フューチャークロちゃん

(登場人物) 黒川あかね橋田至




真夜中の屋上に私はひとり立っていた。
星々が瞬く闇の中、辺りは街のネオンカラーがまばゆく輝いている。
フェンスを乗り越え、下を覗けば、広がるのは闇。
私は靴を片方、宙に突き出した。
「あはははぁ……、吸い込まれるぅぅー………。」
孤独な光景が心に静かな憂鬱を運んでくる。

深淵のような暗闇が心を包み込み、屋上の風が冷たく吹き抜ける。
その冷たさが、心の熱を徐々に奪っていくようだった。
不安が身をよじり、疑問が心を蝕む。

「あはは、は…………なに、殺し合いって……」

意味が分からない。
急に呼び寄せられて「はい、ファイナルウォーズです。死んでください。」って。
あの首が飛んだカタツムリ。あの少年を撃ち殺した異常男。本当に何もかもが解せない。
もしかして、これもリアリティショーの企画なのかな。
あんな酷いことをした私への制裁ドッキリ、みたいな
…はは、ではないよね。
………あはは、あははは、あはははははははははははははははははは。

【シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ】

もう考えるのも疲れた。何も考えたくない。
フィクションだろうが本当の殺し合いだろうがどうでもいいや。
どちらにせよ私に求められているのは一刻も早い「退場」だって分かってんだから。
演者は望まれたルート通りに進めればいい。
私は日本全国の嫌われ者。やることはただ一つだ。

【シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ】

お母さん、不出来な娘でごめんなさい。中傷されていることを隠していてごめんなさい。
皆も、ディレクターさんも、マネージャーさんも私の勝手な行動でめちゃくちゃにして本当にすみませんでした。
メモ取るのとか、うざかったよね。
それにアクアくん…。ごめん、ごめんね。さよなら。

【死ね】

―――思い出をありがとう。
私は一気に闇の底へと身を投げ出した。
あははははは、風を切っていくのが気持ち良いなあ。ジェットコースターみたい。
髪が風でなびき、スカートがはためく。もうすぐで直撃。楽になれるんだ。
この世に未練とかは今更ないけれども、正直なところもうちょっと長生きしたかったな。
誹謗中傷もイジメも無い、
シアワセ ナ 世界 デ――――――――。

―――――――――――――――プツン


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

みなさまには、
最後の一人になるまで殺し合いに乗ってもらいます、キリッ!

「だってお!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

クッソワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww中二病乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
……って、ふざけてる場合じゃないな…。常考。
おい!なんだよバトルロワイヤルって?!ヤバいヤツキタ━━━━だお!!!
デブにバトルなんて過激運動は致命的なんですが!
しかもこんな時間に僕を召喚しやがって…。
今、0時だお?!実況する予定の深夜アニメ見れねーじゃないか!ハルヒ今重要なとこなんだぞ!
まったく~、そういう細かい気配りができてなさすぎっしょ!まったく!
ということで、僕の行動スタンスは【殺し合いに乗ったら負けだと思ってる。】。主催者に徹底的に反抗するでFAだお。
正直ぃー、積極的にカワイイ女の子を守りに行ってバトっちゃうのもやってみたいけど…、
まぁこち亀終わるまでタヒりたくはないよね、常考ー。
だなんて、僕はラボにとっても雰囲気が似るアパートの一室で思い更けてましたおー。

「とりあえず支給品確認と行きますかお」

武器とかはどうでもいいとして、レア物のフィギュアや薄い本(性的な意味で)が入ってたらラッキーだから漁り開始だお。wktk!
えーまず出てきたのは、カ□リーメイト風食料。パクリ乙!訴えられろ乙!
味はー、無味……。なんだか乾パン食べてるみたいだお。
僕的にはラーメン山岡家大盛みたいなパンチの効いた夜食を支給してほしかったぽよ。
それでお次は飲み物。…何 故 チ ェ リ オ だ し。
げぇええっ!甘ぇぇぇっ!!!人工甘味料が陰謀的まずさ!!
僕的にはコカコーラゼロみたいな甘さ控えめのを支給~以下略!
そしてそして~、この紙は…あぁ、参加者名簿
ま、これ見ずともオカリンと牧瀬氏が連れてこられてるのはさっきの城の中で分かってるんだけどもねえー。
どれどれ。……知ってる名前はやっぱこの2人だけか~。
ラボ初期メンで唯一まゆり氏だけ呼ばれてないけど…もしかしてまゆしー黒幕説キタコレ……??
あとは…携帯電話、と。
あれ?もしかしてこれで支給品尽きた?!
いやいや!こんなんで仮にどう戦えって話だっつーの!!
デブだからって力があるとは限らないんだぞJK!!!ふざけんなおっ!!!!
ていうかこれ…。どう見てもオカリンの携帯だよな。なぜ支給品に~?
あっ、そうだ。フフフ…。

「携帯勝手に拝見させていただくでござるー☆
 中にヤバい児ポとかあったらそれをネタに食堂おごらせることもできるしな。
 (ついでに僕の携帯に画像転送も欠かさないお!(*´Д`)ハァハァ)」

んー、どれどれ。パカっと。



[メッセージ:]
[タイムスリップしますか。あなたはあと10回過去に戻ることができます。]

▶[OK]





「…新種のフィッシング詐欺?」

なんだお?!いきなり開いたらこの画面って!
いやそら確かに僕らはタイムマシン作ってるっちゃあ作ってるけどさぁ…
なんだお!!!いきなりこの画面って!(大事なことなので二回言いましたお。)
いや待て。
ど、どうする…?[OK]押してどうなるか様子見しちゃう??
ウイルスだろうが詐欺クリックだろうが、これ僕の携帯じゃないからノーダメだしなぁ。
あっ、ちょっと勘違いしないでよ?別に僕はこれが「本物のタイムマシン」だとは思ってないお?
それを踏まえたうえで押したらどうなるか気になっちゃうっていうかー、
そういうわけですしお寿司ー、……

――――――――ドシャヤアアンッッッ!ガシャガシャ!ガランカラン……


「うわおっっ!びっくした!!!!」

ひ~~~~~~っ…なんの音だお……?
そ、外からだよな?何か物が落ちた破裂音がしたんだけども。
恐る恐る窓を確認…。正直、現状が現状だけに嫌な予感100%だお。

「…ひいいっ!!予想はしてたけどやっぱりぃ……~~!!!」

仏さんはおにゃのこだった。
上半身と下半身がひねり曲がっていて、目は死んだ魚のようにうつろ。というか左目飛び出てるし。
グチョグチョになった頭はまるで落とした卵のようにぱっくり飛び出ている。赤い血で地面を汚しながら。
突き落とされた…、いや自ら身を投げた可能性も?
どちらにせよ彼女の凄惨なその姿に僕は窓から目を背けざるを得ない。

「って何冷静な分析してんだし俺氏ーっ……!
 あぁああ…、やばい…。とうとう死人が出てんねんぞだお……!!」

そ、そんな簡単に殺し合いって始まっちゃうのかお……?!
こっここは米花町か不動高校かっ……!
ちっくしょう……。なんで…、こんなことに巻き込まれてるんだ…。あぁぁ、ぁああ……~~っ!
恐ろしい……!恐怖で身体が縮み上がる……。
僕もあんなおにゃのこみたいに死んじゃうのか…?
窓から下の光景をもう一度眺めた。

そうだ、…僕だけじゃない…。
オカリンや牧瀬氏…。あいつらだって特別身体能力が高いわけではないただの一般学生だ。
殺し合いに乗った変態に滅茶苦茶にされる可能性だってあるぞ。
あぁあ………、やはり僕も武器を持って戦わなきゃいけないのかお…。
…って!武器つったって僕に何も支給されてねーじゃんかお!大事なことなのでもう一度言うけどあんなのでどう戦うんだおっ!!!
あのしょぼいメシに、あっまいジュースに、ペッラペラの名前一覧表!
あっ、あとこの携帯電話も!以上!
本当に僕はThe ENDじゃないかお!
どう考えても終わりです!ありがとうございましたじゃないか!!
本気でイカれまくって…。

………。
………『携帯電話』。

「……いや待て、落ち着くんだ僕……KOOLになるんだ、僕……。」


まだ生温かい汗が頬をつーっと伝っていく。
もしかして僕、割と『最強武器』手に入れちゃったんぢゃね?
僕は携帯電話をもう一度開いた。



[メッセージ:]
[タイムスリップしますか。あなたはあと10回過去に戻ることができます。]

▶[OK]




…未来ガジェット008号の「電子レンジ(仮)」。
僕とオカリンとで作った発明品の一つだ。
携帯電話による遠隔操作が可能になった電子レンジなんだけど、てんやわんやで「過去にメールを送ることができる実質タイムマシン」になっちゃった奴。
そんなもんを現存させちまったんだから、今更タイムスリップなんかに疑念は抱かないよな。
ぶっちゃけ。

「タイムスリップ…。胡散臭さ抜群だけどやる価値はあるおっ!!」

馬鹿馬鹿しいのはわかってる。でもどんな荒唐無稽も試すのが科学者<スーパーハカー>の性だしな!

決定ボタン、ポチっとな!、と―――――…

『橋田至、確認しました。
【5分前】の世界へ転送します。』

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「あはは、は…………なに、殺し合いって……」

意味が分からない。
急に呼び寄せられて「はい、ファイナルウォーズです。死んでください。」って。
あの首が飛んだカタツムリ。あの少年を撃ち殺した異常男。本当に何もかもが解せない。
もしかして、これもリアリティショーの企画なのかな。
あんな酷いことをした私への制裁ドッキリ、みたいな
…はは、ではないよね。
………あはは、あははは、あはははははははははははははははははは。
【シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ】
もう考えるのも疲れた。何も考えたくない。
フィクションだろうが本当の殺し合いだろうがどうでもいいや。
どちらにせよ私に求められているのは一刻も早い「退場」だって分かってんだから。
演者は望まれたルート通りに進めればいい。
私は日本全国の嫌われ者。やることはただ一つだ。
【シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ】
お母さん、不出来な娘でごめんなさい。中傷されていることを隠していてごめんなさい。
皆も、ディレクターさんも、マネージャーさんも私の勝手な行動でめちゃくちゃにして本当にすみませんでした。
メモ取るのとか、うざかったよね。
それにアクアくん…。ごめん、ごめんね。さよな

「ちょちょちょちょっと死ぬのは待てぇえぇーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
 そこのおにゃのこおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
 うおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」



わっ!
う、後ろから声がした。
な、なんで…。
さっきまでこのあたり人の気配なんか、まったくなかったのに。

「ちょ…ゼェゼェ……ゼェハァァ…
 いやマヂでタイムスリップできちゃったお……ゼェゼエ…。
 あり得ないだろ常識的に考えて…………。

 ていうかキミ想像の10倍可愛すぎなんぢゃねーっ?!
 これで飛び降りとかもったいなさすぎだろJKーー!二重の意味で!」

汗だくの太った若い男がふらふらと近づいてくる。
わ私に何の用なの…。ちょっと来ないでよ。

「ま、冗談はこのくらいにして………。
 ちょ!そこのJK!タヒるとか冗談にならないおっー!
 こっち来いって!!」

…ん?タヒる???何を言ってるの。

ま……まさか私の自殺を止めようとしてるわけ?この人。
来ないで、来ないでよ。
絶望は私の中で勢いを増しているっていうのにっ。

「来ないでくださいっっ!!
 来たらさ、刺しますから!!こっこれ!
 ……お願いだから黙ってみててください………。」
「いや目の前で死なれる気持ちにもなれよJK…。やめなって…。」

私は『支給武器』の小さな刃物を突き出してみせた。
一瞬ひるんだ表情をするも、それでも彼は歩みを止めずフェンスの際まで近づいてくる。

…考えてよ。もしも私がこの世から消えたらみんなハッピーじゃないの。
そして、私自身もこの苦しみから救われる…。
誰もが得をするまさに完璧で究極の「選択」―――。
あなたも私の炎上見たときは絶対に嫌な奴って思ったくせに。

「…どうせあなたも私が死んだら嬉しいですよね。今から自分で責任果たすんですから動かないで下さい…。
 もうっ……嫌なんですよ…………ぅっ……」

声が震える。
涙がこぼれ落ちた。

「いやいや、チョ~初対面が死んで何がメシウマだし」
「……。はは、初対面…ですか…。私あかねですよ。黒川あかね。
 ほら、『今ガチ』…。ぅっ………。今からガチ恋始めますで大炎上した……嫌われ者です………。分かりますよね。」
「いやいやいや、誰し。
 ここ最近の大炎上ってドキュソしかしてない希ガスなんだけども。
 てか君も@ちゃんねらー??」

@……ちゃんねらー…………。?
なんだか次元の違う話をしているようで、らちが明かない。
っていうか、私なんでこの人とさっきから論じてるんだ。ばかみたい。
心の闇が晴れない。もう疲れた。
さっさと死んじゃ…。

「ちょ!!くぁwせdrftgふじこ!!待てお!!飛び降りんなって!!」

片足出したところで、男が慌てた様子で声を荒げた。

「えっーと…、あかね氏…は転落死したらどんなことになるのか分からないだろおっ!
 脳みそぐちゃぐちゃに飛び出て!目ん玉までもゼリーみたいに零れ落ちて、血みどろなんだぞ!」

うっ…ぅ……………。
脳みそグチャグチャ……………。
自分の飛び降りた末路を想像し、躊躇してしまった。

うっうぅ。なんなのこの人は。必死に止めようとして。
これ以上喋らないで。
私の自殺を止めないでっ。

「………し知ったような口ぶり……しないで、くださいよぉ………。」

「ところがどっこいこの目でちゃんと見ちゃったんだお
 ほんとトラウマレベルで…グリーン姉さんよりもグロ中…

 [警告]
[橋田至、3分が過ぎました。まもなく元の時間軸へ戻ります。]

 うおっ!―――急にメッセージが直接脳内にっ。
 …って、はぁっぁ!?え?え?えーー??!
 強制送還?なにそれ??なにその後付けルール!!?
 ふざけるなおーーーー!!!
 あぁぁぁ…どうしよどうしよ!このままじゃ1回タイムスリップ無駄使いぢゃんかおぉ…!!」

男は急に一人でパニックになり落ち着きがなくなった。
もうさっきから訳わかんないよ…。

彼が口にする命の主張。それは私にとっては無意味な証明にすぎない。
心が揺れ動く発言は出るけども、それでも私は絶望の世界にただただ取り囲まれている。
私の心は暗闇に包まれ、希望の光すら見えない。闇が広がっているだけなのは変わりない。

「私本当に、うっ…絶望しか……………ないんですからぁ…。」

だから今。

―――思い出をありがとう。
私は一気に闇の底へと身を投げ出し、



【生きて】







「絶望しかない世界なんてないおっ!あるとしたらサザエさんシンドローム中の@ちゃんねるくらいですしお寿司っ!!
 そ、それに僕は希望に転換する「武器」を支給されてんだ!
 その「武器」で君が死ぬ【世界線】を変えに来たんだから!!君のその笑顔を守りたいんだ!!

 だから!!」



【君は生きて、くれ――。】




橋田至は、徐々に姿が薄くなり、そして消えていった。
暗いアパートの屋上にはただ一人少女が立ち尽くすのみ。
深夜1時、どこまでもが真っ暗で闇に包まれし市街地。それでも夜空を見渡せば一番星が僅かに光り輝いている。
生きろというメッセージに、彼女は何を思うか。



過去は、今、変えられたのだ。

Hacking to the Gate.ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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ハッ!!

「夢……。
 ではないよな。
 戻ってきたのか、お。」

僕は携帯電話をまじまじと見ざるを得ない。
どう考えてもチートです。ありがとうございました。
いやにしても、これマジタイムマシンかよ…。ワロス…。
オカリン、知らず知らずの間にこんなものを?いや…ンなわけないよな。
こんな代物発明したら絶対に「フーハッハ!遂に俺は導き出したのだ。Steins Gateへの道を。」だとかなんとか言うに決まってるしー。
ならこれはCERNのタイムマシンかお?
く、くーーーーーーーーーーっ!僕たちが悪戦苦闘してる間にこんなもの作ったやつがいるとは…。

「ダルさん、それが希望の武器なんですか?」

のわっ!!背後からおにゃのこの声っ!
いや待て、この透き通った声は先ほどの…。

「ガラケー……。なにこれ?『タイムスリップしますか』ー?ダルさんこれは一体…」

「…あかね氏。」

いやいや何故ここにいるし。
しかもメチャクチャフレンドリー。ダルさん、だってお。w
まぁ、これが過去が変わった結果ってわけだろうね。
オカリン風に言うと「世界線を変える観測者」になったわけですな。やれやれ僕は射〇した。

「って、ダルさん聞いてるんですか?これ何に使うんです。」
「…あぁーはいはい。使い方ね。
 あかね氏、信じられないかもしれないけどこれはタイムマシンなんだお。」
「…えーーーー……、え?…なんて言いました?」
「これが困ったことに言葉一切偽りなしなんだよなあ。リアル・タイムマシンなんだお。
 ま、ちょっとこの決定ボタン一緒に押してほしいお。」
「は、はぁ…」

あかね氏は純度100%困惑の表情でボタンの上に指を乗せた。
僕も上から太い指を重ねる。おにゃのこの白い手たまらないお~!ハァハァ…(*´Д`)

「ダルさん。私、このファイナルウォーズが正直物凄く不安で…。大丈夫、なんですかね。」

あかね氏が話しかけてきたお。
…ふむ、ファイナルウォーズ……。ま、そら不安になるよな。
僕だってビビりまくったし。
だけど、それでも、

「絶対大丈夫だお!『未来は変えられる。』ジョンタイターの名言だお。
 このタイムマシンさえあればゆめがひろがリングなんだからね!―――…」


『橋田至、黒川あかね、確認しました。
【5分前】の世界へ転送します。』

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全てが終わる未来で会おう――

★★★★★★★★★★★★★★★
第5話「フューチャークロちゃん」
  Future Kuro-chan
★★★★★★★★★★★★★★★




【特殊アイテム】
  • 携帯電話@Steins;Gate
橋田至の支給品です。
実行者が任意の過去の時間まで3分間だけ戻ることができる「完全なるタイムマシン」です。
時間を指定せず決定ボタンを押したら5分前に戻ります。
参加者1人につき10回まで遡れます。(それ以上実行した場合は、警告メッセージが出たのち首輪が爆発します。)
3分経過した瞬間、元の時間帯に戻らされますが、3分の間で過去改変をすることができます。

なお、ゲーム開始前まで戻ることはできません。



【E6/市街地/1日目/深夜】
【橋田至@Steins;Gate】
[状態]:健康、タイムスリップ残り【8回】
[装備]:携帯電話@Steins;Gate
[道具]:なし
[思考]基本:殺し合いに徹底的に反抗
1:いや待てし。タイムスリップしてなにしよ。
2:あかね氏と共に行動
3:オカリン、牧瀬氏が心配
4:タイムマシン、クッソワロタwwwwwww
参戦時期は秋葉原からオタク文化がなくなる前あたりの世界線です。

【黒川あかね@【推しの子】】
[状態]:健康、タイムスリップ残り【9回】
[装備]:巨人化用小型ナイフ@進撃の巨人
[道具]:メモ@【推しの子】、食料一式(未確認)
[思考]基本:救われたい
1:タイムマシンって…
2:ダルさんと行動する
3:生きて希望を見出したい。
※参戦時期は歩道橋から飛び降りる前です。


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004:1UP 006:ライ麦畑でつかまえて
橋田至
黒川あかね

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最終更新:2023年09月27日 19:05