リアクター・ドーパント

「なめるなよ。俺はメモリもビゼルもシルバーランク……ドライバーもまだ授かっていないが、万灯さんたちに次ぐ男だ!」

【名前】 リアクター・ドーパント
【読み方】 りあくたー・どーぱんと
【登場作品】 風都探偵
【登場話】 第29話「pは悪魔だ2/仲間たちは集う」~
【分類】 ドーパント
【能力】 メイスによる打撃、超高熱体温、強靭なタフネス、体内に残留した熱エネルギーの攻撃転用(ハイドープ
【メモリ】 リアクター
【綴り】 reactor
【頭文字デザイン】 R型の制御装置
【モチーフ】 スチームパンク、動力炉
【生体コネクタ位置】 胸元

【詳細】

シルバーランクのメモリ「リアクター」で変身する、裏の風都の準幹部級ドーパント。
「スチームパンク」を体現したような無機質な身体をしており、吹き出す蒸気で形成された頭部は素顔が曖昧で判別がつかない(この蒸気を物質化して操ることも可能)。

変身者は二階堂守。
角刈りの頭にサングラスをし、着こなしたスーツの下にサスペンダーを愛用する長身で筋骨隆々の大男。
『街』のインフラとエネルギー供給、そして侵入者を排除する番人という重要な役割を担っており、まだ正式な幹部の証である「ガイアドライバーrex」を授かっていない身を自覚しながらも、雪侍への異常な忠誠心とそれに見合う最強のドーパントを自負する。
膨大な熱エネルギーを司る「炉」の力を宿したボディは同じ熱系統のヒートやアクセルのメモリを軽く凌駕する超高温に達しており、彼らのマキシマムドライブの連続攻撃にも動じない耐久性、そして逆に自分の攻撃に触れただけで相手のボディ表面を熔解させる攻防一体のパワーを実現している。
他にも胸部のハッチからバルブを模した異形のメイスを取り出して武装する。

また上記の立場上、裏の風都の整備や開拓を行う複数のロードを率いており、必要に応じて戦闘や捜索に使役する物量作戦を駆使する。

さらに自ら語るハイドープで、人間態でも目から熱レーザーを発射(曰く「まるでコミックの超人のよう」)したりと恐ろしい能力が備わっているが、その実態は史上最悪な副作用である(詳細は後述)。

裏風都の住人だが、とある目的を遂行するべく表世界で単独行動を開始、町工場の「蘭堂機械製鉄所」を訪問して謎のバルブ製作を依頼する。
当初は現経営者の蘭堂玲一に予算を幾ら貰っても技術的に不可能な代物だと断られていたが、図面が彼の父で創業者の蘭堂廉太郎の目に留まり興味本位で承諾して貰う。
ところが、試作品を完成させた廉太郎から自分がテロリストに類似する危険思想の人物だと勘付かれて交渉が決裂。そのまま裏風都に撤収するが尾行していた廉太郎に同じゲートから侵入され、パニック状態になった彼が裏風都の何処かへ逃走してしまう。


鳴海探偵事務者に廉太郎の孫である幼女のりつかが「失踪した祖父を捜索してほしい」と依頼を持ち込んだことで上記の町工場での動向、そしてりつかの証言で描いた似顔絵から翔太郎たちに今回の事件を調査されることになる。
その後、何か裏風都の忌々しい真実を思い出したときめが事務所地下のガレージからブラキオサウルスに誘拐される事態が発生し、それを追跡して裏の風都に突入したダブルやアクセルと人間態で邂逅する。
当初はその体格から彼がブラキオサウルスの正体だと誤認されていたが、ときめの事は自分の管轄外の別件のアクシデントであり、廉太郎についても上記のように自分も取り逃して捜索中という事実を率直に伝える。
そして、同時に自分が裏風都の番人であることを自己紹介してリアクターに変身、二人のライダーと交戦する。

高熱を利用した攻撃でダブルたちを追い詰めるが、アクセルからビートルフォンを借りたヒートトリガーが即興で編み出したマキシマムドライブ「トリガービートルブラスター」で初めてダメージを喰らう。
その攻撃に自分が油断していたことを認識して考えを改めると、合図を送り大量のロードを召集、多数の部下が一斉に放つビームでライダーたちを牽制し、そのまま現実世界へ強制的に送還させてしまう。

裏の風都へ進入する手段を断たれ絶望かと思われたが、亜樹子に激励された翔太郎が依頼人のりつかを想い探偵業を再開、遂に工場の裏手の神社に奉納されていた例のバルブの試作品を発見し、その実物を「地球の本棚」で検索をかけたフィリップにより、その装置の本当の用途が判明する。

一方、裏風都で逃走していた廉太郎はときめと合流、彼女の機転でロードの変身者たちが空間を移動するタイミングを利用して現実世界への帰還に成功する。
だが、そこはロードが現状報告をしに赴いた守のアジトであり、彼の眼光光線で即座に発見され追い詰められるが、危機一髪のところで翔太郎たちが駆けつける。

実は「リアクター」は超高温のドーパントに変身できる超烈なメモリだが、その高温は変身者が人間に戻っても残留し続け、並大抵の人間ならば一度変身した自分の体温だけで焼死してしまう
守はその高温を強引に押さえ込んだ適合者であり、その余熱を外部に放つことで攻撃に転用するのが彼のハイドープ能力でもあるのだが、それでも短期間の連続変身はできず、一度変身するとアジトに設置した小型原子炉の内部で冷却を施さなければならない体質になっていた(因みに彼が着用するサスペンダーは特注性の耐熱仕様)。
今回の事件の真相は、その「リアクター」のデメリットである高温化を最小限に抑えて克服すべく、より精度の高い冷却装置を作り出すことだった(とはいえ、目的も伝えずに一介の町工場で原子炉なんて大それた物を作らせたら、相手側からテロリストと疑われても無理はないだろう)。

謎のバルブが冷却炉の制御装置だと判明した事実、そして万灯への忠誠心から自らの「汚点の象徴」であるそれを裏風都には置かないというプライドを推理したフィリップにより現実の風都の何処かを根城にしていることを見抜かれ、スパイダーショックの探知機能で辿った原子炉の周波数から居場所を突き止められてしまう。
さらにアクセルが操作するガンナーAが突然現れ、廉太郎の同意も得て原子炉装置が破壊されてしまう。

大切な装置を壊されたことで逆上してリアクターに変身。アクセルがロード兵たちの相手をしている間、サイクロンジョーカーエクストリームに変身したダブルと交戦する。
情報を検索したダブルと互角に戦っていたが、ビッカーにサイクロン、ヒート、ルナ、トリガーのメモリを装填して必殺技を仕掛けようとしたダブルに対し、近くにいたときめを頭部の蒸気で捕えて人質に取る。
脅して武器を捨てさせるが、手の内に隠していたプリズムメモリでもう1つのマキシマムドライブが発動。腹部のレーザーを躱され、ときめの救出とともに「ダブルプリズムエクストリーム」を喰らい、体内に込められた熱エネルギーを排出できずに臨界点を超えてメモリブレイクされた。

しかし、メモリを破壊されてもしぶとく立ち上がり、同じくメモリブレイクされて裏風都に逃走しようとしたロードの男たちを証拠隠滅に体温で焼殺。
自らも裏の風都の機密を守るべく、残っていた熱エネルギーを一気に解放する自爆による衝撃波でゲートを閉じた。

最後はその功績を讃えながらも別れを惜しむオーロラの腕に抱かれ、彼のような超人の域に達しなかった未練を悔やんで裏の風都の風と消えた。

その後、リアクターメモリについては裏風都が残りのスペアを1本所有(詳細は不明だがこのメモリ自体が裏風都の計画に必要なものらしい)しており、秀夫の管轄で亡き守に代わる次期候補者の選定が行われているが、適合できない変身者は即座に焼死してしまうようである。

デザインはテレビ本編用に放送当時から構想されていたもののお蔵入りにされた没怪人「スチーム・ドーパント」の流用。
登場するに当たり、アクセルのエンジンメモリの能力と名前が被るので変更された。

最終更新:2020年04月25日 23:02