冥王星を継ぎし者 ◆.6Hqkk7dyk



ゴードムエンジンと機械の体にアシュの魂を宿せし者クエスター・ガイ。
獣を模った黒い装甲が月光に照らし出される。
胸部には緑の宝玉が埋め込まれ、中国の武人を思わせるような意匠が取り入れられている。
その姿はあたかも、『大神龍が存在している世界』の住人を彷彿とさせていた。

「右腕がまだ痛みやがる。水場を探さねえとな」
ペットボトルに入っていた真水で傷口を冷やしたおかげか、痛みは和らいだように見える。
右腕の装甲を水で急激に冷やしたためか、黒く焼け焦げた箇所にごく僅かなひび割れが入っていた。
「時間が経てばこんな傷ぐらい治るだろ。……さてと」

その僅かな装甲のひび割れに気付くはずもなく、彼は平然とした口振りでディバックに入ってあるアイテムを確認する。
「支給品でも確認すっかあ」
彼に支給されたアイテム。1つはライオンを象った黄色のハンマー『クエイクハンマー』
参加者名簿に含まれていない戦士が主に使用する武器だった。
説明書が付属されており、注意深く最後まで読む事にした。
「これは『ドライガン』・『ソニックメガホン』と連結させる事によって、より強力な武器『クエイクガジェット』が
完成します……か。ククク、そうこなくっちゃな!!」
仮面の奥で含み笑いを浮かべ、これから起こるであろう惨劇に胸を膨らませる。
確かに彼にとっては、他の参加者の命を奪い尚且つ、自身の武装を強化できる事が魅力的だったのだろう。
「今度は逃がさねえ。……必ずな」
忌々しげに言葉を吐き捨て、彼は今まさに『獲物』を見つめる。
標的は水色の服を着た少女と白い服を着た少年。
この殺し合いの場では、ありとあらゆる存在が等しい立場に置かれている。ただ、支配者たる者を除いては。
「(ロン、覚悟しとけよ。次はテメェの番だ)」


殺人者に狙われているとも知らず、ドロップは家族の事を話し合っていた。
「ところで、君には家族はいないのかな?」
「兄が2人と、姉が1人かな。……恐らく、1人はここに呼ばれているかもしれない」
更にドロップは、兄弟が1人呼ばれたことを彼女に告げる。
「その兄弟の名前は何というの?」
「……ジルフィーザ。金色のお兄ちゃんがそう言っていた気がする」

聞いた名前はとても普通の人間とは思えない物だ。それでも彼女の考えが変わる事は無い。
「どんな存在であろうと、兄弟である事に変わりは無いの。きっと家族に会えるって!」


「森を出たら、ママの居場所を知っている人に見つかるかもしれない」
突然、ドロップが口を開く。その口調は弱々しく、不安に満ちていた。
幼くして理不尽な殺し合いの場に招待されたのだ。正常な精神を保つのがやっとの状況で。
目の前で父を殺された彼女自身も同じだった。
そうした不安を打ち消そうと、麗はドロップにある言葉を授ける。

『勇気が魔法をくれる』

彼女は何よりもその言葉の意味を噛み締めていた。
「大丈夫。私がドロップの身を守ってみせるから。だから、いつも心に勇気を持って!」
「…ありがとう。だから、お姉ちゃんも頑張って!」
麗は、ドロップを母や兄弟の元に連れて行くために山を降りる事を決意する。森には殺人者が潜んでいる可能性が高いからだ。
そしてまた、彼女にとってドロップの泣き顔を見るのは辛いのだから。
「必ず、兄弟やママの所に連れて帰るからね」
予感は的中した。草木を踏みしだいて現われた黒い装甲と一体化した男。
「……ここはお姉さんに任せて!!」
「でも…、どうするの……?」
「お姉さんもすぐにドロップに追いつく。だから、早くここから逃げて!!」

彼女の叫びをよそに、全速力で通り過ぎていくドロップ。
「この子には手を出さないで!この殺し合いに乗っているのなら、容赦はしない!」
「安心しろ。ガキに興味はねえ。だが、テメェはここで死ぬんだからな」

青の魔法使いに向けられた悪意の矛先。果たして、この困難を跳ね除ける事は出来るのであろうか。

「……もう、追いかけて来ないのかな」
2人の姿が遠ざかるまで逃げ切ったドロップ。しばらくして、安心した様子で付近の木陰で身を休めていた。
しかし、どこからか呼ぶ声が聞こえる。かすかだか、確かに東南からその声は聞こえてきた。
「……誰かが呼んでいる。行かなきゃ」


【クエスター ガイ@轟轟戦隊ボウケンジャー】
[時間軸]:Task.23以降
[現在地]:B-4森林 1日目 黎明
[状態]:腕にそれなりに痛む程度の火傷 右腕の装甲にごく僅かなひび割れ 1時間戦闘不可
[装備]:グレイブラスター@轟轟戦隊ボウケンジャー、釵一本@獣拳戦隊ゲキレンジャー
[道具]:クエイクハンマー@忍風戦隊ハリケンジャー、支給品一式
[思考]
基本方針:ロンやボウケンジャーを倒すついでにゲームに乗る
第一行動方針:気に入らない奴を殺す
第二行動方針:水場を探す
参考:1本目のペットボトルを半分消費しました。

【名前】小津麗@魔法戦隊マジレンジャー
[時間軸]:Stage47 結婚式の途中
[現在地]:B-4森林 1日目 黎明
[状態]:健康
[装備]:マージフォン@魔法戦隊マジレンジャー
[道具]:操獣刀@獣拳戦隊ゲキレンジャー 、何かの鍵、支給品一式
[思考]
基本方針:ドロップの身を守る
第一行動方針:装甲と一体化した男(ガイ)を倒す
第二行動方針:ドロップと共にみんなで元の世界に帰る

【名前】ドロップ@救急戦隊ゴーゴーファイブ
[時間軸]:26話、サラマンデス覚醒前
[現在地]:C-4森林 1日目 黎明
[状態]:二時間は能力を使えません
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考]
基本方針:ママと兄弟に会わなきゃ
第一行動方針:東南へ向かう
第二行動方針:麗と再び合流する

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最終更新:2018年02月11日 08:55