ゆっくりと鯛焼きどろぼう

「じけんはかいぎしつでおきてるんじゃない!げんばでおきてるんだよ!」
テーブルの上でゆっくり霊夢は啖呵を切った
傍らの皿には温もりが残っている
つい先ほどまで鯛焼きがあったのだ
ほかほかでふわふわでほくほくの鯛焼き・・・

 盗 ま れ た

「ゆ・・・ゆるぜん・・・!」
怒りがふつふつ滾る
「む?なんの騒ぎじゃ?」
「鯛焼きが盗まれたそうデース」
「それは物騒ですね」
容疑者はこの部屋にいる3人
ゆっくり霊夢の、孤独な取調べが始まった

容疑者1:珍妙な研究者
「え?わし容疑者なの?」
こいつは葉加瀬博士。今いる研究所の所長でもある自称ゆっくり研究の権威だ
「自称じゃないもん!本当に権威がある設定だったんだもん!」
「そんなのどうでもいいよ!ここのせきゅりてぃについておしえてね!」
「うう、そんなのって・・・せきゅりちー?それってゆっくりできる?」
「だみだこりゃ」

容疑者2:優しいガイジン
「ガイジンさん!ゆっくりおはなしきかせてね!」
研究所で助手をしているジョシュ君
何が優しいかって鯛焼きを買ってきたのはこの人なのだ
「オーユックリサン何が聞きたいのデスか?私のアリバイですカ?」
「アリババなんてきょーみないよ!れいむがききたいのはたいやきをかったばしょについてだよ!」
「買った場所?I駅のデパ地下デース」
「めもめも」

容疑者3:普通のサラリーマン
「普通のサラリーマンですが何か?」
最後は銀縁めがねにダークカラーのパリッとしたスーツを着こなす極普通のサラリーマンだ
「ふつーすぎてなにもきくことがないよ!ゆっくりしていってね!」
「・・・」

3人を取り調べ終わるとゆっくり霊夢は重々しく口を開いた
「・・・じけんのしんそうがわかったよ・・・」
「本当かね霊夢君!」
「ゆん。ことのはじまりは、たいやきだったんだよ・・・!」

ここからはモノローグでゆっくり話すよ!
パソコン・・・
デスクワーク・・・
課長の陰気な顔・・・
コンクリートジャングルでストレスに揉みくちゃにされた現代人は無意識に緑を追い求めるようになるんだよ!
今日も眼精疲労しきっていた犯人は偶然にもこの研究所の前を通りかかり、れいむの鯛焼きをみてしまった!
I駅でジョシュ君が買った鯛焼き・・・それは季節限定の桜餡バージョンだったんだよ!
ピンク色の餡に抹茶の生地でふわふわのほくほくだよ!
この抹茶の生地が最大のポイントであり、悲劇の始まりだったんだよ!

「抹茶・・・つまり緑ですネ!」
「ざっつらいとだよ!はんにんはたいやきのかもすエメラルドのかがやきに、あはれにもひきよせられてしまったんだよ!」
「犯人は誰なんじゃ!」

「はんにんは・・・そこのにんげんさんだよ!」
ゆっくり霊夢はサラリーマンを示した
「まあバリバリ怪しいですヨネ!」
「というよりこの人誰じゃ?」
「せきゅりてぃのあまあまをついたてぎわはあっぱれだよ!でもあいてがわるかったね!」
「ふふふ・・・」
サラリーマン風のサラリーマンは眼鏡をずり上げて笑った
「たいやきさんをゆっくりだしてね!もしたいやきさんをたべちゃったら、つつみがみがのこっているはずだよ!」
「おとなしく観念するのぢゃ」
「流石は音に聞くゆっくり霊夢・・・だが私は自供したりしないぞ!」

「ビシッ!黙秘権を発動する!」

「不味いぞ霊夢君!ここで黙秘で時間稼ぎされたら、鯛焼きが冷めてしまうぞい!」
ほかほかでふわふわでほくほくの鯛焼き・・・
その温もりが今にも奪われようとしている・・・
「ゆ・・・ゆるぜない・・・!」
怒りが再び滾り始め、ゆっくり霊夢の体が膨らんだ
そのサイズは大人1人のサイズをゆうに圧倒する
「にんげんさんゆっくりはいてね!はかないと・・・」

        _人人人人人人人人人人人_
        >  増えちゃうぞ!!!  <
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 i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |   i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
 レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||   レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
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「なぬ!?」
そうしてゆっくり霊夢はそいつの体を両側から挟み・・・

「いや助かったよゆっくりくん!」
数分後
ゆっくりの体による全身マッサージで明らかに顔色の良くなった男がそこにいた
あれ程悩んでいた眼精疲労もばっちりだ
「ゆっくりしてよかったね!」
ちなみにゆっくり霊夢はいつのまにか元に戻っている
「これはどういうことデスか?」
「つまりこの人は目の疲れを癒すために盗っていたわけなのじゃから、その悩みを解消するためにマッサージしたんじゃろ。羨ましいのう」

「どろぼうははんざいだよ!ゆっくりはんせいしてね!」
「はい。そうそうこれは不要になったのでお返しします」

「と、いうわけじゃ」
「なるほど」
サラリーマン風のサラリーマンは懐から取り出した2つの鯛焼きをゆっくり霊夢の口に入れた
「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」
「では失礼します」
ゆっくりは満腹し、サラリーマンは満足そうに帰っていった
「ワレワレも仕事にもどりまショウ」
「うむ。・・・あれ?いま鯛焼き2つなかった?」
博士は首をひねった

「そ、そういえばわし食ってないぞ・・・ゆ・・・ゆるぜん・・・!」
「はいはい」

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最終更新:2009年04月18日 09:17