設置者管理主義
「設置者管理主義」は
学校教育法第5条に記載されているように、公立学校は,設置者である各地方公共団体の
教育委員会が,(
私立学校であれば学校法人)が学校を適切に管理し運営に責任を負うというものである。なお、公立の学校に関しては法令の条文中に見られる「学校の設置者」は「当該学校を設置している地方公共団体の教育委員会」と理解してよい。
管理には人的管理と物的管理がある。
①人的管理・・・
教職員の採用・配置、児童生徒・教職員の健康管理etc...
②物的管理・・・施設・設備の保全、机や椅子などの校具の整備etc...
その他
教育課程の編成や教師の教育活動に関しては「指導・助言」の立場で行うことができる。
2004年
中央教育審議会によって出された「今後の学校の管理運営の在り方について(答申)」では①地域が運営に参画する新しい公立学校運営(
学校運営協議会設立)と②公立学校の管理運営の包括的な委託について提案されている。
後者の②では「設置者管理主義」の例外として「指定管理者制度」を参考にして検討していくことが提案された。
それは民間の有する教育資源やノウハウを活用することにより,機動的かつ柔軟なサービスが提供され,多様なニーズに応じた特色ある教育を効果的に実現することが可能となる,学校設置者,保護者、児童生徒にとっても選択肢の拡大が図られること,既存の公立学校に刺激が与えられることにより公立学校教育全体の質の向上が図られることなどが期待されてのことであった。
しかし一方で、教育の成果や学校での事故等をめぐって学校の設置者と実際の管理運営を行う者である受託者との間で責任の所在が不明確になるおそれはないのか、受託者の経営破綻など学校が閉鎖された場合,児童生徒の
教育を受ける権利が侵害されるおそれはないか、という問題も考えられた。
よって現段階で全国的に導入することは困難であるとされたが、地域の特性を生かし、徐々に民間による管理運営体制も見られている地方公共団体も存在する。今までにない
学校教育制度の管理運営体制であり、慎重に進めていく必要がある。
最終更新:2007年10月10日 14:08