「それは、最高な落し物」



――――ある日森の中 クマさんに出会った――――


これは有名な童謡。

日本人なら殆ど知っているであろう歌。

この童謡はクマと出会った少女は逃げ出し、クマさんが落し物を届けてくれる歌。


◆◆

深夜の、森の中。
カミキリムシに出会った少女。
昼の、町の道で。
カミキリムシに出会った少女。

◆◆



ぶつぶつぶつ……

深夜の森の中。
体中に傷を負い、ふらふらとあるいている少女がいた。

「なんだよ、あのおにいちゃん」

「すなおにたべてもらえば、いいのに…」



◆◆

カミキリムシの言うには
お嬢さんは生かしておけない
カニバリズム
それがとっても危険で。

◆◆



少女は、疲弊し、空腹だった。

「おなかがすいたよ…」

「カバンの中になにか、ないの?」

カバンの中にはパンがあったが、少女ルーミアのカバンにはもうなかった。
パンは三日分あったのだが、既に喰らい尽くしてしまったのだから。
なぜなら、ヒトを食べる気持ちでいたから…


「ん?」

ルーミアはカバンの中に何かがあるのに気が付いた。


そして少女はそれを飲み込んだ。



◆◆

鞄の中には 崩玉が
なかから ちからが
グツグツ グツグツと
グツグツ グツグツと

◆◆


それは、崩玉。
それは、ある死神の道具。
それは、力の具現化である。
それは、妖怪……人の心が生み出した精神体であるルーミアにぴったりなものだった。


深夜の森の中。
闇に包まれていた森は。
光に包まれた。

そこには少女の姿は無く、一人の女の人が立っていた。
スタイル抜群で髪の毛が長くてしっかりとしていて
赤い眼で金髪で白いシャツで黒い服で赤いリボンで

まるで少女ルーミアが大人になったような容姿であった。

否。

彼女は崩玉によって変身したルーミアだった。
傷もいつの間にか癒えていて、白い肌を露出していた。

「この身体は…」
「この玉が原因…?力が湧いてくる」

ルーミアの声も台詞も語彙も発音もいつかの面影も無くなり変わっていた。


そして、ルーミアは何かに気が付いた。



◆◆

お嬢さん 気が付いた
むこうの 落し物
灰色 石でできた
おおきな 大剣

◆◆



それは、最高な落し物。

ある女が捨てた剣。
重くて、持てなく、基本的に女には扱えない武器だった。

しかしルーミアには例外だった。
彼女は箸を持つように、軽々と持ち上げ、握りしめ、振り回す。


少女は深夜の森の中で矛と盾を手に入れた。



◆◆

あら 誰かさん ありがとう
お礼に 歌いましょう
ラララ ラララララ
ラララ ラララララ

◆◆


ラララ ララララ

ラララ ララララ
ラララ ララララ


ラララ ララララ
ラララ ララララ
ラララ ララララ
ラララ ララララ
ラララ ララララ
ラララ ララララ
ラララ ララララ…


深夜の森の中に歌が響いたが、その音を聞いた者はいなかった。



【C-8森/初日/深夜】
【ルーミア@東方project】
[状態]:EXルーミア化
[装備]:バーサーカーの石剣@Fate/stay night
[道具]:荷物一式、崩玉@BLEACH
[思考]:1、葦原涼を食べる
     2、他の参加者も食べる



76:女難の相は相変わらず? ルーミア 190:飢餓

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最終更新:2012年11月10日 23:34