SINGULAR BLADES 兵器類

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

兵器・軍事技術


※設定は随時作成・更新中のため、項目ごとに矛盾があったりします。 

【シングラル】

 人型全領域戦闘機。サイズは凡そ縦軸20~30m程度。
 重力工学の粋を集めた機動兵器であり、兵器体系の常識や戦場の法則を打ち破る
性能・戦法からSingular(特異点)の名を冠せられた。シングラルのパイロットは俗に
「アクター」と呼ばれ、これは後述の特殊な操縦方式に由来している。

 鉄壁の防御機構「IDeA」や「DiSc」を備え、真空炉<ケノンリアクター>を搭載することで
大出力の兵装をドライブ可能。かつ多数の斥力干渉器<リパルジョン・インターフィアラー>を
全身に内蔵し、秒速10000km以上のスピードまで瞬時に加速する。単機で惑星を滅ぼすことすら
可能な恐るべき兵器だが、恒星間戦争の時代にあってはこれすら戦闘の一単位に過ぎない。

 シングラルが従来兵器に対して持つ最大のアドバンテージは操縦方式にある。アクターの
脳神経電位をフィルタリングし変換、機体の制御シグナルとして利用する脳介機装置の一種
「QFI(Qualia Feedback Interface)」により、人間はシングラルを自らの肉体として操る。
換言すればこのシステムは、ニューロンを駆け巡る信号のすり替えを行い、巨大な人型兵器を
「自分の身体である」とアクターの脳に誤認させることで成り立っている。

 QFIは操縦桿や物理スイッチ類を介さないため、アクターの意思が機体の行動に反映される
までの時間がきわめて短い。また直感的思考で操縦できるということは、現代の戦場で重要な
電脳戦(ロジカルコンバット)に対応するための論理的思考リソースをより多く確保できる
ということでもある。従来兵器と一線を画する反応速度に、素人でも乗りさえすれば動かせる
究極のマン-マシンインターフェースを兼ね備えるシングラルこそ、宇宙空間において行われる
超高速マルチタスク戦闘の速度域に、人間が唯一追随し得る兵器なのである。

 前述の通りパワードスーツの要領で直感的に操作できるため、従来の戦闘機などに比べ
慣熟訓練期間が格段に短く済むという利点もある。徴兵された一般人を促成で戦力に仕立て、
物量で敵を圧倒するという前近代歩兵戦さながらの戦術が取れるのである。
 一般的な機体は斥力干渉器の集中した脚部が主推進機関であり、シングラルは自ら生み出す
斥力を足場に、空間そのものを「蹴って」加速する。この際、拡散する重力波面が局所的に
電磁波のスペクトルを歪め、同心円状の光輪となって可視化される。

【IDeA】

 Ineatial Deflexion Armor(慣性偏差装甲)の略称。「イデア」と発音。
 リパルサー・テクノロジーを用いた防御フィールド形成技術であり、厳密には
装甲ではないが、機体や艦体の装甲表面を鎧うように展開されるためArmorの名を持つ。
 理屈としては、防御主体から見て外向きの斥力フィールドを展開し、突入してくる
質量体の運動ベクトルを偏向させる防衛機構。実弾兵器および粒子ビームに対し
絶対的と言ってもよい防御力を誇る。ある程度はレーザーなど電磁波も曲げられるが、
質量ゼロかつ減速しないという光の特質上、波長が伸びるだけで偏向効果は薄い。
フォトンドライバーのように強力なレーザーに対してはダメージ軽減も微々たるもので、
そのため対レーザー装甲と併用しての二重防御が一般化している。
 排熱が追いつく限り恒星内部への潜行すら可能とする防御力は、反応弾など従来の主力兵器を
悉く無力化した。それゆえ兵器の火力インフレーションを招いた直接の原因ともされる。

【DiSc】

 Distortion Screen(歪曲障壁)の略称。「ディスク」と発音。
 IDeAの斥力フィールドを単方向へ集中することでブラックホール内部に匹敵する
重力勾配を発生させ、光さえ弾き返す円盤状の空間歪曲面を形成する。正面からは
白い光の円に見えるが、裏側(つまり展開主体側)から見ると黒い円に見える。
 限定的に物理法則そのものを破綻させる障壁であり、質量弾、粒子ビームはおろか
戦艦主砲など超高出力のフォトンドライバーを以てしても突破できない。破るには
同等の斥力フィールドで重力偏差を補正する(DiSc同士をぶつけて相殺など)か、
天体現象並みの高エネルギーで力押しに押すか、あるいは単純な斥力では防げない
特殊な攻撃(マイクロブラックホールカノン、相転移砲など)を行うほかない。
 DiScを展開しながら体当たりするだけでも凄まじい破壊力になるため、攻撃手段として
応用する事も可能。歪曲空間を刀剣状に形成したディストーションスライサーなどが該当。
 弱点として、DiScはIDeAとの同時展開が基本的に不可能な点が挙げられる。
これは原理的な問題ではなく、一般的なシングラルのRI搭載数と供給エネルギー量が
IDeAとDiScの併用に耐えうるほどのレベルにないため。艦船は総出力こそ高いものの、
カバーしなければならない面積が広すぎてDiScを局所的にしか展開できず、効果が薄い。
(展開面積の拡大に比例して、DiScの消費エネルギーは二乗倍で増加する)
 なお、「機体全面をDiScで覆い尽くせば無敵なのでは?」との発想で、障壁の全周囲展開を
可能とするためのジェネレータと斥力干渉器を大量に増設した試作機が作られたこともある。
結果、電磁波やニュートリノなどあらゆる粒子・波動を弾き返してしまうため、視界と
索敵能力がゼロに近くなることが判明。とても実用に堪えないとして開発は打ち切られた。
構想段階で誰もこの欠陥に気付かなかったことは、現在まで残る大いなる謎である。

【フォトンドライバー】

 劇中の時代、GCC歴1014年(A.D.4009)現在の最も標準的な中・長距離攻撃兵器。
 ポジトロンカートリッジの激発による電子-陽電子対消滅を線源とする、超高エネルギーの
ガンマ線パルスレーザー砲である。編光晶体(プログラミング可能フォトニック結晶)レンズが、
莫大なエネルギーを細く収束しつつコヒーレント化し、マイクロ秒~フェムト秒単位の一瞬間に解放する。
 連続照射するタイプはフォトンカッターと呼ばれるが、ほとんどはフォトンドライバーとの
撃ち分けが可能なため、実質照射モードの違いでしかない。

 レンズの形状には勢力・メーカーごとの傾向があり、CJPOが採用しているものは細く長いタイプ。
利点は一発の威力・射程・照射時間を大きくできること、欠点は砲身が長大化すること。
ザナドゥの艦船・シングラルなどに広く採用されているレンズは太く短いタイプ。
ほとんど円盤状にまで薄く広く成型されたものもある。利点はレンズへの負担が少ないこと
(射撃サイクルの短縮、耐用期間の延長に繋がる)、照射面積と角度を広く取れること。
欠点は威力・射程・照射時間で長砲身式に劣ること。

 フォトンドライバーはIDeAを突破するために作られた兵器で、標準的なシングラルの
携行用ですら、小さな街程度は一撃のもとに消し飛ぶ威力を発揮し得る。
(参考までに、CJPOで最も広く普及しているポータブル・フォトンドライバーの出力は
 定格で1京8000兆J=18PJ=広島型原爆の327倍のエネルギー)
そのため、惑星上及び付近の宇宙空間では使用禁止、または出力を落として運用される。

 有人惑星などではフォトンドライバーの威力が著しく落ちるが、これは
一般的なレーザーのような「大気による減衰」ではなく、上述の出力制限が理由。
通常の対物・対人使用に対装甲兵器と同等のエネルギーは必要ないため、大気圏内で使うと
解っている状況ならさほど問題はない。対人モードでは実弾には不可能なスピードで
照射対象を切り替えながら連射でき、きわめて高い精度と殲滅力を兼ね備える。

 リパルサー・テクノロジーを用いずIDeAを貫通し得る点で他と一線を画す兵器ではあるが、
普及してしまった現在では、IDeAの下の実体装甲が耐レーザー性能に特化している場合が多い。
そのためフォトンドライバーのパルス射撃に匹敵するエネルギーを叩き付けなければ
一撃では仕留められず、戦闘が長引きがちである。とはいえリニア射撃でも数発当てれば
対レーザー装甲と言えど耐久限界を超えることには変わりがなく、ここにDiScの使用タイミングと
他種兵装による牽制などの駆け引きが生まれる。シングラル戦においてアクターの技倆が
戦果に反映されすぎる傾向があるのは、このような攻防に求められる高度な判断が
個人技の差を拡大させるためだと言われている。

【パーティクルドライバー】

 有質量粒子加速砲。荷電粒子ビームや中性粒子ビーム、プラズマ砲などが含まれる。
要はイオンや有質量の素粒子を加速し投射する粒子線兵器全般。
 実弾ほどではないものの、IDeAで大幅に威力を減衰されるため、どちらかといえば
非IDeA目標への攻撃能力を追求したものが多い。最も一般的なのは
反物質を投射するポジトロンドライバーやアンチプロトンドライバー。

 かつては多重シンクロトロンやストレージソレノイド加速器(蓄積リング式の進化形)、
レーザープラズマ収束加速器など電磁相互作用を用いた加速方式のみだったが、
重力工学(および、その応用である超幾何工学)の再発展に伴い粒子の縮退が容易になると、
より省スペースかつ本体ジェネレータの電力リソースを食わない圧縮粒子解放式が主流となった。
 現在は一次加速を縮退圧で、二次加速と射線コントロールを電磁場で行う
ハイブリッドアクセラレーション方式が艦船を中心として配備されつつある。

 威力は投射粒子の種類や加速方式・出力・規格にもよるが、非IDeA目標への打撃力や
純粋なエネルギー量で見るならば、凡そ同サイズのフォトンドライバーを上回る。
 例として、CJPOのウォーロック級戦艦の副砲として装備されているアンチプロトンドライバーは
最大出力なら粒子生成だけで90PJ(1kgの質量に相当、広島型原爆の1635倍のエネルギー)、
さらにそれを亜光速まで加速する砲身内線形加速器の投入電力を加算すると、
エネルギー消費量は莫大なものとなる。

 もっとも、弾薬となる粒子はカートリッジ式またはコンデンサー蓄積式であり、
実戦でパーティクルドライバーの最大出力砲撃を敢行する機会も殆ど無いと言ってよい。
そのため弾切れやエネルギー切れで撃てなくなったというケースは稀である。

[memo]
 圧縮粒子を生成する加圧チェンバー、およびそれらを保持する縮退カートリッジ/コンデンサーは
 超幾何工学による余剰次元を利用した空間重畳コンテナとして構成されており
 通常空間のみでは物理的に不可能なレベルの質量集中を長期間維持できる。
 通常空間を二次元の盤面とした場合に、同じマスに置ける駒がひとつずつであっても
 『駒の上に駒を重ねる』=一つ上の次元を利用することで、下位次元のルールをすり抜けられる
 という喩えが一般向けの解説などで用いられる。

【実体弾砲】

 質量投射兵器のうち、弾体が固体状のもの。または固体と看做せるもの。
投射体が流体状のもの(水圧カッターなど)とは区別されるが、着弾時に
固体化している場合は実体弾として扱う(単分子フィラメント形成弾など)。

 歴史が長いだけに最も多様なヴァリエーションを持つ飛び道具で、弾体の加速方式と
弾頭の種類によって、発揮し得る性能には無数の組み合わせが存在する。
 歩兵の携行用としてであれば火薬式(炸薬は、合成技術の進歩により少量でも高い爆発力を発揮する)
も使用されるが、対装甲目標兵器としての火砲は廃れ、電磁加速砲とRACが主流。
 電磁加速砲はレールガンや超電導コイルガン、マスドライバーキャノンの類。一世代前の
主力実弾兵器であったが、IDeA(斥力装甲)に対しては完全に威力不足で、一部の超大型砲を除けば
牽制用のサブウェポンにしかならなかった(斥力干渉器内蔵のRI弾頭を使用する場合は例外)。

 RAC(リパルサーアクセラレーションキャノン)はリパルサー・テクノロジーを用いた
弾体加速装置で、砲弾は歪曲空間の中を「落下してゆく」形で加速する。
 弾体の潮汐破壊を防ぐため人工重力の加速度(=重力勾配の傾斜率)には限界があり、
高い砲口初速を得ようとすれば比例してバレルが長大化する点では電磁加速式と同様。
 しかし近年、兵器メーカー「ブラックスミス・システムアームズ」が開発した新型RACは
リング状に「巻かれた」空間が元に戻る際の回転運動で弾体を押し出すことにより、
砲口初速が0.9C以上に達する遷光速実弾攻撃を可能とした。この速度域ではIDeAにも有効。

 BS社製の新型RACは、歪曲空間の形成に従来以上のエネルギーを食う難点こそあるものの、
バレル長はかなり短縮できるため、取り回しの向上が見込めるなどの利点もある。
 また有効射程は「巻いた」分の空間以下に限定され、その距離を過ぎると弾体は急激に減速するが
この特性はむしろ、危険なスペースデブリを生み出さない「クリーンな兵器」として有用視されている。

 加速方式を問わず、弾切れが起こり得ることに注意が必要。汎用アセンブラで合成可能な
弾種もあるが、結局材料は必要となるし、合成可能弾の多くはもはや役に立たない。

【ミサイル】

 推進装置を備えた飛翔体で、無人攻撃機などの範疇に入らないもの。誘導弾。
 合成不能資源を必要としない化学推進ロケットなどは、ナノテクの発展により
安価な量産が可能となっている。しかし通常弾頭ではIDeA(斥力装甲)に対し効果を発揮しないため、
DiSc(歪曲障壁)封じの牽制と割り切って使うか、逆にフォトンドライバーで隙を作るなどの工夫が必要。

 イド・ペネトレーターと呼ばれる特殊弾頭ミサイルも存在する。これは弾頭に斥力干渉器を
搭載し、目標のIDeAないしDiScを中和してダメージを与えられるようにしたもの。
当然ながら、特定資源を含むので補給が必要。
 有用な兵器ではあるが、着弾前に破壊されることが多く、万能にはほど遠い。
命中率向上のため、ペネトレーターの大半は敵の迎撃を自動で乱数回避する
知性化弾頭となっている。しかし小型弾はIDeAを搭載できないため簡単に破壊され、
IDeA搭載の大型弾はDiScすら貫く攻撃力と引き換えにコストが高く、大量投入は困難である。
(ペネトレーターの高コストこそが、人型全領域戦闘機の存在を許している要因のひとつとも言われる)

 仮にRIの生産コストが現在の20%まで下がることがあれば、ミサイル万能時代が
到来すると予測している軍事評論家も一定数いる(ペネトレーター万能論者)。

【MAUS】

 Maneuver Assault Unit System(機動攻撃端末システム)の略称。「マウス」と発音。
(本来、銀河標準語では「メイアス」と発音するのが一般的だが、子機を飛ばすという
 兵装特性が「マウス(ねずみ)」という読み方のイメージに合致したとされる)
 人型全領域戦闘機<シングラル>や艦船などの「本体」を持ち、かつ本体から分離稼働する
無人攻撃機等の攻撃端末兵器全般を指す。本体を持たずに独立運用される攻撃衛星などは含まない。
 パイロットが識覚コントロールする「COMAUS」と、自律制御式の「AMAUS」がある。
それぞれ「CO」は「Consciousness Operating」、「A」は「Autonomous」の略。

 一般的なモデルはリパルジョン・インターフィアラーによって機動、姿勢制御などを行う。
化学推進式のものもあるが、シングラルの戦闘速度に追随できないため防衛用などが殆ど。
搭載武装はフォトンドライバーが主流であるが、荷電粒子砲や実弾砲のものもある。
またRI搭載を活かし、それ自体が貫徹体となってIDeAごと敵機を貫くタイプや、大型の場合は
白兵戦用のリパルサーウェポンを兼ねるものもある。ペネトレーターとの違いは、着弾の際に
端末が破壊されることを前提としているか否か。再利用が効く分こちらの方が単価は高い。
 攻撃能力を持たないものの場合、二文字目のAは「Assist(支援)」の略であるとされる。

 最大の弱点は高コスト。財政的な圧迫だけでなく、使い捨てにするのを躊躇うことで
無意識のうちにMAUSを回収できなくなることを恐れ、本体の機動が制限されてしまう。
この心理的陥穽をカバーするため、本体から一定以上の距離を取れないように設定されている
モデルもリリースされた。これはこれで長距離攻撃が可能な無人攻撃機という強みを潰すため、
現在は作戦プランに応じてオプションで切り替えられるタイプが主流である。

【リパルサーウェポン】

 広義のリパルサーウェポンは、リパルサー・テクノロジーを用いた(斥力干渉器を内蔵した)
兵器の総称。そのためMAUSやペネトレーター、RI弾頭、RAキャノンなども含まれる概念である。
 狭義のリパルサーウェポンは、斥力フィールドによって強化された白兵戦用武装類を指す。
人型全領域戦闘機<シングラル>が装備する大剣、槍、ハンマーなどはほぼ例外なくこれで、
斥力装甲<IDeA>に守られた装甲目標への攻撃手段としては、最も打撃力の高いものとなる。

 機体と武器の斥力フィールドで敵のIDeAを中和して攻撃できるだけでなく、
フォトンドライバーなどに比べてエネルギー消費も少ない。レンジ外では機体の推進力の
一部として使え、歪曲障壁<DiSc>展開時の補助出力器にもなる。また有人惑星の大気圏内でも
威力を制限されないなど、環境を選ばない。重力下戦闘においてはほとんど唯一の決定打と
なり得る武器であり、シングラルの地上戦は必然的に白兵同士の打ち合いになる。

 弱点があるとすれば、遠距離攻撃の手段にはなりにくいことと、単価の高さ。
MAUS兼用のタイプも存在するが、本体の斥力場が加算されないため、破壊される危険も増す。
攻撃範囲の狭さゆえ、艦船など大型目標に対しても致命傷を与えにくい。対艦攻撃時は
リパルサーブレードで耐レーザー装甲を破り、破孔部にフォトンドライバーを撃ち込む
というのが一般的な戦術である。

[塑性流動を利用したリパルサーブレードの対物優位性について]

 リパルサーブレードとは、斥力フィールドによる強化機構を内蔵した刀剣状武器の総称である。
同様のテクノロジーで作られた槍やハンマーもあるが、扱いやすさから大剣型が最も普及している。
 この武器は自前の斥力フィールドによって敵の斥力装甲(通称IDeA)を中和・貫通することができる。
よって、高出力のレーザー兵器以外で唯一IDeAに有効な攻撃手段となっている。

 では非IDeA目標に対してはただの剣か? というと、そんなことはない。決して打ち負けない剣となる。
これは要するにIDeAを纏った剣であるから、物理的接触によって破壊されることがまずない。
そしてシングラルのパワーで振り抜かれる刃の運動エネルギー(+斥力フィールドの加速度)は、
いかなる物質もユゴニオ弾性限界を越えて流体化させるに足る超高圧力を生む。
この効果が発生するとき、通常の砲弾などは自らも流体化してしまい貫徹力を維持できないが、
リパルサーブレードは接触面が非実体の斥力フィールドであるため、当然流体化を起こさない。
結果、対象物がどんなに強靭な物質であろうと、その本来の強度を無視して、水を斬るようにやすやすと
切断・貫通できてしまう。力学的抵抗を一方的・非対称的に無化する兵器とも言える。
 以上の理屈から、リパルサーブレードを分子結合に基づく物質的な装甲で止めることは不可能である。
防ぐには同等以上の斥力フィールドで対抗するか、まったく別の非物質的防御システムを用いるしかない。

【分子兵器】

 広義にはBC兵器を含むが、狭義の分子兵器は微小機械技術を用いた兵器類。
特に分子アセンブラや同ディスアセンブラ、マイクロレーザークラスターなど
ナノマシンないしマイクロマシンによる兵器を指すことが多い。

 かつて戦場を支配するまでに猛威を振るった兵器カテゴリだが、同じく分子機械で
対抗するアクティヴ・シールドの技術が発展するにつれ陳腐化した。またIDeAに対しては
まったく効果がないことから、空間戦闘においては攻撃よりも索敵に利用される。
索敵用ナノマシンとして最も一般的なのは限ヶ島ユニバーサルテクノロジー社の
散布型微小通信ネットワーク端末システム“全知の塵(オムニシャント・ダスト)”。

 対人攻撃や工作用途ではまだ使い道が多く、戦線を陰で支える脇役としては重要である。
 人類が地球を追われた“大喪失(グランド・フォーフェト)”の前には、
分子レベルを超えて原子レベルの物質変成が可能なアセンブラさえあったとされるが、
現在のナノマシナリーテクノロジーは未だそのレベルに再到達していない。
(ドレクスラーがヘリウム3の合成などを実現してはいるが、汎用元素変換は未達)

【レーザーブレード】

 名の通り、レーザー光を発し物体を切断する刀剣状の兵器。
 かつて医療器具として用いられたレーザーメスなどとは違い、固体のエッジを持つ。
何が「レーザー」なのかというと、半透明のエッジ部全体がレーザー発振レンズの機能を
備えており、近接戦闘モードでは刀身に圧力を受けた部位からレーザーを照射するのである。
この仕組みにより刃に接触したものだけを的確に加熱し、灼き切ることができる。

 実際に高エネルギー光束を発振している線源はグリップの部分にあり、バッテリーなども
ここに内蔵されている。エッジ部は編光晶体(プログラミング可能フォトニック結晶体)で
形成されており、グリップ部の励起媒体が発した光を蓄積・偏向・集束する
コントロールユニットの役割を果たす。時間さえかければエッジ内に膨大な電磁波を
蓄えることが可能で、蓄積エネルギーレベルが高いほど、拘束し切れず漏出する光の量が増える
(つまりエッジが激しく輝く)。

 結晶エッジの主要材質は炭素であり、レーザーを切った状態でもその強度は通常の
エンハンスト・カーボンブレード(CNTの1000倍の引っ張り強度を持つ)に準ずるレベル。
グリップに内蔵した機器の分だけ重量は増えるが、レーザーブレードはそのまま
近~中距離用のレーザーガンとしても転用可能で、装甲目標への攻撃としても有効。
その汎用性から、勢力を問わず歩兵の標準装備のひとつとなっている。

 ただし白兵武器としての切れ味では単分子ブレードに劣り、飛び道具としての射程や威力では
レーザー発振媒体を大容量化できない分、射撃専用のレーザーライフルなどに劣る。
各レンジで特化型の兵器に及ばない器用貧乏が弱点と言える。
 ちなみに結晶部が剣の形になっている必要はないため、刀身を小型化したレーザーナイフや
レーザーハンマー、レーザースタッフ、レーザーウィップといった変わり種の武器もある。

【インテリジェントアーマー】

 インテリジェントウェアの派生品。戦闘に特化した鎧状のモデルで、
通常のウェアとパワードスーツの中間的な性能を持つ。
 パワーアシスト機能の出力では純粋なパワードスーツに及ばないが、防御力では
近いレベルに迫っている。演算能力はウェアを上回り、またパワードスーツより
軽量小型であるため、運用しやすい利点も。
 しかし総合的な汎用性ではウェアの方が遥かに勝っているため、見栄えの良さから
市民へのプレゼンスとして一部組織が制式装備化している以外、現場ではあまり見かけない。
つまるところウェアとスーツの中間というのは、戦場においては中途半端な性能だったのである。
 外見はプレートアーマー型が主流。その姿は古代地球の騎士たちが着込んだ甲冑を彷彿とさせる。
リガローク星皇国・輝煌騎士団の鎧などがとくに有名。

【生体金属装甲服】

 略称LMAS。とある高重力惑星の海で発見された液状金属生命体を、兵器転用しようとして失敗したもの。
人間の身体を覆うように密着し、神経のインパルスを拾って着用者の身体の延長として動く。
 従来のパワードスーツやインテリジェントウェアを凌駕する出力、防御力、汎用性が見込まれたが
テスターの皮膚がかぶれるなどしたことで、LMASの金属は人体に有害であることが判明。
直接接触でなければ反応性が著しく低下してしまうこともあり、最終的にはプラン自体が破棄された。
 現在は第三種禁制技術として統一銀河連邦の取締対象に登録されている。まれにテクノ犯罪者が
類似の兵器を所持していることがあり、彼らは皮膚感覚を機械的にシャットアウトするなどして
着用者への害を顧みない特攻兵器的な運用をしている。

【ブラックホール兵器】

 ブラックホールを利用する兵器。主に弾頭としてであり、縮退炉などブラックホールを
動力源とする兵器は含まれない。
 現在研究中のものは、空間歪曲を一点に集中してマイクロブラックホールを形成し、
これを投射して攻撃するタイプ。フォトンドライバー同様にIDeAを貫通可能、かつ
エネルギー投入量が十分であればDiScさえ貫くという非常に有用な特性を持つが、
マイクロブラックホールは短時間で蒸発してしまうため射程が短いという欠点がある。
もっとも、これは誤爆の危険を減らすという意味では有用な特性でもある。
メリットの多さから、次世代の主力射撃兵器となり得るのではないかとの声も。
 構想だけならば、天然のブラックホールを電場で誘導加速し目標にぶつけるという
天体現象クラスの戦略兵器が考えられたこともある。必要な時間や人的コストに対し、
あまり効果が期待できないとされたため、実現はしなかった。

【リプレイサー兵器】

 ワープ駆動の一種、リプレイサー・ドライブを攻撃に転用した兵器。敵が存在する
空間ごと消し飛ばしてしまえるため、IDeAはおろかDiScでさえ全く防御できない。
 リプレイサー・ドライブは莫大なエネルギーを消費するため、シングラルのサイズで
幾度も攻撃に使用することを考えると、転移空間はごく小さな領域に限られる。しかし
転移空間を恒星内部と繋げるなどの工夫によって破壊力の底上げを図ることも可能。
 理論上は全宇宙の任意の点に対し防御不能のエネルギー攻撃を仕掛けることも
可能であるが、現在の人類が作り得る兵器でそれを可能にしたものはない。

【ロジカルウェポン】

 電脳戦(ロジカルコンバット)においては、“ロジカルウェポン”と総称される戦闘用ソフトウェアを
攻防に使用する。仮想空間に投影した身体でただ殴り合ったりするだけではダメージにならない。
(苦痛の感覚もある程度は再現されるが、閾値を超えるとカットされる。また投影者の脳や
 物理肉体にダメージを与えるようなフィードバックも、安全機構が働くため通常は起きない)
 ロジカルウェポンにはいくつかの種類があり、用途ごとに分類される。

炎<フレイム>
 対人攻撃用ソフトウェア。ネットワークに接続している人間の脳や神経に直接ダメージを与える。
理屈としては、敵の神経接続端子に偽の指令を噛ませ、安全機構を迂回して過大な
フィードバックを起こさせるもの。直撃なら脳にサージ電流を叩き込まれて即死、軽減できても
回路が破損して通信不能になるなど効果は絶大。
 しかし当然ながら脳介機装置の安全機構は堅牢であり、後述の“氷”も合わせると
容易に突破できるものではなくなる。必殺の威力を持つ“炎”も、それ単体では防衛プログラムに
弾かれてしまう。敵の防壁に隙を作り出すため、他種のロジカルウェポンと併せた運用は必須である。

雷<ボルト>
 対機攻撃用ソフトウェア。艦船、シングラル、攻撃衛星、砲台などを破壊するためのプログラム。
“炎”と同様のサージ電流で回路を破損させるタイプから、ミサイルの信管を誤作動させるものや
冷却系の機能停止を招くもの、斥力干渉器にでたらめなコマンドを出し機体を自壊させるもの、
果ては機密保持用の自爆システムを強制的に発動させるタイプまで様々なモデルが存在する。
 これも“炎”と同様に各種の防壁プログラムで止められてしまうため、有効な一打とするためには
予め敵の演算リソースを削いでおくなどの工夫が必要。

氷<アイス>
 対プログラム用ソフトウェア。主に防衛用途で用いられ、敵の攻性ロジカルウェポンを
無力化するためのカウンタープログラム。一部には人間や物理兵器への攻撃力を持つものもある。
 ネットワーク上に広域展開され、識別した敵性プログラムを破壊する「オフェンシヴ型」と
艦船やシングラル(人型全領域戦闘機)のメモリ領域を監視・保護する「ディフェンシヴ型」がある。
前者は敵の攻撃力を削ぐための能動的防御であり、後者は機体や人員を守るための受動的防御である。
「不正アクセスに対し発信アドレスを解析、自動的に“炎”を送り込む」などの複合的機能を
備えるモデルもある。強力だが、データが大きいため演算リソースを多く消費するのが欠点。
 最上位モデルは“黒氷<ブラック・アイス>”と呼ばれ、第二種自律知性による攻性防壁を指す。
プログラム自体が自己判断し、攻撃してくる相手を瞬時に解析・破壊する。限定的AI技術であるため
使用には厳しい制限が伴い、完全な保守環境を維持できることが証明できなければ解凍許可が下りない。
戦場は物理的破損や敵の電子攻撃によって容易に環境が崩れてしまうため、たいてい許可されない。

迷光<ストレイライト>
 感覚欺瞞用ソフトウェア。敵兵に幻覚を見せたり、敵機のセンサーを欺いたりするプログラム。
非常に種類が多く、また“炎”や“雷”に比べて検知されにくい記述で構成できるため
ロジカルウェポンの中で最も多く使用される。ほとんどが派手な視覚イメージを
伴うこともあり、仮想戦域の主役といっても過言ではない。
 実際の効果は多種多様ながら、これ自体に致命的な攻撃作用や敵性プログラムの妨害機能が
あるわけではない、という点では共通している。しかし生命維持に関わらない知覚情報やセンサー部は
外界との接点ゆえどうしてもセキュリティが弱くならざるを得ず、“迷光”はそこを衝いて
比較的簡単に防壁プログラムを抜け、効果を発揮することができる。そして直接的な破壊効果がなくとも、
戦闘中のアクターが幻覚を見せられたり、FCSが敵機を正確に照準できなくなったりすれば
基底現実での物理戦(フィジカルコンバット)において多大な不利を背負うのは必定である。
(イメージ連動型の重力制御インターフェースへの影響が、特に深刻なものとして知られる)
物理戦をサポートできるロジカルウェポン、という特異な有用性は他種と一線を画す。
 また“迷光”には別の重要性もある。“氷”などの妨害をすり抜けて効果を発揮しやすい
ということは、それだけ敵の演算リソースに負荷をかけられるということでもある。
総演算能力で優位に立てばそれだけ力押しが通りやすくなり、“炎”や“雷”が効果を
発揮できるようになる。けだし、これなくしては電脳戦など千日手の将棋に過ぎない。

衝界<ナイトメア>
 演算リソースに一定以上の余裕ができた状態でしか発動できない、決戦用ロジカルウェポン。
大勢が決したところで投入し、敵の最後の砦を打ち崩すための破城鎚となるプログラムである。
 電脳戦の主な舞台となるレイヤ1の仮想戦域内に、レイヤ2のフィールドを召喚し、
これを敵のレイヤ2論理結界(艦載メインフレームなど、戦術ネットの中枢を守る絶対防衛圏)へ撃ち込む。
本来であれば論理結界は内側からしか崩せない鉄壁の護りなのだが、総演算リソースで
大きく差を付けられている状況では、別のL2領域による「侵蝕」に抗しきれない。
 実戦で“衝界”を使われるような事態になった場合、論理結界が崩壊する前に通信を遮断して
スタンドアローン状態へ移行するのがセオリーである。もっとも、ここまで追い詰められては
逃げるのも困難なため、悪あがきのメソッドでしかない。

【闇<テネブロ>】

 ロジカルウェポンの一種。第二種禁制技術兵器。光のパターンとして己をコピー、拡散させる
周期構造変異型物理アルゴリズム・コンピュータウイルスである。
 編光晶体(ルミナリスタ)コンピュータの周期構造制御モジュールを乗っ取り、演算装置としての
物理アーキテクチャそのものを支配することで、任意のコードを実行させる。
 要約すれば、感染したコンピュータの制御を乗っ取るウイルスというだけなのだが、
これが特に危険とされるのは、標的となるルミナリスタ・コンピュータの特性に由来する。

 編光晶体とは「電圧による周期構造の動的制御が可能な分子プログラミング物質」であり、
入力されるプログラム次第で計算機から照明、カメラ、レーザー砲台まで幅広い用途に対応する
万能のフォトニック結晶構造体である。
 通常のウイルスはこれに対し、あくまで論理レベルのコードや変数を書き換えたり、
入出力データを破壊したりといった動きに限定されていた。つまりコンピュータはコンピュータ、
カメラはカメラ、砲台は砲台としての範疇で乗っ取りや誤作動の誘発を行うものであり、
物理レイヤで規定された機能を逸脱する動作まではさせられなかった。また純粋にメモリ空間上の
論理的攻撃であるから、各種の防壁やマルウェア駆除ボットなどの論理的防御だけで対応可能だった。

 テネブロはそうではない。編光晶体が様々に実現する具体的な末端機能などには目もくれず、
大元の物理構造制御ロジックを直撃する。メモリスフィア上でいかに堅牢な論理的防御を築いていようと、
回路自体が物理的に繋ぎ変えられてしまえば、マシンの動きはその構造に従うしかない。
 本来、このような脆弱性を生まないために、編光晶体の周期構造制御モジュールは
末端機能を表現するレイヤと独立に構築されている。入力データストリームが存在しないのだから、
ウイルスであろうと人力のコマンドであろうと、不正な命令が実行される余地などあるはずがない。
 そこにテネブロがどうやって割り込むかと言えば、まったく原始的な物理的接触によって、である。
 標的の編光晶体にテネブロが打ち込まれるには、運搬媒体(キャリアー)となる編光晶体による
直接かつ破壊的な接触が必要不可欠とされる。要するに、晶体同士をぶつけて、傷つけなければならない。
その傷口(変形し、周期構造が歪んだ破断面)から光パルスとして送り込まれたテネブロが、編光晶体の
自己修復プロセス(の、初期化シークエンス)に己を挟み込んで増殖し、はじめてコンテナに格納した
本命のコードが実行可能となる。

 “接触感染するコンピュータウイルス”という特性上、高価な専用弾頭のミサイルを使用するか、
人型全領域戦闘機の近接格闘兵装に仕込んでおくのが、主な運用形態と想定されていた。
 が、そもそも外部に流出した場合のリスクが大きすぎるため、第二種禁制技術兵器として
長らく封印されることとなる。のちに統一銀河連邦がこれの実戦使用を解禁した裏には、
激化・拡大を続ける反体制勢力との“内戦”を、もう一度“制御可能な紛争”に戻そうとの意図があった。

【多態分光装甲(ポリモーフ・プリズマティック・アーマー)】

 一般に「対レーザー装甲」と呼ばれるもののうち、現在の主流である汎用電磁装甲システム。
編光晶体の特質を最大限に生かし、あらゆる波長の電磁波を吸収・反射・停滞・増幅・変調…と自在に制御する。
 恒星やブラックホールが発する強力な宇宙線も、至近距離で起きた核爆発の輻射も、問題なく処理できてしまう。
この装甲を光学兵器で破るには、エネルギーを極端に集中したパルスレーザーで装甲の光学処理能力を
瞬間的に上回る必要がある。現用兵器でそれが可能なのは、反物質を線源とするフォトンドライバーのみ。
 効率でいえば、実弾兵器や粒子ビームで装甲の結晶構造自体を破壊してしまうほうがよい。
が、この装甲を使用できる技術レベルであればIDeA(斥力装甲)も同時配備できる可能性が高い。
実際これらは複合装甲として、実弾/光学の二大火力に両対応する場合がほとんどである。
結果的に、実弾でIDeAを抜くよりはレーザーで多態分光装甲を抜く方がまだしも容易、という結論になる。
 リパルサーウェポンに対しては通常装甲と同様、無力である。