第二十二条 保護者(子女に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは、未成年後見人をいう。以下同じ。)は、子女の満六才に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二才に達した日の属する学年の終わりまで、これを
小学校又は
盲学校、聾学校若しくは
養護学校の小学部に
就学させる義務を負う。ただし、子女が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
○2 前項の義務履行の督促その他義務に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
義務教育が「
就学義務」であることを規定した条文です。中学校も義務ですが、その条文は39条です。
「義務教育」といっても、実はいくつかのタイプがあります。大別すると、就学義務、つまり、法律の定める学校に通う義務である場合と、学校に行く必要は必ずしもなく、家庭で教育を与えてもよいという場合とがあります。
伝統的に、上流階級では、子どもが小さいときには家庭教師のような個人教授で教え、大きくなってから、特別な学校に通うスタイルが一般的でした。だから、こうした教育スタイルが強かった国では、
義務教育制度が国家的に整った後も、家庭での教育を認める国がありました。代表的には、イギリスとデンマークです。
また別の形態として、以前は就学義務であったのに、
家庭教育を近年認めるようになったのがアメリカです。アメリカでは、ホームスクールとか、ホームエデュケーションなどといっています。
家庭で本当に教育をしたかどうかは、チェックする場合とそうでない場合があります。国によって違うというべきでしょう。
また、もうひとつの検討点として、国民が外国にいるときに、義務は有効か、そして、国内にいる外国人に対しても義務教育条項を課すのか、ということがあります。
日本はいずれも課していません。日本人が外国にいくと、教育義務から免れることになります。それを利用して、日本の義務教育を受けさせなかった有名人がいました。
また、日本にいる外国人は就学義務はありません。もっとも、入りたいといったら拒むことはできないことになっています。
オランダは国内にいる外国人も就学義務があります。
日本ではブラジル人の子弟が多く、学校の授業についていけないので、
不登校になり、そのままになってしまう場合が少なくないようです。しかし、義務違反ではないので、行政的には放置されてしまいます。子どもが親の管理からも、また、学校の管理からも逃れていると、あまりいいことはありませんから、こうした体制は改善の余地があるかも知れません。
最終更新:2007年03月06日 19:13