「うっう~☆よろしくなんだど~♪」
……今日、れみりゃが入社してからというもの、我が社はてんやわんやの大騒ぎであった。
霊夢はともかく、帰ってきた魔理沙が噛まれるわ、
起きた子ゆっくり達がれみりゃを見た途端に泣き叫び、蜘蛛の子を散らす様に逃げてしまうわ、ソレを見たれみりゃがまた
「ぎゃお~!たぁ~べちゃうぞ~♪」
と狩猟本能を剥き出しにするわで、一時的とはいえ、我が社は未曾有のカタストロフを経験する事となった。
事態が収束に向かう頃、社内はひっくり返したようにぐしゃぐしゃになってしまっていた。
そして片付けを終える頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。
ゆっくり達は霊夢を除き、寄り添って白目をむいて気絶している。
捕食種に遭遇した恐怖は相当なものだったのだろう。
しかし、気絶するほどの恐怖の中、魔理沙は子供達に覆いかぶさり守るようにして果てている。
「ま……まりさのかぞくにさわるんじゃないぜぇ~……。」
と、うわ言まで繰り返している。
その光景に私は、魔理沙の父親としての「覚悟」を垣間見た気がした。
だが、れみりゃに遭遇し、尚且つ噛まれながら、平然とれみりゃに接している霊夢も相当なものだ……
「しゃちょう!なにじろじろみてるの!もしかしてれいむのみりょくにみせられちゃったの?」
例の蔑むような眼で霊夢が嘲笑する。
「フフ…いや、すまない、つい見とれてしまっていた。君がこれほどに強い女性だったのか、とね」
「ゆぇ?!………べつにみててもいいけどほどほどにしてね!はやくおかたづけてつだってね!!」
予想外の答えが返ってきて驚いたのか、霊夢は沸騰したヤカンの様に真っ赤になってしまった。
「あぁ、すまない。」
フフフ…可愛い奴め…
さて、今日、彼等にれみりゃを紹介するのは難しそうだ。
あれこれ考えているとれみりゃが、
「まえの「おうち」からおにもつをとってくるんだど~♪」
と言い出した。
れみりゃは社員寮(我が家)に引っ越す為に荷物を整理したいそうだ。
以前勤めていた場所も社宅制だった様で、恐らくあちらでも似たシステムだったのだろう。
「おぉ、れみりゃ君は以前も社宅制だったのか!」
「う…う~!そうだど~♪」
「む?どうしたんだれみりゃ君?」
今、れみりゃが表した表情は明らかな「動揺」、そしてそれを私は見逃さなかった。
「う……う~☆なんでもないんだど~♪」
何故かれみりゃは多くを語ろうとしなかった。
なにかが心の奥に引っかかる、が…
無理に詮索する事もないだろう…疲れもある、今日は切り上げて、れみりゃ君には一旦自宅に戻ってもらう事にした。
「そうか、ならいいのだが、まぁ、初日で緊張もしているだろう。社員への紹介は明日にするとしよう!今日はゆっくり休むといい。」
「ありがとなんだど~☆じゃあ、またあしたなんだど~!!」
「ゆっくりやすんできてね!!」
そして夜が明けた。
「…諸君!ゆっくりしていってね!!」
「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっくりしていくんだぜ!!」
「うっう~☆ゆっくりするどぉ~♪」
「ゆっきゅりしちぇってね!!」
我が社恒例の挨拶から一日が始まる。
む?初めて聞くだって?………そんな小さい事を気にしてはいけない!!決してッ!
TIME IS MONEY !! 時間と事柄は連動して常に移り変わるのだッッ!
…………………………………
「なんでれみりゃがいるんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「ゆっきゅりぃぃぃぃぃ!!」
「うっう~☆」
まぁ、普通はそうだろう。
一先ず皆に紹介する事にした。
「皆!今日から君達と共に働く事になったれみりゃ君だ!!」
「ゆがぁぁぁん!!しゃちょう!どういうことなんだぜ~!!」
「ゆぎゃあぁあぁぁ!!おとーしゃんこわいよぉ~!!」
未曾有のカタストロフ再びか!と思われたその時。
「このれみりゃはゆっくりできるよ!!」
騒乱を鎮めたのは霊夢だった。
「このれみりゃはみんなとゆっくりしたいんだよ!」
「う~♪ゆっくりするど~☆」
霊夢が胸(顎)を張る。
魔理沙はまだ不安そうに霊夢に問う。
「そうなの?れいむ。」
「そうだよ!」
「ゆ…ゆっくりしていくんだぜ……」
「「ゆっきゅりしちぇいってね…」」
恐る恐るゆっくり特有の挨拶を掛ける魔理沙と子供達。
「うっう~!ゆっくりしていくんだど~♪」
最高の笑顔でかえすれみりゃ。
その笑顔に安心したのか、魔理沙たちの表情が明るくなる。
「ゆ!ゆっくりしていくぜ!!」
「「ゆっきゅりしちぇいってね!!!」」
れみりゃ達はすっかり意気投合してしまった。
この順応性の早さもさることながら、真に驚くべきは霊夢の統率力である。
あの時は宥める為にエリートと言う言葉を使ったが、案外、この会社のエリートは彼女といって過言ではないのかもしれない。
「しゃちょうもしっかりしてよね!!」
「ハハ、全くもって面目無い…」
私もうかうかしていられない。
私は以前とは違う……
不毛なだけの日々ではない。
守るべき者達が居るのだから……
「ぎゃおぉ~!た~べちゃうぞ~♪」
「しゃちょおおぉぉぉぉ!!」
全く、人が格好良く締めようとしているというのに……
「こらぁー!!れみりゃ君いいかげんにしなさい!」
「うっう~ほんのじょうだんだど~☆」
「こっちはしゃれにならないぜぇ~…」
「ゆゆゆ!まりさもいがいとしょうしんものね!」
「どぼじでぞんなぼどいうのぉぉぉぉぉ!!」
全く、守っていけるのだろうか、彼等を……
否、私は守らなければいけない。彼等を、この「
ゆっくり運送」を。
後編へ続く………んですかねぇ…?w
[おまけに限りなく近いなにか]
「魔理沙君!」
「ゆ!?こんかいはちゃんとかんぺきだとおもったのにぃ!!」
「いや、おやつ奮発の話だったんだが……」
「……………………やっちゃったZE☆」
「GET!!LADY!TO DIE!!」
「ゆぎゃぁぁぁぁ!!」
「AEGIS! REFLECTOR!!(エイジス・リフレクター)」
「やべでぇぇぇぇ!!しーるどではさまないでぇぇぇぇ!!」
「DIE!!DIE!!DIE!DIE!!」
「ごべんなざぁぁぁぁい!!」
※多少マニアックなネタかもしれません、ご了承下さい。
……今日も明日も明後日も!ゆっくり運送は賑やかです。
ゆっくり好きな新参者
- 社っ長さんはもうストリートファイトでマネー稼いじゃえYO。 -- 名無しさん (2009-04-20 22:01:22)
- ちょwおまけwユリアン閣下何してはるんですかwww -- 名無しさん (2009-04-20 22:20:20)
- エイジスハメとかマジ鬼畜 -- 名無しさん (2009-04-21 02:30:28)
最終更新:2009年04月21日 02:30