エレン・ケイ (Elen Key,1849~1926)

スウェーデンの女性教師。1900年、エレン・ケイは『児童の世紀』という本を発表した。西欧先進諸国に成立・普及した近代国家作りの一環として、公教育制度の当時のあり方に反対し、学校教育は、子どもを精神的に殺害していると厳しく批判。子どもの成長と発達を重視した学校改革の必要性を著書の中で強調した。

「いまの授業は,詰め込み主義で小間切れ式で抽象的である。これは教室の講義や盛り沢山な科目や形式主義のもたらした結果である。」

ケイは、このような結果をもたらしている原因が、様々なものの複合的なものであることを知っていた。それは特に軍国主義的政策のために教育を利用し、「権利としての教育」を侵害してきたことにあるとした。ケイの理想とする学校は、国家や軍国主義の犠牲になることなく、高度な学校計画が提供されることが必要であり、教育された人間こそ社会にとって価値の高いものであると世界が理解できるようになることであるとした。

また、教育改革に必要なのは、国家・社会の変革と密接に関わってくるものだったが、実際の教育改革に必要なのは教育の仕事に実際に関わる人々の意識改革と実践にあると彼女は考えた。

ケイの主張の根幹にあるのは、「児童中心主義」の教育改革こそが緊急の課題であるということである。教育学が子どもから構築されるという課題は「改革教育学」とも名づけられ、それが「新教育」と同様ととらえられるに至った。そのような国際的な動きの中で教育学者として最も大きな役割を果たしたのがアメリカのデューイであった。

著作:『恋愛と結婚』、『児童の世紀』、『母性の復興』など

注)Wikipedia,エレン・ケイと改革教育学より一部引用
最終更新:2007年02月18日 23:39