破壊臣に墓石 ◆xzYb/YHTdI


E‐4にて、阿久根高貴は目を覚ます。

「っ!…そうだった。確か銃で撃たれたんだっけか。僕は」

自称皆を幸せにする者、供犠創貴のバトル漫画では
ありえないような不意打ちにより、彼は倒れたのであった。

「さて、見事なまでに僕に何も残してはくれなかったみたいだな」

そう、今の彼の手待ちは空だ。
食糧も、水も、十字架も、それに2個もいらないような地図とかまでも。
容赦は一欠片もなかった。

「そうだな。この足だと何もできない。病院…はどこにあるのかな?」

それすらも今の彼には分からなかった。
仕方なしに適当に歩き始めた。

 ◇

「しかし、阿久根高貴とかいったか。その満身創痍の身体で
俺に襲ってくるとはな。なぜそんな早まった真似をする」

宇練銀閣は言う。
眠たそうにしながら。
一方、阿久根高貴は返す。
つらそうにしながら。

「どのみち僕の人生は短そうだったからね。
捨て身の方法をとらせてもらったよ。失敗だったけどね」

阿久根高貴は宇練銀閣を背後から襲った。
しかし失敗に終わった。
宇練銀閣は阿久根高貴の腹に鞘のまま突きで攻撃されたからだった。

「そうか。別にどうでもいいが」
「だろうね」
「さてとだ。今から俺はお前を殺す。
悪く思うなよ。お前が悪いんだからな」

なんの感情を感じさせない口調で言った。
それに一瞬阿久根高貴は目を丸くしたが、答えを返した。

「そうだね。じゃあめだかさんや、善吉君や、喜界島さんに、真黒さんもいるかな?
その人たちに会ったらこういっておいてくれよ」


「何だ」

阿久根高貴は言う。



「僕はここまでだ。だけど今までの生活は楽しかった。
生徒会の絆は終わらない。僕たちはいつまでも仲間だよ。って伝えてくれ」



それは、完全に生を諦めた者の言葉。
仲間を傷つけようとした者の言葉。
もう終わってしまう者の言葉。
そこにはじまりなどない。
終わり。
ある1人の物語の終わりしか見えない。
終わりからは何も生まれない。

「そうか、ならば死ね」

この者も容赦なく1人の青年の物語にピリオドを打った。

 ◇

「またつまらぬものを切ってしまった」

そのセリフがまだ誰のものでもない時代を生きた者。宇練銀閣。
彼は今終わった青年から噴き出している血を眺めていた。

「しかし、阿久根高貴。こいつの死体はどうしようか」

誰もいない中。
独り言をつぶやく。

「こいつに墓石など似合いそうもないな。―――さてと行くか」


そういうと彼は因幡砂漠を目指し歩き始めた。


最後の最後で破壊臣は改心した。
墓石?ん?そんなものあるはずがないだろう。




【阿久根高貴@めだかボックス 死亡】

【1日目/黎明/F‐4】
【宇練銀閣@刀語】
[状態]健康
[装備]血濡れの刀@不明
[道具]支給品一式×2、ランダム支給品(1~4)、首輪
[思考]
基本:因幡砂漠を歩き、下酷城を探す
1:流れに身を任せる
2:斬刀を探す
[備考]
※まだ刀は使える状態です



夢の『否定』 時系列順 狐の達観
夢の『否定』 投下順 狐の達観
反抗開始 阿久根高貴 GAME OVER
閃々響々 宇練銀閣 鷹と剣士の凌ぎ合い

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最終更新:2012年10月02日 08:18