復讐するは我にあり ◆dKv6nbYMB.
「爺ちゃんの敵討ちだ」
俺は目を覚まし名簿に目を通すなりそう口にした。
名簿にはあいつの名前が載っていた。
デンジ。
俺の大好きな爺ちゃんに拾われて世話になっておきながら、その恩を仇で返して低学歴の馬鹿だ。
あいつさえいなければあの優しい爺ちゃんが死ぬことはなかった。
いまも俺に優しくしてくれてたはずだ。
何度も言うが俺は爺ちゃんが大好きだ。
だから俺はデンジを殺す。仇をとった上でこの糞遊戯の報酬で爺ちゃんを生き返らせる。
その邪魔になるやつらは全員殺す。
早川アキもパワーもマキマもだ。
前者二人は大したことはねえ。
いっぺん戦ったし強さも大したことがねえ。
問題はマキマだ。
あいつの姿さえ見せないで敵を潰し殺す技はわけがわからねえ。
俺がここにいるのがあいつに知られてる現状で殺されてねえってことはあいつがあの技を使える環境にねえってことだ。
だったらこれはチャンスだ。
マキマを先に探し出し殺すか―――あるいは、身代わりになる駒を探し出すかだ。
デンジを攫おうとしたあの時、俺か沢渡を潰しておけばそれで終わっただろうに、奇跡的にも俺たちだけが残っていた。
使用回数に限度があったんだとは思うが、恐らく大雑把にしか標的を選べないランダム攻撃なのだろう。
だから肝心要の俺たちを残すハメになったんだと俺は考える。
その為の身代わりの駒だ。
俺に協力する人数が多いほど俺が標的になる可能性は低くなる。
(マキマへの対策だけじゃない。俺はこの状況で正直に10人殺しに向かうような馬鹿じゃねえ)
ハッキリ言って、この遊戯の十人殺して脱出ってお題を真っ当に達成するのは難しい。
俺の刀の悪魔の能力は強力だが長時間はもたねえ。
一般人相手にバンバン使うには燃費がワリィし、粘れる奴を何人も相手にするには持続時間が不安だ。
殺るなら一気に纏めて切るなり、奇襲するなり、裏切るなり、時と場所を考えて殺りてえところだ。
俺はデンジみたいな学歴のねえ馬鹿じゃねえ。
ちゃんと味の良しあしもわかるし物事に対して頭も使える。
爺ちゃんみたいな正義のヤクザだし、女子供も数えるくらいにしか殺したくない矜持もある。
あいつみたいに人を殺してもなにも思わねえような人でなしでもねえ。
俺は、デンジとは違うんだ。
「ったく、少年院なんざコネもねえ知恵もねえ低学歴の馬鹿が入るようなところだろうが...まあいい。俺はやるぜ、爺ちゃん」
俺は決意を固めて歩き出す。
この心を燃え上がらせるような憎悪に身を委ねて。
【E-5/少年院/1日目・未明】
【サムライソード@チェンソーマン】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品3
[思考]
基本:デンジを殺す。
1:デンジの殺害を優先。その仲間たち(パワー、アキ、マキマ)も殺す。
2:マキマに要警戒。マキマ対策に協力できる手駒も欲しいところ。
3:ポイントを貯めて脱出する時にじいちゃんも生き返らせる。
[備考]
※参戦時期は少なくとも4巻28話でコベニに斃された後。
最終更新:2022年09月10日 22:53