「あのー、咲夜さん・・・これ・・・」
「あら? どうしたの?って、これは!?」
「屋敷中に転がってるんですよ・・・どうしたものかと思いまして」
「すぐに手が空いているメイドたちを集めなさい」
「はいっ!! わかりました!!」
あるメイドが偶然見つけた物、それによって騒然となる紅魔館
そう、それは本来ここにあるべきではないものだった
別勢力からの刺客? 内部のものの陰謀?
様々な思案をめぐらせていた咲夜のもとにパチュリーがやってきた
「咲夜、れみ嬢を見なかった?」
「いえ、それよりこれを・・・」
「ああ、やっぱり。そのことで、れみ嬢を探してるのよ・・・」
話が飲み込めない咲夜
なぜこんなものをれみりゃが持っているのだろうか
「咲夜さーん、パチュリー様ー どこですかー?」
「美鈴? こんな時に・・・ 本当に騒がしいわね・・・」
「とりあえず行ってみましょ」
そこには美鈴とある物をもったれみりゃが
「うー☆ おにはーそとー☆、ふくはーうちー☆」
「あの・・パチュリー様? れみりゃ嬢はなにを?」
不恰好な鬼のお面を被った美鈴に抱えられごきげんのれみりゃ
しかもれみりゃが持っているのは館の主人すら恐れる『炒った豆』
「今日は外の世界で『節分』という行事の日なのよ」
突然のパチュリーの言葉にかしげる一同
無理も無い。これはパチュリーとれみりゃが企画したイベントなのである
説明する事数刻、漸く自体が飲み込めた咲夜が口を開く
「しかし、なんで炒った豆を使ったんですか?」
「『豆が厄を引き受けるので、蒔いても芽が出ないように』って書いてあったからよ」
「そうなんですか・・・れみりゃ嬢がいきなり豆をぶつけてきたので何事かと思いましたよ」
「うー☆ うー☆ つぎはしゃくやがおにのばんだどぉ♪」
「パチュリー様・・・こんな格好悪い鬼の面をつけるんですか?」
「あら、折角れみ嬢と二人で作ったのにね~」
「しゃくやかっこいいどぉ~♪ かりすまだどぉ~♪」
「ま、まぁそういうことなら・・・仕方が無いですね・・・」
「咲夜さん、とっても似合ってますよ♪・・・・いたっ!! 痛いです!! ぶつけないでください!!」
「まったく・・・誰もいないと思ったら・・・あんなにはしゃいじゃって」
「おねーさまー、私も一緒に遊びたいよ~」
「それは無理よ、でもここから眺めてるのも悪くないでしょう?」
「ぶ~、でも咲夜もみんなも楽しそうだね♪」
吸血鬼の住む館、紅魔館
今日もまったり時は流れる
最終更新:2009年04月06日 21:33