『どうやら、やつらも気づいたようだな。我があの者を封じたことに』
「・・・」
我が語りかけても、天界神 竜は答えない。返ってくるとも思ってはいないが。
彼は最強のハンターと呼ばれていたが、それでもナイトメアや、元同胞達との戦いは消耗が激しいものとなる。特に異界の『王』ナイトメア。あれは天界神 竜の守護霊をやっていたこともあり、彼の戦いの癖を知り尽くしている。また、天界神 竜がナイトメアに語ったことも、本心かは定かではない。
「本心だよ。あいつのいない、偽りの世界に興味は無い。この『世界』は存在するべきではない。だから、滅ぼす。俺や、あんたもろとも、な」
彼がそれに気づいていたのは意外だった。そう、この世界はあるべき姿ではない、偽りのもの。我が天界神 竜が持つ『事象の確立変動』という力を用いて作り上げた世界なのだ。
とはいえ、我がやったのはただひとつ。確立0%だった冥導 霊の死を、100%に変えただけだ。
天界神 竜が三年前の『大戦』で消耗し、昏睡状態であったため、その力の一部を使うことができたのだ。そして、彼の中にはあまたの魂が混在していた。それ故に、ナイトメアですら、我の存在に気づけなかった。
冥導 霊の死の直後に、ある程度の戦闘能力を持った者に見つかっていれば、我は即座に天界神 竜から切り離され、滅ぼされていただろう。しかし、今は彼と一体化しているため、我を切り離すには天界神 竜を倒さねばならないし、それができたとしても彼が弱った時点で我のほうから切り離してしまえばそう簡単にはつかまらないだろう。
彼と一体化した以上、我に・・・いや、我らに勝てる者はいないだろう。だが、警戒すべきは内側。自身の消滅というリスクを負ってまで我との『同化』を加速させている天界神 竜だ。確かに、我らが完全に同化すれば天界神 竜と共に我を消滅させることも可能だろう。
しかし、我とてそう簡単に負けるつもりは無い。天界神 竜との同化は双方にとっての諸刃の剣。我の目的である『全ての世界の破壊』もやりやすくなる。
我は名も無き破壊神。全てを滅ぼす、そのためだけの存在なのだ。
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