ゆっくり育児2

『むーちゃ!むーちゃ!ちあわちぇー!』



「ゆっくりたべてね!!いっぱいあるからね!!」



『おかーしゃん!ありがちょー!!』



「れいむ!!いまかえったよ!!」



「まりさ!!おかえり!!」



『おきゃえり!!』



初夏、緑が眩しくなってくるこの季節
春先に産まれた赤ちゃんゆっくり達はゆっくりとした愛情を受けて育ち
大きさは親達と大差ないほどに成長してくる季節になる
未だ舌足らずな言葉とあまり自分で餌を獲れないところ以外は親と同じである



『ぽんぽんいっぱいだからもうねるにぇ!!』



「「ゆっくりねてね!!!」」



「ねえれいむ、そろそろれーむにも狩りの仕方を教えようと思うんだけど」



「そうだねまりさ!!そろそろだいじょうぶだよね!!」



「「じゃあ、あしたからゆっくりおぼえてもらおうね!!!」」



次の日かられーむの特訓が始まった
弱った虫から始まり、最終的には自分で餌を獲れるまで
来るべき夏本番に向けて狩りの練習が始まった



『おかーしゃん!!ぽんぽんすいちゃ!!』



「れーむ、きょうからじぶんでごはんをたべるれんしゅうをするよ!!!」



『ゆ~?にゃにしゅればいいにょ?』



「まずは、このいもむしさんをたべてね!!」



『ゆー!!しょんにゃのかんちゃんだよ!!ゆっくちたべられちぇね!!!』



『むーちゃ!むーちゃ!ちあわちぇー!』



「じゃあ、つぎはこのばったさんだよ!!」



『ゆゆー!!しょんなのじゃしゅぐにおわっちゃうよ!!』



『ゆっくちたべるよ!!むーちゃ!むーちゃ!ちあわ・・・ちぇ?ありぇ?』



『むしさん!!ゆっくちまってね!!れーみゅにたべられてね!!』



『ゆゆっ!?そっちじゃにゃいよ!!こっちにきちぇね!!』



「れーむ、そんなにいそいでたらつかまえられないよ!!」



『ゆゆっ!?そーろ、そ-ろ、ゆっくちにげないでねー』



『おかーしゃん!!ゆっくちつかまえちゃよ!!』



「さすがだよ、れーむ!!きょうはこのくらいにしようね!!」



また、木の実やきのこなどの食べれる植物も教えてゆく



「きょうはおとーさんがおしえるよ!!」



『がんばるにぇ!!おとーしゃん!!』



「まずはきのこさんだよ!!」



『へんにゃかたちだしへんないろだにぇー、たべりぇるにょ?』



「これはたべるとあぶないからだめだよ!!」



『ゆっくちわかったよ!!』



「れーむ!!あのきをみて!!おいしそうなのがあるでしょ!!」



『ゆー!!あれたべちゃい!!でもたかくちぇとどかないよ・・・』



「だいじょうぶだよ!!こうすればっ!!ちょっといだいけどてれるよ!!」



『ゆゆ・・たいあたりにゃんてむりだよ・・・いちゃいよ・・・』



「いたいのはさいしょのうちだけだよ!!ゆっくりはどきょうだよ!!」



『ゆゆ・・・ゆーっ!!・・・・・・・いだいよぉぉぉぉ!!むりだよぉぉぉ!!』



『ゆぅぅぅぅん!!!おがおがいだいよぉぉぉ!!・・・ゆぐっ!!』



『おどーざん!!ゆっくりじでだらあだまのうえにおちちぇきたよ!!ひとりでとれたよ!!』



「すごいよれーむ!!じゃあそろそろおうちにかえろうね!!」




夏、照りつける太陽、蝉の声、親の教育の元、子ゆっくり達は殆どが自分で餌を獲れる様になる
実りの秋を過ぎ、極寒の冬を耐え抜くために夏場の狩は一家総出で行う
このころになると子ゆっくりからも赤ちゃん言葉は抜け、大人達の仲間入りを果たす事になる



「きょうもゆっくりがんばろうね!!」



『れーむもがんばるよ!!』



「れいむはおるすばんしながらおうちをまもるよ!!」



「「『みんなでいっしょにふゆをこえようね!!!』」」




秋、色鮮やかな山々、実り豊かな森、ゆっくり達にとって冬を越せるか越せないのかはこの季節にかかっている
冬場の保存の利く食料、寒さを防ぐための木の葉や入り口をふさぐための枝など
冬の準備のためゆっくりが一番ゆっくりしない季節



『おとーさん、おかーさん、ゆっくりそうどんしたいことがあるよ!!』



「「ゆゆっ?ゆっくりいってね!!」」



『このふゆをぶじにこえたら、れーむはここをでていくよ!!』



「ゆゆっ!!おかーさんはゆるさないよ!!まだはやいよ!!」



「れーむ、どこかにいくあてはあるの?」



『きのこいわのどーくつのまりさといっしょつくったおうちをよういしてあるよ!!』



「こどもふたりですむなんてむりだよ!!ゆっくりかんがえなおしてね!!」



「れーむ、それはじぶんでゆっくりかんがえたけっかなの?」



『ゆっくりかんがえたけっかだよ!!』



「まりさもとめてね!!むりだっていってあげてね!!」



「れいむ、れーむはゆっくりかんがえたんだよ、はなしくらいきいてあげてね!!」



『おかーさん・・・』



「とにかくおかーさんはゆるさないよ!!かってにしてね!!」



『ゆゆっ・・・ごめんなさい』



「れーむ、おかーさんはおとーさんがせっとくするからゆっくりねてね!!」



『わかったよ、ゆっくりおやすみなさい・・・』




「れいむ、おきてる?」



「・・・」



「れいむは、まりさとはじめてあったひのことおぼえてる?」



「・・・」



「あれはあめでおうちにかえれなくなって、どうくつでゆっくりしてるときだったよね?」



「・・・」



「ふたりでほっぺたをくっつけてゆっくりあさをまってたよね?」



「・・・あのときのほっぺたのあったかさはゆっくりおぼえてるよ」



「れいむだってれーむのきもちはわかるはずだよ!!どうしてはんたいするの?」



「れーむはまだこどもなんだよ、まだひとりじゃなにもできないよ・・・」



「れいむ・・・」



「やっとさんにんでゆっくりできるようになったのに、まりさはさみしくないの?」



「まりさもさみしいよ、でもふたりでゆっくりするっていったとき、れいむとまりさのかぞくもおなじきもちだったとおもうよ?」



「おとーさんとおかーさんにはしんぱいかけたよね・・・」



「だから、つぎはまりさとれいむのばんだよ!!」



「すこし・・・ひとりでゆっくりさせてね」



「れいむ・・・ゆっくりしていってね」




『おとーさん、おかーさんまだおこってるかなぁ』



「ゆー・・・だいじょうぶだよ!!きょうもゆっくりかりに「ゆっくりまってね!!」



『おかーさん・・・』



「きょうからひとりでもゆっくりできるほうほうをおしえるよ!!」



「れいむ?なにいってるの?」



「はるになったらふたりでゆっくりするんでしょう?おかーさんのちえをぜんぶおしえるよ!!」



『おかーさん!ありがとう!!』



「れいむ、さんせいしてくれるの?」



「れーむがゆっくりきめたなら、ゆっくりおーえんするのがおやの”ぎむ”だよ!!だから・・・」



「「ゆっくりがんばってね!!!」」



『ゆっくりがんばるよ!!!』




春の淡い陽気に思いをはせて三匹は巣の入り口を閉じた




~おわり~


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年04月06日 21:19