「スバル・・・つっ」
タスクは無理に起き上がろうとした。だが、無理だった。
「くっそ・・・!」
ハジメも同じ様子である。ハジメは、拳骨で床を殴った。
ダンッ と大きな音がした。
2人はあおむけになり、何やら無理に会話を始めた。
「ハジメ、今回のΔは予想以上に手ごわいな」
「そうだな・・・オレ達も何か力をつけることはできないのか・・・!」
「・・・!! ハジメ、スバルが」
「ん? !! アイツ・・・これはまずい」
ハジメはとうとう起き上った。タスクも負けじと立ち上がった。
スバルの周りに、人だかりができていた。
「どいてくれ」
ハジメが人だかりをくぐり、スバルのところまでたどり着いた。
「ふーむ まずいな 医務室行きだ おーい 誰か手伝ってくれ」
ハジメとその周りの人で、スバルを看護する流れになっていた。
~医務室~
「だいぶ容体はよくなってきてるよ」
「よかった・・・」
タスクが言った。
「ああ だが、オレ達の力不足が否めない・・・」
「何か方法ないのか?」
「少なくとも、オレは思いつかん」
その時だった。
「先輩方!?」
委員長が怒鳴った。
「WAXAの最強の武人じゃなかったの!?」
「!!」
「それは・・・」
「星河君をどうして守れなかったの!?」
「委員長 落ち着いて」
ハジメは委員長を口で説得しようとした。それでも止まらなかった。
「だいたい・・・!」
「委員長!!」
タスクは不意に負けじと怒鳴った。
「オレ達がヤツより弱かった それだけのことさ」
前の勢いとは裏腹に声が小さくなっていた。
「!! アナタ プライド無いの!?」
委員長が手を上げた。
「委員長 それはまずい!!」
ハジメが注意したが、遅かった。
パァン
委員長は、タスクの頬をぶった。
「・・・!」
「それでも WAXA最強なの!? 自覚が足りないわよ!!」
委員長が涙目で言った。
タスクは叩かれたっきり、何も言わずに退出した。
「タスク・・・!」
バタン。
「まずったな タスクがああなると大変だぜ 委員長」
「つい、勢いで」
「委員長 アレはまずかったよ」
ミソラが言った。
口々に批判の声が・・・
「わ、悪かったわ」
「謝って来た方がいいんじゃない?」
ミソラの痛烈な一言。
「わ…わかってるわよ!」
そう言って、ドアをくぐって廊下へ出た。だが、もう廊下に彼の姿は無かった。
「・・・」
タスクの部屋・・・
「シドウさん・・・」
タスクは、部屋の写真を見つめていた。
「力が欲しいんだ・・・」
タスクはいつの間にか泣いていた。
「どうしたらいいのかな・・・」
WAXAメインルーム
「スバル抜きで俺とタスクだけ、か」
『どうやって戦う?』
「ムゲン そうだな・・・ どうしたらいいんだ」
『ま、わかんねぇわな』
RRRRR!!
『! 電話だぜ』
「ふぅ もしもし」
『ンフフフ ごきげんよう』
「・・・貴様 ファントムΔか」
『そういきりたつな 今回はいいことを教えてやろうと思ってな』
「いいことだと・・・!?」
『そうだ 今日夜9時から、毎回今日と同じ時間帯で
エランドΔにある命令をして放つ 何体もな』
「!!」
『その、命令が・・・』
「・・・」
『<見境なく人を襲え>だ』
「!! 貴様」
『どこに放つかはランダムだ せいぜい駆けずり回ることだ』
「どこまでも最低な奴・・・!!」
『くっく 何とでも言うがいい!』
ガチャッ ツー ツー ツー
「切りやがった・・・」
『どうする、ハジメ』
「どうするも何も、決まってる! エランドΔをつぶしに行く!」
夜9時3分コダマタウン上空・・・
「うーん 思ったよりコダマタウンて広いな」
ハジメはエースに電波変換し、あたりを飛んでいた。
『いや 人口大きいからそうだと思う』
「何もなくないか? 何も」
『まさか外におびき寄せといて・・・』
「そんなことあるか? ムーだってほんとだったし」
『まぁーな・・・ !!』
「どうした、ツヴァイ」
『何かあそこから煙が上がってる』
「・・・! ホントだ」
ハジメは煙の立ち上っている場所へ急いだ。
「エランドΔ か?」
『だと思うけど・・・』
ハジメは煙の根源があると思われる裏路地のような場所に着いた。
煙の量がすさまじいため、視界がはっきりしない。
「バイザーオン」
ハジメはバイザーの機能をオンにした。
バイザーには、熱反応などが精密に映る仕組みになっている。
「!」
『どうした、ハジメ』
「何か、人がいるんだ」
『? オレら以外にこのことを知ってるやつがいるとはな・・・』
煙が晴れた。
「タスク! タスクじゃないか!」
ハジメはタスクの名を呼んだ。
だが、彼は何も気づいていない様子である。
「エランド Δ・・・ 強いな、ムゲン」
『ああ・・・それより、何でエランドΔがここに、
ファントムΔの手で来るってわかったんだ?』
「あとで話す」
「ピピッ!」
エランドが、レーザーを放ってきた。
タスクは前へ手を突き出し、ジェネレーターを操作した。
ジェネレーターをレーザーに向けて構えた。
レーザーがジェネレーターに当たった瞬間、
ジェネレーターはレーザーをはね返した。レーザーが、エランドΔに当たる。
ドガァアン
と爆音がし、残っていたエランドΔの3体のうち1体が破壊された。
「ピピッ」
残っている2体のエランドΔが剣を構えて突進してきた。
「おおおっ!」
タスクは、もう1枚のジェネレーターを真横にし、強引にエランドΔにぶつけて、
1体を破壊した。
『タスク! もう1体だ!』
「わかってる!」
タスクは何と素手でエランドの顔面を殴った。
ガァン
と鈍い音がし、エランドΔが機能を停止した。
辺りには、エランドΔの残骸が山のように残っている。
タスクは、電波変換を解いた。
「タスク!」
ハジメがタスクに駆け寄る。
「すごい汗だな・・・大丈夫か?」
「ああ そんなことより・・・」
「?」
「このエランドの一件、オレに任せてくれないか?」
「いや、2人の方が効率いいしさ、 お前一人で背負うなよ・・・」
「頼む オレに任せてくれ」
タスクの目の色が、変わっていた。
表現できないが、今までより確実に黒く濁っている、とでも言おうか。
「わ、わかった(タスク、どうしたんだ)」
「ありがとう じゃあな」
「おい 一緒に帰ろうぜ?」
「いや オレは、戦い続けるよ」
そう言ってタスクは、闇へと姿を消した・・・。
「タスク・・・」
『あの目は、ディーラー以来だな』
「ああ アイツの感情の無いような眼・・・」
『どうする?』
「いや、放っておいてもいい方に転ぶはずさ」
『そう信じて、待つしかないな』
「そうだな・・・」
最終更新:2009年09月27日 19:19