ろわらじ(仮) ◆nucQuP5m3Y
『えー、東京都、ぶr……ろわらじネームしゃもじさんからのおたよりです』
「!?」
突如、筐体の間にあるセンターモニターから聞こえてきた声にロケテの観客達は色めき立った。
「お、おい」
「これって、まさか」
「そのまさか……だよな」
彼らの視線が集中した先、センターモニターに映し出されていたのは、
こんな感じの画面だった。
『<今某ゲーセンでうちの会社の新作ロケテをしてるんですが、なんかまだ調整不足って話がいろいろ出てて、でもまあ、ロケテだし、いいかなっておもってまーす>えー…]
『『もっと罵倒(バト)って~、ラ……Sギタくーん!』』
『手前ェ!開発お疲れ様です!!』
デレデレデレデレデレデレデレデレデーーーン
『ろわらじ!』
『ろわらじ!』
『ろわらじぃーー』
『『『ろわらじ、仮ぃー!!』』』
そう、アークの技術力はなにもゲーム開発に限ったことではない。
声優を使ってのネットラジオによる広報、その中でもとりわけ人気のあの番組、
スタッフの技術と声優のトーク、そしてゲームの魅力が三位一体となってかもし出されるカオスの宴。
「ぶるらじ」
それがなんと、リアルタイムでこのロケテ会場に放送されているのだ。
しかも、バトロワ仕様になって。
『さてはじまりましたろわらじ仮、えーと、役名はアレなんで、Sギタトモカズでーす』
『はい、え?ダメなの?あ、じゃあええと、Iマイアサミです』
『わわわ、どういうことですか。KンドウKナコです』
『はい、始まっちゃいましたね』
『ていうか今の、うちのしゃもじよね』
『最近寝てないワー、とかミサワチックなことを言ってましたから。開発も佳境のようですが』
Sギタのトークに合わせて、画面には地獄のミサワ的に描かれたサングラス装備のパラケルスの絵が表示される。
通常のラジオに比べ、こういったボケに対しての視覚面でのレスポンスが素晴らしいのがこのぶる……ろわらじの素晴らしいところである。
『えー、まずこの番組がどういう番組かといいますと、只今某所で絶賛ロケテ中の、アークの新作『バトル・ロワイヤル(仮)』のロケテ状況をお知らせしつつ応援していこうという番組なわけです。実況プレイとも、定時放送とも違うおまけみたいなもんですが……』
『まずお伝えしなくちゃいけないのは、私達は本物の声優ではありません、はい、こんちゃん』
『はぁい、私達はぶるらじ数十回の放送からサンプリングされた声と、ゲーム開発の副しゃんぶ……ふきゅさん……』
『はいコンドムもう一回』
『……うぅ……はい、ええと、AIでーす。あとコンチャンダヨー』
『うわ、はしょった』
『まあそういうことで、このセンモニ内のCPUでリアルタイムに解析されてるロケテ状況に応じて合いの手を入れる番組、ということですね』
『自分で言うのもなんだけど、意味わかんないですよね』
『アーク脅威の科学力、またはアークの科学力は世界一ィィ!あっやべ、二部はマズい』
『AIだからぁ、大丈夫ですよー』
『そっか、AIだから』
『AIだから』
「くそっ、コメントはどこから流せばいいんだよ!」
「あっ、センモニのここ、マイクになってんぞ!!」
「マジかよええと、『テラワロスwwww』っと」
画面にはニコニコさながらに、テラワロスwwwwの字幕が右から左へと流れていく。
音声認識技術にいたっても、アークの技術力はいかんなく発揮されているらしい。
「すっげwwww」
「これは是非稼動した時も採用だよなあ」
「いや、これ本当にAIなのか?」
「うわ、5様のフィギュアとか飾ってある」
「こっちのCDは……」
観客たちは筐体とセンモニを交互に見ながら、どよめきを大きくしていく。
『さて、まあまずはここまでの状況なんですけど……カクゲーしてるねぇ』
『まぁ、格闘ゲームとして作られているわけですから?』
『いや。俺が言ってるのは核。アトミック。GP-02ね』
『あー……ガトーの』
『でもこれ、ガン○ムはいないんですよね』
『あくまで出典はSa.Ga.とかなんだけど、まあ量産はちょっと、どうなんだよって話ですよ』
『フィールドのあちこちできのこ雲が上がってますからね……』
『でもまあいいんですよ。いずれほら、ニュートロンジャマーが開発されて、ニュートロンジャマーキャンセラーが開発されて』
『知ってる!それ撃ち放題になるやつじゃん!』
『で、盟主王がやったぁぁぁぁぁ!なわけですよ』
『えっと、このゲームってロケテスト……なんですよね?』
『うん。まあさすがに修正されるんじゃないかなぁ……されないとマズいよねこれは』
『僕は好きですけどね。こういう大味なの。ていうか修正ならもっとすべきとこいっぱいあるかんな!』
『ああ、あの無敵になってた人とか……』
『ムテキングはまあ、いいんですけどねああいうもんだから。つーか5様ムテキングっていうかうずしおキングみたいになってましたしね』
『あ、でもSギタ君、あと広範囲を焦土にしてたあれとかはいいの?』
『あれはですね。アリです。ていうかあっちのほうがガンガンで言えば核っぽいです。あのですね、爆風の中に突っ込むと体力がごっそり削られるんですよ。簡単に言えば着弾地点にいなきゃいいだけなので、フィールド駆け回る系なら全然アリな技っつーか』
『え、じゃああの背景の女の子がズバーってされてたのは』
『まああれも前例はあるんですよ。洋ゲーなんですけど、あの、プレイヤーは恐竜で、背景に人間とかいて。それをムシャーって食べちゃう』
『食べちゃうの!?』
『そうすると体力が回復するんですよ。あの、サムスピの飛脚アイテムみたいなもんです』
『人間が!?』
『ふえぇぇぇ』
「おい、ゲーム内容につっこみだしたぞ……」
「ほんとにAIなのかこれ?なあ?」
「しらねぇよ!でもこれ、ゲーム内容を反映してるんだったらすげえよな」
「もうこれリアルタイムアップデートとかできるんじゃねえのかよ」
「だからおかしいだろ!なんでSギタのネタに絵が付いてるんだよ!誰が描いてるんだよ!」
「AIだろ」
「つーかなんで目線入ってんだよ!?公式の番組じゃないのかよ!?」
「なんかアレだろ、マズいんだろ、いろいろ」
観客たちの驚きを余所に、ろわらじは延々と続く。
おおよそゲームをアピールする気はないのではないかというSギタのオタク雑学と、
かわいいと言われると異常なまでにうろたえるIマイいじり、最近あんまり噛まなくなって寂しい
Kンドウのふわーっとしたしゃべりと、いずれ来るかもしれない危険なゲストを内包しながら、
このセンターモニターではアークの技術のもう一つの集大成が今まさに花開いていた。
【ロケテ会場/センターモニター】
【Sギタ@ぶるらじ】【Iマイ@ぶるらじ】【Kンドム@ぶるらじ】によるラジオがこれより放映されています。
声優たちは過去の放送からサンプリングした音声とAIによる擬似出演です。
ゲーム展開に合わせて適当に関係ありそうでなさそうな会話と絵が垂れ流され続けます。
最終更新:2013年01月23日 15:24