夢の『否定』 ◆xzYb/YHTdI
「う、うぅぅ~。やっぱり夢なんかじゃなかった」
そういっているのは否定姫。
金髪に豪華絢爛の衣装に身を包む彼女は少し眠たそうだった。
というか今まで眠っていたのだから当たり前かもしれない。
えっ?なぜかって?
そういう君たちの為に数刻前の彼女の様子を見てみよう。
◇
ゲーム開始直後。
彼女はこう言っていた。
「ああもう!なんでこうなるのよ!七花く~ん。し・ち・か・く~~ん!
助けてよ~。何で誰もいないのよ~。利用すらもできないじゃない!
あの女じゃないけどわたしは一人だと何もできないわよ」
あくまで利己的な彼女の言い分に耳を傾ける者は誰もいなかった。
彼女は一人ぼっちで佇んでいた。
その後ろ姿にはなにやら色々な気持ちを背負っていた。
「否定する。わたしはこの現実を否定する。そうこの現実はきっと夢か何かよ。そういうときは確か…」
そう言うと、彼女は自分の頬をつねる。
しかし夢は覚めなかったようだ。顔が青ざめていく。
「そ、そうよ。こういうときは夢の世界で眠ると、
現実世界に帰れるようになっているのよ。きっとそうよ。
そんな噂、確かどっか聞いたことがあるわ」
そんな噂聞いたこともないが、彼女はこの現実を否定するのに精一杯のようだった。
そして彼女は眠りについた。
◇
「う、うぅぅ~。やっぱり夢なんかじゃなかった」
彼女は奇跡的に殺されていなかった。
運がよかったのかもしれない。
しかしそれにしても、やっぱりということはある程度というか
まぁここは現実だってことはわかっていたんだろう。
ただの現実逃避にすぎないことは彼女自身はよくわかっていたのだろう。
だけど彼女は否定した。
彼女が否定姫と呼ばれる由来通りに。
肯定しなかった。したくなかった。
だけどさすがにもう逃げることは無理だろう。
それも彼女はわかっていた。
「よし、そうね。まずは七花くんでも探そうかしら」
彼女はこの現実を肯定したのであった。
【1日目/黎明/H―8】
【否定姫@刀語】
[状態]健康、軽い眠気
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いや主催者を否定する
1:七花くんはどこにいるのかしら
[備考]
※本編終了後からの参戦です。
最終更新:2012年10月02日 08:14