入り、今田の撃破に成功する。
ところが直後にマサツグ様(正嗣と同一人物だが、混沌3の出身で凶悪マーダー)の奇襲により世界が気絶。
マサツグも討たれるが今度は正嗣の怒りの感情によって纏っていたインクルシオが暴走を起こし、竜となった正嗣が鉄華団に牙を向く。
危うく世界が喰われる寸前で彼の師であるAKYSが遅れてやってきて二人を守る。
満月のような美しさを持つ奥義「聖拳・月」と新月のような神秘性を持つ「聖剣・月」がぶつかり合うも、僅かに押し負けてAKYSが致命傷を負ってしまう。
しかしAKYSの支援は無駄ではなく、オルガは気絶から覚めてAKYSから自分が正嗣を押さえている内に暴走の原因であるインクルシオを破壊しろと教えられる。
AKYSの助言通りにインクルシオを破壊しようとするオルガだが、今田によって気絶中に両肩関節を外されていたために武器を使うことも自殺してからの復活もできない。
そこでオルガは三日月とバルバトスを召喚しての破壊を思いつき、召喚を行う。
……が、ここまでで死にすぎた反動かMP切れでバルバトスは召喚直後にたち消えてしまう痛恨の不運が発生。
AKYSも限界を迎え万事休すのその時、目覚めた世界が今田に破壊されたガングニールに変わって手にしたアームドギア「天羽々斬」を纏い、インクルシオを破壊し正嗣をインクルシオの呪縛から解放した。
本人の意思が介在していなかったとはいえ尊敬する師匠を殺めてしまい泣きじゃくる正嗣と彼を慰める世界。
AKYSは弟子を許し、微笑みを浮かべながら果てた。
死ぬ前にオルガに弟子を任せたというアイコンタクトを送って……
野獣邸の騒ぎはこれにて幕となった。
AKYSを三人で埋葬中、オルガは世界の変化に気づく。
以前はどこか不安定で危なげだったが、何か吹っ切れた雰囲気になっていたのだ。
ラングセンや主催への復讐心だけで動いていた少女が、いつの間にやら明確に「戦う」意思が芽生えていたのだ。
何があったのか聞くと夢の中で真の記憶を思い出し、友に励まされたのだという。
原作と架空学園、二つの世界で過ちを犯した彼女だが、そのどちらも償うために生きることが手にかけてしまった友人、貶してしまったライバル、そして愛した男への責任の取り方であると語る。
ラングセンや主催への復讐は目的から、生きるための通過点となった。
他人に生かされた命を無碍にはできない……まだ償いも終わらず、誰の支えにもなれてないから死ねないというのが彼女の意思であった。
オルガはただただ感心し、師を殺めたばかりで塞ぎ込んでいた正嗣も立ち直ったのだった。
AKYS埋葬後、中々戻ってこない遊星が不安になってきたオルガたちだったが、世界と正嗣の消耗が激しいので野獣邸を離れるに離れられない。
そこへ世界と正嗣にとって友人であるやる夫が現れる。
やる夫も元のロワでは殺し合いに乗っていたので最初は警戒されたが、改心しアクシズ教団という対主催集団に身を寄せているらしい。
そのアクシズ教団は野獣邸からほど遠くない遊園地にて生き残った対主催を集めており、遊星とも縁があるけもフレファン一行もそこにいるとのこと。
殺人鬼キル夫でもあるので戦闘力の高いやる夫は斥候として遊園地周囲を探索していたところを野獣邸に当たり、鉄華団を発見したのだ。
世界たちの言葉とやる夫に三日月に似た何かを感じたオルガは彼を信頼し、二人をやる夫に預けることにした。
ディスメラの件から、仲間を一人にしておくのは危ないという判断であり、自分よりは余力を幾分か残しているやる夫の方が安心して世界たちを守れるという判断だった。
世界に一時の別れを告げてオルガはマリオカート風BBに変身して遊星を迎えにいった。
オルガが見つけたのは黒煙をあげて大破したブラックサレナ、そしてギリギリの激闘を終えた遊星だった。
クマ吉を倒して鬼柳の仇を取った遊星だが、その顔に晴れやかさはない。
遊星曰く鬼柳は仇討ちを喜ぶ男ではなく、クマ吉もまた弱い心を罠や厚い鎧で身を守ろうとした殺し合いの犠牲者に過ぎなかったのだ。
だからこそこんなくだらない殺し合いを終わらせようとする意思がより強く芽生えており、そんな遊星にオルガは頼もしく俺たちで殺し合いを終わらせようと言い、遊星もまた彼の手を取った。
そして二人は対主催の拠点となる遊園地ドバーランドに向けてバイクとカートを並走させるのだった。
遊園地にはアクア率いるアクシズ教団、
バーン様率いるけもフレファン御一行、社長率いる新檀黎斗組、架空学園の生徒たち、その他に多数の実力を持つ対主催が集まっており、オルガたちも合流する。
(死後に因縁のあるハンターとかち合った時は流石にギョッとされたが)
先にいる世界にも無事に合流したが、浮かない顔である。
というのも遊園地に向かう途中でやる夫が強敵である志々雄と相討ちになってしまった。
さらにその途中で己自身と親友との関係の消失を恐れてマーダー化していた朱志香を魔理沙・よし子、こなたと共に説得するも、トラウマから暴走してしまった少年に殺されてしまい救えなかった、と。
また一人かけがえのない友達を失ったことで気落ちしていた彼女や生徒たちに対し、オルガ立ち止まってちゃいけないと励ますのだった。
まるでビスケットを失った直後の自分を、三日月が励ましてくれたように。
そして、対主催の大半が集ったところで、アクアは主催の元放送係にして捕虜であるBBを対主催の前に出す。
BBはムーンセルの暴走した上級AIであり、当初は好き勝手できるからと主催に組みしていたが、やがて自身の破滅すら招く主催の危険性に気づいて離反し対主催に投降したのだという。
そしてBBのいたポジションにはディスメラの仇であるラングセンが組み込まれ、彼女の友人と言える舞菜もラングセンに囚われているので救いに行かなければなるまい……その前に対主催陣営は敵の様相をBBに聞く。
彼女によると主催は999回の殺し合いと征服行為で多くの命を取りこみ、更に命をかき集めようとする殺生院キアラを中心軸に、多くの世界を危険なゲームに巻き込まんとする壇正宗、憎む平行世界そのものを消滅しようとするTDN(参加者はアバター)、そして999回目の殺し合いの優勝者でありディスメラとも無関係と言い難い浄化杜指導者Rの派閥があることを告げられる。
特にエンブリヲによると
オリロワ世界のロボディはオルフェンズ世界のMS技術が使われており、BBですら存在を把握しきっていない指導者Rはオルガの世界とも何か繋がりがあるのではないかと言われた。
少なくともロボディの高性能化が江洲衛府島に戦争という悲劇を招いたのは想像に苦しくない。
主催の目的や戦力があらかたわかったところで作戦を立てる。
かつて
犯罪者ロワの参加者はお互いを信用できないせいでろくな作戦を立てないままバラバラに戦ったために主催に敗北し全滅の憂き目を見ている。
それぞれの役割と得手不得手を理解した上で主催に挑む必要があった。
その時、人員の顔をよく見て綿密な作戦を組み立てたのは、鉄華団という組織を率い、最も戦略慣れしていたオルガであった。
最終決戦前にオルガは火星のパイロットたちと共に戦ったエンブリヲから話を聞いた。
三日月という少年こそ助けられなかったものの、親友であるビスケットとシノは殺し合いを生き延び、ビスケットは妹たちのところへ帰り、シノはもう一つの火星でエースとして戦っているのだという。
また、三日月の息子である暁も元気だという。
それを聞いただけで安心したオルガだったが、エンブリヲが去った直後に自分の体に限界が迫っていることを悟る。
野獣邸での戦いの時に気づいたが一見不死身に見えるオルガには、実は死ねる回数には限界があり、さらにBB変身や三日月召喚をするたびに寿命が縮まっているのだ。
おそらく次が最期の戦いになる。
死ぬかもしれないが、自分は命を落としても勝ちたいとだけ願った。
勝ち取りたいものもない無力なバカにはなりたくなかった。
そんなオルガを前にこの殺し合いの地で得た家族であり戦友である遊星と世界が覚悟を秘めた笑顔で出迎えるのだった。
決戦前に遊星からオルガへのプレゼントとして一つのホイポイカプセルを渡す。
投げ込むと煙の中から一機のMSが現れた。
「まさか俺がこいつに乗ることになるとはな…ミカになんて言われるかわかったもんじゃねぇな。
だがよ、鉄華団…火星…タービンズ…ディスメラ…死んでいった奴らのためにもアイツらは俺たちがブッ潰さなきゃならねぇ……」
現れたのはオルガのために作られた王様の椅子…白い獅電であった。
王様の椅子という言うと聞こえは良いが特別な力がある機体ではなく、阿頼耶識を積んでいない分性能は
ガンダムには大きく劣り、そもそも組織のリーダーであるオルガ自体が最前線に出ることが鉄華団の異常事態であり、オルガはMSに乗った戦闘とは無縁なために原作ではとうとう乗らなかった顔だけの機体である。
だが今だけは、この機体に乗って負ける気がしなかった。
「オルガ・イツカ!獅電、出るぞ!!」
最終決戦の幕が上がった。
主催はそれぞれが超常的な力を持つがゆえにそれぞれが得意とする分野で戦う必要があった。
獅電に乗るオルガ、ビックドラに乗るノビタ、武御雷に乗るクライブ、サイヤ人のトランクス、
バーン様、ファレグなどの攻撃力に優れたものは格納庫周辺を襲撃する。
量産型で本物より戦闘力は低いとはいえブラックヴォルフは危険であり、出撃前に潰す必要はあった。
迎撃に浄化杜の高性能ロボディ・闇鴉や雑兵のセンチネルが襲来してくるが押しとどめることはできずに戦いの末に全てのブラックヴォルフは出撃前に大破。
格納庫も脱出艇にする予定のアンパンビウムを残して完膚なきまで破壊される。
この時点でも正嗣などの犠牲は出たが、TDNも撃破されレイジングハートとロンゴミニアドとアガートラームを手に入れた世界が合流。
主催戦力であるハズのサメが暴走したので戦力差もある程度まで埋めることができた。
そんなオルガグループの前に浄化杜の指導者Rがとうとう姿を現した。
ミルドレッドに謀殺されたハズの浄化杜の指導者。
異能者が無能力者を虐殺した「サイコの大暴虐事件」後に突如現れ、無能力者に異能者死すべしの思想を植え付けてテロリスト組織「浄化杜」を結成した危険人物。
ミルドレッドの裏切りこそ見抜けなかったものの組織を拡大した手腕はかなりのものであり、さらにロボディの操縦能力は幹部であるクライヴをも凌ぐ。
人前では常に仮面で顔を覆っており詳しい外見や性別・年齢は誰にもわからない(声はボイスチェンジャーで変えている)。
本人曰くサイコの大暴虐事件で醜い火傷を負ったらしいが、真相不明。
名前のRは「本名の頭文字」「Revenge(復讐)の略」とも言われているが実際のところは側近の浄化杜幹部にすらわからない、謎多き存在……クライヴからそう言われた男の正体がついに顕になるのだ。
その正体は知らない者はあまりのRの大きさに、知る者はその正体に驚くのだった。
リエル「な、なんであなたが浄化杜の大将なのですか!?
――テツヲ学園長!?」
それは
オリロワ6世界にて
アークが死亡した後に江洲衛府島高校の学園長に就任したエアーズロックの付喪神、テツヲことロックキング・テツヲノウルル。
彼こそが浄化杜の指導者であり、ミルドレッドが殺したのは単なる影武者だったのだ。
この巨岩曰く生徒や
アークが知っている優しい顔は仮面に過ぎず、学園長に就いたのも
スエボシや浄化杜を一度は滅ぼした生還者を監視・暗殺するためである。
さらに正体を嗅ぎまわっていたリエルの友人夫妻を異世界移住に見せかけて秘密裏に暗殺したことも明かされた。
この巨岩は人類が誕生する前に絶大な念力を使ってパンゲア大陸時代の王として君臨していたがより力を持つ
スエボシの台頭と彼女が生み出した異能者・魔人の出現によって地球の頂点から引きずり下ろされ、それ以来
スエボシと人間を憎んでいた。
浄化杜立ち上げの真の目的は異能者排除ではなく、進化した人類である異能者を絶つことで同時に人類の進化の道を絶ち、人類を退行させて再び地球の頂点に返り咲くのが目的である。
しかも自身がエントロピーを過剰消費していることを異能者に擦り付けて神に嘘の申告と異能者による宇宙崩壊の危機を進言し、これによって異能者排除のために作られた使徒が生み出される。
実際は使徒を異能者狩りや魔人へのカウンターに利用し、あまつさえ時がくれば自らを作り出した神をも裏切って、神に成り代わろうする準備のためにエントロピーをその身に溜め込んでいる。
自分の私腹を肥やすために何を知らない者を利用していた吐き気を催す邪悪にクライヴを始め、多くの者が憤慨する。
それだけでなく、エンブリヲに教えられたロボディとMSが似通っている謎が明かされるが、その真実は極めて残酷であった。
テツヲ「それから、オルガ・イツカくん、君……と言っても世界線は違うが君の知り合いのラフタくんだがね。
ブラックノワールの開いた殺し合いの最終決戦時に死んだと思われたが、実は彼女はアインスト故の生命力で生き永らえていたのだよ。
次元孔の歪みによって偶然我々の世界にやってきたのだ。
彼女のもたらした情報のおかげで我らの世界のロボディ技術は飛躍的に上昇したよ」
オルガ「……彼女は今どこにいる?」
テツヲ「アインストの力を私のものにするために私の肉体の一部となった。
今でも私の臓器として彼女は生きているよ――人的資源は有効活用しなければね」
オルガ「そうか……」
兄弟の契りを交わした義理の兄者である名瀬の妾であり、
混沌ロワ3では放送役そしてアインスト化させられて利用されていたラフタは生きていた。
だが、彼女はテツヲに利用されるだけされて、体内に取り込まれている……鉄華団を捨ててまで彼女を選び守ろうとした昭弘が知れば絶望するだろう。
これは名瀬、昭弘、そしてラフタの生き様に対する冒涜でありオルガはこれ以上ないくらい怒る。
MSの技術を奪うことでディスメラのいた世界にも戦火を悪戯に広げたコイツは唾棄すべき世界の歪みであると。
オルガ「兄貴の女と昭弘の願いを踏みにじったおまえだけは絶対に潰す!!」
テツヲ「やってみたまえ死体人形くん」
エアーズロックの中から超巨大な岩の巨神が現れ、浄化杜指導者Rことテツヲとの戦いはきって落とされた。
だがそのパワーはキアラに託された力やアインストの力も相まって擬似的な第六文明人の遺跡と化しており、本気の一撃ならコロニー落としに匹敵する超パワーを持っていた。
その戦闘力はファレグやトランクスですら迂闊に近づくことも許されず、召喚したスマホ太郎すら容易く粉砕し、つけものを庇って
バーンが重傷。
ロボットの中では最も攻撃力が高かったビッグドラも破壊され乗っていたノビタも致命傷を負う。
オルガの獅電も一度はショートして倒れてしまう窮地に。しかし。
ノビタ「僕はキテレツ族じゃないけど、キテレツ族には代々伝わる戦いの発想法があってね
それは神風特攻!僕が最期に見せるのは代々受け継いできた魂だ…」
ここでノビタが最期の意地で航時機による神風特攻を敢行。
時すら歪める航時機によってテツヲは大打撃を与える。
このままでは面白くないと思ったテツヲはアインストによる再生の時間稼ぎと対主催を絶望させて戦意を挫くために外部の映像を見せる。
映像は火星を滅ぼしたブラックヴォルフの軍団とそれを載せた浄化杜艦隊が会場に戻ってくる途中の映像だった。
そう、格納庫に残っていた機体は予備の機体に過ぎず、本隊である100機以上のブラックヴォルフは顕在。
それがテツヲの指示を受けて帰還しようというのだ。
仮にそうなれば圧倒的な戦力差により対主催は確実に滅ぼされる……主催を倒しても艦隊に殲滅される未来しか浮かばないという対主催の表情にテツヲは愉悦の笑みを浮かべる。
ただし、その笑みは長く続かなかった。
突如、映像の中の宙域に赤と白の閃光が瞬いたと思いきや、二つの砲撃がブラックヴォルフや戦艦を貫いていく。
白い機体はディスメラにとって義理の弟と言える
回縞ロックスが乗ったロボディ、メルカバー。
そしてもう一機は人類の決戦存在となりヴェイガンのエースとなったオルガの戦友ノルバ・シノが駆る
ガンダム・フラウロスであった。
それだけでなくヴェイガンと
オリロワ6世界の同盟艦隊も現れ、合わせて1000機を超える量産型ヴェイガンガンダムや量産型メルカバーが浄化杜艦隊を襲来。
ロボディやMSとブラックヴォルフといった浄化杜戦力相手に優勢な戦いを繰り広げ、会場への帰還を押しとどめた。
それだけでなく、他の世界の地上を襲撃していた浄化杜からも救援要請が来ており、強固な次元封鎖を行ったにも関わらず白い猫を連れた金髪の女一人に破られた挙句、その女に各世界の戦力が集められ猛反撃を食らっているのだという。
まさかの事態に慄くテツヲと沸き立つ対主催。
対主催の戦意を挫くつもりが、むしろ外側で戦う者の勇姿を見せつけたばかりに盛り立ててしまったのである。
オルガもまた、シノが戦っていることに散らない鉄の華の意志は顕在だったことを知って奮い立つのだった。
そして奇跡は起こる。
同時刻に別の場所にいるキアラが三次元人の狂気を味方につけたラングセンを取り込んだ結果、拒否反応でかなたなどの一部の魂が流出してしまい、その中にオルガの肉体を生ける死者に変化させた「怨念の川」も解放され、オルガに新たな力を与えたのだ。
その力を使えば今までにない大きな力を得られるが、おそらく消耗で肉体は消滅する諸刃の剣。
だがここでテツヲを逃がしでもすれば執念深く寿命の概念のない悪意の岩は何億年かけてでも必ず再起して人類に被害を与える。
何より多くの対主催を生かすために、オルガに迷うことはなかった。
――繋いだ絆を力にする時は、今しかない
遊星の応急修理による獅電の再起動と同時にオルガがこれまでにない大召喚を行う。
まず五人に分身し、三日月と愛機であるバルバトスルプスレクスを召喚。
さらに、もう一つの未来にて悲しみに取り憑かれた男が生み出した三日月顔のゼラとシド。
その身の不幸も受け入れて愛すべき女のために戦った昭弘とアインストグシオン。
そしてこの殺し合いで縁を結んだ者。
ディスメラと彼女の相棒であるAIロボディ・ブッチャー、そして彼女の恋人であるラップスとバーゲストmarkⅢが召喚される。
ディスメラが蘇ったと思われたことには遊星と世界は驚くが、実際に生き返ったわけではないことがオルガの口から明かされる。
というのも、召喚したのは本人ではなく本人に限りなく似たコピーである。
三日月もゼラも昭弘もラップスも、本当にここにいるわけではない。
……そもそもここにいるオルガ自身、正史にて非業の死を迎えたオルガ・イツカをMAD素材に作られた廃材アートに過ぎず、ゆうきのアバターであったハンターと同じように虚構なのだ。
その事実に遊星と世界は衝撃を受ける。
だが本人に限りなく似たコピーということは宿す意志は本人と謙遜がないということでもある。
そして虚構に過ぎなかったオルガに、オルガ本人の止まらない意志を思い出させたのは溺死を覚悟で前に進み続けたボーちゃんのおかげであり、命を吹き込んだのはかけがえのないディスメラ・世界・遊星との絆であった。
紡がれた絆に感謝を込めて、オルガは再度指揮を取り、遊星・世界、そして他の対主催も指揮官のオルガを信じて戦う。
予想外の出来事に徐々に追い詰められるテツヲだが、それでもテツヲの力はあまりにも強大…
エースたちの猛攻にも耐えるテツヲ。
ただでも消耗が激しいのにこのままではオルガの方が先に倒れてしまうだろう。
オルガが力尽きれば召喚した三日月たちも消えてしまい、余力のない対主催は全滅する。
そんな中、ギアの多重装着と激しい戦いで体力を消耗した世界は剣に変形させたアガートラームをある人物に託す。
――機械 のような奴らに
世界「アガートラームは、英雄一人の力で抜く剣じゃない…みんなの想いを受け取って…ッ!」
剣となったアガートラームを手にしたのは…トランクス!
――支配される前に 居場所 さがせよ!
トランクス「みんなの心を一つにした力を喰らえ! ライジング・フォース!!!!!」
テツヲ「おのれえええええええええ!!」
デストローイ!!
トランクス「今です! 奴の内部に突入して!!」
――まわりまわって さぁ今 重なり合った未来
トランクスを中心に全員の想いを受け取ったアガートラームは役目を終えて砕け散るも、聖剣のパワーはテツヲの巨体にMSが通れるほどの大穴が空けた。
その傷も放っておけばすぐ再生してしまうが、それを見逃すオルガたちではなく、すぐに突入を開始する。
内部にも触手のようなものが張り巡らされて侵入を阻み、突入を助けようとしたクライヴの武御雷が貫かれてしまうが、決死の自爆によって触手を焼き払い、テツヲの内外にダメージを与えて侵入を助けた。
突入に成功したオルガ、遊星、三日月、昭弘は一発逆転の策として手分けしてテツヲの心臓部の破壊を目指す。
――手を取りあって僕ら 地を這い立ち向かうよ
そしてオルガと遊星のコンビは心臓部にたどり着くが、体内の触手が襲い掛かり、獅電と遊星の乗るバイクを縛り上げる。
遊星がシューティングスターで心臓を破壊しようとするが外装部を吹き飛ばしただけで本懐は残っていた。
ならば獅電で砲撃を行おうとするが、腕部分を縛り挙げられて砲撃ができない。
あと一歩なのに……と焦るオルガであったが、ここで昭弘と共に別行動を取っていた三日月から通信が入る。
――まわりまわって さぁ今 宇宙に放った願い
昭弘が取り込まれていたラフタを発見し、切除に成功したのだ。
これによって彼女は二度と誰にも利用されることのないまま、もうひとりの愛した男の手の中で眠ることができる。
何よりもアインストの力を失ったことでテツヲが力を失い、縛っていた触手が微かに緩んだのだ。
撃たせまいとする触手になけなしの力を込めるテツヲと獅電の関節から煙をあげても心臓部を狙うオルガ。
戦いの結末は……
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負 三日月「トドメは任せたよオルガ」
け 昭弘「やれえええオルガァ!やれえええええええ!!」
て ゼラ「火星のために」
た ラップス「江洲衛府島のためにも」
ま ディスメラ「撃ってオルガ!」
る 世界「行ってオルガさん!」
か 遊星「戦えオルガ!戦うんだァーーーッ!!」
!
オルガ「みんな、ありがとよ……うおおおおおおおおおおお!!!」
――やがて叶った夢を 守り続けるから
多くの絆に支えられたことで、テツヲの心臓部に獅電の砲弾が直撃した。
――We are 最後のサバイバー!
オルガ「なんだ、けっこう当たんじゃねえか」
テツヲ「この地球の王であった私が、こんな小僧如きに!?」
オルガ「テツヲ、地球の王様がなんて声出してやがる。俺は鉄華団団長……オルガ・イツカだぞ」
テツヲ「おのれ人間、おのれオルガ・イツカアアアアアアッ!!!」
人類への恨みと、自分を討ったオルガへの憎しみの言葉を叫びながら妄執に取り憑かれた元・地球の王の体はただの岩石として崩れさるのだった。
その寸前にオルガは遊星を連れて体内から脱出し、世界ら対主催に迎えられる。
遊星や世界、対主催に傷を負っていない者はいなかったが、生き延びているものもいた。
こなた・永夢によるとキアラと正宗も討たれ、対主催は勝利を勝ち取ったのだ。
死んでしまった参加者、滅ぼされた火星、殺された
オリロワ6世界の住民の無念が晴らされたのである。
消える前にオルガはコクピットの中で遊星に最後の言葉を告げる。
人は誰でも迷うし、たどり着く場所がないと不安になるかもしれない。
遊星・世界・ディスメラも迷いからマーダーになったが、再び人として再起することができた。
甘い誘惑や暗い絶望が襲いかかってきても人は死ぬまで足を止めてはならないのだと。
縁を結んだ遊星と世界には特に歩き続けて欲しいからこそ、「止まるんじゃねえぞ…」とお決まりの言葉を送り安らかに眠る。
オルガは最期にある夢を見る。
一つは名も知らない少女と誰かに似ている気がする老人の会話。
「確かに君達の選んだ道はどうやったって破滅へと続いていた、力だけじゃどうにもならなかった」
「………じゃああんた、俺は俺達はどうすればよかったんだ……?」
「多分、終わってしまった世界に答えは無いと思う。だけど、ここじゃないどこか違う場所で、やり直せる日が来るんじゃないかな?」
「やり直せる……それは、いつなんだ?」
「そればかりは私にもわからないさ。ただ、その世界ならオルガやみんなもいなくならない世界になるかもしれない」
「………行き先は、まだあるってことか」
「その時はいつだって最高に粋がっていて、最高にかっこいいオルガ・イツカに期待するよ」 ポロロン
「……………ああ、あんがとよ、名前の知らない誰かさんよ」
少女と誰かの望んだカッコいいオルガに俺はなれただろうかと、考えさせられる。
ただ奏でられるカンテレの音色がとても綺麗で、不思議と懐かしく聞こえた。
次の夢は死んだハズの三日月やビスケットがいて、生き残った鉄華団のみんながそれなりに頑張ってそれなりに幸せに暮らしている光景が見えた。
弟分の三日月も妻であるアトラとクーデリア、息子の暁のために夢だった農場で平和に働いている光景が見え、少し嬉しそうな顔を浮かべる。
信じて歩き続けた先に愛する者が戦わなくていい居場所を手に入れた……それだけで「俺たち」のやったことは無駄じゃなかったのだから。
遊星と世界はまた復活するのだろうと期待したが、三日月やディスメラも微笑み顔で消えていくところから嫌な予感がして振り返るとオルガは消滅していた。
オルガの本当の死にグスグスと泣き崩れる世界の肩を抱き、遊星は決意を述べる。
遊星「ああ、俺達は止まらない。大切な仲間と共に未来へ走り続ける!」
それから時は経ち、江洲衛府島。
そこには亡きディスメラの遺児である「回縞正継」という少年がいた。
実はディスメラの子供はロワに招かれる寸前に産まれており、タネを明かすと出会った人間が本当に信頼に値する者か試すために腹にタオルを撒いて誤魔化していた(出産直後の消耗と激痛でロボに乗れずまともに戦えなかったのは嘘ではない)。
そして世界、オルガ、遊星の善き人間性を知り、ラングセンの襲撃がなければ嘘を明かすつもりだったと、ビデオレターに乗せていたのだ。
そして殺し合いを生還した世界はディスメラの遺言に従って子供の名づけ親になり、姉として正継を育てることでこれまでの罪を償うことを決めた。
傭兵であるロックスが親族として引き取るも彼は過酷な任務で家に帰れないことが多く、ロックスの義理の妹になった世界の愛情によって少年はすくすくと育った。
高校生になった正継によるとクラスにもうすぐ火星からの留学生がやってくるらしい。
また全滅したかに思われた
パイロットロワ火星には生存者がおり、それが三日月の子供である暁であった。
こちらは両親が死に、混沌3火星にいるクーデリア婦妻に贈るわけにはいかない(暁が二人いるとどのような弊害が起こるかわからないので)、ヴェイガン火星にいるシノが引き取り、「暁・シノ」として育てられ、この度国交を結んだ江洲衛府島の高校に留学することになった。
留学の送り向かえ役は暁のデュエルの師匠である不動遊星が担う。
弟子をバイクに乗せて江洲衛府島に繋がるワープゲートに向かう遊星だが、その前にゲートの前に建てられた一つの銅像に向けて会釈する。
その銅像の題名は「火星の王」。
火星や多くの者のために永久なくとも戦い続けた戦士の武勇は、火星で生きる者たちに自分たちがきっといつかどこかへたどり着くことを信じさせる勇気を与え続けたという。
最終更新:2024年01月20日 22:35