フラりと誘蛾灯に誘われるように図書館へ迷い込んだ。
からからとドアを開ければ、机に突っ伏して寝ている役員の姿。
うららかな春の陽気。暖かな日差しは春眠を誘ったのだろう。無理はない。
さして用事があるわけでもないが、少し奥の入り組んだ所にある本棚へと向かった。
「あ、…」
と声を発したのはどちらかは分からない。いや、同時だったのかもしれない。
目の前には地面に足を投げ出して座り、読んでるのか分からない本を太ももに置きおにぎりを食べる彼女の姿。
──全てを共有する僕たちだから
「何してるの?こんなとこで」
普通の流れで隣に座れば彼女は僕と異瞳の目をこちらに向けた。
「何となく、ですよ」
「そか」
一応、本を読んでいるらしい彼女は視線を本に戻し、ページをめくった。
「今日は部活ないですか?」
「先生が出張でね。自主練を軽くして、終わり」
「そうでしたか」
「調理部は?」
「もう終わったです。課題が創作おにぎりでしたから」
あぁ、とそれで納得がいった。だからおにぎりを食べているのか、と
「おいしそうだね。一つ頂戴?」
「ん…」
飲食禁止の令を思い出したが役員は眠っているし、すぐに大丈夫だろうと思い直し手を出した。
ケチャップライスを薄焼き卵で包んである、オムライス状のおにぎり。
「わ、おいしそう。君が作ったの?」
その時、目の前の彼女が少し不機嫌な顔になった。
「後輩がくれたですよ」
いつも見ているからわかる違い。微かに不機嫌な表情。
「ふーん。いいの?貰ったもの食べちゃって」
「べ、べつに構わねぇです」
慌てた様子で本をパラパラとめくった。やはり読んでないらしい。
「よく貰うの?」
「へ?」
「いや、だからこういうの」
食べかけのおにぎりを差し出しながら問う。
「え、えぇ、まぁ…」
何となく、歯切れは悪かったがどうやら肯定ととって良さそうだ。
「イイコなの?その子」
「えぇ、努力家で、熱心な子ですよ」
心中穏やかではなかった僕は彼女のそのちょっとどこかつかかった言い方に気がつかなかった。
そんなことより彼女が素直に人を誉めることが珍しかった。
「随分、買ってるんだね。その子のこと…」
おにぎりを食べ終わり、ハンカチで指の先を拭いながらそう呟いた。
「別にそういうわけでは…」
自嘲的に微笑んだ彼女の唇を重ねた。
「っな!」
顔を真っ赤に染め上げ、驚きと困惑の表情を浮かべた彼女の耳をぺろりと舐めた。
「っひ、何、するですっ」
「したくなっちゃった。だめ?」
「だめ?、って、当たりま、…っ」
否定しようとする言の葉を紡がせないためにもう一度口を塞いだ。
深く口付け、舌を絡ませてやると、いやいや、というように首を振ろうとするを押さえて更に深くする。
「っは、…どうしたです、…か?」
その問いには答えずにブラウスのボタンに手をかけた。
「こ、こらっ。いい加減にするです。本気で怒りますよ!」
そう捲し立てる彼女の口許に人差し指をたてて向けてやりながら、しーっと呟いた。
「役員の人、気づいちゃうよ?」
寝ているのできっと気づかれることはないだろうと思いながら、それは言ってやらない。
「っ…!」
しかし、どうやらこれが聞いたらしく、口を強くつぐんだ。
床に倒し、露になっている首筋に強弱をつけながら吸い付き、時折舌で突いてやると体が強張るのがわかる。
ブラウスのボタンを開けながら、白い艶のある肌にするりと撫でるとびくん、と跳ねた。
「感度いいよね」
「うるせ、…です…」
ボタンを全て外すと露になった豊かな膨らみに手をかけた。
若草色の下着は僕の空色のものとサイズは違うがデザインは一緒。
「気に入ってるの?この下着」
「や、っ…んんっ」
聞かなかったフリをする彼女の耳許に唇を寄せできるだけ低い声で愛の言葉を囁く。
「好きだよ…」
「っやぁぁ…」
敏感に反応する彼女の耳を丁寧に舐めながらフロントホックを外す。
「っや、だ…っ」
僕とは全く異なる大きさのそれを掌で覆う。
「収まらないほど、大きいね」
「っちが、…」
「でも、スッゴク綺麗だよ」
「っ…やぁ…!」
誉められると嫌がりながらも感じてしまうのを知っていてわざと口に出す。
しかし、綺麗だというのは真実だった。
色素の薄く、しかし病的ではない白い肌がピンクに染まっている。
生理的な涙を浮かべている潤んだ紅翠の瞳に真っ赤に染まる頬。
征服欲を駆り立てるその姿にぞくぞくとしてしまう自分は随分と変態に思える。
「ほんとに綺麗…」
「っふ、あぁっ…」
ほとんど衝動的にそう呟き、胸の突起に吸い付いた。
右手でもう片方の胸をまさぐり、左手は彼女の右手と指を絡める。
彼女の左手は僕の背中をぎゅ、と掴んでいる。
「っやぁ…んぅ…っ」
舌で転がしたり潰しながら、弄んでいると高い声が上がった。
「しー、ね?」
そういうとびくん、と怯えたような表情を浮かべながら、唇を強く噛んだ。
「あぁ、だめだめ。噛んじゃ」
強引に閉じようとする唇に指を入れ込む。
「っぅう!?」
何をされたか分からない、という表情の彼女に笑顔を浮かべた。
「あまり強く噛むと傷ついちゃうよ。僕の手、噛んでいいから」
「っ…やっ」
首を振って指を出そうと力を入れる彼女の腹に口付けると力が抜けるのが分かった。
スカートを捲りながら手を太ももを撫で上げると、すでに湿った下着に辿り着いた。
ブラジャーとセットの若草色の下着をゆっくり脱がす。
「っひゃあ、やめ、やめ…」
すでにぐちゃぐちゃに濡れているそこに指を這わせるといっそう甲高い声を上げた。
「ん、やっ…そ、せい…せきぃっ」
蜜を指に辛めながら突起に軽く触れると堪らないように腰を揺らした。
「や、そこ…ひぃっ…いた、…っぁあ」
「まだ、刺激が強いかな…」
よりいっそう溢れてくる蜜で指を濡らし、ゆっくりと中に入れる。
「っひ、あぁぁっ…んっ…んうっ」
声が上がる度に口を塞ごうとするが、僕の指を噛まないために必死な姿が可愛い。
「気持ちいい?」
「ひゃっやぁぁっ…ん、やあっ」
中の質量を増しながら、ピストン運動を繰り返す。
「翠星石…」
名前を読んでやると朦朧とした視線を投げ掛けてくる。
「あっあっ…ん、あ、なんで、すか?」
「僕の目、見ながらイって?」
そう言いながら指の動きを更に早くしてやると目を見開き、口は酸素を求めて大きく開く。
「っやぁっ…ひゃぁぁ…っ」
「イきそう?」
その問いにがくがくと首を振る彼女の額に口付けをして、動きを速めた。
「あっあっ…ひゃぁぁぁぁっ!!」
体が大きく跳ね、ほとんど叫びのような甲高い声をあげながら達した。
きっかけは彼女が後輩からもらったプレゼント。それに嫉妬して衝動的にしてしまった。
申し訳なくて汗で濡れた前髪をかきあげてやりながら持っていたハンカチで濡れているそこを拭いてやる。
「嘘なんですよ」
「え?」
気だるげに体を起こすとそう呟いた。
「おにぎり。貰ったなんて嘘なんですよ」
自分で下着を履きながらそう続けた。
「貰ったは貰ったんですが。私じゃありません。蒼星石に、なんですよ」
ブラジャーを留め、ブラウスのボタンも合わせる。
「嫉妬して、食ってやろうと思ったんです」
あぁ、一緒だ。
ちゅ、と頬にキスをしてやる。
「なんですか…」
怪訝な表情を浮かべこちらを見る彼女に微笑みかけた。
そして、自分の嫉妬したことを懺悔してやると、こつんと拳で頭を突かれた。
終わり
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