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『帝国三将 最後のひとり』


(キャラ)ギュメイ将軍、胡桃



「はぁ、はぁ。はぁ、はぁ!」

 タタタタタタタ、タタタタタ!
世界の終焉を告げるかのような赤い光が木々を染め上げる中、リーユェにある葬儀社『往生堂』の第77代堂主ーー胡桃。
彼女はまるで逃げる少女のように走り続けていた。
脚を動かし、腕を動かし、揺れる胸。そして太もも。
“なんでこんなことに……”。
背水アタッカーでありトップクラスの瞬間火力の彼女でも叶わない現実。
それは、『バトルロワイヤル』。
そして…。

「…わが名は ギュメイ。帝国三将 最後のひとりだ。わが忠義にかけて 招かれざる者は……アリ1匹たりとも通しはせぶ!」

「はぁ、はぁはぁ、はぁ。」

「小娘よ…貴様に恨みはないが、我が皇帝に仕えられぬ不忠は武人として許さん。覚悟しろ…我はこの戦、勝たねばならぬのだ……!!!!!」

「はぁはぁ、ギュメイ様…。嫌だ、死にたくないよ!!」

ーーマーダー『ギュメイ将軍』との出会い。
ギュメイは豹の頭の獣人で日本刀のような細身の刀剣を持つ剣士であり斬ってはフータオにさけられ、それでも斬りそうになってはプロとしてのアレを見せるなど、(──幼少期の筆者のトラウマである──)『まごうことなき力』を見せていたのだ。
ギュメイは、自らを打ち破った強さを持つガナサダイへの忠誠心に溢れ、戦場では敵との戦いに誇りと喜びを感じる気高き剣士。
ギュメイは、ゲルニック将軍とゴレオン将軍のような悪辣な人物とは対照的な帝国三将であり、作中であらゆる極悪非道な行為を働きまくったガナン帝国最強の将軍とは思えない真っ当な武人。
ギュメイについて、これには口を開くと一言二言多いサンディすらも「帝国にもマトモな奴はいる」と素直に彼を称賛している。

しかし、支給品がだめだった、
橘朔也 の『ギャレンバックル』をよりによって、何故神はこのような武人に渡したのか。
仮面ライダーに変身したギュメイは、とうとう追いつき。
そしてフータオはギュメイのライダーパンチで前歯が折れ、鼻血が出て、アスファルトはじんわり濡れる。グラマラスな胸も揺れる。
一方的な虐殺にフタッォオはなすすべがなかった。
彼女の一滴の涙が星のように流れる。

「小娘よ…貴様に恨みはないが、我が皇帝に仕えられろ不忠は武人とてて許さん。覚悟しろ…我はこの戦、勝たねばならぬのだァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

「うぅ、うううあああああ。」

ヒルチャールの歌は、もう聞こえなかったーー……。


【胡桃@原神 惨殺】

【ギュメイ将軍@ドラゴンクエスト9】
[状態]:いつもの服
[装備]:ギャレンバックル@仮面ライダーつるぎ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]:…無用な殺傷はせん。
1:帝国三将 最後のひとりだ。わが忠義にかけて 招かれざる者は…アリ1匹たりとも通しはせん!
2:強きものと、闘いたい。

【支給品説明】
【ギャレンバックル@仮面ライダーケン】
2004年に放送された特撮番組『仮面ライダー剣(ブレイド)』に登場する、仮面ライダーギャレン(橘朔也 / たちばなさくや)の変身ベルト。
ネタ要素としても、純粋なカッコよさとしても、特撮ファンの間で非常に愛されているベルト。
『仮面ライダー剣』のライダーたちは、トランプのマーク(スート)がモチーフになっている。
ギャレンは「ダイヤ(♦)」を司るライダー。
ベルト(ギャレンバックル)を腰に装着。
ダイヤのA(エース)のラウズカード「CHANGE(チェンジ・スタッグ)」をバックルに装填。
レバー(ターンアップハンドル)を引くと、バックル中央のダイヤ型のパーツが「クルッと180度回転(ターンアップ)」する。
ベルトから「オリハルコンエレメント」と呼ばれる光の壁(畳のようなもの)が前方に放出され、その壁を本人が走りながらくぐり抜けることで、スーツが装着されて変身が完了する。
ちなみに『仮面ライダー剣』という作品は、初期の役者陣の独特な滑舌や、あまりにもドラマチックな(時にシュールな)展開から、ネットミーム(ネタ)の宝庫として知られている。
ギャレンバックルもその中心にいるのは有名な話。
一例で言うと、「オンドゥルルラギッタンディスカー!(本当に裏切ったんで──



「待て待て待て待て待て待て待て待て。いや、待て」


…………。
……。


第1話で、主人公の剣崎が、ギャレンバックルを巻いて組織を裏切っ──


「だから止めろつっただろ。説明!説明!説明!説明!説明! ……ぉぃぉぃおいおいおいおい~~~~…………。──」

「────ギャレンバックルの解説が胡桃ちゃんの人生より長いぞ、おい」





 ……んんっ、ごほん。
いやぁ、いいよなぁ『◆』。
便利。マジ便利。説明に飽きた作者が急に場面転換するとき使う魔法の記号。

やあみんな!
画面の前のチェリーボーイ&ガールズ、待たせたね! ……待ってない? うるせぇ!!
みんなの最愛のアイドル──デッドプールちゃんだぞっ!
分かってっぞ?
お前らが大ちゅきで大ちゅきで、便所行くときも、会社のクソ上司に怒鳴られてる時も、頭の中で必ず読んでるバイブルは『デッドプール:SAMURAI』だってことくらい。
あ、ジャンプ+の単行本、ちゃんと3巻まで買ってくれた? 買ってない? あとで裏路地な。

……んで、そんな俺ちゃんが、今夜だけ特別にた~~っぷりファンサービスしてやっから、……ま、見とけ。


まず、ここに用意しましたるは、ゴミ箱一個。
Oh, cool!🗑️



「あ、聞いたかお前ら!? ギュメイ将軍はチーターがモチーフらしいぜ! で、武人がなんたら、剣がなんたら、“アリ1匹たりとも通しはせぶ!(笑)”──」

「──フタオちゃん(笑)でいったら、なんか歌うの好きらしいね。──」

「──へぇ~~~~~! 勉強になるねぇ~~~。明日のテストに出るのかなぁ~~。──」


「──……知らねェよッ」


 はい、この書き殴られたインポテンツな小説もどきをクシャクシャ……ポイッ!
Oh, cool JAPAN! これぞ『Mottainai』の精神をドブに捨てた和の心。サヨナラ!

おいおい……おい☆
これ書いたバカは、可愛い中華風美少女をボコボコにして、前歯をへし折って泣かせなきゃ気が済まない重度のサディストなんだろけどよ~~。
──俺ちゃんは違う。Q.E.D. 証明終了。
可愛い女の子は、おっぱいのサイズに関わらず全力で助ける。
それが、ポリコレ的にも大正解な二十一世紀の無責任ヒーローってやつだからな……。フッ……。


「ま、ディズニーに怒られたら速攻で首差し出すけど。知らんけど。──」


……ったく、
しょうがねぇな~~。


「──よし、お前らの冷え切ったココロを爆発させる時間だ。──」

「────【Take 2】、カモン!!!」



スラスラスラスラ────、

 スラスラスラスラ────……、







『Saving Hu Tao's Teeth(──胡桃の歯を救え──)』


(キャラ)胡桃、ギュメイ将軍、デッドプール



 始まりはさ。
草木どころかおばけまで寝静まっちゃったような、静かな夜だったんだよね。
往生堂の感覚で言うなら、まさに丑三つ時。
墓石の影がだらーんと伸びて、線香の煙だけがのんびり空へ昇っていくような、生者も死者もみ〜んなおねんねする時間。
……ま、ここは璃月でもなければ、私の往生堂でもないんだけどさ。

足元にしがみつく土は湿って重いし、鼻をくすぐる潮の匂い。
どこか遠くで波がザパーンと砕ける音もする。

冷たい潮風がひゅっと、吹き抜けたんだ。
私の髪を気まぐれに揺らして、肩口のおばけちゃんをぷるっと身震いさせてさ。ついでに隣にいるプロレスマスクの旦那の腰布をぺちぺち叩いて、そのまま夜の向こうへ流れていく。
で、その風の行き着く先に──『将軍サマ』。キジトラちゃんが立ってたってわけ。



“こんな夜更けにこんにちは! 私は往生堂堂主・胡桃! 私の名を聞いてよきにはからえ~~!”

“ウン、俺ちゃんは↑Ctrl+V。↑に同じくよきにはからえ~~~……。──”

“──……って、気軽に自己紹介していい相手じゃなくねぇだろ、アイツ。クルミちゃんよ~~……。”


『…………』



うん、おっきい。
すごくおっきくて、不機嫌そうで、重々しい鎧を纏った獣の顔────『将軍サマ』って感じ。
切り立った崖っぷちに立ってるはずなのにさ、不思議と落ちそうなのは私たちの方に見えたんだよね。
……なんて言うのかな、環境そのものが彼という存在に気圧されてるって感じ?

風ってのは平等じゃん?
お金持ちにも貧乏人にも吹くし、仙人にもヒルチャールにも吹く。
……なのにさ、さっき私たちを平気で通りゃんせした潮風は、そのキジトラちゃんの猫耳ひとつ揺らさないんだ。おまけに、彼の足元には雑草一輪すら生きてない。
偶然かもしれないし、私の気のせいかもしれない。
でも、こういうの。往生堂で生と死の境界をいじってると、たまに分かっちゃうんだよね。

この世にはね、────死を『数えて』きた人がいる。



『胡桃、か。……申しておこう。我は元よりこの卑劣なる催しを認めぬ』

“……うおっ!? え、催し?? え、このチーターちゃん何言ってんの???”


“…………”



 ……スウッ……、ってさ月の光が彼の刃を撫でる。



『強者も弱者も、男も女も、見境なく殺し合わせるなど……武人の戦ではない。──』

『──だが、眼前の相手が『強者』であるならば……我も話は別となる』

“……あはは、残念ながら私の別腹はスイーツ専用でねぇ。本題だけを注文したいところなんだけど?”

『…………。──』



私も、彼の気迫に呼応するように、手慣れた槍をそっと構える。
……もっとも、夜空の満月まで将軍様の応援団になっちゃってるんだから……世話ないよねぇ。



『──……力量を知らねば、共に【本来の敵】と戦うこともできぬ。──』

『──断じておく。──』

『──これより交わすは、卑しき殺し合いではない。──』


気づけば、波の音も風の音も、肩のおばけちゃんの存在さえ、全部。どこか遠くへ行っちゃってたこの世界。
恐怖? まさか。
往生堂堂主が死の気配に怯えるわけないじゃない。

ただ、ゾクゾクするほど理解させられちゃったんだ。



『──決闘だ。──』



あの将軍様は最初から、
────私の『その先』だけを見つめていたんだってことをね。




“……一応ビジネスの形式として聞こうかな。──先行は、どちらに?”


『──……参れ』



………
……


💥💥💥💥💥💥💥💥💥💥💥💥💥
💀❤️【V─.─S】❤️💀
【♪Which One is the Champion? from DQMJ2 for DS】
💀❤️💀❤️💀❤️💀❤️💀❤️💀❤️💀❤️


──SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-S H H H R R R A A A K K K ッッ!!

──ザンッ!
   ──ザザンッ!!
 ──ザンッ!!

 ────ザザザザンッ!!!!


「おやおや、いいねぇ! こういう緊迫した時にさ、『うおおおおおおおッ!!!』って無駄な雄叫びを上げないところが、余計ズルいじゃん!」

「……ッ………………」

「でもちょっと格好よすぎないかなぁ! 反則だよ反則~! キジトラちゃん、そんなにサーベルを全力ブンブンで、明日の筋肉痛とか心配にならないのかな~~~~!!」

「…………」


 お寺からゴーンッって、ゴングが鳴らないうちに始まった、『決闘』──。
場外では、こっちの状況をミリも理解してないプロレスマスク旦那が野次飛ばしてるけどさ。
──私はそれを聞く余裕もっ、──もちろん足を止める余裕も、一切な~~しっ!
燃え盛る蝶を纏った『護摩の杖』をしならせて、キジトラちゃんの『さみだれ斬り』をのんびりお出迎えってわけ!


────SLA-

SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA──

 ──SLa……────SHHHRRRAAAAAAKKKK!!!!


「っ──わ~お!」


火花が散る散る。身体をひらりと捻っても、鼻先を刃がかすめていく。
おやおや、あぶないあぶない。

鍔迫り合いの距離。
将軍サマの強面な獣の顔が、すぐ目の前にある。
──なのにさ。
これだけの猛攻を繰り出しておきながら、彼の表情は少しも熱くなってないんだよね。
呼吸一つ乱さず、ただ『武』として私を斬りにきている……。うーん、実にお堅い!



──ザンッ!
   ──ザザンッ!!
 ──ザンッ!!

 ────ザザザザンッ!!!!


「──おっとっと!!!」


 「来た」──そう思った時には、いつもコンマ数秒遅いんだからおそるべし。

月光がゆらりと揺れた。
……ううん、そう見えただけ。本当は違うんだよね〜。

揺れたのはお月様なんかじゃなくて──。



 S……──ギインッッッ──────


「あちゃっ! っとと!」

「…………」



────キジトラちゃんの、大刀のほうってわけ……!


『往生秘伝槍法』vs──『さみだれ斬り』。
キジトラちゃん、ご丁寧にも技を繰り出す前にボソッと技名を教えてくれる至極紳士なんだけどさ……いやはや名前の通りだよ!
本当に五月雨の雨粒みたいに、容赦なく降ってくるじゃん!

一本防いだ頃には次の刃──。
──それを受け流した頃には、もう次の次の刃────。

一瞬でも気を抜けば、自分で自分にお経をあげる暇もなく、スパーンとスッパスパにされちゃうねぇ、こりゃ!



──SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-S H H H R R R A A A K K K ッッ!!
 ──SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-S H H H R R R A A A K K K ッッ!!──SLA
 SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-SLA-S H H H R R R A A A KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK!!!!!!


 ザンッ、

  ザッ──……、


凄まじい衝撃波に押し出され、私の靴底が土を激しく削る。



「…………ふぅー、あっつあつ。もーっ! “ザッ、ザッ”って土を掘って遊んでるんじゃないんだからさぁ! 往生堂の靴、これ結構お高いんだよ~~~~!!」

「…………」



────ザンッ


──、

 ──。


 …………。



 ……ふぅー、やれやれ。
今更言っとくけどさ。……私のお気に入りのおばけちゃん、今の猛攻のどこかで普通に消されちゃったんだよね。
私の愛槍だって、目に見えない傷ができてるみたいでボロボロ。……うーん、大赤字。
それだけの地獄を繰り出しておいて、当のキジトラちゃんはといえば、すっと綺麗に距離を取って、ただ静かに突っ立っている。
……一番怖いよねぇ、そういうのって。


「…………」


分かる?
私がこうして、頭の中でどうでもいい軽口を叩いてさ、
ちょっとでもおサボりできるほどに──、『闘』がぴたりと止んでいる。
さっきまで休みなく降り続いていた、斬撃の雨が、突然ね。


「……ふぅ、もしかしてこれ、インターバルってやつ……?」

「………………」


──ゆっくりと大刀を構え直し、さらに深く腰を落としたのさ、キジトラちゃんは。


呼吸は変わらない。視線もブレない。
ただ、構えを一段階、変えただけ。
当然、私は思ったよ。身体はそれなりに悲鳴をあげてるけど、そう思わざるを得なかったさ。
……もう、我慢できずに声に出しちゃうほどね!


「……んんっ、────よし、反撃の『チャンス』……!!」


元素スキル『蝶導来世』は、使うまでもない。
元素爆発『安神秘法』でまとめて「さいなら~~!」って吹き飛ばすのもまだ。まだ、お預け。
私が選べる最強の手札は、まだまだ残りまくってるから、……今はシンプルにっ!
もうほとんど本能のままで、私は槍を強く握って、突き出したのさ!


──バッ────



力強く地面を蹴った。
重力から自由になったみたいな身体を、そのまま、この決闘の終わりへと突き進ませる。
私は勝てるっていうお気楽なノリのまま、将軍サマの懐へと吸い込まれていったんだ────。


「はい、これでお葬式の予約、一丁あが~~~~~──────────────」




…………で、

その時だったってわけ。



 プツンッ──



「────へ?」



──“おかしい”
──“おかしいんだよ”



……なんてさ。私のじゃない知らない声が、鼓膜の裏から直接響いてきたんだよね。
『え、ちょっと待って、誰の声……?』
なんだか酷く懐かしいような、それとも、遥か未来から聞こえてくるような、そんな妙な声。


──“そうでしょ”
──“もう、気が付いているはず”


……何か言い返してやろうと思ったのに、何故だか私の喉からは声が出ない。
何故かって? 答えは簡単。今度は私の視界が、まるで壊れかけのモニターみたいに激しくバグり始めちゃったからさ。
もうこうなると、目の前の将軍サマも、夜空の満月も、それどころじゃない。

白黒の古びた映像から始まって、何十倍速、何百倍速っていうとんでもないスピードで、
視界の映像がどんどん鮮明に切り替わっていって。
あーもう目がチカチカする、勘弁してよ! ……って思ったその瞬間、
────そのバグが、私の海馬のあたりを容赦なくガリガリ引っ掻いてきた。


──“戦闘に、”


……あ、これ。これまでの私だ。……私の、これまでの記憶じゃん! って。
うわ、懐かしいなぁ。
昔の私の楽しかった思い出のネガフィルム……にしては、ちょっとお見せできないものも混ざってる気がするけどさ!


──“『確信』は、”


それで、その『走馬灯』をとうに過ぎて、────恐らく『すぐ未来の私』。
…………モザイク処理なんかなんもかかってない、
目を覆いたくなるほど鮮明すぎる私の『腹部』のビジョンが、ふと。
脳裏にフラッシュバックした、その時。



「……気付いたか。勝負の最中、驕りはご法度だ。胡桃」


「あ──────。…………そりゃ、な──」



 ────ZUGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAッッッッッッ!!!!!!!
💀❤️【技名:『ギガクロスブレイク(溜め技)』→『まじんぎり』】❤️💀


──、

 ──あの彼岸の蝶の羽ばたきが、完全に停止していたんだ。




「うひょ~~~、シン・バトロワってOPナンセンスだよな~~! ジャンプラのコメント欄で『前作のほうが面白かった』とか『今週のネーム、AIに書かせた?』ってボロクソに叩かれる系だろ~~! ……あ? おーいくるみちゃんピンチ?? え? もしかして、やっと俺ちゃん大先生の出番が来ちゃった感じ?」

「……って、そんな最悪の展開に、ならなくて本当によかっ──ゲホッ、ゴホッ!!!」



 ……はぁ、はぁ、……いやぁ〜〜〜、やばかった、やばかった!!!
直前で“あれ、そういやプロレスマスクの旦那はどこ行ったんだろ……”とか、関係ないことに気がそれてマジでよかったよ!!!
呑気にスマホポチポチしてる旦那に、ちょっとばかしイラッとできて本当によかったよ!!!?
よく分かんないけど、その一瞬の雑念のおかげでさ、私の身体が反射的にコンマ数ミリだけ後ろに反応してくれたんだよね。
だからこそこうして、人生最大の『大赤字(ゲームオーバー)』から間一髪で逃げ延びられたんだから。
こうしてさ!!!


「……ゲホッ、げほっ、……ま、まぁ……想定する限り『最大限』の最悪からは……だけどね……。ングッ、ゲホ、ゲホ!!」

「……うわ、ちょっと待ってくるみちゃん……お前っ……、その腹……──ってセリフだけで、なんとなく察させる物書きテクニック…………。んじゃんじゃ、俺ちゃんの最低限の存在意義は確保されたところで、お二人さん、続きをドゾッ」

「……っ、ハァ、ハァ……! とりあえず、どうも……、いっだ~~~…………!」



……うん、…………こうして、ね……。

ふぅー………………、
やれ、やれ……。


 冷たい地面に膝を突き、護摩の杖を支えにして、なんとか上体を繋ぎ止める。
お腹の傷口から、じわじわと体温が奪われていくのが分かる。
決闘前、キジトラちゃんと交わした言葉を、なんとなく思い出しちゃうな。



……
『……殺しじゃなく【決闘】ねぇ~~。…………でもさぁキジトラちゃん、決闘の結果として、私が死んじゃうこともあるわけじゃん? こんなうら若き美少女を容赦なく殺めることは、君の高潔な武人のプライドに反することじゃないのかい?』

『…………花は手向ける。来い、胡桃』
……

👆……あれれ? これ、私の完全論破じゃん……? という。

いやはや。
本当にピンチな時は、いつもどうでもいいことばかり考えて頭を現実逃避させてしまうのが、私の……いいところだよね。
だからこそ、これまでの人生、お葬式の予約が自分の分にならないように、我が道を飄々と突き進んできたつもりだったんだけどさ。


 ──TAッ────


「……まだか、胡桃」

「おやおや、……随分とお急ぎじゃん……?」


……キジトラちゃんは約束通り、見えない彼岸花を携えて、私の目の前に剣を刺した。
こちらのペースに一切合わせる気のない、冷徹極まりないあの瞳。
お腹からは濁流みたいに血が溢れて、
心臓は「まだ生きろ!」と言わんばかりにバクンッバクンッと血を体外に出してるっていうのに、……返ってきた最初の一声がこれかいッ!!
……うん、もう白旗だよ、白旗。
真っ赤に染まっちゃってる白旗だけどさ~~……。


「こ、降参……はぁ、はぁ、降参、降参……。私の負けだよ、参り……ゲホッ──」

「……情けない。我の目は、まだ腐っておらぬはずだ」

「え?」



それだというのに……だよ。
将軍様は、降伏を宣言した私を斬ろうともせず、ただじっと見下ろして淡々と言い放ったんだ。



「戦う意志なき者に、これ以上の言葉は不要。……ならば『戦う意志をまだ見せぬ者』にはどうだ。我は対等である見込んで、貴様を選んだのだ」

「……つまり~……?」

「試し打ちとはいえ、貴様には『相応』の力を見せているつもりでいる。……何故まだ分からん?」

「…………ど、どういうこと、で──」

「……思い出すのだ、貴様のこれまで。……潜り抜けてきた日々の戦い。──」



「────その裏にあった『モノ』を。……それを見せぬ限り、我の忠義の刃、断じて納得はせん!」



 ……あはは、これには参った、感服だねぇ。
────『まだ戦えるはずだ』。
手厳しいねぇ。もしかして往生堂の新しいお師匠様にでもなってくれるつもりなのかい?

うーーん、……私のこれまでの戦いの裏にあった『モノ』、ねぇ。
モノ、モノ、モノ……。

…………。
……ごめん、キジトラちゃん。
私の辞書にあるのは『妥協』と『おサボり』だけ。何ひとつ思い出せやしないや。


“本当に、分からないです……”──って、
あとでシャケとかあげるから、もう丸く収めてくれない……かなぁ~──…………、


「はーいくるみちゃん、超特別にジャンプ+限定のヒントタイムいっちゃう?」

「……え?」



その折だった。
後方から響いたのは、もう振り返る労力もヘトヘトな私への──ぶっきらぼうな『アドバイス』。



「大ヒ~~ント。『歯(笑)』↓↓↓」

──《仮面ライダーに変身したギュメイは、とうとう追いつき。》(笑)
──《そしてフータオはギュメイのライダーパンチで前歯が折れ、鼻血が出て、アスファルトはじんわり濡れる。グラマラスな胸も揺れる。》(笑)



「……感服だよ、こりゃ~……」


……正直、これっぽっちも必要としていなかった助け舟が、わざわざ大波を立ててやってきた思ったけども。



「……おいおいおい〜〜、俺ちゃん的にはあの駄文、ビジュアルの解釈一致というか、最高に抜ける名作エロ同人だと思ったんだぜ? 見ろよこの記述! 『グラマラスな胸』だぞ!? おっぱいぱい!!」

「……じゃ、おいおいおい返し~~。私のどこ見てそれ言ってるのかな~~……?」

「おっぱいぱい(笑)。ロワで盛るな! キャラの胸!!」

「……ハハハ、天才だよ……。……私は、もう──」



「くるみちゃんには『死』が似合うんだろ? つまるところ、この話の着地点はそういうことってわけだ」



──、

 ────ッ、


 ──。



 でも、その、助け舟の行く先は、


「“地獄だった。ただし、地獄が必ず『不正解』とは限らない”──っと、未来のくるみちゃんのセリフを先回りして奪っちゃってゴメンな! ……画面の前の読者諸君も、これ超重要な伏線だからよぉ~~くテストに出ると思って覚えとけよ? ま、すぐ回収されっけど」

「…………ありがとね、旦那」

「おう、こちらこそThank you so fuck。──」


「……黄泉の国へ行くには、私はまだまだ若すぎる看板娘なんだよねぇ。……今思いついた『一か八かの大博打』、どうか裏切らないでほしいなっ!」

「──俺ちゃんに見せ場をくれそうでよォォ~~~っ!」



────自ら地獄の底へと突っ込む策だけども、これが「不正解」じゃないってわけさ!



「……ハァハァ、……参ってもいいかな。もちろん、再戦という意味でね! 将軍様~~!!!」

「…………」



──TAッ────


 背後で、旦那の着地音を聞き届けた私は、夜の静寂を切り裂いてこう叫んだのさ。
「散ッ!!」
────元素スキル『蝶導来世』!


ガッ──、
 ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア────


「……ムッ。……ぬうッ!」


その刹那、私にとっては見慣れた、鮮烈なる紅蓮の焔の景色がこの崖一帯の全てを轟かせ、焼き尽くしていく……。
……わざわざ言うまでもない、
──って流しちゃったら、あの旦那が『いや知らないヤツのために~』とか説明しそうだし、……このスキルについて私の口から説明しておくとね。

これね、発動すると私は『冥蝶の舞』っていうカッコいい状態になるの。
私の攻撃すべてに炎の元素が宿って、秘められた力がこれでもかってくらいみなぎってくるわけ。
……ま、世の中そんな美味い話ばかりじゃないじゃん?
ほんと嫌になっちゃうんだけどさ~、凄まじい代償として、



 ──プツンッ。



「……なっ」

「ありゃりゃ、やっぱり無理しちゃって~……」



────私の残り少ない体力のほとんどが、一瞬で毟り取っちゃう自傷技なのさ。

目を開けば、音も光もない、真っ暗な静寂。
技を出さずしての営業終了。
どうやら黄泉の国ってやつは、電気代を延滞してるらしい。はは、新しい知識が増えちゃった。
いっそ心地よいくらいの暗闇だよ、こりゃ~~。



──ただ、私はやっぱり夜のお墓のほうが、よっぽど性に合う暗さかな!



「……ハッキリと聞こえたぜ、くるみちゃん? “今ですよ、世界一素晴らしくて美しくてユーモアあふれるデッドプールしゃま~~~”って魂の叫びがね。……いやぁ、俺ちゃんってばどうしてこう、死にかけの可愛い子ばかりに好かれちゃうのかねぇ~~!」



【胡桃】
【HP】0


↓スラスラスラスラ────、

 ↓スラスラスラスラ────……、


────【HP】“6000”───────ッ!!


「なっ!!? 死に瀕した魂が、巻き戻ったというのか……!?」

「これ許されるアメコミ終わってんだろ、マジで」



 ……もう、これ以上は言う必要なんてないじゃん?
身体にみなぎる激しい炎を、かき消す水圧はこの場にnothing!
お腹のズキズキする痛みなんて、自分の炎の熱でジュッと焼きちぎって、無理やり止血しちゃえばいいわけ!
卑怯? 結構。なんとでもいうがいいさ。


「……小癪な……、小癪な真似をッ!!!」

「おうおう。あいにく俺ちゃんは小癪さだけで何十年も飯を食ってきたんだよ。チート? 何が悪い。Hey、チーター将軍! てめぇだって腹が減りゃあ、そこらの野うさぎをよぉ……………」


「おいしく食べるよね!!!!」



──私は感情のまま、この冷たい『決闘の舞台』に、緋色の焔を咲き乱れさせた────。




ッッッッガアアアアアアアア───…………。


………
……



※警告:HP回復・偽装行為は、この時を以て全面禁止となりました。
※今後の不正使用は、即座に首輪爆発(ペナルティ)につながります。


「↑↑ンだよこれ!? 俺ちゃんのアイデンティティ完全消滅!! やってらんねーなパロディロワイヤル!」





 ……それから、どれくらい時間が経ったかな。
嵐のようなお祭り騒ぎがひと段落してさ。まぁ、当然これが始まるわけだよね。


「小癪な。……我の見誤りであった。貴様のような姑息な者、武人の風上にも置けん」

「だよね~~~…………」


はい、ギュメイ将軍様のありがた〜いお説教タイム~~。
私の足元で、せっかく復活したおばけちゃんはシクシク泣いているのであります~~……。

正直ね、「死を安易に扱うな」とか、そういう生死観を交えた正論のお説教が飛んでくるかと思ったんだけどさ。……思いのほか、シンプルに私の存在そのものを全否定する言葉の嵐。
小癪、小癪、小癪、小癪。……『癪』って字、こんな難しいんだ~って、もう悟り開くくらいには正座がキツかったよ。
勝負に勝って試合には~~ってやつなのかな? いや、違うか。よく分かんない。
とにかくさ、この時の私は精神的にもヘトヘトのボロボロだったんだよね~。


……だから、こそ。──なんだろうね。


「……胡桃。我の前から去れ。即刻だ」

「そりゃ、喜んで……」

「そしてもう一つ、この協定を遵守せよ。──」

「え?」



「──十二時間後、またこの場に来い。貴様とは再戦に値する。──」

「──……生きて、また来い」


「……え」


その言葉を最後に、もう『次なるどこか』へ姿を消しちゃってたキジトラちゃん。

……もうそこには誰もいないし、
ただの崖っぷちの夜風が吹いてるだけだけどさ。
それでも、私は精いっぱい軽口で、闇の向こうへ届くように叫んでやったものさ!


「それはこっちのセリフでもあるよ! 私はもう葬儀代の見積もりなんて見たくないんだからね! キジトラちゃ~~~ん!」



……お礼は、今は言えないけどもね。



【胡桃@原神】
[状態]:腹部に重傷(応急処置済み)、疲労(大)、全身打撲、グラマラスではない
[装備]:護摩の杖
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]:死にたいヤツは私んとこへ来いっ!
1:キジトラちゃん(ギュメイ)との再戦! 次こそはチート抜きで、ちゃんとお葬式の予約を取って勝つ!
2:プロレスマスクの旦那には借りがある……気がする。気のせいかな? いや、やっぱり気のせいってことにしとこ。
3:生きる。死んだらさらに殺されるじゃん!

【デッドプール@デッドプール:SAMURAI】
[状態]:おっぱいぱい♡
[装備]:愛用武器一式、胡桃の歯(笑)
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×3
[思考]:『デッドプール:SAMURAI』で検索したら『炎上』『打ち切り』『なんJ』とか出てくるのやめろ。
1:くるみちゃんと行動。
2:正直な話、最初の数分間は彼女の名前、ずっと『こもも』ちゃんって読むのかと思ってた。
3:『フータオ』……読めるかッ!
4:た~まには常識的なジェントルマンかつ便利すぎる回復役な俺ちゃんもいいだろ?

【ギュメイ将軍@ドラゴンクエストIX 星空の守り人】
[状態]:軽度疲労、胡桃への評価修正済み
[装備]:愛刀
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]:戦いの中でこそ、真の強者を見定める。我が刃に迷いはなし
1:この卑劣な遊戯を仕組んだ「主催者」の打倒。そして、その先にある真なる強者との乾いた戦いを求める。



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最終更新:2026年06月23日 23:56