希望と絶望の朝

クライシス帝国の尖兵である神崎士郎により、別の時空の殺し合いの場に放り出された南光太郎
南光太郎はクライシス帝国の野望を打ち砕く為、カラオケマイクを使い同士を募った。
だが神崎士郎の賛同者の急襲を受け、ビルの屋上から転落してしまった。
神崎士郎の仕掛けた殺し合いに巻き込まれた人達が、君の助けを待っている!
立ち上がれ、南光太郎!変身せよ、仮面ライダーBLACK RX!!

『希望と絶望の朝』

カシャ、カシャ、カシャ、カシャ
光太郎に迫る銀色の影。
「止めろ信彦!俺はお前とは戦いたくない!!」
悲痛に訴えるも銀色の影は構わず光太郎に詰め寄り、サタンサーベルを振り上げる。
「止めろ信彦……止めてくれ………はっ!!」
光太郎が目を覚ますと、そこはビルの近くにある植え込みの中だった。
「今のは夢か……そうか俺はビルから落とされて、気を失っていたんだ。
 しかし今頃になって死んだ信彦の……シャドームーンの夢を見るなんて……」
ピ~ン♪ポ~ン♪パ~ン♪ポ~ン♪
物思いに耽る間も無く、定時放送が天から仰ぐ。

「もう六人も死んだというのか!そしてそれだけクライシス帝国の企みに乗った人が居るという事だ……
 くっ、こんな時に変身する事も出来ないなんて……」
光太郎はビルの屋上で襲われた際、何故か変身が出来なかった。
「もはや一刻の猶予も無い!もう一度このマイクを使って、仲間を集めなくては!」
自分の手にカラオケマイクの存在を確かめる。だがそのマイクは、声を向けても手で叩いても何の反応も示さない。
「馬鹿な?一体どうしたっていうんだ!?……さてはクライシス帝国の仕業か!
 このマイクを使って仲間を集めるのをおもしろく思わない奴等が、俺が気を失っている隙にマイクを壊したのか!!
 おのれクライシス帝国!姑息な真似を!!」
電源を入れっ放しにしていたせいで、電池の切れたカラオケマイクを握り締め光太郎は憤る。
「……仕方ない、こうなったら自分の足で仲間を捜しに行こう。
 そういえば放送でH10エリアに何かあると言っていたな、そこに行ってみよう!」

市街地を歩いていた光太郎の前に、奇妙な機械を持った青いクワガタムシが飛び出した。
「なんだあれは!?」
光太郎はそのクワガタを捕まえ、挟み持っていた機械を無理矢理取り上げる。
「このクワガタもよく見れば機械じゃないか……うわっ!?」
突如クワガタが暴れだし、光太郎の手中から飛び出した。
そしてそのまま旋回して、光太郎目掛け突っ込んで来る。
上体を捻って回避しながら、走って逃げ出す。
「冗談じゃないぜ!なんだあのクワガタは!?」
後頭部を狙うクワガタを、頭を下げてかわす。
「なんて凶暴なクワガタなんだ!そうか、こいつはクライシス帝国の仕掛けた罠だな!
 クワガタのふりをして油断を誘い、近付く人間達を襲う為の物か!クライシスの陰謀は俺が打ち砕いてやる!!」
クワガタの攻撃が上体を捻る、光太郎の服を切り裂く。
「くっ、駄目だ!……せめて………せめて変身さえ出来れば!!」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ガタックゼクターは自身に課せられた使命、天道総司にハイパーゼクター渡す為市街地を飛んでいた。
だがそのハイパーゼクターは、突然現れた男に奪われてしまった。
ガタックゼクターはハイパーゼクターを取り戻すべく、男に戦いを挑む。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
光太郎はクワガタの攻撃をかわすのが、精一杯だった。
「このままではやられる!だが変身も出来ない今、反撃のしようも無い!」
クワガタに足をかられ、光太郎は倒される。
その光太郎の顔に民家の谷間から、太陽の光が差し込む。
「そうだ!俺は全ての命に光を降り注ぐ太陽の子!!こんな所で諦めちゃいけないんだ!!」
光太郎は再び立ち上がった。
「全ての命を守る太陽よ!クライシス帝国の野望から人々を守る為、俺にもう一度変身する力を与えてくれ!!!」
クワガタに向き、右手を天高く振り上げる。
「変身!」
そのまま右手を切り下ろし、両手を左右に払い左拳を握る。
光太郎の目の奥で火花が散る。それと共に腰にベルトが現れ、やがて全身が変態を遂げた。
黒いボディ、真っ赤な目、その者の名は、
「この世に光がある限り、俺は何度でも蘇る!!
 俺は太陽の子!! 仮面ライダーBLACK RX!!!」
突っ込んで来るクワガタを、今度は余裕を持って回避する。
旋回してきたクワガタを掴もうと手を伸ばしたが、急加速したクワガタに掌を切り裂かれる。
「駄目だ!素手ではこいつに対処しきれない!」
再び旋回し、RXに迫るクワガタ。
その時、奇跡が起こった。
「リボルケイン!!」
ベルトから出現した光の剣を左手に持ち、それを横薙ぎに払う。
クワガタはその一撃を受け、彼方へ飛んでいった。
「危機一髪、まさに一打逆転サヨナラホームランって感じだな!」

変身状態のまま、RXは周囲への警戒を緩めない。
「どうやら、さっきのクワガタはもう襲っては来ないようだ……
 倒したか、それとも単に諦めただけか……」
その内に変身が、勝手に解けた。
「これはどういう事だ?」
光太郎は考察する。
先刻屋上で変身出来ず、先程再び変身出来るようになった。
おそらく変身時間に制限がかけられ、一定時間経たないと再度変身出来ないと。
「RXへの変身に制限を掛けるとは、クライシス帝国め何処まで姑息な真似をするんだ!!
 ……奴等のやる事を一々気にするだけ無駄か。奴らは俺達の常識では計れないような馬鹿げた事をするからな」
気を取り直し、H10エリアに向け出発する。

クライシス帝国の尖兵は、新たな力リボルケインで退けた。
だがクライシス帝国との戦いは、始まったばかりだ!
戦え、南光太郎!変身せよ、仮面ライダーBLACK、RX!!
南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地F-5】
【時間軸:第1話、RXへのパワーアップ直後】
【状態:健康】
【装備:リボルケイン】
【道具:カラオケマイク(電池切れ)、ハイパーゼクター】
【思考・状況】
1.H10エリアに行く。
2.対主催の仲間を捜す。
3.打倒主催。その後、元の世界に戻ってクライシス帝国を倒す 。
【備考】
黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信しています。
参加者名簿は未確認。
ガタックゼクターをクライシス帝国の罠だと勝手に確信しています。

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最終更新:2018年11月29日 17:15