64 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/06(金) 18:03:32


後藤/まさか依頼人に突きつける事になるとは思いませんでしたが

――――くらえ!

証拠品『衛宮士郎の解剖記録』を提出しました。


ギルガメッシュ/む……なんだ、それは?雑種の解剖記録だと?
     後藤/これによると被害者は心臓を貫かれて即死したそうです。つまり……。
ギルガメッシュ/はッ……まさか!?
     後藤/ダイイングメッセージを残せるわけがない!
    迂闊王/そ……そんなバカな!?

まあ、他にも現場を見ていないにも関わらず、
写真では虫眼鏡でしか発見できない文字に気付いたり、
誰にも解読できない中で一人だけ文字を読み取ったりと怪しい点は大いにあった。

  アーチャー/これは自供したと見ていいのかな?
ギルガメッシュ/ち…違う、我は雑種を殺してなど…
    蒔寺楓/殺人犯は皆そう言うのさ。濡れ衣の人もだけどな!
        どうやって判別するのかって?
        決まってるだろ、喚いて否定する奴は犯人だ!
        大人しく判決を受け入れる奴はよく訓練された犯人さ!
        法廷は本当に地獄だぜフゥハハハハハーー!!

     後藤/いえ、今確信しました。被告人は被害者を殺していません。
  アーチャー/……なに? 根拠のないデタラメは止めてもらおう!
    知恵留/静かに。弁護人にはその明確な理由を答える義務があります。
        何故、被告人が犯人でないと言い切れるのですか?

(選択)それは……

A/こんな迂闊な人が殺害現場に証拠を残さないのはおかしいから
B/刺された時の状況を知らなかったから
C/被告人は実は真犯人を知っていて庇っているから


170 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/10(火) 21:22:37


 後藤/被告人は即死だと知らなかったからです!
    もし知っていればダイイングメッセージは残さなかった!
    そう、被告人が現場にやってきた時には被害者は既に死んでいたんです!

蒔寺楓/な、なんだってぇぇーーー!!

  後藤/このままでは自分が犯人にされてしまう、
     それを恐れた被告はでっち上げのダイイングメッセージを残した。
     これが事の真相です。

アーチャー/………… 

  後藤/文字が鮮明でなかったのも当然です。
     床一面に血が広がった状態で、しかも乾いていたはず。
     文字が書ける位置まで腕を動かそうにも死後硬直がはじまっていたのですから。

ギルガメッシュ/うむ、もうこうなっては告白するしかないが正にその通りだ


―――――待った!

 アーチャー/残念だが、その言い分を認めるわけにはいかないな。
       弁護側が証明したのは被告人が即死だと知らなかった事だけだ。
       そんなもので殺人を否定できるはずがなかろう。
       いくらでも、そのような状況は考えられる。
       たとえば被害者を刺した後、パニックになった被告は外へと飛び出す。
       しかし後々冷静になった被告人は現場に舞い戻り、
       指紋などの証拠を隠滅、さらにダイイングメッセージを書き残して去っていった。
       どうだ。これならば説明が付くだろう?

    後藤/証拠を隠滅……しかし、それではこの証拠と矛盾します!

(選択)検察側の主張と食い違う証拠品を突きつけろ!

【提出された証拠品】

被害者に刺さっていた包丁
(傷跡から凶器と断定。指紋は検出されなかった。
新品。一般に市販されているタイプの物で広く流通している。
販売先を県内に限定し、ここ2ヶ月の販売総数を調べた時点で売り先の調査を断念した)

排水口から発見された血痕の写真
(庭の水撒きに使う水道の排水口から被害者の血液が発見された。
恐らくはここで返り血を洗い流したと見ている)

被害者の写真
(致命傷となった傷以外の外傷は見られない。
無抵抗のまま刺された可能性が高い。ただ右手の位置が若干不自然。
写真では分からないが、手に機械油が付いているらしい)

血に染まったタオル
(大きさはバスタオルぐらい。被害者の名前が刺繍されている。
大量の返り血で黒く染まっており、指紋も被害者以外の血液も検出されなかった)

衛宮邸内に落ちていた花束
(捜査の結果、教会の花壇に咲いていたものと切り口が一致した)

衛宮士郎の解剖記録
(死亡推定時刻は×月×日、午前6時~午前7時の間。
心臓を一突きされて即死。凶器と思われる包丁が刺さったままだった)


179 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/11(水) 01:40:32


――――くらえ!

証拠品『衛宮邸内に落ちていた花束』を提出しました。

  後藤/証拠はこの花束です!
アーチャー/ふ、そんな物が何の証拠になる?
  後藤/これは被告人が現場に来た事を示す最大の証拠です。
     全ての指紋を拭き取った犯人がこれを見落とすでしょうか?
     ましてや一度出て行った後に戻ってきたなら気付かないはずがない!
アーチャー/うぐっ……! だが現に花束は落ちていた!
      ならば何らかの要因で見落としていた可能性は高い。

  後藤/考えにくいですね。それに見落としていたなら踏んづけていてもおかしくない。
     そもそも何故、被害者は無抵抗だったんでしょうか?
アーチャー/決まっているだろう。被告人が不意打ちして抵抗する間がなかったのだ。
  後藤/いえ、それは有り得ません。被害者は道場の中央にいました。
     入ってくる相手を確認するだけの時間は十分あったでしょう。
     それが恋人のストーカー相手なら警戒するはずです。
アーチャー/く、暗くて顔が確認できなかったのかも知れんではないか!?
  後藤/ですが蒔寺刑事はこう証言しました、“明かりがなくても十分だった”と。  

アーチャー/……ぬう(余計な事を。これは後で給与査定に付け加えねば)
  蒔寺楓/なんだろ? 急に寒気がしてきたぞ、特に懐の辺りから。 


アーチャー/では聞こうか。もし被告人が犯人でないとしたら、だ。
      被害者を殺したのは一体何者だったのか、
      そして怪しまれずにどうやって包丁を持ち込んだのか、
      説明してもらおうではないか。

  後藤/(……うわ、無茶言うなよ。そんなの分かるわけないだろ)
  後藤/(でも、ここはハッタリでもいいから答えなきゃダメだ)

(選択1)被害者を殺したのは……

A/被害者と親しい人物
B/被害者自身
C/この僕だ!

(選択2)どうやって犯人は包丁を持ち込んだ?

1/事前に道場内に包丁を隠しておいた
2/何かで隠して気付かれないように持ち込んだ
3/後ろ手に隠し持って近付いた


251 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/14(土) 21:27:00


   後藤/恐らく犯人は被害者と親しい人物です。
      被害者は抵抗する間もなかったのではなく、
      気を許した相手だからこそ不意を突かれたのです。

アーチャー/確かに後藤弁護士の言葉にも一理ある。
      だが、いくら顔見知りとはいえ包丁を持ち込んだら不審に思うだろう?
      後ろ手に隠したりなどすれば余計に怪しまれるだろう。

   後藤/それは……前もって道場内に隠すとか、何かに隠して持ち込むとか。
アーチャー/ふ、とんだ茶番だ。道場内の何処かに隠すだと?
      被害者が刺された状況を考えれば凶器は床下に仕込むしかあるまい。
      もっとも警察の捜査ではそんな仕掛けは発見されていないがな。
   後藤/う……。

アーチャー/それに持ち込むのも容易ではなかろう。
      包丁といえどナイフなどより遥かに大きいのだ。
      それを覆い隠すとなると、かなり大きくなければならない。
      しかも手提げ袋などでは道場に持ち込んだ瞬間、怪しまれるだろう。
      道場に持ち込んでも不自然でない、包丁も隠せる大きなモノ。
      あるというなら出してもらおうか。

(選択)立証できるものはあるだろうか?

Y/ある
N/ない


261 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/14(土) 23:02:11


   後藤/弁護側はそれを立証する証拠を持っています!
アーチャー/ハッタリはよせ。そんな証拠がどこにある?
   後藤/証拠ならそこにあります!
      現場で発見されたバスタオルに凶器を隠したんです!
      あれは被害者ではなく犯人によって持ち込まれた物。
      そして直前まで持っていたからこそ返り血を大量に浴びた、弁護側はそう主張します。
アーチャー/な…なんだと!

   後藤/恐らく犯人は被害者にこう言ったのでしょう。
      『先に道場で汗を流してくれ』『タオルは後で自分が持っていく』と。
      だから被害者は何の不自然さも感じなかった。

――――い、異議あり!

アーチャー/だ、だが凶器を隠せると言う点では花束も同様だ!

――――異議あり!

   後藤/相手は恋人のストーカーです。道場に入ってきた時点で警戒されます。
      それに花束が発見されたのは道場内ではない。
      仮に道場に持ち込んだとしてもタオル同様、花束にも血痕がついているはずです。

アーチャー/むうう……。

   後藤/第一発見者のアルトリア氏にも犯行は可能だった!
      違いますかアーチャー検事!


――――待った!

その声ははアーチャー検事のものではなかった。
凛と澄み切った声が法廷内に響く。
気付けば少女は証言台に立ち、自分を睨んでいた。

アルトリア/私がシロウを殺したなどと世迷言を!
      神聖な法廷の場でなければ切り捨てている所です!

   後藤/ち、違います。私は他の人間にも犯行は可能だったと立証したいだけで……。

アルトリア/私が彼を殺すなど有り得ない! 私は……彼を心から愛していたのですから。  

アーチャー/すまない。本当は君抜きで決着を付けるつもりだったが。
      この無粋な弁護士がどうしてもというのでな。
      証言してもらえるか、当日の事を。

アルトリア/ええ。それであの男を処刑台に送れるなら喜んで。


証言開始~当日の事について~

【証言者:アルトリア】

私が目を覚ましたのは朝5時頃でした。
何やら物音がしたので台所に行くと大河を見つけました。
話を聞くと先日、シロウに禁句を言われたらしく、
その仕返しをするのだと息巻いていました。-①
そして5時半頃、テストの採点をする為に家を出て行く大河を見送り、
シロウが起きるまで自分の部屋でくつろぐ事にしました。-②
6時半過ぎでしょうか、朝食の芳ばしい香りが漂ってきたので居間に向かうと、
桜が配膳の準備をしていましたので手伝おうとしたのですが、
代わりに玄関前の掃除を頼まれたので箒で軽く掃いていました。
その時、道場から逃げるギルガメッシュの姿を目にしたのです。-③
不安に駆られた私はすぐさま道場へと足を踏み入れたのですが、
……そこにいたのは物言わぬ無残な姿を晒すシロウでした。-④


【提出された証拠品】

被害者に刺さっていた包丁
(傷跡から凶器と断定。指紋は検出されなかった。
新品。一般に市販されているタイプの物で広く流通している。
販売先を県内に限定し、ここ2ヶ月の販売総数を調べた時点で売り先の調査を断念した)

排水口から発見された血痕の写真
(庭の水撒きに使う水道の排水口から被害者の血液が発見された。
恐らくはここで返り血を洗い流したと見ている)

被害者の写真
(致命傷となった傷以外の外傷は見られない。
無抵抗のまま刺された可能性が高い。ただ右手の位置が若干不自然。
写真では分からないが、手に機械油が付いているらしい)

血に染まったタオル
(大きさはバスタオルぐらい。大量の返り血で黒く染まっている。
指紋も被害者以外の血液も検出されなかった)

衛宮邸内に落ちていた花束
(捜査の結果、教会の花壇に咲いていたものと切り口が一致した)

衛宮士郎の解剖記録
(死亡推定時刻は×月×日、午前6時~午前7時の間。
心臓を一突きされて即死。凶器と思われる包丁が刺さったままだった)

後藤/(……アルトリアさん以外にも人がいたのか)

(選択)行動を選択してください
(例:証言-②の部分をゆさぶる場合、Ⅰ-②。
証言-③の部分に花束を突きつける場合、Ⅱ-③【花束】)

Ⅰ/ゆさぶる
Ⅱ/つきつける
Ⅲ/ここまでは問題ない


277 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/15(日) 10:15:13


――――待った!

   後藤/桜さん……でしたか。初めて耳にする名前ですが彼女も現場にいたのですか?

――――異議あり!

アーチャー/彼女も犯人に仕立てたいようだがそうはいかんな。
      残念ながら彼女には犯行時刻の6時から7時にアリバイがある。
      自宅を出て到着後はずっと料理を作っていたらしい。
      付け加えるなら証人の部屋から道場に向かうには居間の前を通る必要があり、
      居間と台所は直通。これが意味する所はわかるな?

   後藤/もし証人が外へ出ようとしていたなら桜さんに気付かれる可能性が高い、という事ですね。
アーチャー/そういう事だ、つまり犯人はギルガメッシュ以外に有り得ないのだ。

   後藤/それでは目撃した被告人についてですが。
アルトリア/間違いなく本人でした。趣味の悪い鎧もそうですが顔も確認しました。
      顔面を蒼白にし、まるで何かから逃げるように飛び出してきたのです。
      そして、そのまま屋敷の外へと飛び出していきました。

   後藤/(ん……今の証言、何かおかしくないか?)

  知恵留/どうしました。証言に不自然な点でもありましたか? 

【提出された証拠品】

被害者に刺さっていた包丁
(傷跡から凶器と断定。指紋は検出されなかった。
新品。一般に市販されているタイプの物で広く流通している。
販売先を県内に限定し、ここ2ヶ月の販売総数を調べた時点で売り先の調査を断念した)

排水口から発見された血痕の写真
(庭の水撒きに使う水道の排水口から被害者の血液が発見された。
恐らくはここで返り血を洗い流したと見ている)

被害者の写真
(致命傷となった傷以外の外傷は見られない。
無抵抗のまま刺された可能性が高い。ただ右手の位置が若干不自然。
写真では分からないが、手に機械油が付いているらしい)

血に染まったタオル
(大きさはバスタオルぐらい。大量の返り血で黒く染まっている。
指紋も被害者以外の血液も検出されなかった)

衛宮邸内に落ちていた花束
(捜査の結果、教会の花壇に咲いていたものと切り口が一致した)

衛宮士郎の解剖記録
(死亡推定時刻は×月×日、午前6時~午前7時の間。
心臓を一突きされて即死。凶器と思われる包丁が刺さったままだった)

(選択)この証言と矛盾する証拠はある?

ある:Y-【証拠品】
ない:N


291 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/15(日) 13:35:01


――――異議あり!

   後藤/被告人は道場を出てそのまま出て行ったのですね?
アルトリア/ええ、そうです。
   後藤/裁判長! 彼女の証言はこの証拠と矛盾しています!

証拠品『排水口から発見された血痕の写真』を提出しました。

   後藤/被告人は返り血を洗い流してなどいなかった!
      つまり、犯人は別に存在するのです!

――――い、異議あり!

アーチャー/先程も述べたように検察側は被告人が証拠隠滅の為に戻ったと主張する!
      証人が目撃したのが二度目に訪れた時ならば水道を使わなかったとしても不自然ではない!

   後藤/いえ、それは有り得ません。
      検察側の主張では衝動的に被害者を殺害した後、現場から逃走。
      その後、再び現場に戻ってきて指紋などの証拠を隠滅した、そうですね?
アーチャー/ああ、その通りだ。

   後藤/それなら被告人は最初から冷静に返り血を全て洗い流した事になる!
      そんな余裕があれば現場の指紋も拭き取る事も出来たはずだ!

アーチャー/な、な、なんでさァァァーーー!!

  知恵留/確かにそれは不自然ですね。   

アーチャー/………すまない。若干取り乱したようだ。
      では検察側は二度目に訪れた時、最初に水道に向かい、
      そこで返り血を洗い流した後、指紋を拭き取ったと主張する。
      これならば矛盾はない。それに罪を犯した者は時折不整合な行動を取る事もある、
      理解不能な行動をしたとしても、それが証拠とは成り得ない。

   後藤/そんなこじ付けが通るとでも……。

  知恵留/なるほど。一理ありますね。

   後藤/通っちゃった!?

アーチャー/賢明な判断に感謝します。
      さて、検察側としては目撃者一人で十分なのだが、
      彼女のアリバイが気になると言うなら新たな証人を召喚しよう。
      他に尋問する事はあるかね、後藤弁護士。

(選択)他に聞きたい事か……。

A/大河の『仕返し』とは?
B/自室で寛ぐとは具体的に何を?
C/自分で食事を作らないのですか?


326 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/15(日) 21:47:45


   後藤/自分で料理とかなさらないんですか?
アルトリア/……恥ずかしながら全くと言っていいほど。
      シロウや桜の料理がとても美味しいので私が作るよりはと思って……。

  知恵留/ダメです。ちゃんと自炊しなさい。
      カレーなら何にでも合いますし、何杯でもおかわりできますよ。      

アルトリア/検討してみます。

――――異議あり!

  蒔寺楓/被害者が料理上手だって? そんなはずはないよ、こいつを見てみな!

証拠品『現場から勝手に持ち出した被害者の醤油瓶』を提出しました。

   後藤/ただの醤油瓶に見えますが?
  蒔寺楓/未熟者め! 外見に囚われるな! 心の眼で見ろ!
      コイツの中身はソイソースじゃなくてオイスターソースなのさ!
      つまり被害者は醤油とオイスターの区別も付かない味音痴なのさ!

アルトリア/……それは大河のイタズラです。先程述べた『仕返し』とはその事です。

  蒔寺楓/おお、新証言が飛び出したぞ! ほら、レッドの兄ちゃん、メモメモ!

――――待った!

アーチャー/待て! 何故、貴様が外見では判別できない中身の違いを知っている?
  蒔寺楓/う……それは……フォースというかセブンセンシズというか。
アーチャー/言えないなら言ってやろう! 貴様は実際にそれを使ったから知ったのだ!
      現場においてあった朝食、大方目玉焼きだろう!
      朝、食事も摂らずに駆けつけ、台所から漂う料理の匂いに腹を空かせた貴様は、
      現場保存の鉄則を怠り、それに手を付けたのだ! 違うか!?
  蒔寺楓/げ! 見てたのか!?
アーチャー/初歩的な推理だ。だが今の言葉、しかと聞いたぞ。
  蒔寺楓/ハッ! しまった! アタシとした事が!

アーチャー/来月の査定を楽しみに待っていろ。
      それまで首が繋がっていればの話だがな。

  蒔寺楓/う……うう…ソーメンばっかりじゃ身体がもたないぜ  

アーチャー/国民への奉仕を怠る無能な公僕の話はさておき、
      アルトリア氏が目撃したのがギルガメッシュに間違いはない、
      これは検察と弁護側の共通の認識だろう。
      そして証人のアリバイについてだが、これを証言する人物を召喚したいと思う。
      被害者と証人の親友である間桐桜を召喚する許可を頂きたい。

  知恵留/召喚を認めます。 
アーチャー/ご英断に感謝します。

アルトリア氏と入れ替わるように証言台に立ったのはどこか陰のある少女だった。
しかし温厚そうな人柄と優しげな表情はそれを補って余りあるほど彼女の魅力を引き出していた。
緊張した面持ちの彼女にアーチャー検事はお決まりの文句で尋ねる。

アーチャー/証人、氏名と職業を。
  間桐桜/間桐桜、市内の大学に通っています。
アーチャー/……ようやくまともに受け答えしてくれる証人が出たか。
      裁判長。彼女は当日、被害者の自宅を訪問して朝食を作っています。 

  知恵留/では事件当日の事について証言をお願いします。


証言開始~当日の事について~

【証言者:間桐桜】

私は朝5時半より少し前でしょうか、家を出て先輩の家に向かいました。
その時、出かける直前に先輩の家に電話を入れています。
電話に出たのは藤村先生でしたね、これから学校に行くところだと言ってました。-①
到着したのは6時頃で、まだ居間には誰もいませんでしたが、
アルトリアさんの部屋から音楽が聞こえていたので居るのは判りました。-②
エプロンに着替えて料理に取り掛かって5分経ったぐらいでしょうか、
土蔵から先輩がやって来て料理を手伝ってもらいました。
10分ぐらいしてから先輩は『朝食の前にお腹を減らしてくる』とタオルを持って道場に向かいました。-③
その後、しばらくしてアルトリアさんが部屋から出てきましたので玄関前の掃除をお願いしたんです。
配膳も終わり、準備万端整えて待っていたんですが、アルトリアさんも先輩も戻ってこないので不安になり、
外へ出ようとした所で突然、血相を変えたアルトリアさんが飛び込んできました。
………私が先輩の死を知ったのは彼女の口からです。-④

  知恵留/なるほど。アルトリアさんのアリバイは彼女が、彼女のアリバイはアルトリアさんが立証しているのですね。
アーチャー/そうです。これにより検察側は第三者が存在したという弁護側の主張を否定します。
      そして、唯一犯行が可能だったのはギルガメッシュのみ。もはや結論は出たかと。

  知恵留/確かに。もはや議論の余地はありませんね。

――――異議あり!

   後藤/まだです! まだ立証されていない部分があります!

アーチャー/面白い。これ以上、何を立証すると言うのだ?

(選択)まだ議論が交わされていないのは……

A/アルトリアが自室に篭っていた空白の一時間
B/間桐桜が料理に要した時間
C/間桐桜の自宅から被害者宅までの移動時間


341 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/15(日) 23:22:34


   後藤/そう! アルトリアさんが自室に篭っていた一時間が不明のままです!
アーチャー/何を言い出すかと思えば戯けた事を。
      確かに5時半から6時前までは彼女一人で証言してくれる者はいない。
      だが犯行があったとされる6時以降は間桐桜が来ていた。
      その間、道場と自室を行き来するには居間の前を通らざるを得ない。
      もし仮にアルトリア氏が道場で待ち伏せして殺害に及んだとしても、
      戻る時に証人に気付かれてしまう可能性が高い。
      通路が塞がれていた以上、アルトリア氏が部屋で何をしていようと、
      いや、極論すれば部屋にいなかったとしても何の問題もないのだ。
      議論を交わさなかったのは、その必要性がなかったからに過ぎない。

  知恵留/あまり議事を遅らせると罰を与えますよ?

   後藤/うう……すみません。

(選択)1ペナが付いてしまった、注意しないと

A/蒔寺刑事の給与額
B/間桐桜が料理に要した時間
C/間桐桜の自宅から被害者宅までの移動時間


362 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/16(月) 21:45:23


   後藤/(この論議の争点はアリバイの立証だ。
       アルトリアさんは証人によって完全に保証されている。
       だけど証人は6時から6時半まで料理をしていたと言っているだけで、
       それを保証してくれるものは何もない。なら犯人は彼女以外に考えられない)

   後藤/証人の家から現場までかかる時間についての議論がまだです!
アーチャー/ほう? 6時前に辿り着いたとしても犯行は不可能だ。
      それより先に着いたとしても死亡推定時刻は6時以降に変わりはない。

   後藤/いえ、早く現場に到着すれば出来る事があります。
アーチャー/……ほう、面白い。彼女に何が出来たというのだ?
   後藤/料理の支度です。もし証言よりも早い時間に到着したならばアリバイは成立しません。
      彼女が料理をしていたと証言した時間に犯行が行われた可能性があります。

  知恵留/静粛に! 弁護人、その言い方ではまるで証人が犯人のように聞こえますが。
   後藤/あくまで可能性の話です。アーチャー検事、いかがですか?
アーチャー/着眼点は悪くない。我々も彼女のアリバイを徹底的に調べ上げた。
      まず出発した時間だが藤村大河より証言を得る事が出来、
      また通話記録の上でも確認が取れたので間違いない。
      到着時間は女性の徒歩ならば約30分、実際に女性10名に協力してもらい計測した。       
      全力で走れば10分は短縮できるかもしれないが息が切れる上に目に付きやすい。
      そんな状態では怪しまれて、とても犯行に及べるとは思えん。

   後藤/ですがバイクや車、タクシーなどを使えば……。
アーチャー/早朝の閑静な住宅街だ。エンジン音がすれば誰かが気付くだろう。
      藤村大河の出勤スクーターでさえ周りから苦情が来ているのだからな。 
      仮に自転車などにしても周囲を捜索しても発見できない以上、その使用は認められない。 

   後藤/では料理にかかった時間はどうですか?
      朝食ならば簡単なもので済ませられますし、それほど手間はかからないはずです。
      夕食の残りから流用して使えば更に短縮できると思いますが。

アーチャー/無論、それも調べた。朝食にしては手が込んでおり、
      また『昨夕の料理は全て平らげました、実に美味でした』とアルトリア氏の証言も取れている。
      実際に主婦10名に協力してもらい計測した結果、配膳まで30分前後という数字が出た。
      証人が料理上手だったとしても被害者を殺しに行く時間は無かった!

   後藤/その協力者というのは一体……?

思わず口をついて出た疑問に隣に立っていた所長が絹にも似た髪を掻き揚げる。
その口元には不敵な笑み。誇らしげな彼女の姿を目にした瞬間、盛大に異議を唱えた。


――――異議あり!

   後藤/その、所長は、何というか、一般的な主婦として見るのはどうかと。
      旦那さんの体調が不安になってくるような味噌スープとか。  

アーチャー/心配は無用だ! 他の真っ当な主婦達によって平均化されている! 
      確かに献立と大分違う物が出来上がってしまったが料理にかかった時間はそう変わらん!

キャスター/………貴方達、そんなにトンカツにされたいの?   

  知恵留/静粛に! メディアさん、法廷で殺害予告は止めてください。


証言開始~当日の事について~

【証言者:間桐桜】

私は朝5時半より少し前でしょうか、家を出て先輩の家に向かいました。
その時、出かける直前に先輩の家に電話を入れています。
電話に出たのは藤村先生でしたね、これから学校に行くところだと言ってました。-①
到着したのは6時頃で、まだ居間には誰もいませんでしたが、
アルトリアさんの部屋から音楽が聞こえていたので居るのは判りました。-②
エプロンに着替えて料理に取り掛かって5分経ったぐらいでしょうか、
土蔵から先輩がやって来て料理を手伝ってもらいました。
10分ぐらいしてから先輩は『朝食の前にお腹を減らしてくる』とタオルを持って道場に向かいました。-③
その後、しばらくしてアルトリアさんが部屋から出てきましたので玄関前の掃除をお願いしたんです。
配膳も終わり、準備万端整えて待っていたんですが、アルトリアさんも先輩も戻ってこないので不安になり、
外へ出ようとした所で突然、血相を変えたアルトリアさんが飛び込んできました。
………私が先輩の死を知ったのは彼女の口からです。-④

【提出された証拠品】

被害者に刺さっていた包丁
(傷跡から凶器と断定。指紋は検出されなかった。
新品。一般に市販されているタイプの物で広く流通している。
販売先を県内に限定し、ここ2ヶ月の販売総数を調べた時点で売り先の調査を断念した)

排水口から発見された血痕の写真
(庭の水撒きに使う水道の排水口から被害者の血液が発見された。
恐らくはここで返り血を洗い流したと見ている)

被害者の写真
(致命傷となった傷以外の外傷は見られない。
無抵抗のまま刺された可能性が高い。ただ右手の位置が若干不自然。
写真では分からないが、手に機械油が付いているらしい)

血に染まったタオル
(大きさはバスタオルぐらい。大量の返り血で黒く染まっている。
指紋も被害者以外の血液も検出されなかった)

衛宮邸内に落ちていた花束
(捜査の結果、教会の花壇に咲いていたものと切り口が一致した)

衛宮士郎の解剖記録
(死亡推定時刻は×月×日、午前6時~午前7時の間。
心臓を一突きされて即死。凶器と思われる包丁が刺さったままだった)

現場から勝手に持ち出した被害者の醤油瓶
(蒔寺楓が押収した品。藤村大河のイタズラにより中身は醤油ではなくオイスターソース)

  後藤/(こうなったら彼女の証言を打ち崩していくしかない)

(選択)行動を選択してください
(例:証言-②の部分をゆさぶる場合、Ⅰ-②。
証言-③の部分に花束を突きつける場合、Ⅱ-③【花束】)

Ⅰ/ゆさぶる
Ⅱ/つきつける
Ⅲ/ここまでは問題ない


376 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/18(水) 18:45:55


――――異議あり!

   後藤/朝早くに電話をされたという事ですが、何故そんな時間に?
  間桐桜/ええ。実は昨晩伺った時に合鍵を忘れてきてしまって……。
      それで、もし着いた時に鍵が掛かっていたら困るので確認したんです。
   後藤/(やはり、この質問は予期されていたか)
アーチャー/それと通話記録だが間違いなく彼女の家からの電話だ。
      ちなみに彼女の家にある電話機は黒電話で、
      外から受けた電話を繋ぐなどという便利な機能は付いていない。
     これで納得して貰えたかな? 犯人は被告しかいないという事実に。

   後藤/ではタオルについてですが、話にあったタオルというのは現場にあった物と同一ですか?
  間桐桜/ええ、同じ物です。刺繍入りのですよね?
   後藤/それはおかしいですね。
  間桐桜/……え?
   後藤/このタオルからは指紋が検出されていないんですよ。犯人は勿論、被害者のものもね。
  間桐桜/え? そんな……だって、あの、それは……。

――――異議あり!

アーチャー/それは蒔寺刑事の口から説明したはずだ。流血により指紋が上手く採取できなかったと。
  間桐桜/そ、そうですよ。急に変な事言わないでください! 
      先輩以外の誰がタオルを道場に持っていくんですか!?

   後藤/(随分としどろもどろな返答だったな、予想外だったからか。
       それにしても証人はここまでの法廷内容を知らないのか、
       もし知っていればアーチャー検事と同じ切り返しが出来た筈だ。
       なら、そこに付け込めばボロを出すかもしれない!)

(選択1)それには戦略を立てないと……今、争うべきは何処だろうか?

A/6時以前の間桐桜の行動
B/6時から6時半まで料理をしていたというアリバイ
C/6時半以降から死体が発見されるまでの行動

(選択2)行動を選択してください
(例:証言-②の部分をゆさぶる場合、Ⅰ-②。
証言-③の部分に花束を突きつける場合、Ⅱ-③【花束】)

Ⅰ/ゆさぶる
Ⅱ/つきつける
Ⅲ/ここまでは問題ない


403 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/19(木) 00:41:51


   後藤/(そうだ。その時間に『料理をしていなかった』と立証できればアリバイは崩れる。
       その為には料理をしていた時の事を突っ込むのが一番だ!)

――――待った!

   後藤/被害者も料理を手伝ったのですね?
  間桐桜/ええ、そうです。でも香の物を刻んで盛り付けたりする程度で時間の短縮とは関係ないですよ。
   後藤/(やはり証人は知らないんだ。提出された証拠の事も)
  知恵留/弁護人。今の証言は重要な事なのですか?

【提出された証拠品】

被害者に刺さっていた包丁
(傷跡から凶器と断定。指紋は検出されなかった。
新品。一般に市販されているタイプの物で広く流通している。
販売先を県内に限定し、ここ2ヶ月の販売総数を調べた時点で売り先の調査を断念した)

排水口から発見された血痕の写真
(庭の水撒きに使う水道の排水口から被害者の血液が発見された。
恐らくはここで返り血を洗い流したと見ている)

被害者の写真
(致命傷となった傷以外の外傷は見られない。
無抵抗のまま刺された可能性が高い。ただ右手の位置が若干不自然。
写真では分からないが、手に機械油が付いているらしい)

血に染まったタオル
(大きさはバスタオルぐらい。大量の返り血で黒く染まっている。
指紋も被害者以外の血液も検出されなかった)

衛宮邸内に落ちていた花束
(捜査の結果、教会の花壇に咲いていたものと切り口が一致した)

衛宮士郎の解剖記録
(死亡推定時刻は×月×日、午前6時~午前7時の間。
心臓を一突きされて即死。凶器と思われる包丁が刺さったままだった)

現場から勝手に持ち出した被害者の醤油瓶
(蒔寺楓が押収した品。藤村大河のイタズラにより中身は醤油ではなくオイスターソース)

(選択)この証言に突きつける証拠は……。

ある/Y-【証拠名】
ない/N


417 :逆月裁判 ◆4wSURDq66Q:2009/02/19(木) 22:25:08


――――異議あり!

証拠品『被害者の写真』を提出しました。

  間桐桜/この写真がどうかしたんですか?
   後藤/被害者は料理を手伝った、そう仰いましたね?
  間桐桜/ええ、それが何か?
   後藤/それは有り得ないんですよ、何故なら……。

   後藤/被害者の手は機械油で汚れていたから!
  間桐桜/!!?

   後藤/料理上手な彼が衛生面に注意を払わないはずがない。
      ましてや手に付いた機械油を落とさないなど考えられない事です。
      これを見落としたのは不注意でしたね。

  間桐桜/ああああぁぁあああああ!!

雄叫びとも悲鳴ともつかない絶叫が裁判所に轟く。
証人は狂ったかのように何度も何度も柵に拳を叩きつける。
血が流れようとも止まらずに苛立ちをぶつけ続ける。
髪を振り乱して暴れる様は正しく般若そのものだった。

アーチャー/しょ……証人?
  間桐桜/大丈夫、大丈夫よ、桜。ここまで上手くやってきたじゃない。
      あんな三下連中になんか捕まってたまるものですか。

  知恵留/静粛に!静粛に!
  間桐桜/すみません。ちょっと先輩が死んだショックで記憶が混乱してたみたいです。
      証言を変えたいんですけど何も問題ありませんよね?           
  知恵留/それは構いませんが本当に大丈夫ですか?
      貴方の言動は明らかに常軌を逸しています。
      休廷を挟んで、それからでも遅くないと思いますが。
  間桐桜/うるさいな。さっさと始めてください。

証言開始~料理の手伝いについて~

【証言者:間桐桜】

私、手伝ってもらったって言いましたけど勘違いでした。
確かに先輩は居ましたけど料理自体は手伝ってもらってないです。
ただ、味見をしてもらったり、後は醤油を貸してもらいました。
たまたま、その日は醤油を切らしてしまって、私のも無かったので先輩のを分けてもらいました。
それを手伝いと思い込んでいたみたいです。

 知恵留/確かに問題はありませんね。弁護側は何かありますか?

  後藤/(いよいよ大詰めだ。これで勝負は決まる!)

【提出された証拠品】

被害者に刺さっていた包丁
(傷跡から凶器と断定。指紋は検出されなかった。
新品。一般に市販されているタイプの物で広く流通している。
販売先を県内に限定し、ここ2ヶ月の販売総数を調べた時点で売り先の調査を断念した)

排水口から発見された血痕の写真
(庭の水撒きに使う水道の排水口から被害者の血液が発見された。
恐らくはここで返り血を洗い流したと見ている)

被害者の写真
(致命傷となった傷以外の外傷は見られない。
無抵抗のまま刺された可能性が高い。ただ右手の位置が若干不自然。
写真では分からないが、手に機械油が付いているらしい)

血に染まったタオル
(大きさはバスタオルぐらい。大量の返り血で黒く染まっている。
指紋も被害者以外の血液も検出されなかった)

衛宮邸内に落ちていた花束
(捜査の結果、教会の花壇に咲いていたものと切り口が一致した)

衛宮士郎の解剖記録
(死亡推定時刻は×月×日、午前6時~午前7時の間。
心臓を一突きされて即死。凶器と思われる包丁が刺さったままだった)

現場から勝手に持ち出した被害者の醤油瓶
(蒔寺楓が押収した品。藤村大河のイタズラにより中身は醤油ではなくオイスターソース)

(選択)この証言に突きつける証拠は……。

ある/Y-【証拠名】
ない/N


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最終更新:2009年04月15日 22:33