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名無しさん達のナンバーズネタ-04

1

誕生日2日前
ディエチ「シンっ! これっ誕生日プレゼント!!」

少年は顔を赤くした少女に誕生日プレゼントを渡された。
首からかけられる紐のついた小さな袋だった。
2人っきりになれる場所に半ば強引に連れ出され、唐突に。
別に珍しいことではない筈の男女の光景。

だが違う

少年の頭の中に確実な違和感があった。

シン「何言ってんだよディエチ、俺の誕生日はあさっ・・・」

ディエチ「わかってる!」

わかってる?
ならなぜ、誕生日に渡してくれないのだろうか?
少年の頭に疑問ができる。

ディエチ「・・・けど・・けどシンに2人っきりで渡せるのは、今日しかない・・・」

確かにそうだった。少年の予定では明日C.E.に墓参りに行き、明後日に誕生日パーティーがある。
スケジュールはギリギリで、今日を逃せば2人っきりにはなれない。
しかも今から出発である。

少女は顔を赤くしたままうつむいてしまった。
少年は心のわだまりと気まずい空気に耐え切れなくなり、話を続けようとする。

シン「・・なあ、中身見てもいいかな?」

コクッ
ディエチ「・・・うん」

シュッ
シン「ん?・・・ディエチ、これ」

中には、ヒマワリの種があった。
それは間違いなく、今年の夏にディエチがまいたヒマワリからとれたものであり。
ディエチにとって大切なものの筈。

ディエチ「こわいんだ・・・帰ってこないんじゃないかって・・・元の世界で、また弱い人たちのために壊れるまで戦うんじゃないかって・・・」

少女は涙をポロポロと零しながら、答えた。

グスッ
ディエチ「・・だから、絶対帰ってよ。・・・一緒に皆で誕生日を祝おうよ。そして、皆の誕生日も一緒に祝ってよ。
     また来年も一緒にヒマワリを植えてよ・・・。」

シン「・・・・・・。」

少年は黙った。
言葉がなかった。
抑えきれない自分がいたから、“それが”自分だったから・・・
ただ必死に言葉を喉からしぼりだした。

シン「大丈夫だよ、絶対に帰ってくる。
   オレが帰る場所は・・・・ここなんだから」

ディエチ「・・本当?」

シン「オレは帰ってくる、絶対帰ってくる。・・・だから」

クシャ
少年は少女の頭に手を乗せ、笑いながら

シン「信じてくれよ。」

パア
ディエチ「うんッ!」

スッ
シン「じゃあディエチ、オレ行ってく・・・行ってきます。」

少年は首に小袋をさげていった。

ディエチ「シン・・いってらっしゃい」

父の、母の、妹のねむる地へ・・・

2

誕生日1日前
オーブ 慰霊碑前

夏の日光の中、海の前
黒いスーツに身を包んだ少年が普段しないサングラスごしに慰霊碑を見つめていた。
少年はしゃがみこみ、途中買ってきた造花を供える。
手の甲には雨が降ってもいないのに、雫が落ちていた。
だが少年は無理やり笑顔をつくる。

シン「父さん、母さん、マユ・・・オレはまた歳をとることができるよ
   マユ・・ごめんな、オレばっかり誕生日を迎えて・・・・・・」

少年は黙り、目を閉じながら色んなことを思い出していた。

ジャリ
キラ「やあシン、奇遇だね」
ラクス「お久しぶりですわ」

少年は目を開けた、ただ瞳にいつもの輝きがない。
そして、背中を向けたまま答える。

シン「アンタ達か、オレもさっき“奇遇”にもさっき、そこの物陰で無線機を使う男を見たよ。」

ラクス「・・・気付いてましたか」

少年はこの世界ではMIA、つまり戦死している筈だった。少年は大戦のあと戦った、戦い抜いた。
“大地の衝撃”の名前を持つ機体で、孤独な戦場を文字通り飢えた獣のように駆け抜けた。
それは、少年を地上に縛り付けておくための虎の策略だった。エサは、盗賊・テロリスト・エクステンデット研究所など有り余っていた。
だが、少年が研究所から助けたはずの子供達は違う人間が実験材料にしていた。
少年は壊れて獣になった。
獣は再び運命を従えて歌姫と獅子の仔に戦いを挑んだが、自由と正義と暁によって敗れ死んだ。
これがこの世界での少年の記録。
なぜ戦いを挑んだのか知られるのは、少年が姿を消した後・・・

ラクス「もうあのようなことは起こさせません」

キラ「また一緒に戦おう」

少年は立ち上がってため息わついた。
シン「はあ、遅すぎるんだよ。
   アンタに分かるか?研究所から助け出して、もう痛い思いをせずにすむ
   友達を傷つけずにすむって笑う子供の笑顔が・・・
   ようやく守れたんだっていう、オレのあの時の達成感が・・・
   アンタ言ってたよな?世界を守るって。
   だったら、守る世界が狂ってたらどうするんだよ?」

キラ「皆で正す。そのために戦うことも、僕が殺した人たちの償いも受ける覚悟はある!」

ラクス「キラ・・・」
すると少年は懐から黒い銃を取り出し、青年に狙いを定めた。
チャキッ
シン「なら人の本質を教えてやるよ。正解は銃声の後だ!」

青年は目を閉じる。
キラ「・・・わかったよ」

チャキッ ガタガタガタ
ラクス「シン!!止めて下さい!!!」
女も銃を取り出すが、慣れていないのが明白だった。
グッ
シン「答え合わせだ・・・」

バンッ!!パリンッ
銃声が鳴った。少年のサングラスが砕けた。

キラ「ラクスっ!!!」

ラクス「あ ああっ 」

女はそのまま気絶してしまった。

キラ「なんで、撃たなかった?」

シン「アンタを撃っても、誰も返ってこない・・・」

男は立っていた。紅い瞳が冷たく光る。
シン「分かったか?キラ・ヤマト
   だれだってな、守りたいから引き金を引くんだ。
   自由も正義もない!
そのあとは報復の繰り返し。
   それでも、人は、世界は分かり合えると信じているのか?
オレは信じない!   
   だから守りたい花を守り抜く、そのためなら狂った世界と運命を薙ぎ払う!!
   それがオレの戦いだ!!!」

キラ「それでも、僕は信じる!
   皆分かり合えるって!!
そして、花を植え続ける!
それが僕達の戦いだ!!!」

男は男の返答に満足いった様子だつた。瞳に明るさがよみがえる。
シン「そうか、バカだなアンタ。」

キラ「君もね」

2人の男はかすかに笑い、奇妙な心地よさを感じた。

ポイッ
シン「これやるよ」

男は黒い銃を投げ渡した。

ピュッピュッ
キラ「・・・水鉄砲」

シン「それじゃあ、オレはもう行くよ。手綱を握られているからさっ」

そう言うと、シャツから袋の紐をつまんで見せる。

キラ「ああ・・・
   そうだっシン!1日早いけど誕生日おめでとう。」

シン「・・・・・ありがとう・・・じゃあなキラ。」 

そして、2人の男は別れていった・・・・

3

誕生日当日
夜9時頃、明かりのついた部屋の前に両手に土産の袋を持ったシンがいた。
だが人影は2つになりつつあった。

帰るの遅くなっちゃったな
ガチャ
シン「・・・ただい」

パンッ!
シン「うわああああ!!!」
セインが床からでてきていた、使い終わったクラッカーから煙が上がる。
そして、そのはずみで部屋の中に前のめりに倒れた。
パパパパパンッ!!!
ナンバーズ+スカ「シン!!!おかえりっ!!!ハッピーバースデー!!!」
シン「はは・・・ただいま。そして・・ありがとう。」
みんなは、悪戯っぽい笑顔で迎ええくれた。
最後は、わざとうつむいて潤んだ目を見えないようにしていた。
それから数時間、シンは久しぶりに“家族”と誕生日を楽しんだ。
みんなが作ってくれた大きなケーキに刺さったロウソクの火を吹き消し、プレゼントを貰った。
スカ「まずは私からのプレゼントだ。」
スカリエッティーは後ろから企画書のようなものをとりだした。『シン・アスカ ライダー化計画』
シン「アンタ最近、レンタルビデオ屋によく行ってると思ったらこれか?!
   ターンアップか?キングフォームになれってか?ドクター!」
スカ「何を言っている?君に力と技の風車を・・・」
シン「そっちか!!?」
スカ「やはり君のツッコミは心地いいな。」
ウーノ「ドクター、セリフが危険です。自重してください。」
スカ「冗談だよ。これが本物だ。」
取り出したのは写真立てに入った1枚の写真、ここにいる全員が写った写真。
シンは覚えている。写っている色んなしがらみに縛られていた自分を、それでも迎え入れてくれた皆を。
スカ「家族の写真を持つのは当たり前だろう?」
ウーノ「私はこれです。」
ウーノが取り出したのは新品のアルバム。
ウーノ「これからも皆で、もっと楽しい思い出を作っていきましょう。」
ジーン
シン「・・・・はい!」
皆も続いていく
酔っ払ったドゥーエからは頬にキスマーク
トーレ・セッテからはリボンで装飾したダンベル
クアットロからはナンバーズがコスプレした幻  ※誰がどんな格好になったのかは皆さんのご想像にお任せします
チンクからは新しいナイフ
セイン・ノーヴェ・ウェンディからはお菓子の料理本数冊
オットー・ディードからは手作りのアクセサリー
キスマークをもらった時は背筋がゾクッとしたが、全力で平静を保った。
ナンバーズがコスプレした幻にはつい「・・・パーフェクトだ」と鼻血を流しながら、つぶやいた。
その後は、いつものペースで楽しみ。スカリエッティとウーノを除き全員疲れ果てて、その場で眠ってしまった。

そんな中、シンはむくりと起きた。
シン「あれ?皆、風邪ひくぞ?」
言っても、当然返事は無し。
しょうがないので寝ぼけながら全員分の薄い毛布を持ってきた。
壁にもたれて寝ている、ディエチにかけようとする。
ディエチ「・・ん~・・ふんっ」
シン「・・起きたのか?」
顔が目の前にある時点でディエチは起きた。だが頬を膨らませてプイッと機嫌悪そうに顔を振る。
ディエチ「シン・・・ほおっぺ」
シン「ん?・・・あ!」
シンの意識は一気にはっきりした。指で頬をなぞると口紅がついていた。
シン「これはっ・・・その・・・」
ディエチ「ん」
ディエチは慌てるシンに強引にキスをして、ニンマリと笑った。
ディエチ「プレゼント・・・帰ってきてくれてありがとう。おかえり、シン。」
シン「ただいま。信じろって、言ったろ?」
ディエチ「・・・未練はなかった?」
シン「あの世界でオレは死んだ。そして、ここで生きていて歳をとった。それが今のオレだ。」
ディエチ「うん。」
シン「さあっ起きたんだから、自分のへ・・・」
するとディエチは座ったままその場で自分の太ももをポンポンっとたたく。
シン「いいのか?」
ディエチ「帰ってきたご褒美。」
そして、誕生日の夜は更けていく。家族と一緒に・・・


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最終更新:2012年01月10日 11:34
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