【名前】風鳴翼
【性別】女性
【出典】戦姫絶唱シンフォギアXV
【スタンス】対主催→無差別マーダー→???

【ロワでの動向】
参戦次期は第6話、小日向未来がミラアルクに誘拐された後。
この頃の翼は精神的にも不調ではあったが、殺し合いという異常を喫した舞台へと急激に切り替わったお陰かなんとか冷静さを取り戻し、名簿とデイバッグの中身を確認する――




正直な所、この選択が彼女の―――いや、このロワの結末を決めてしまうなどとは、誰が予想出来ただろう




支給品として彼女が最初に取り出し、見たものはSCP-216-JP『タブーなんてない』
これは一見すればただの自己啓発セミナー向けのパンフレットであるが、問題はこれのページを捲った際に読める巻頭言

タブーなんてない!
やってはいけないことなんて存在しません!
何にでも挑戦することから、あなたの人生は始まるのです!

この巻頭言を目の当たりにした対象は、自らが忌避する行為をやりたくなるように精神構造を作り変えてしまう恐ろしい代物である


で、こんなヤバい代物の巻頭言を目の当たりにしてしまった翼さんはもれなくミーム汚染一直線。幸いというべきか主催によってミーム汚染の効果が弱められていたのか当初は頭痛のようなものに悩まされながらもなんとか正気を保っていた


精神汚染に悩まされながらも彷徨い、最初に出会ったのが閃忍の飛鳥……なのだが、今ロワの彼女は東京妖魔篇出典であり、仲間を助けるためなら殺し合いすらも厭わない思考となっていた
というわけで話し合いの余地以前の問題だったのでしかたなく交戦にもつれ込む。純粋な技量ならば翼の方が上ではあったが、翼自身の葛藤、そして相手が妖魔化していたのもあり地力の差で押し切られそうなる翼。だが

タブーなんてない!
やってはいけないことなんて存在しません!
相手は話し合いの余地すらない完全なバケモノだ、だから殺してしまっても問題ない

脳に、心に囁く自分と同じ謎の声。その声によって一瞬正気を失った翼はまるでタガが外れたかのごとく一転攻勢。
そのあまりの凄惨さに自らの目的すら忘れた飛鳥の命乞いすら無視してその生命が尽きるまでズタズタに切り裂いて殺害
正気に戻った翼の眼前に広がっていた自分が殺したと思われる人だった何かの残骸。だが、「相手が悪人だったからこれは仕方ないんだ」と自分に思い込ませ、何とか心の拮抗を保つ

次に出会ったのはキチクマこと生きるテディベア、SCP-1048『ビルダーベア』。飛鳥戦でタブー破りの汚染がある程度マシになっていたためか、この怪我をしていたテディベアに簡単な治療を施す。ビルダーベアは少しばかりお辞儀をして去っていき、翼はあのテディベアが無事殺し合いに生き残れることを願うのであった
……もっともあのテディベアがマーダーであり、後々これが翼の助けになる事は翼自身が知る由もなかったが


次にやっと出会えたのが仲間である立花響……であったがこのタイミングでロワ参戦前にミラアルクから掛けられていた『不浄なる視線(ステインドグラウス)』が発動。本来仲間であるはずの響がミラアルクにしか見えなくなってしまう
目の前の響をミラアルクだと認識して襲いかかる翼、XV2話におけるライブ会場での虐殺も影響し、ミラアルクゆ゛る゛さ゛ん!!!゛゛゛となって我武者羅に殺しにかかる。が、その執着と憎悪が裏目となり、別のミラアルク(猗窩座殿)の正拳一発でギアが破損、響達の声を無視して撤退せざる得なくなる


撤退して数分経ったタイミングで不浄なる視線の効果は切れるも、ギアが破壊されたことで翼はさらに精神状態が悪化、さらに

タブーなんてない!
やってはいけないことなんて存在しません!
何にでも挑戦することから、あなたの人生は始まるのです!

耳鳴りの如く鳴り響く誘惑の声。余りのやかましさに周りを気にせずうるさいと叫んでしまう始末。何とかギアの代わりとして参加者の遺品からハザードトリガーを回収。更に別の場所でフルフルラビットタンクボトルをゲットしたため、急場凌ぎとはいえマーダーに襲われた時の対応は可能となった


――そして、運命の時は訪れる

放送で流れた雪音の死。後輩すら守れずただ我武者羅に足掻く自分が情けなくなってきた所で再開したのが死んだと思われた天羽奏。思わず駆け出そうとした、その時だった



タブーなんてない!     タブーなんてない!
             タブーなんてない!
      タブーなんてない!   タブーなんてない!
タブーなんてない!       タブーなんてない!
   タブーなんてない!     タブーなんてない!
タブーなんてない!       タブーなんてない!
                 タブーなんてない!
タブーなんてない!       タブーなんてない!

鳴り響く誘惑、心を揺らす音声、それはまるで奈落へと誘う死神のごとく翼の耳元に囁きかける
そして、その誘惑は

天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい
天羽奏を殺してみたい 天羽奏を殺してみたい

――という最悪の提案として響き渡る
嫌だ、そんなことしたいわけがない、そんな馬鹿げた真似なんてしたくない、私は、私は、私は

風鳴翼の心の叫びは、異常に塗りつぶされる塗りつぶされる塗りつぶされるおしつぶされるされるされされされされるおしつぶされるされるされされされされされされさささささささささささささ


一度きりの人生、楽しまなきゃ損じゃない? レッツ エキサイティング!


――この『SCP-216-JP(風鳴翼)の声』を最後に、風鳴翼は壊れた。彼女は虐殺者と成り果てた
『天羽奏』を殺したいという衝動の元、タンクタンクフォームへと変貌し天羽奏に襲いかかる、奏は同行者であった弓塚さつきを逃がし、翼のドライバーを破損させ変身解除まで追い込むも、最後の最後で良心を捨てきれなかったが為にガングニールを翼に奪われ――翼はそのガングニールで奏の悲鳴が消えるまで突き刺した


突き刺した



突き刺した



突き刺した




事切れた奏の姿、そして真っ赤に染まった自らの身体を見て改めて思った。自分は防人ではなく悪鬼羅刹だと自覚。SCP-216-JPのミーム汚染も有り開き直った彼女の取るべき行動は唯一つ『殺し合いに乗る、もっと殺してみたい、もっともっと――』
なおこれを木陰に隠れてみていたミラアルクは「俺はここまでやっていない(意訳)」と超ドン引きした模様

その直後に例のテディベアと再開。ただしそのテディベアは彼女にもう一つのテディベアと、ある剣を投げ渡しそのまま去っていく。その剣の名は魔剣ゲババーン。数多の女神の魂を喰らった呪いの剣。
悪鬼羅刹と化した翼にとってはギア無しで戦える唯一の手段であり、ありがたく使わせてもらうことにした。ちなみにこの剣最初の犠牲者はタチバナサンでした 「ザヨ゙ゴ―――――!!」



そしてロワも終盤。参加者が主催本拠地に乗り込む中、彼女はとある部屋に迷い込んでいた。それはメタ的な意味でも主催陣営によって収容されていた数多のSCPが生息している収容所
勿論この収容所が開放されればSCPが収容違反し、数多の世界がK-クラスシナリオ一直線。だが、今の翼にはそんな事関係ない

ただ『そのタブーをやってみたい』という衝動のまま、SCPを解き放った

解き放たれたSCP参加者、主催者関係なく襲いかかる。風鳴翼は狂喜のままに叫び歌う、切り刻む。ただ「やってみたい」という原始的欲求から


「――翼さんッ!」


そんな狂気に堕ちた歌姫を止めようとする少女が一人。立花響だ。このロワでは数多の悲劇に見舞われた彼女であるが、誰とも分かり合おうとする信条を持つ彼女であっても、今の風鳴翼はまさしく『異常』


「久方ぶり堕なぁ立花ぁ――何時ぐらいだ? いやいイや、どちlaにしろ殺すんda」
「つばささ……なんですか、それ――」
「アア、これ?????????? 殺したカなdeから臓器を切り取ってイヤリング」
「――――――ッ!?」

今の風鳴翼には立花響が何を思い、何に怒り狂ってることすら関係ない。ただ風鳴翼にとっては殺すことに変わりはない。ただ楽しむことに変わりはない。ただ――己の欲望のままに

そして始まる戦い。決め手となったのはあのクマからもらったテディベア

「クリスちゃん、奏さん、橘さん、みんな……うわあああああああああああああああああああああああああ!!!」

翼は知らなかったが、あのテディベアは様々な参加者の死体、最低でも雪音クリス、天羽奏、橘朔也等々の素材から作り上げられた新たなるSCP-1048の一人
完全に振り切れた翼からすれば動いて殺す事以外何ら変わらないただのテディベアだったが、響からすれば完全発狂モノのブツ。響がそのテディベアを半狂乱・満身創痍で撃破した直後を狙い、発狂したまま叫び続ける響の喉元に魔剣ゲババーンをねじ込み引き裂く引き裂く引き裂く引き裂く捩じ切る捩じ切る引き裂く

既に事切れた立花響だったものを狂喜のままに引き裂き続ける。だがそんな『楽しい』時間を邪魔する輩が一人


「もうよい…お前の友の代わりに私がお前を救おう…。」
「日輪とザビー教の愛の使徒、サンデー毛利が救済しよう!!」


それはあの惨状を見かね止めようとした四国の知将こと毛利元就。しかもなんか変な宗教パワーが入っていたためいくら翼と言えど苦戦必死、しかしこのタイミングで主催戦力の一つであった漆黒の瞳孔と参加者屈指の実力者であったがアルジュナ・オルタが相打ち、更にその衝撃でバイドが翼を取り込み、結果風鳴翼はバイド化。その圧倒的実力を以て毛利元就を撃破

最後に彼女が相手することになったのは最弱最凶の骨、SANS。SANSからすれば好奇心のまま何もかもを虐殺しようとする存在には心当たりがあり、色んな意味で放っておけないということで勝てないと確信しつつ他の参加者の足止めのために挑む

結果は圧勝。変に時間は稼がれたものの風鳴翼には関係のない相手、最後はあっけないものであった
気付けばここには自分と、死体と、残骸と、溢れ出て何故か自分に懐いているSCPとバイドの大群のみ。
『楽しい』事が終わってしまった――いいや、もっと『楽しい』事があるじゃないか?







エピローグにて
立花響風鳴翼、雪音クリスの三名が居なくなり動揺するも、それでもシンフォギア奏者としての使命と世界を守るために奮闘するマリア達とS.O.N.Gの面々。だがその奮闘も無に帰した

風鳴翼が帰ってきた――いいや、風鳴翼『だったもの』が大量の未確認生物を引き連れ、この世界を滅ぼさんと帰ってきた
あるものは不死身のトカゲに食われ、あるものは謎の彫刻に首を圧し折られ、あるものは血のプールより湧き出たバケモノに食われ、あるものはインクの染みに染め上げられ、あるものは人形に頭を割られお菓子を吹き出し、あるものはおもちゃとして恐竜に取り込まれ、あるものは自動販売機に食われた

マリア達も翼を止めようと出撃、更にこんな状況で目的もクソもないノーブルレッドのヴァネッサとエルザとの共同戦線が成立するも全ては無駄だった


狼少女は錆びたシャベルによって土へ還され

サイボーグはみいつけたみいつけたみいつけたみいつけたみいつけたみいつけたみいつけた<◎>

獄鎌の少女は知らないクラスメイトに誘われ湖へ戻り
湖に戻るんだ
鏖鋸の少女はおもちゃの列車に食われ

銀の腕の少女は何処からともなく現れた梟雄に焼かれ

錬金術師は緋色の鳥よ 今こそ発ちぬ 認識の鳥に啄まれ

総司令と護国の守護鬼は自らの娘によって斬り殺された


友達も殺した、恩人も殺した、宿敵も殺した、神は何処かへいなくなった



滅びたセカイに残るのは、異形蔓延る異常の楽園

たった一人残った歌姫は、屍の山にて滅びの歌を歌う

少女の顔には笑顔が浮かんでいた




―――八千八声 鳴いて血を吐くホトトギス




アイテム番号:SCP-216-JP-T

Object class:Tiamat

特別対処プロコトル:殺してください

※本文章はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0に準拠しております
+ タグ編集
  • タグ:
  • トラウマロワ
  • トラウマロワ最凶の女
  • ある意味、ラスボス
  • 狂気
最終更新:2023年09月08日 17:37