『えいゆうとゆうしゃたち』
絵本。セスタリアには広く知られているほか、そのほかの国でも割とメジャーである。
絵本に準えた予言書であるらしい。
絵本に準えた予言書であるらしい。
上巻
遥か古代、世界を壊した『災厄』が、ある時復活してしまいました。
世界は負の感情であふれ、全ての種族を巻き込んで大戦が起こってしまったのです。
しかしその時、奇跡が起こりました。
空から大地に降り立った銀の髪の英雄が、人々を導く光となり、『災厄』に対抗したのです。
英雄は二振りの剣を携え、3つの魔法を自在に操り、そして何よりも強き心を持っていました。
英雄は世界を廻り、平和をもたらして行きました。最初は魔族。そして人間。そうして、世界のすべて種族に平穏が訪れたのです。
遥か古代、世界を壊した『災厄』が、ある時復活してしまいました。
世界は負の感情であふれ、全ての種族を巻き込んで大戦が起こってしまったのです。
しかしその時、奇跡が起こりました。
空から大地に降り立った銀の髪の英雄が、人々を導く光となり、『災厄』に対抗したのです。
英雄は二振りの剣を携え、3つの魔法を自在に操り、そして何よりも強き心を持っていました。
英雄は世界を廻り、平和をもたらして行きました。最初は魔族。そして人間。そうして、世界のすべて種族に平穏が訪れたのです。
そして最後に、英雄は自らの手で『災厄』を封印しました。
その後英雄は、涙を流しながら、どこへともなく消えて行きました。
その後英雄は、涙を流しながら、どこへともなく消えて行きました。
下巻
そののち、封印されたはずの『災厄』が、再び蘇ってしまいます。
再び世界は騒乱に包まれますが、再び姿を現した英雄の手によって集められた9人の勇者たちによって、『災厄』は倒され、世界に平和が訪れました。
そののち、封印されたはずの『災厄』が、再び蘇ってしまいます。
再び世界は騒乱に包まれますが、再び姿を現した英雄の手によって集められた9人の勇者たちによって、『災厄』は倒され、世界に平和が訪れました。
その後も、『災厄』は力を集め蘇ることがありましたが、彼らの子孫たちによって倒されることとなりました。
「さあ、もう大丈夫。自らの運命を自らで掴んで、歩んで行きなさい、子らよ」
「さあ、もう大丈夫。自らの運命を自らで掴んで、歩んで行きなさい、子らよ」
『さんえいゆう』
広く世界に出回っている絵本。この世界が出来たころを分かりやすく描いている。
神話などではなく事実であることが認知されている。
神話などではなく事実であることが認知されている。
ある時、三人の旅人がいました。
一人はベルファー。もう一人はレイリーフ。最後の一人はクリア。
3人の旅人は、世界を旅していましたが、ある時大変なことを発見してしまいます。
このままでは、世界が壊れてしまうことが分かったのです。
その世界を壊すものを、3人は『災厄』と名付けることにしました。
3人は手を尽くして『災厄』を消滅、破壊する方法を探しましたが、ついに見つかりませんでした。やがて『災厄』は世界を壊してしまいますが、3人の旅人は世界に出来た大きなひび割れを利用して、世界を三つに分けることに成功しました。
ひとつはベラ。魔力を持つものの世界。
ひとつはマドク。魔力を持たないものの世界。
ひとつはリフェイド。運命を司る世界。
3つに分かれた世界を導くために、3人はそれぞれの世界に散らばろうとしました。
しかし、べルファーは言いました。
「魔力を持つ私たちのうち、誰か一人でもマドクに行けば、それは再び歪みを生むだろう」
レイリーフは言いました。
「じゃあ、マドクには僕たちは手を出さないことにしよう。何があっても、見守るだけ」
そうして3人は、ベラとリフェイドに分かれることになったのです。
魔力を持つものの世界となったベラを見渡して、クリアは言いました。
「今まで魔力なんて持ってなかった人間どもがいきなり持つようになっちまったら、あっちこっちで暴走するだろ」
ベルファーはクリアに言いました。
「なら、世界を導ける人々を、私たちの手で作ろう」
3人は、同じ顔で向き合って頷きました。
3人は、それぞれ思うような人々を作ることにしました。
ベルファーは言います。
「では私は、魔力と肉体の力を併せ持つ人々を作ろう。魔力の使い方を理解して、弱い人間たちを助けてあげられるように」
レイリーフは言います。
「じゃあ僕は、体の力は弱いけど、とても強い魔力を持った人たちを作るよ。人間よりも弱いからだでも、ちゃんと魔力を扱えれば生きていけると教えるために」
クリアは言います。
「お前ら色々持たせすぎなんだよ―――」
「だから俺は、何も持ってねえ奴らを作ろう。魔力も属性も無い、肉体の力も別に強くない。けれどそんな奴らでも生きていけるってことを証明するために、傷を受けたことすらなかったことに出来る奴らを作ろう。」
そうして3人から、それぞれ3つの種族が生まれました。
一人はベルファー。もう一人はレイリーフ。最後の一人はクリア。
3人の旅人は、世界を旅していましたが、ある時大変なことを発見してしまいます。
このままでは、世界が壊れてしまうことが分かったのです。
その世界を壊すものを、3人は『災厄』と名付けることにしました。
3人は手を尽くして『災厄』を消滅、破壊する方法を探しましたが、ついに見つかりませんでした。やがて『災厄』は世界を壊してしまいますが、3人の旅人は世界に出来た大きなひび割れを利用して、世界を三つに分けることに成功しました。
ひとつはベラ。魔力を持つものの世界。
ひとつはマドク。魔力を持たないものの世界。
ひとつはリフェイド。運命を司る世界。
3つに分かれた世界を導くために、3人はそれぞれの世界に散らばろうとしました。
しかし、べルファーは言いました。
「魔力を持つ私たちのうち、誰か一人でもマドクに行けば、それは再び歪みを生むだろう」
レイリーフは言いました。
「じゃあ、マドクには僕たちは手を出さないことにしよう。何があっても、見守るだけ」
そうして3人は、ベラとリフェイドに分かれることになったのです。
魔力を持つものの世界となったベラを見渡して、クリアは言いました。
「今まで魔力なんて持ってなかった人間どもがいきなり持つようになっちまったら、あっちこっちで暴走するだろ」
ベルファーはクリアに言いました。
「なら、世界を導ける人々を、私たちの手で作ろう」
3人は、同じ顔で向き合って頷きました。
3人は、それぞれ思うような人々を作ることにしました。
ベルファーは言います。
「では私は、魔力と肉体の力を併せ持つ人々を作ろう。魔力の使い方を理解して、弱い人間たちを助けてあげられるように」
レイリーフは言います。
「じゃあ僕は、体の力は弱いけど、とても強い魔力を持った人たちを作るよ。人間よりも弱いからだでも、ちゃんと魔力を扱えれば生きていけると教えるために」
クリアは言います。
「お前ら色々持たせすぎなんだよ―――」
「だから俺は、何も持ってねえ奴らを作ろう。魔力も属性も無い、肉体の力も別に強くない。けれどそんな奴らでも生きていけるってことを証明するために、傷を受けたことすらなかったことに出来る奴らを作ろう。」
そうして3人から、それぞれ3つの種族が生まれました。
ベルファーとレイリーフ、二人が生み出した種族からはさらに別の種族が生まれました。
ベルファーの生み出した種族からは、頭に角の生えた人々と、頑強な体を持つ洞窟に住まう人々が。
レイリーフの生み出した種族からは、風を唄う美しい人々と、下半身が魚の海の底に住まう人々が。
更に、魔力を得た人間たちから、地下世界に住まい冥界の管理をする人々が生まれました。
けれどクリアの生み出した種族からは、何も生まれませんでした。彼は人々に、何も与えなかったためです。
人々は世界に広く散らばって行きますが、その頃にはベルファーとレイリーフの魔力は尽きようとしていました。二人は人々に物を与え過ぎてしまったのです。
クリアは崩れゆく二人の体を見て、言いました。
「だから言ったんだ、お前ら色々持たせすぎなんだって」
ベルファーは言います。
「けれど、後悔はしていない。これからは、私たちは地の底から世界を見守るとしよう」
レイリーフは言います
「でも、一つだけ心残りがある。僕たちの旅は途中だった」
クリアは言いました。
「じゃあ、俺が死んだら、また3人で旅をしよう」
ベルファーの生み出した種族からは、頭に角の生えた人々と、頑強な体を持つ洞窟に住まう人々が。
レイリーフの生み出した種族からは、風を唄う美しい人々と、下半身が魚の海の底に住まう人々が。
更に、魔力を得た人間たちから、地下世界に住まい冥界の管理をする人々が生まれました。
けれどクリアの生み出した種族からは、何も生まれませんでした。彼は人々に、何も与えなかったためです。
人々は世界に広く散らばって行きますが、その頃にはベルファーとレイリーフの魔力は尽きようとしていました。二人は人々に物を与え過ぎてしまったのです。
クリアは崩れゆく二人の体を見て、言いました。
「だから言ったんだ、お前ら色々持たせすぎなんだって」
ベルファーは言います。
「けれど、後悔はしていない。これからは、私たちは地の底から世界を見守るとしよう」
レイリーフは言います
「でも、一つだけ心残りがある。僕たちの旅は途中だった」
クリアは言いました。
「じゃあ、俺が死んだら、また3人で旅をしよう」
「約束しよう」
「約束ね」
「約束だ」
「約束ね」
「約束だ」
3人は同じ顔で微笑みました。
やがて、ベルファーとレイリーフは消えて行きました。
クリアは言います。
「しょーがねえなあ」
3人の旅人の内、残された一人は、全ての世界を見渡せる場所、リフェイドで留まることにしました。
「しょーがねえなあ」
3人の旅人の内、残された一人は、全ての世界を見渡せる場所、リフェイドで留まることにしました。
やがて、3人の旅人たちは、後の人々に『三英雄』と呼ばれるようになりました