「ゆっ!!ゆっくりかえってきたよ!!」
「おかえりまりさ!!けがはない?」
「だいじょうぶだよ!!それより、あかちゃんは?」
「まだゆっくりしてるよ、はやくいっしょにゆっくりしたいよ!!」
れいむが赤ちゃんを実らせてから一週間ほど
家族が増える事を二人は夢見ていた
「ゆー・・・ゆゆっ?」
「れっ、れいむぅぅ!!あかちゃんがゆっくりめをあけたよぉぉぉ!!」
「ゆゆっ!!いっしょにゆっくりしようねぇぇぇ!!」
新しい家族のために増築した部屋、ふかふかの藁ベット
今二人は幸せの絶頂だった
「「ゆっくりしていってね!!!」」
「ゆっきゅりしていっちぇね!」
ポトリ、茎から離れた赤ちゃんをまりさが頭で受け止める
「ゆ~・・・すごくゆっくりしてるね~」
「きっと、すごくゆっくりしたこにそだつよ~」
産まれた我が子を二人並んででゆっくり眺める
藁のベットの上でまだ柔らかい体をプルプルさせながら巣の中をキョロキョロしている
「ゆっ!!つぎのあかちゃんがおちるよ!!」
「ゆっきゅりしっ!?み゛ゅっ!!」
なんとまりさの頭の上で弾んでしまい顔から地面に突っ伏してしまった
「ゆ゛ぐっ!!ゆ゛ゆ゛っ!!いだいよぉ・・・ゆぐっ!!」
「なかないでね!!ゆっくりがまんしてね!!」
「ゆぐっ!?・・れいみゅ・・・なきゃない!・・・」
「ゆっくりつよいこにそだってね!!!」
産まれた子供はまりさが受け止め奥のベットへ運んでいく
しかし、最後の一匹だけ様子が変だった
「ゆっくr・・ってね」
「まりさぁ、このあかちゃん、ゆっくりしてないよぅ・・・」
「れいむぅ、このこは・・・もしかしたら・・・」
「までぃざぁぁぁ!!」「べいぶぅぅぅ!!」
二人は大声で泣いた
皆一緒にゆっくり出来ると思っていたのに
最後に生まれた赤ちゃんは明らかに栄養失調だった
弱弱しい声、張りの無い肌、虚ろな目
もう先が長くないのが目に見えていた
「きょうはずっとそばにいてあげようね・・・」
「うん・・・いっしょにゆっくりしようね・・・」
赤ちゃんは次の日の朝、ゆっくり動かなくなった
まだ寝ている子供達はこの子の事を知らない
死んでしまった子は姉妹も、親のことも知らない
青い空も、土の匂いも、家族の暖かさも知らない
「ゆっくりおきてね・・・」
「れいむ・・・もう・・・」
「まだねてるだけだよ・・・さっきまで・・・『ゆぅ・・ゆぅ・・』って・・」
「れいむぅ・・」
「きっとすごくゆっくりしてるんだよ・・・だがらっ・・」
「れいむ、もうゆっくりさせてあげよう・・・」
「までぃざぁぁぁ!!まだあったあかいよ!?いぎでるんだよぉぉぉ!!!」
「べいぶぅぅぅ!!そのこはもうゆっくりできないんだよぉぉぉ!!!」
「ごべんねぇぇぇ!!あがじゃぁぁぁん!!ゆぐぅぅぅぅ!!」
二人はその赤ちゃんを小高い丘に埋めてあげた
大きくなったら皆で一緒に来ようと思っていたお気に入りのゆっくりプレイスに
「このあかちゃんのぶんまで、みんなでゆっくりしようね・・・」
「のこったこどもたちはぜったいまもるよ・・・だから・・・・」
「「ゆ゛っぐりねむっでね゛!!!」」
二人は誓った、死んでしまった子はもう戻ってこない
せめてあの子たちはゆっくり育ってほしい、と
「ゆ~、かじぇがきもちいいにぇ~」
「ゆっ!!ゆっ!!ちょうちょしゃ~ん、まっちぇ~!!」
無邪気に遊ぶ我が子
あの笑顔を守りたい
親として、この子に恥ずかしくないように生きていこう
「いこうれいむ・・・」「いこうまりさ・・・」
「またいつかみんなでこようね・・・」
「こどもたちがおおきくなったら、このことはなしてあげようね・・・」
「れいむおかーしゃーん!!おなきゃすいたー!!」
「まりさおとーしゃーん!!あのちょうちょしゃんとっちぇー!!」
「まりさおとーさん、よばれてるよ!」
「れいむおかーさん、こどもたちがまってるよ!」
「「いっしょにゆっくりしようね!!!」」
~おわり~
- ねおぎにるいぜんがぼうがいじぢゃっだよぉぉぉ!!! -- ゆっくり名無し (2009-04-07 08:38:27)
- いいはなしだ~・・・しかし、全滅よりはまだいいね -- 名無しさん (2009-04-07 21:37:20)
- 自然の厳しさと優しさを感じながら子はゆっくりと育っていくんだな・・・ ゆっk -- 草葉の陰のまりしゃ (2009-04-10 03:26:38)
- 土に還ったらきっとお花になってふえてくよ~♪ -- ゆっけのひと (2009-04-11 05:02:06)
- 自然は厳しいからなぁ。 -- 名無しさん (2009-04-29 21:56:51)
最終更新:2009年07月16日 09:45