「もうすぐ貴女は消えて、私が本物になる。めちゃくちゃ良い知らせよね?」
【詳細】
真っ赤なスポーツカーに乗る、「
自動車に乗る仮面ライダー」、それが仮面ライダードライブ。
その基本形態のタイプスピードを基礎としつつ、その姿は廃材をかき集めて身に纏ったかのような、事故を起こして大破した車のような姿をしている。
流麗な赤い装甲を持った
オリジナルのドライブとは正反対の姿は、オリジナルを生物的に歪めたような姿が多いアナザーライダー達の中では異質的。
最早顔を覆う仮面も割れ散ってしまったかのように頭部は人間の顔のパーツが有り、下記の能力を使用する際には目が光る上、口も開く。
なおこの両目の部分は透明なバイザーのようなもので覆われているが左目の部分が割れて眼球がむき出しになっており、
タイヤをたすき掛けに配置するオリジナルと違い、このアナザードライブにはタイヤが無い。
だが右肩の部分にサスペンションやブレーキディスクが露わになって配置されている。
タイヤも吹き飛び、ヘッドライトも砕け散るほどの事故を起こした車というイメージなのか。ベルトがある部分にはケーブルのはみ出し、壊れたメーターのようなパーツになっている。
左腕にはドア銃を模したと思われる武器になっており、銃撃して攻撃する他、オリジナルのドア銃に比べるとわかりやすく大型化しているため、
シールドとしての用途としても十分に機能する(実際のドア銃にもシールドを発生し攻撃を防ぐ機能がある)。
特殊能力は
重加速の発動。
重加速とは
ロイミュードが引き起こすあらゆる現象を遅延化させる現象であり、ドライブに登場する
仮面ライダー達も、搭載された動力源を高稼働させることで同様の現象を発生させることが可能であるとされる。実際に仮面ライダーマッハが劇中で重加速を発生させたことがある。
タイムジャッカーの時間停止能力を重加速で相殺して見せた他、時間を引き伸ばすことで加速するゲイツリバイブ疾風の超高速移動を封じている。
またゲイツリバイブ疾風と互角に格闘戦を繰り広げる加速能力、オリジナルを思わせるようなスライディングキックの他、
アナザートライドロンというスーパービークルを使役し戦闘を行う。
スウォルツに騙されていたことを知り、彼の元から逃げ出した
ウールとオーラ。
ウールが一人で2019年にいたところ、白昼堂々重加速を発生させながら出現し、ウールに襲いかかる。
ウールは時間を停止することで逃走し、アナザードライブは重加速で時間停止を打ち消したが既に彼の姿は無かったため撤退。
その後クジゴジ堂から姿を消したオーラを探すウールの前に再び現れ、ツクヨミが彼を助けるため参戦するも、現れた湊ミハルが仮面ライダーアクアに変身。
さらにソウゴ、ゲイツも駆けつけ変身し、グランドジオウとゲイツリバイブ疾風を相手に左腕の銃撃や様々なタイヤを作り出しての攻撃で翻弄。
ゲイツリバイブ疾風の高速移動を重加速で封じるも、ウールが時間停止でサポートしたため動けないままにハンドル剣を召喚したグランドジオウとゲイツリバイブ疾風の百烈タイムバーストの同時攻撃を受け撃破される。
その爆炎から体を起こしたのは、ウールにとって意外な人物、
オーラだった…。
だがそのオーラは
パラドックスロイミュードが擬態した偽物。
ウォズギンガファイナリーとの戦いでは重加速を跳ね除けたウォズに対して「アナザートライドロン」を呼び出したり、オリジナルを思わせる加速能力で苦しめる。
その戦闘中、ウールの前に現れた本物のオーラは、生き残るためにウールの腹を光剣で貫き殺害。
その様子を見て「私以上に私!」と狂気に満ちた笑い声を上げるが、その様子に激昂したソウゴはグランドジオウに変身。
ライダーズレコードから召喚した仮面ライダードライブとグランドジオウとの連携攻撃に押されていき、呼び出したアナザートライドロンもオリジナルのトライドロンに粉砕された上、
オールトゥエンティタイムブレークで発動したスピードロップを受け敗北。
一瞬パラドックスロイミュードの姿に戻るが、すぐに爆散。肉体から抜け出た108のコア(2つある)もまた爆発し消滅した。
【余談】
洗練された最新鋭の車モチーフのドライブに対し、事故った大破車モチーフのアナザードライブというまさに正反対の怪人。
頭部デザインが
プロトゼロ、もしくは
サイバロイドZZZに似ているという意見もあり、元々ベルトさんが自分がロイミュードのボディに意識を移して戦うことを考えていたものの断念し、
再起動したプロトゼロをプロトドライブとして戦っていてもらったことを考えると、擬態能力でドライブに擬態した
ロイミュードと見ることも出来る。
廃材の寄せ集めな印象は、同じくジャンクパーツの寄せ集めの姿をしていた
魔進チェイサーがモデルか。
左目の部分のバイザーが砕け散っているのは、劇場版にて仮面ライダーダークドライブとの戦闘で左目を壊された仮面ライダー超デッドヒートドライブ由来と思われる。
『セレブレート ジ ジオウ コンプレーション』によれば、当初は夏映画に登場するアナザーライダーと思い、若干ゴージャスに仕上げているとのこと。
モチーフは見ての通り事故車だが、偶然、近所の駐車場に置かれていた現物をモデルにしたとのこと。
プロトゼロは記憶を操作され
チェイスとしてドライブと敵対し、正義に目覚めて仮面ライダーチェイサーとして覚醒した。
そして詩島剛との友情を育み、最期は彼を守るため
ゴルドドライブへ向けて自爆して散った。
現在もチェイスのコアは復活させる試みが行われているもののデータ収集が遅々として進んでいない。
ベースがプロトゼロモチーフであるのなら、壊れた自分自身を廃材で無理矢理補い、形だけ正義の味方=仮面ライダードライブに似せたのがアナザードライブの姿であると言えなくもない。
しかし相棒たるベルトさんはおらず、シフトカー達の助けを借りるシフトブレスも存在せず、左腕は「KEEP OUT」のシールが張り巡らされた無骨な武器そのもの。
タイヤも無く、ブレーキも壊れた車はただ破壊をもたらす鉄の塊である。
心を失ったロイミュードもまた、破壊することしかできない悲しき殺戮機械でしかない。
変身者はまさかのオーラの姿をした女性であったが、その正体はまさかのドライブ劇場版に登場したロイミュード108…パラドックスロイミュード。
「未来の仮面ライダーに変身する」かつ、「変身するのは"ダーク"ドライブ」という、アナザードライブの変身者としてはこの上ない存在だったと言えよう。
本来2014年にやってきてドライブに倒されたはずの108だが、恐らく
アナザーディケイドのアナザーワールドの作成能力で呼び出されたものと思われる。
オーラ本人では無かったものの、彼女はアナザードライブに痛めつけられたウールを足手まといと思ったのか曲がりなりにもオーラを心配していたウールを簡単に裏切ってその手にかけた。
そもそも彼女にタイムジャッカーとしての能力が残ってさえいれば、一人だけ逃げ出すことも可能だったかもしれない。
EP45のスウォルツの様子を見る限り、どうも彼は今回のオーラの凶行を想定していた可能性がある。
オーラのみ力を奪ってウールらをアナザーライダーに追わせたのは、プライドの高い彼女にウールに対して劣等感を植え付けた上で彼女が自らの手で始末するのを見越していたのではなかろうか。
キバ編でも描写されたとおり、自分に傷をつけた
アナザーキバの契約者の命を奪うという行動に出たオーラが、プライドを傷つけた相手への報復行為に走るのを予測するのはさほど難しいことではないだろう。
アナザーキカイの時のようにオーラにとってウールは傀儡として使い潰しても心の傷まない存在だった。
そんな彼が自分以上の力を持って、側にいて共に強大な力を持つスウォルツから逃げようとしている。
…だからといって手にかけるのは論外であるが。
オーラに擬態した上で二人を始末しようとし、「力を失った貴女にはもう何の存在価値もない」とまで言い捨てたパラドクスも十分に外道だが、
それ以上にたやすくウールを屠ったオーラにこそ、人間の悪意というものが純粋ににじみ出ていた。
ドライブ本編でもロイミュードが持つ悪の心は人間をコピーしただけであり、後天的なものであるという描写はされていた。
EP45の展開こそが、まさにその事実を裏付けるものであったと言える。
真に怖いのは、人間。
最終更新:2024年04月27日 01:41