熊おじさんのゆっくり

I県にUFOが墜落したがその乗組員はなんとゆっくりだったとの目撃情報を得た
そのゆっくりは丸耳のネズミのようなシルエットをしていたという
墜落現場は熊雄持参という男性が管理する山の中との事だ
葉加瀬博士は早速愛車をかっ飛ばした
「熊雄氏は気難しい男のようじゃが。これは行ってみるしかあるまい」
助手席に座っているのは助手のジョシュ君だ
「グリズリーのような大男で、通称熊おじさんとよばれているそうデスね」
「笑ったところを誰も見たことが無いらしいの。ま、あたって砕けろじゃ」
「しかしネズミのゆっくりデスか・・・お隣の夢の国から脱走したアレを目撃したのでは?」
「ばばば馬鹿な事言っちゃいかんよジョシュ君!滅多な事いうと訴訟されたあげくゆっくりの各種権利を丸ごとガッポリ持って行かれるぞ!」
「HAHAHA!」
「いやいや笑い事じゃないのよ!?」

「そこを右デース」
「しかしあれじゃな、ユーフォーはゆっくりの乗り物ではないかと前々から思っておったぞい
ユーフォーは正式名がアンノウンなんたらというそうだがそれはA国の情報操作による表向きの発表で、
ユーフォーのユーはゆっくりのゆーというのが真実じゃないかとわしゃ睨んどるんだ」
「YUKKURIならYFOになるはずデスが?」
「・・・そうともユー」
目的地へは静かにたどり着いた

「帰ってくれ」

「開口一番にこれだよw」
「ほんとデスネw」
猟銃を鼻先に突きつけられてコンビは手を上げた。そう言えば猟師だと聞いていた
ログハウスの壁に鹿や何かの獣の首の剥製が並んで生えているのが玄関越しで見える
猟師は仕留めた獣に負けず劣らず髭もじゃで毛むくじゃらでジャイアントだった
「私たちはUFOに乗ったゆっくりの現場を見に来ただけなのデス。怪しいものじゃありまセーン」
「そうなのじゃ。それに少しお話を聞きたくての。なんならゆっくりの事でお困りの事とかあれば相談に乗ってもよいぞ」
無言で銃をぶっ放す
背後で木の枝が落ちた
「何も困っていない。帰ってくれ」
「こりゃかなわん!」
「退散デース!」

珍妙な2人組が慌てて逃走したのを見計らい熊雄は壁に声をかけた
「もう出て来ていいぞ」
壁の剥製が揺れてゆっくりが飛び出した
男やもめの小屋にそれ以上の身を隠す場所は無かった
「意外と分からないものだな」
「おなじなまくびでチュー」
ネズミのゆっくりは笑ったがすぐにしょげる
「やはりごめいわくでチュー。このまえもブンヤがおしかけてきたでチュー」
「・・・気にするな。今までが静か過ぎただけだ」
熊雄は椅子を引き寄せゆっくりに話を促した
「それよりもお前の話の続きを聞かせてくれ。俺の知らない宇宙の話を」
「ゆ!ではゆっくりきいてね!でチュー!」

大きなイノシシを仕留めた
I県にイノシシがいるかどうかは知らないが、もしいなければ紛れ込んできたんでしょ
とにかく今日はイノシシ鍋だ
「ゆっくりおかえりなさいでチュー!」
ゆっくりが出迎える光景は熊雄の日常の一部になっていた
「ああ。変な奴は来なかったか?」
「あのふたりのあとはゆっくりこなくなったでチュー」
「そうか」
ゆっくりが目撃されて以来にわかに騒がしくなった山は再び静けさを取り戻していた
「そういえば、お前の乗りものの修理はどんな調子だ?」
「ゆ、ゆっくりぜっさんなおしているさいチューでチュが、だ、だいぶじかんがかかりそうでチュ」
尋ねられてネズミのシルエットがビクリと震えた
「それは本当か」
「ゆ!?べ、べつにつくるのをわざとおくらせてるわけじゃ・・・」
「・・・長居されるなら、お前用の部屋をつくってやらにゃいかんな」
「ゆ!?」
「ゆっくりいるんだろう?」
そう言って口を歪めた
「・・・あれが出来たら追い出されると思ったか?」
「くまおじさんってば、ゆっくりおどろかさないでほしいでチュー」
ゆっくり体当たりするが猟師はびくともしない
熊おじさんとゆっくりは楽しそうに笑った

「ふむ、いい顔をしよるわい。何が誰も笑う所を見たことが無いじゃ
ゆっくりには陰気な人間を陽気にさせる力、つまりゆっくりさせる力があるのではないかと常々わしは考えておった
その証明を確認できたわけじゃから、直接逢えずとも来て正解だったのじゃよ。わかるかねジョシュ君」
「覗きは犯罪だという事はわかりマース」
「やめて通報しないでいますぐ下りますから」
「HAHAHA!」
葉加瀬がログハウスの見える木の上から慌てて下りてくる
手には双眼鏡。この犯罪者!
「犯罪者じゃないもん。博士だもん」
「シカーシ、なんであんな事をしたんデスカ?」
「ふむ。ああ言った手前、何もせん訳にはいかんだろうて」
「何かいいましたっケ?この犯罪者」
「犯罪者じゃないもん!ゆっくりの事で困ったら相談に乗っちゃるって言ったんだもん!」
「HAHAHA!」
熊おじさんとゆっくりは新聞や週刊誌なんか読まないから
2人組が山中で見つけた某ネズミ国の風船がゆっくりの正体だった話、知りはしないのだ

「それにしてもお前、何かに似てるな」
「ばばばばかなこといわないでね!めったなこというとそしょーされたあげくゆっくりのかくしゅけんえきをどさくさまぎれにもってかれるでチュー!」
「・・・自覚はあるのか」

  • どこ行ってもナズリンのネタはコレかよwww -- 名無しさん (2009-04-10 02:36:59)
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最終更新:2009年04月10日 02:36