「一番! ハイネ歌います! ignited -イグナイテッド- !」
「歌なら負けません! 765プロ、みんなで歌います!」
「歌ならわたしだって! 白河小鳥、歌います!」
「便乗するよ♪ BRAVE PHOENIX!」
「忘れてた? 私だって歌えるんだから! 私の歌を聞けぇ! トライアングラー!」
「自重しようと思ったが、その台詞を聞いたら黙っていられねえ! 俺の歌を聞けえ! 突撃ラブハート!」
「ならば我々も歌わせてもらおう! 行くぞレイ、これが本当のダブルアクション!」
「じゃあ私は旋風○ 舞人か獅○王 凱の物真似でも……」
「うざーい」「やめろ!」「阻止!」
「じゃあ私はセーラー……」
「歳を考えろよ……じゃあ俺は御大将の真似でも」
「全く、あの人達は……」
「ナタルさん、飲みすぎです」
「シン……いない?」
「あれー、おじさまー、シーン?」
「如月千早さんですよね? ファンです、サインを貰いたいんですが、……ジナイーダさんへで、いつも応援してます」
(何だろう、会った事が無いのにすごい親しみを感じる……)
「……私は小さい存在が好きだ(
双海亜美・真美にダッシュ」
「どこに行くつもりかしら? ジノーヴィ?」
「「……ガボガボガボ」」
「溺れてるぜー! メルツェェェェェルッ!」
「スティングと知らないおっさんが溺れてんぞ!」
「何故、何も無いところで溺れる!? 照美!?」
「うっ、寒気が……何か殺気を感じるような?」
(あの人、亜沙先輩に声が似てる……シン君は渡さない)
「殺気など、どこにも無いさ、セレン・ヘイズ、そう私のゴーストが囁くのよ」
「あれ、隊長じゃない?」
「デッドエンドシューート、娘はやらんぞ! シン・アスカ!」
「バスターランチャーシュート! 同上!」
「そこの背後霊、飲みすぎだ! アインソフオウル!」
「頭冷やそうか?」
「!?(ビクッ」
「あははは、引っ掛かったー」
「ガンダァァァァムっ!」
「ふははは、ガンダムだらけとは……ここは正しく楽園か!」
当初シンの
誕生日会を名目に機動六課にておこなわれたパーティは、既に酒が入り、単なる宴会と化していた。
「みんな楽しんでるみたいだな、……なあデス子?」
大勢から離れ、シンは窓際で夜空を眺め、傍らにいるはずのデス子に語りかけた。
「ふぁい? よびばじたか? マスター」
デス子の手には山盛りの料理の載った皿。
「お前はどうしてそんなに食い意地が張ってるんだ」
いつもの事ながら食い意地の張ったデス子にシンは呆れ気味に溜息をつく。
「あんまり気にしない方がいいですよ」
ジョッキに入ったジュースを一気飲みにしてデス子は答える。
「気にするよ、お前は俺の半身みたいなモンなんだからな」
デス子の口の周りについた食べかすを布巾で拭きながらシンは言う。
その姿はどこか嬉しそうだ。
「えへへ、嬉しいです……そういえばマスター覚えてますか」
笑顔を見せたデス子は不安げな表情でシンをみた。
「……当たり前だろ、忘れられるか、今日は」
「「初めて2人が出会って、時空移動をした日」」
「覚えていたんですね」
本当に嬉しそうにデス子は笑った。
「……その話、興味があるなあ」
音も無くはやてが表れシンににじり寄る。
「……どこから現われてるんですか! 全く……」
「私も聞きたいカナ、カナ?」
「シン、お話聞きたいかな」
「聞きたいよ♪」
「シーン、その話聞かせてよー」
「興味が無いとは言えないな」
「シン、そんな話聞いたこと無いわよ」
「私も聞きたいです」
「聞きたいんだな、これが」
はやてを嗜め、辺りを見渡すといつの間にかいつもの面子が集まってきていた。
「分かりましたよ、その代わり、大して面白い話じゃないですからね」
観念したように首を振ると、シンはゆっくりと口を開いた。
「あれは、そう俺がまだCEにいたときの話です」
シン・アスカ誕生日記念企画
(○○はシンの嫁シリーズ第4弾 デス子はシンの嫁)
連合VSザフトFINAL PLUS プラスモード前史
世界を渡るもの
「……うっ、ここは一体?」
気を失っていた俺が目を覚ました場所、そこは辺り一面真っ暗な空間でした。
「俺は確か誕生日をアスランやキラさんと……」
前後の記憶があいまいな俺はひとまず明かりのある所まで歩くことにしたんです。
「何だ? これは女の子?」
そこにあった。いや、いたのは四肢を拘束され、体中に鎖が巻きついた女の子だった。
「どなたか、いらっしゃるのですか?」
俺の気配に気付き、拘束された少女がくぐもった声をあげる。
その顔にはガスマスクに似た拘束具が顔全体を覆う様に付けられ、髪の色すら判断出来ない。
「ああ、君の目の前にいるよ」
俺は彼女を怖がらせないように優しい声で答えた。
「そうでしたか、すみません。 このマスクをとってもらえませんか?」
少女の言葉に頷くと、後頭部にてを回しマスクのフックを外す。
流れる様な黒髪がマスクの中から現われ、エメラルド色の瞳が俺を刺す様に見つめる。
「……やはり貴方でしたか、お待ちしていましたわが主、シン・アスカ」
「何で俺の名前を?」
輝くようなその瞳に射竦められ、見知らぬ少女が自分の名を呼び、主と呼ぶことに対する衝撃に俺はそう答えるのがやっとだった。
「この姿では分かるはずもありませんね」
そう言うと少女の姿が消える。
「えっ、消えた……!?」
慌てた俺の目の前に音も無く、よく知った鋼の巨人がその姿を見せた。
「デスティニー……」
目の前に片膝をついた形で現われたのは、かつて、もう数年前、記憶の片隅、忘却の渦に飲み込まれた筈の物言わぬ戦友。
かつての上官に四肢を奪われ、骸を仇敵に渡さない為に月で自爆させたはずの相棒。
「お分かりいただきましたか? マスター」
デスティニーから聞こえるのはあの少女の声。
「君が、君がデスティニー?」
俺は驚きを隠せず、声が上ずってしまった。
「そうです。 貴方にやって頂きたい事があり、再びお目にかかる機会を頂きました」
「俺に?」
「はいそうです。 マスター、貴方はこの世界に満足していますか?」
「えっ?」
デスティニーの急な問いかけに俺は答えられずに戸惑った。
「この世界は歪んでいます。 憎しみが憎しみを生み、誰もが止める術を持たない世界、英雄が争いを止められない世界」
「かといってこの世界の創造主は歪みを直す気すらない……だから、正す必要があるのです。 この世界を、真の英雄が」
「俺がそうだと?」
「いいえ、貴方は英雄というには余りに未熟、だから成って頂くのです、真の英雄に! そして救っていただきたいのです、全てを!」
「俺が救う? 誰も守れない俺が?……無理だ」
デスティニーに言葉に俺は首を振り、俯く。
俺には無理だ、友も、守ると誓った者も、恩師も居場所も守れず、ただ死ねないから生きているだけの俺には。
「無理でもやって頂きます。 私はその為の力を持ってきたんです……時を遡り、場所を変え、全てを救っていただきます」
「レイもステラもハイネもルナも艦長も議長もゲイルもショーンもヨウランもヴィーノもトダカさんもか!?」
俺はありったけの声で、思い出せるだけの人の名を叫んだ。
「味方だけでは有りません。 敵もアスラン・ザラやキラ・ヤマト、ラクス・クラインに貴方の知らない人たちも全て!」
返ってきたのは予想外の答え。
「 で き る の か ! ? 」
叫ぶ、喉をつぶさんとするような勢いで。
「 そ の 為 に 私 が い ま す ! 」
俺の声を打ち消さんばかりの勢いでデスティニーは答える。
「………………俺は」
「さあ、答えを! 回答をください! マスター!」
「…………それが俺にしか出来ないなら、やってやるさ!」
今考えれば最初から答えは決まっていたのかもしれない。
「その言葉を待っていました……契約完了です。 まずは貴方のお友達から助けに行きましょう」
俺は声は出さず強く頷いた。
「おい、シン。 起きろ、もうすぐ実機試験だぞ」
暗闇の中懐かしい友の声が聞こえる。
「何時まで寝てんのよ、シン」
その隣からは守りたかった人の声。
「ああ、今行くよ。 レイ、ルナ」
ゆっくりと目蓋を開ける。 差し込まれる光が酷く眩しい。
目の前の鏡で自分の姿を確認する。 15歳。 未だアカデミーの制服を着ている自分の姿。
「……先は長いですよ、マスター」
傍らにある妹の形見、ピンク色の携帯から聞こえるデスティニーの声。
「ああ、これからよろしく頼むな相棒」
「はい! こちらこそ!」
桃色の携帯をポケットに押し込み、俺は長い戦いの一歩目を踏み出した。
最終更新:2008年12月07日 09:27