「……あ、蒼星石…メリー…クリスマス…」
「メリークリスマス。大丈夫?寒くない?」
「…大丈夫、です」
「メリークリスマス。大丈夫?寒くない?」
「…大丈夫、です」
カップル達が賑わい、イルミネーションが夜の空を照らす。今日は全ての人々の聖夜、クリスマス・イヴ。
家族で豪華な食事を囲んだり、友人同士でケーキを食べたりするのが有名だ。しかしそれだけではなく、愛し合うカップルが二人きりで過ごす事も多い。――今、大きなツリーの下で待ち合わせていた二人も例外ではない。
家族で豪華な食事を囲んだり、友人同士でケーキを食べたりするのが有名だ。しかしそれだけではなく、愛し合うカップルが二人きりで過ごす事も多い。――今、大きなツリーの下で待ち合わせていた二人も例外ではない。
「…じゃ、クリスマスデートに行こうか?」
「…はい」
「…はい」
『大切な一歩』
その後二人は食事をとり、ちょっとした買い物を済ませ、イルミネーションが綺麗な噴水の椅子に腰かけていた。
「…これ、ありがとうございます…」
薔薇水晶の手には、紫色の花の髪飾りが握られていた。
「いいんだよ。クリスマスプレゼントだと思って?…ちょっと安いけど」
「…プレゼントに、値段は…関係…ありませんよ?」
「…プレゼントに、値段は…関係…ありませんよ?」
そう言うと、手に持っていた髪飾りを自分の髪に飾った。銀色の髪に、紫色の花はよく映えていた。
「…似合い、ますか?」
「うん。とっても」
「…えへへ…。…あ、私も…プレゼント…用意しなきゃ…」
「薔薇水晶から貰うプレゼントは、もう決まってるよ」
「ふぇ?」
「…貰えるか、分からないけどね」
「うん。とっても」
「…えへへ…。…あ、私も…プレゼント…用意しなきゃ…」
「薔薇水晶から貰うプレゼントは、もう決まってるよ」
「ふぇ?」
「…貰えるか、分からないけどね」
最後の呟きは、薔薇水晶には聞こえなかったようだ。
一方薔薇水晶は、不思議そうな表情で蒼星石を見つめていた。まだ渡す本人さえプレゼントを知らないのに、何故渡される彼女が知っているのか。
一方薔薇水晶は、不思議そうな表情で蒼星石を見つめていた。まだ渡す本人さえプレゼントを知らないのに、何故渡される彼女が知っているのか。
「…着いて来てくれる?」
「…? うん」
「…? うん」
相変わらず不思議そうなまま、薔薇水晶は蒼星石の手を取った。
―――――
「……此処って…」
珍しく、少し驚いた表情を見せた薔薇水晶。蒼星石が向かった先は、薔薇水晶の自宅だった。
「…槐さん、いるかな?」
「お父様…?…多分、いると…思うけど…あがる?」
「…うん」
「お父様…?…多分、いると…思うけど…あがる?」
「…うん」
このまま外にいても仕方がないので、一先ず家に入る事にした。
いつも通りご丁寧に挨拶をしてリビングに入る蒼星石だが、少しだけ表情が強張っていた。緊張しているような、そんな様子だった。
いつも通りご丁寧に挨拶をしてリビングに入る蒼星石だが、少しだけ表情が強張っていた。緊張しているような、そんな様子だった。
(…どうしたんだろう…?)
「おかえりなさいませ、お嬢様。旦那様がお見えです」
執事が軽くお辞儀したあと、奥からは2mの影が姿を現した。
「…おかえり、薔薇水晶。それと…いらっしゃい、蒼星石」
「…お邪魔してます」
「…お邪魔してます」
薔薇水晶は気付いていた。普段ポーカーフェイスの槐の表情が、微かにひきつった事に。
薔薇水晶の父である槐は、一番二人の関係を認めていなかった。蒼星石が嫌いという訳ではなく、大切な愛娘の薔薇水晶がよそへ行くのを認めたくないらしい。
薔薇水晶の父である槐は、一番二人の関係を認めていなかった。蒼星石が嫌いという訳ではなく、大切な愛娘の薔薇水晶がよそへ行くのを認めたくないらしい。
「…今日は、大切なお話があります」
「…なんだ?」
「……娘さんを、僕に下さい!!」
「…なんだ?」
「……娘さんを、僕に下さい!!」
その瞬間、その場に衝撃が走った。槐は驚愕の表情を浮かべ、薔薇水晶は驚きながらも顔を赤くしていた。
「…そ、蒼星石…」
「…驚かせてごめん。…でも、本気なんだ」
「…驚かせてごめん。…でも、本気なんだ」
そう言い薔薇水晶を見つめる瞳は、冗談を言っているような様子ではなかった。
薔薇水晶は嬉しかった。けれど、槐の反応が気になっていた。もし駄目だと言われた場合、どちらかと縁を切る覚悟が必要だろう。
槐の事を嫌っている訳ではない。自分をずっと大切にし、心配してくれてきた。反対も、薔薇水晶を思ってこその行動だ。
その槐と縁を切るなんて――そんな事は出来ない。ならば蒼星石?――それも絶対嫌だ。
薔薇水晶は嬉しかった。けれど、槐の反応が気になっていた。もし駄目だと言われた場合、どちらかと縁を切る覚悟が必要だろう。
槐の事を嫌っている訳ではない。自分をずっと大切にし、心配してくれてきた。反対も、薔薇水晶を思ってこその行動だ。
その槐と縁を切るなんて――そんな事は出来ない。ならば蒼星石?――それも絶対嫌だ。
「……お父様…」
「………私は、二人が同性同士だとか、そんな事で反対しているのではない。…私が認めたとしても、周りの反応はどうだ?必ずしも皆が認める保証はない。隠し通せる保証もない」
「……………」
「…それに、二人はまだ16だ。大人ではない不安定なお前達を放っておける訳ないだろう」
「…っ……それでも…!」
「だから」
「………私は、二人が同性同士だとか、そんな事で反対しているのではない。…私が認めたとしても、周りの反応はどうだ?必ずしも皆が認める保証はない。隠し通せる保証もない」
「……………」
「…それに、二人はまだ16だ。大人ではない不安定なお前達を放っておける訳ないだろう」
「…っ……それでも…!」
「だから」
蒼星石の訴えを押し退け、槐は再び口を開いた。
「お前達が大人になり、大人の自覚を持った時、まだお互いを本気で好いていたなら…――考える」
「…それって……」
「……まだ、やらん」
「……じゃあ、交際とかは…?」
「…それって……」
「……まだ、やらん」
「……じゃあ、交際とかは…?」
薔薇水晶の問掛けに、槐はそっぽを向いてだんまりしていた。
「…お父様…ありがとう…」
微かに、父の背中へ呟くと、ぽかんとしている蒼星石に抱きついた。
「…お父様…認めてくれた…!」
「え…えっと…?」
「結婚からは、まだ難しいけど…それまでのは、認めて…くれたんだよ…!」
「ほ、本当…!?良かった…っ」
「え…えっと…?」
「結婚からは、まだ難しいけど…それまでのは、認めて…くれたんだよ…!」
「ほ、本当…!?良かった…っ」
二人は子供のようにはしゃいでいた。まだまだ二人は無邪気な子供。大人になる頃、二人はまだ愛し合っているのだろうか。
それはまた、別のお話。
それはまた、別のお話。
end