ゆっくり運送2 ー中編ー

「うっう~☆よろしくなんだど~♪」




……今日、れみりゃが入社してからというもの、我が社はてんやわんやの大騒ぎであった。
霊夢はともかく、帰ってきた魔理沙が噛まれるわ、
起きた子ゆっくり達がれみりゃを見た途端に泣き叫び、蜘蛛の子を散らす様に逃げてしまうわ、ソレを見たれみりゃがまた

「ぎゃお~!たぁ~べちゃうぞ~♪」


と狩猟本能を剥き出しにするわで、一時的とはいえ、我が社は未曾有のカタストロフを経験する事となった。
事態が収束に向かう頃、社内はひっくり返したようにぐしゃぐしゃになってしまっていた。
そして片付けを終える頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。

ゆっくり達は霊夢を除き、寄り添って白目をむいて気絶している。
捕食種に遭遇した恐怖は相当なものだったのだろう。
しかし、気絶するほどの恐怖の中、魔理沙は子供達に覆いかぶさり守るようにして果てている。

「ま……まりさのかぞくにさわるんじゃないぜぇ~……。」

と、うわ言まで繰り返している。
その光景に私は、魔理沙の父親としての「覚悟」を垣間見た気がした。
だが、れみりゃに遭遇し、尚且つ噛まれながら、平然とれみりゃに接している霊夢も相当なものだ……

「しゃちょう!なにじろじろみてるの!もしかしてれいむのみりょくにみせられちゃったの?」

例の蔑むような眼で霊夢が嘲笑する。

「フフ…いや、すまない、つい見とれてしまっていた。君がこれほどに強い女性だったのか、とね」

「ゆぇ?!………べつにみててもいいけどほどほどにしてね!はやくおかたづけてつだってね!!」

予想外の答えが返ってきて驚いたのか、霊夢は沸騰したヤカンの様に真っ赤になってしまった。

「あぁ、すまない。」

フフフ…可愛い奴め…

さて、今日、彼等にれみりゃを紹介するのは難しそうだ。
あれこれ考えているとれみりゃが、

「まえの「おうち」からおにもつをとってくるんだど~♪」

と言い出した。
れみりゃは社員寮(我が家)に引っ越す為に荷物を整理したいそうだ。
以前勤めていた場所も社宅制だった様で、恐らくあちらでも似たシステムだったのだろう。

「おぉ、れみりゃ君は以前も社宅制だったのか!」

「う…う~!そうだど~♪」

「む?どうしたんだれみりゃ君?」

今、れみりゃが表した表情は明らかな「動揺」、そしてそれを私は見逃さなかった。

「う……う~☆なんでもないんだど~♪」

何故かれみりゃは多くを語ろうとしなかった。
なにかが心の奥に引っかかる、が…
無理に詮索する事もないだろう…疲れもある、今日は切り上げて、れみりゃ君には一旦自宅に戻ってもらう事にした。

「そうか、ならいいのだが、まぁ、初日で緊張もしているだろう。社員への紹介は明日にするとしよう!今日はゆっくり休むといい。」

「ありがとなんだど~☆じゃあ、またあしたなんだど~!!」

「ゆっくりやすんできてね!!」
















そして夜が明けた。




「…諸君!ゆっくりしていってね!!」

「ゆっくりしていってね!!」

「ゆっくりしていくんだぜ!!」

「うっう~☆ゆっくりするどぉ~♪」

「ゆっきゅりしちぇってね!!」


我が社恒例の挨拶から一日が始まる。










む?初めて聞くだって?………そんな小さい事を気にしてはいけない!!決してッ!
TIME IS MONEY !! 時間と事柄は連動して常に移り変わるのだッッ!







…………………………………







「なんでれみりゃがいるんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「ゆっきゅりぃぃぃぃぃ!!」

「うっう~☆」




まぁ、普通はそうだろう。
一先ず皆に紹介する事にした。

「皆!今日から君達と共に働く事になったれみりゃ君だ!!」

「ゆがぁぁぁん!!しゃちょう!どういうことなんだぜ~!!」

「ゆぎゃあぁあぁぁ!!おとーしゃんこわいよぉ~!!」

未曾有のカタストロフ再びか!と思われたその時。

「このれみりゃはゆっくりできるよ!!」

騒乱を鎮めたのは霊夢だった。

「このれみりゃはみんなとゆっくりしたいんだよ!」

「う~♪ゆっくりするど~☆」

霊夢が胸(顎)を張る。
魔理沙はまだ不安そうに霊夢に問う。

「そうなの?れいむ。」

「そうだよ!」

「ゆ…ゆっくりしていくんだぜ……」

「「ゆっきゅりしちぇいってね…」」

恐る恐るゆっくり特有の挨拶を掛ける魔理沙と子供達。

「うっう~!ゆっくりしていくんだど~♪」

最高の笑顔でかえすれみりゃ。
その笑顔に安心したのか、魔理沙たちの表情が明るくなる。

「ゆ!ゆっくりしていくぜ!!」

「「ゆっきゅりしちぇいってね!!!」」

れみりゃ達はすっかり意気投合してしまった。
この順応性の早さもさることながら、真に驚くべきは霊夢の統率力である。
あの時は宥める為にエリートと言う言葉を使ったが、案外、この会社のエリートは彼女といって過言ではないのかもしれない。

「しゃちょうもしっかりしてよね!!」

「ハハ、全くもって面目無い…」

私もうかうかしていられない。
私は以前とは違う……
不毛なだけの日々ではない。











守るべき者達が居るのだから……












「ぎゃおぉ~!た~べちゃうぞ~♪」

「しゃちょおおぉぉぉぉ!!」



全く、人が格好良く締めようとしているというのに……

「こらぁー!!れみりゃ君いいかげんにしなさい!」

「うっう~ほんのじょうだんだど~☆」

「こっちはしゃれにならないぜぇ~…」

「ゆゆゆ!まりさもいがいとしょうしんものね!」

「どぼじでぞんなぼどいうのぉぉぉぉぉ!!」

全く、守っていけるのだろうか、彼等を……





否、私は守らなければいけない。彼等を、この「ゆっくり運送」を。







後編へ続く………んですかねぇ…?w






[おまけに限りなく近いなにか]



「魔理沙君!」

「ゆ!?こんかいはちゃんとかんぺきだとおもったのにぃ!!」

「いや、おやつ奮発の話だったんだが……」









「……………………やっちゃったZE☆」





「GET!!LADY!TO DIE!!」

「ゆぎゃぁぁぁぁ!!」

「AEGIS! REFLECTOR!!(エイジス・リフレクター)」

「やべでぇぇぇぇ!!しーるどではさまないでぇぇぇぇ!!」

「DIE!!DIE!!DIE!DIE!!」

「ごべんなざぁぁぁぁい!!」




※多少マニアックなネタかもしれません、ご了承下さい。

……今日も明日も明後日も!ゆっくり運送は賑やかです。



ゆっくり好きな新参者




  • 社っ長さんはもうストリートファイトでマネー稼いじゃえYO。 -- 名無しさん (2009-04-20 22:01:22)
  • ちょwおまけwユリアン閣下何してはるんですかwww -- 名無しさん (2009-04-20 22:20:20)
  • エイジスハメとかマジ鬼畜 -- 名無しさん (2009-04-21 02:30:28)
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最終更新:2009年04月21日 02:30