アットウィキロゴ
ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

Cheese Burger

最終更新:

rozen-yuri

- view
だれでも歓迎! 編集

 今日は日曜日。というわけで水銀燈は遅くまでお気に入りのCDを聴いていた。
そのまま目覚ましもかけずに眠り、起きた時には既にいいとも増刊号は終わっていた。
「さすがに寝すぎたわねぇ…」
ちょっとだけ後悔してパジャマから普段着に着替え、部屋を出て行った。

それから少し家でテレビでも見ていたのだが、ずーっと見てるとさすがに飽きてくる。
暇を持て余した水銀燈は財布だけ持って駅前へぶらりと出かけて行った。
気候は暖かく過ごしやすいのだが、さすがに日曜なだけあって街には人が溢れている。
水銀燈はブティックやCDショップを見たりしていくが、大した収穫は無い。
そのままブラブラしていたが、不意に美味しそうな香りが漂ってきてそっちに顔を向ける。
その方向には、有名なハンバーガーショップがあった。
「良い匂いねぇ…」
そう言えば朝食――あの時間なら昼食だが――はろくに食べていない。
パンに挟んだとろけるチーズとビーフを想像すると、お腹がグーっと鳴った。
「ちょっと寄ってこうかしらぁ」
空腹に逆らえず、その店の方へと足を進める。
すると、見知った顔を店の前に見つけた。紫の服を着た眼帯の少女、薔薇水晶だ。
薔薇水晶は水銀燈には気付かず、物珍しそうにその店を見上げていた。

「ばらしー、奇遇ねぇ」
「…あ、銀ちゃん…」
水銀燈に名前を呼ばれてやっと薔薇水晶は気が付き、水銀燈のほうに振り向いた。
「どうしたのぉ、こんなところで」
「…ちょっと買い物に…銀ちゃんは?」
「私? 私は別にブラブラしてただけよぉ」
それだけかわすと、薔薇水晶はチラチラとまた店の方を見る。
その様子に水銀燈は少し首を傾げた。
「どうしたのぉ?」
「ううん、何にも無いけど…」
「ふぅん…? そうだ、ここで立ち話もなんだから、マッ○に寄ってかない?」
「え…」
水銀燈がそう持ちかけると、薔薇水晶は少し顔を強張らせた。
その様子に水銀燈は気が付いた。
「どうしたの? マッ○って嫌い?」
「いや、そうじゃないけど…その…」
「けど?」
聞き返すと、薔薇水晶は少し恥ずかしそうに目線を少し逸らした。
少しすると、薔薇水晶は口を開く。
「…あのね、マッ○って入ったことないの…」
「ええ? 本当に?」
薔薇水晶の告白に水銀燈は驚いて声を上げた。
今時この手の店に行った事が無い人がいるなんて驚きだ。
「…私のうち、こういう所行かせてくれないから…」
「…ああ、なるほどね」
薔薇水晶の親の躾は厳しく、確かにこういう所に行かせてくれるとは考えにくい。
薔薇水晶に世間ズレしている所もこういうのが関係しているのだろう。
水銀燈はクスッと笑うと薔薇水晶の手を取った。

「銀ちゃん?」
「良い機会よ。行ってみましょうよぉ」
「えっ、ちょ、ちょっと…」
戸惑う薔薇水晶を無視し、そのまま手を引っ張って店の中へ入っていった。

「いらっしゃいませー。ご注文の方をどうぞ」
相変わらずのスマイルを向ける店員に、水銀燈は馴れたようにメニューを見て選んでいく。
対して薔薇水晶は少しオロオロしながら水銀燈の隣からメニューを覗き込んでいた。
「そうねぇ…私はダブルチーズのポテトセットで。ポテトはSで、ドリンクはコーラよぉ」
「かしこまりました。そちらの方はいかがされます?」
「えっ、私は…えっと…」
水銀燈の注文を受け取った店員は今度は薔薇水晶の注文を聞く。
だが、突然振られた薔薇水晶はどう答えて良いか分からずにオロオロするばかり。
しばらくすると水銀燈は苦笑いを浮かべて助け舟を出した。
「この子にも私のと同じのをお願いするわぁ」
「かしこまりました。こちらで召し上がりますか?」
「ここで食べてくわぁ」
「はい。ではしばらくお待ち下さい」
そういうと店員が奥へ注文内容を言い、しばらくすると頼んだ物が出てきてそれを持って二人は空いてる席へ着いた。
席に座ると薔薇水晶は安心したように軽く溜息を吐いた。
「…ありがとう銀ちゃん、助かった…」
「別にあんなの考える必要ないわよぉ。食べたい物を言う、それだけなんだから」
「…分かってるんだけどね…」
「まあ、良い社会勉強になったんじゃない?」
水銀燈はコーラを一口飲んで、チーズバーガーを一口食べる水銀燈。
それに倣って、見よう見まねで薔薇水晶も食べ始めた。
「どう? 初めてのハンバーガーは?」
「…美味しい」
「でしょ?」
そこでようやく薔薇水晶に緊張も解けたのか、笑顔になってチーズバーガーをパクパクと食べだした。

それから談笑しながら食べていたのだが、不意に薔薇水晶のバッグから携帯の着信が鳴り始めた。
薔薇水晶は食べるのを止めてバッグから携帯を取り出しディスプレイを見ると、少し嫌そうな顔をした。
「誰?」
「…お父さま…」
「お父さんから?」
「うん…出かけてると頻繁に掛けてくるの…」
「…本当にいるんだそういう親…」
少し引き気味の水銀燈。薔薇水晶はしばらくその携帯を見ていると、電話に出ることも無く着信を切ってしまった。
そのまま電源を切ると携帯をバッグにしまう。
「いいの? 出なくて」
「うん…今は邪魔されたくないから…」
少し照れくさそうに言う薔薇水晶に、水銀燈は優しく微笑んだ。

食べ終わると店を出て近くの公園にやってきた。
春の陽気が心地良く、手ごろなベンチを見つけるとそこに腰掛けた。
「良い天気ねぇ。気持ち良いわぁ」
「本当…なんだか幸せな気分…」
「私もよぉ…」
それから沈黙が流れる。だがちっとも嫌にならない、心地良い沈黙。
ただお互いがそこにいれば良い、それだけだった。
しばらくすると、不意に肩に薔薇水晶がもたれ掛かってきた。
見てみると、目を閉じて気持ち良さそうに寝息を立てている。
「…可愛い顔しちゃって…。…なんだか私も眠くなってきちゃったわぁ…」
遅くまで寝ていたはずなのに、薔薇水晶の寝顔を見ていたら自分まで眠くなってきてしまった。
それから程無くして水銀燈も目を閉じ、薔薇水晶にもたれるように眠りに着いた。

そんな至福の日曜日。


モデル曲:Cheese Burger(フジファブリック)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー