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アークは力の注ぎどころを間違えている ◆P2O1FPP.Gg




バトルフィールドッ! 大勢の観戦者が一次元上の世界から見守る中、NPC同士の対戦が始まるッ!

画面に向かって左、1P側に位置するのは幼さがまだ残る美少女、枸雅詩緒。
彼女自身に戦闘能力はない。しかし、彼女が操る人形には、人では到底為し得ない力が秘められている。
そのからくり人形は、案山子と呼ばれている。神様の抜け殻とも言われる無機質なフォルムをしたそれは、詩緒の意志通りに動くのだ。

「――玖吼理ッ!」

詩緒は自らが操る神の名を叫ぶ。八体が現存する案山子の中の一つ、玖吼理。
武器とするのは頭部の左右に備え付けられた、細く平たい二つの腕。
右手の仕込み刀を閃かせ、玖吼理は対戦者へと斬りかかる!

2P側、対するは優男風の青年、ガンマ=ハングドクロス。
しかし彼を風貌で判断してはならない。こう見えて特殊軍隊逆十字軍(ハングドクロス・アーミー)の総司令なのだ。
彼の持つ力――それは、体内の生体電流を増幅させ、まるで雷のように体外へと放出する能力!

「っ……きゃああああああっ!!」

哀れ! 玖吼理ではなく直接詩緒を狙った雷撃が、彼女の全身を苛む!
操作に極度の精神集中を必要とする案山子、故に電撃により平衡を欠いた詩緒が玖吼理を操作し続けることなど不可能だった。
ごとりと地に倒れる玖吼理。既に戦闘は決着した。
だがしかし、詩緒を責める電流は止まない! 流れ続ける!
痛みと苦しみに耐えられぬ詩緒の口から、やられボイスが漏れるっ!




この光景を眺めていたギャラリーたちは――

『うおおおおおおおおおっ!!!』

熱狂していたっ! だがこれは、彼らがリョナ趣味を持っているからではないっ!

いや、格ゲーを趣味とするものの中には打撃に倒れ、投げに組み敷かれる女性キャラクターの姿に興奮を覚える者も多いが、今回は決してリョナ趣味だけではないっ!

ガンマが放った電撃で、詩緒は感電した。

格ゲーで感電……勘の良い方なら、気付くのではないだろうか。

初代大乱闘スマッシュブラザーズにおいて……感電したサムスが、パワードスーツの中の姿を晒していたことをっ!

同じ事が、今この会場でも起きているッ! 詩緒が電流に苦しむたびに、彼女の未発達なボディラインが衆目に晒されているッ!

なだらかな胸部がっ! 感電の一瞬だけ露わになる様に、ギャラリーはそのボルテージを上げていくゥ!

かつてニンテンドー64のスタートボタンを連打してベストショットを探したあのころの気持ちを、ギャラリーは思い出すッ!



『ポーズ! ポーズボタンかスクショ機能はないのかっ!?』

『あぁ、これは神ゲー確定ですわ』

『ああいう分身操作キャラは初心者向けじゃないんだよなぁ。本体棒立ちで分身任せとかそりゃ乙るわ』

『俺、あのガンマってやつ持ちキャラにするから! だから誰かおっぱいキャラ使えよ!』

『炎使いいねーのかよおおおおおおお! 脱衣KOやらせろやおらああああああああああああ!!』



確かにこのゲームはクソゲーである。
だがクソゲーであろうとも、人の心を掴むことは出来るのだ!
ロケテストの盛り上がりを眺めていたアークシステムワークスのスタッフは、胸中でグッとガッツポーズをした。

でもこのゲーム、やっぱりクソゲーなんだよなぁ。
こんなのに力を入れるよりももっとやるべきことがあったんじゃないですかね?
あとギャラリーにロリコン多いんだヨォ!


【A-3/一日目 深夜】

【枸雅詩緒】
[状態]:体力ゲージ半分、感電中
[装備]:玖吼理@神様ドォルズ
[道具]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:く、くやしい……びくんびくん

【ガンマ=ハングドクロス】
[状態]:体力ゲージ満タン
[装備]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:とりあえず、人間は抹殺するから


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最終更新:2013年01月21日 06:24