【名前】フランシス・ボーモン
【出典】黒博物館スプリンガルド
【性別】男
【名ゼリフ】
「僕は、至高の存在に『進化』したんだ……!」
「バネ足なんていらない!三年前の君よりも、もっとずっと高く飛べる!」
【人物】
19世紀ヴィクトリア朝下のイングランドで、ハートフォードシャーに居を構える、准男爵の長男。オックスフォード大学出にして「機械工学の天才」と呼ばれ、時代に対してオーバーテクノロジーじみた二体の「バネ足ジャック」を開発した張本人である。
バネ足ジャックを初め、人の思いつかないような、無茶で危険な悪戯ばかり実行に移すウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイドの姿に憧れており、やがて、愛情にも似た偏執的な執着を抱くまでに至った。バネ足騒動の最中に「変わって」おとなしくなってしまったウォルターに対して大きな不満を抱いており、「3年前のウォルター・ストレイド」を再来させるため、新たなバネ足ジャックによる、女性の連続殺害事件を引き起こす。
どこか中性的な雰囲気のある、眼鏡をかけた優男。天才ではあるが、思い込みが激しく、倫理観に乏しい。
【本ロワでの動向】
「黒博物館スプリンガルド」最終話にて、バネ足同士の戦いの末、列車に轢かれて死亡した直後から参戦。
参加者の中にウォルターがいることを知り、憎悪と偏愛の入り混じった感情のもと、彼を自らの手で殺し、優勝して、「3年前のウォルター」を、永遠に自分のものにすることを目的に行動を開始した。
支給品の中には、ホッパー・ドーパントのガイアメモリ@仮面ライダーW。その性能に驚嘆したボーモンは、跳躍力に長けたこのドーパントの姿で、バネ足ジャックに罪を擦り付ける下地を作りながら、素の姿の方でウォルターの悪評、すなわち彼が女性を専門に襲う連続殺人鬼である、という評判(本当はボーモン自身の所業なのだが)を広めることとする。
「自らの手で」殺そうとしていながら、悪評を広めウォルターが狙われやすい環境を作るというのは、一見矛盾しているようでもあるが、そこには、本編において自分の誘いを拒絶したウォルターを認めたくないがために、自分の理想とするウォルター像(爆弾の如く危険で、殺人もいとわない放蕩貴族)を口に出し続け、都合のいい自己暗示をかけていた、という側面もあるようだ。メモリによる精神汚染も手伝ったとはいえ、マジめんどくさいこのメガネ。
具体的な動向としては、開始直後に奇しくも、支給されたバネ足ジャック(旧型)を前にして途方に暮れている今泉影狼を目撃し、引き寄せられるように襲撃している。しかし、まだドーパントの姿に慣れておらず、かつ影狼をただの女と見て侮ったために思わぬ抵抗に遭い、返り討ちのような形で撤退。
その後は、出会う相手出会う相手に、技術者として、首輪解析に動いているという姿を見せつつ、ウォルターの危険性を説いて回る。初期SOS団にも果敢に接触するなど、扇動マーダーとしてはかなり積極的に動いている。
また、強対主催である
せんとくんにウォルターの外見的特徴と悪評を吹きこんだことで、せんとくんによる、パワポケ軍団・不良チームの襲撃を引き起こしている。このドサクサで孤立したパワポケ主人公9にとっては、死亡の遠因とも言えるだろう。
その他には、ドーパントを知る左翔太郎と遭遇し、戦闘の結果敗走したりもしているが、引き際を見極め、うまく大ダメージを回避していた。
本命であるウォルターの所属するチーム不良に関しては、遠巻きに何度かその存在を確認。柊つかさの存在が、このチームにとって大切なものであることを確認し、ウォルターを「変えた」女であるマーガレットの姿をそこに重ねて憎悪する。
中盤において、神州王のモードによって会場内がゾンビで満ちると、これを好機とし、フレディ・クルーガーに負わされた怪我で寝ついているつかさを狙って、避難所を奇襲。この、避難所へ向かう中途の独白は、読み手より「歪んだ藤田絵と擬音が見える」と気持ち悪がられた(誉め言葉)。
そして、月の光の下――――期待通りに避難所の前に現れたウォルターとの再会を喜び、狂った口上を並べたてるも、つかさと仲間たちを守るため、再び「バネ足ジャック」として立ちふさがったウォルターの、自分を完全に拒絶する言葉に激高し、ホッパー・ドーパントの圧倒的なスペックで以て襲いかかる。
バネ足の性能ではドーパントに勝てる筈がないことを確信していた彼は、終始いたぶるようにバネ足ジャックを圧倒し、ついに致命傷を負わせるが、ウォルターは予想以上の粘りを見せ、さらにはあの日のように強いまなざしと不敵な笑いで、ボーモンの理想を再び否定してみせた。
なぜ、なぜ折れない。なぜそんな目をする。そんなのはウォルターじゃない。僕の愛したウォルターじゃない、そんなウォルターはどこにもいてはならない――――わめきちらしながら、今度こそとどめを刺そうとするボーモンであったが、その前に、長い腕が割って入る。ウォルターの啖呵に興味を示した、“魔人探偵”
脳噛ネウロの出現であった。
ボーモンの敗因は、ある意味、ウォルターの折れない心を前に、精神をかき乱されていたことにあるだろう。冷静に観察すれば、魔人の強大さと危険性に気付いた筈だが、錯乱の極みに居た彼は、それができなかった。結局、ただ目の前の障害を排除しようとがむしゃらに攻撃、かわされた上に魔界777ツ能力を連続で使用されて行動不能に陥る。
さらには、暴言を吐く中で、よりにもよってネウロの前で「人間としての進化」を嘲り否定してしまったために、大いに気分を害した魔人によってむごたらしい拷問を受け、精神をズタズタにされる羽目に。
最後は、残った執念でせめてウォルターにとどめを刺そうと飛びかかったところを、魔界777ツ能力「棘しかない薔薇」によって刺突拘束され、ウォルターを助けに戻って来た、
不良怪獣ゼットンの一兆度火球によって、跡形もなく燃やしつくされた。
扇動マーダーとしては非常に厭らしい立ち回りで活躍したボーモンであったが、ウォルターに対して歪んだ感情を燃やし続けた挙げ句、「薔薇」に縛られて焼死するとは、何とも皮肉な結末であった。
ちなみに、スプリンガルド本編で彼が使用した新型バネ足ジャックの方は、極東の自称天才物理学者によって奇妙奇天烈な改造を施された上で、ベストを尽くすことしか知らないストライダーの手に渡り、混沌名物となるめちゃくちゃな活躍を果たしていたのであるが、幸か不幸か、開発者である彼がそれをロワ中に知ることはなかった。
なお、番外の学園編では、工学教師として登壇し、ウォルターのボケにツッコミを入れるなど幾分軟化しているが、ウォルター以外の生徒をナチュラルに「羽虫」として認識するなど、根本のダメさかげんは全く変わっていなかった。
最終更新:2014年01月24日 02:04