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愉しめ、混沌の戦を ◆CAP.3FrrY.




軽いステップを踏んでから片足を軸にくるりとその場で一回転。薄い紫色の髪の毛がふわりと舞う。
走り去った琴弾加代子を見送りメカニックとも話を終えたメルディは、リッドの姿を探しつつも気ままに街を散策していた。
今は街の隅にある小さな公園で花を見たり噴水を見たり背景キャラとおしゃべりしたり踊ったりしている。

「バイバ!」

そしてとても中学生とは思えないふけ顔の背景キャラに拳銃を突きつけられていた。
驚きこそすれ逃げ出す暇もない。
メルディがぽかんと口を開けている間に銃声が鳴り響き、彼女の首に嵌められていた首輪がぽろりと地面に落ちた。

「D-2の港に船がある。次の夜になったらその船に乗り込め。そうすればこのくそったれゲームから脱出できる」

ふけ顔の背景キャラの言葉にメルディはまだポカンと口を開いたままだ。
しかし、彼が言ったことの意味を理解すると顔をぱっと明るくした。

「その船乗ればみんなが助かる?」
「いや、そんな大きな船じゃない……。それに人数が多いと怪しまれる。せいぜい、2人か3人ってところだな」
「そうか……でも、うん。じゃあリッドと逃げる!」
「じゃあこれを持っていきな。首輪を外すスイッチだ。
 ただしいきなり外すと怪しまれる。殺すふりをしながらスイッチを押すんだ」
「殺すふり…………わかった。ありがとういい人! えっと、いい人が名前は……?」
「俺の名前なんかどうでもいい。それよりもそのリッドって奴のこと大事にしろよな」
「うん!」

と、その時、メルディの背後で巨大な爆発が起こった。


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「バイバァ~…………」
「チッ、無茶苦茶してる野郎がいやがる。おいアンタ。ここも危ない。さっさと――ってどこに行くんだ!?」

メルディは核爆発が起きた方向へともう走り出していた。
常人ならば考えられない行動だが、JRPGの住民ともなればこの程度のエフェクトなど見慣れたものでなんらたいしたこともない。
中には惑星を破壊するようなものもあるし、メルディの晶術でだってこれくらい起こせたりする。

「リッドがいるかもだから!」

自分よりも一回りは小さい女の子の豪胆さにフケ顔の背景キャラは呆れ、感心し、乾いた笑い声をあげる。

「まったくとんだしあわせゲームだぜ」

そして公園に集まっている無数の背景キャラ達の中に戻るとまた背景キャラとしてのルーチンワークを再開した。


 ■


『――え? え……え? 杉村くん! 杉村くん! わたし――わたしなんてことを――!』

一方、核爆発の起きた現場ではその爆発を起こした張本人が更に自分でとどめを刺した殺意リュウを抱いてさめざめと泣いていた。
そんな光景をモニターの外から見て、外野のゲーマー達はあれこれやと言葉を交わす。

「このバトロワのキャラってさ」
「ああ、まじやばいな。核爆弾から即死技の連携とかしかもほぼ無制限ぽいし」
「この核爆がおかしいんだよなぁ。だってこれ一発で毎回琴弾のゲージ満タンになってんじゃん」
「で、そのゲージで即死奥義だろ……バランスが狂ってるってレベルじゃねぇよな」
「要修正だわ。もうアンケに余白ないけど」
「2枚目取ってくればいいじゃん。後、ネットアンケートもしてるし」
「ネットの見たけどあれ500文字制限だぞ? しかもメルアド登録必須」
「うっわ、アーク終わってんな」
「でもさぁ、よく考えたらさ……」
「何?」
「この核爆弾ってこいつの必殺技じゃなくてランダムアイテムだろ?
 だったらさ。こいつエグい奥義持ってるけど本当は自分でゲージ溜めるのかなり無理っぽいしこれはこれでバランス取れてるんじゃね?」
「多分、人が使ったら弱いよなこの女子」
「だったら爆弾のほうを修正要求だな。即発動で全画面。しかもガー不で9割ダメ、ゲージ回収できるとかチートすぎる」
「レアケかもだけど壊れだよなぁ。実際これだけでバンバン勝ってるし」
「あ、でも抜ける方法あるくさいぞ」
「まじで?」
「ほら、いっしょにいたリリスノーダメじゃん」

死体にすがりついて泣く琴弾加代子の上からおたまを持ったリリスが強襲する。
隙だらけの琴弾加代子はそれをガードできるわけもなく振り下ろされたおたまをもろに喰らい、そのままリリスのコンボが始まった。
同じく、琴弾加代子に抱かれていた殺意リュウの死体もバンバンいっしょに死体蹴りされてしまう。

「おー、こっちは普通につえぇ。てかかわえぇ」
「これなんのキャラ?」
「テイルズ。RPGの」
「ふーん、こんなのいたんだ。でも実際かわいいな。しかも強いし……でも」
「でも?」
「なんかどこか見たことあるような……」
「普通にリリスだと思うけど?」

リリスがガンガンとおたまを打ち鳴らしてヒット数を稼いでいく。彼女の得意技でありこのゲームでメイン武器となる『死者の目覚め』だ。
さらにはそこから『アクアスマイト』『リリススラッシュ』とつないで相手を浮かせ『空中・死者の目覚め』から『イルカさーん』。

「ん?」
「ん?」
「なんか今……」
「気のせいかな……」
「どっかで見たことあるのを見たような……」
「いやでもボイスも見た目もリリスだぜ?」

ギャラリーの困惑をよそにリリスのコンボは続く。
地上に叩きつけられた琴弾加代子(と殺意リュウ)に『ターンオーバー』で殴りながら近づいてまた『死者の目覚め』。

「つか、壊れ性能だなぁ。リリス」
「普通に北斗のキャラに見えてきたわ」
「コンボルートがそれっぽいんだよな……」

そして、遂に琴弾加代子の頭上に死兆星が輝く!

『ピキーン)それはそれとしてとりあえず超奥義! サンダー――……』



『デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー』



「なんでここで乱入なんだよー!」
「超必見損なったわ……」
「しきりなおしかよ……しかもリリスゲージなくなってんじゃん」

そこには戦国○双で場の空気を読まずに乱入してきてはくそうざがられる風魔小太郎の姿があった。


 ■


「んもう! みんな逃げちゃうんだから」

混沌の風を吹かせるとか言いながら割り込んできた忍者は即効で逃げ出し、気をとられているうちにセーラー服の女子も逃げてしまった。
もうすこしで気持ちよく快勝できたのにとリリスは顔を真っ赤にする。
でも、よくよく考えれば勝ってどうするのか、人を殺してしまってどうするのかと場が落ちついたことで少し冷静になった。

「そんなことよりお兄ちゃんを探さないと……って、あっ!」

ぱたぱたと小動物を抱いて駆け寄ってくる小さな人影に気づく。見覚えのある女の子の姿だった。






【殺意の波動に呑まれたリュウ@ナムコクロスカプコン 死亡】

【C-6/一日目 深夜】

【リリス・エルロン@テイルズオブエターニア】
[状態]:体力ゲージちょい減り
[装備]:お玉、その他不明(あるかもしれないし、ないかもしれない)
[道具]:不明(あるかもしれないし、ないかもしれない)
[基本方針]:たまには修行!
※マンボウ技がイルカさんになっています。

【メルディ@テイルズオブエターニア】
[状態]:体力ゲージ満タン、首輪解除
[装備]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:首輪解除スイッチ、不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:リッドを探して一緒に脱出する。


 ■


【C-6/一日目 深夜】

【風魔小太郎@花の慶次】
[状態]:体力ゲージちょい減り
[装備]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:混沌……
※風貌は「花の慶次」からですが性格や一部能力は戦○無双っぽいです。

【琴弾加代子@バトルロワイアル】
[状態]:体力ゲージギリギリ
[装備]:核爆弾@現実×3、不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[道具]:不明(あるかもしれないしないかもしれない)
[基本方針]:とにかく逃げる。エンカウントしたら支給品/究極奥義ぶっぱ。
※核爆弾@現実はキャラを殺し切ることはできません。これはあくまで核爆弾限定性能です。ゲームが大味になってしまうので。
※究極奥義『もう遅いわ、わたしが撃てないとでも思ったの?(原作台詞)』は地上の相手に発動する投げ属性の射殺演出即死技です。
 ただし、この奥義で勝つと専用勝ちモーションが発生してしばらく隙だらけになります。


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最終更新:2013年01月22日 05:03