「何・・・コレ」
私、八坂 神奈子は困惑していた。早苗の書いた『どうじんし』という本を読んだためである。
いやまったくわけがわからない。何コレしか言えない。どういうセンスしてるの早苗?
思わず口から出てしまったので、早苗が留守にしていて助かった。
それに聖天使サナエルって何よ?
「何コレはないでしょ、カナちゃん。せっかく早苗が頑張って書いた作品を。」
隣から友人(友神?)の洩矢諏訪子がちゃちゃを入れる。いや、確かにそれはそうだけどさぁ。
「私だって早苗の頑張りにとやかく言うつもりはないわよ。ただ・・・・ただねぇ・・・ちょっと
妄想がすぎるっていうか・・・中二病っていうんだっけこれ?漫画の読みすぎ?」
まぁ、以前はケータイ小説を書いていたくらいだからなぁ早苗。
そういえばジャンプだっけ。あの漫画雑誌。あれも好きだったからなぁ。
でも極端から極端に走りすぎだろあの子。
「とってもおもしろかったよ!かなちゃん!もういっかいみせてよ!」
隣では早苗の飼っているゆっくりれいむがせがんでくる。変わったセンスしてるよあんた。
早苗の本をおもしろかったと言われて悪い気はしないが、
いくらなんでも仮にも神様相手にフランクすぎはしないかこいつ。
「いつも言ってるだろうに、神様にかなちゃんはないだろうよこの饅頭。いけにえにしたろか。」
そんな私のゆっくりへの反応を見て諏訪子がニヤリと笑う。こいつ絶対に私の事をからかいに来る。そういった顔だ。
「ムキになっちゃいけないよ。ね、か~なちゃん。」
ほら来た。いいわよ。やり返してやるから
「すーちゃんすーちゃんすーちゃんすーちゃん。いいか饅頭。こいつはすーちゃん。すーちゃんって呼ぶんだぞ。」
諏訪子め、どうだ。おまえも饅頭に愛称で呼ばれる気持ちを味わうがいい。
「ゆ?すーちゃん?」
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「いいよー、私のことはこれからすーちゃんって呼びな。私はこの心の狭い神様と違って心が広いから。」
そうきたか!そうだ、こいつあまり細かいこと気にしないんだった。
「すーちゃん!」
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ゆっくりはなぜかうれしそうだ。
諏訪子め・・・このええかっこしぃめが。
「諏訪子。あんた私に負けたくせに・・・・・・・。またシメるわよ」
諏訪子の眉間に皺が寄る。あ、やっぱり昔私に負けたことは気にしてんだ。こればっかりは別だよねぇ。
「へぇ、調子乗ってんじゃないのカナちゃん・・・・。いいよ、弾幕ごっこじゃなくて、久々に普通の喧嘩でもしようか・・・・・」
「上等!荒ぶる神の力を見せてあげるよ!」
「ゆっくりしてよ!けんかはだめだよ!なかよくゆっくりしようよ!」
ゆっくりが慌てて私と諏訪子の間に割って入る。かまうもんか。ゆっくりをどけて諏訪子に飛び掛ろうとしたそのとき
「ただいまー。あれ、どうかしたのですか?」
早苗が帰ってきた。そそくさと何事もなかったように振舞う私と諏訪子。
喧嘩しそうになったことに対する早苗のお説教を受けないようにするためだ。
ゆっくりだけがうろうろと状況を理解できず戸惑っている。
「何かあったの?ゆっくり?」
ゆっくりの様子を見て早苗が話しかけた。
「あのね、かなちゃんとすーちゃんがね、」
ゆっくりめ、早苗に私と諏訪子が喧嘩しそうになったことをいうつもりか。本当に空気読めないなこいつ。
「何でもないよ。ね、ゆっくり、神奈子。ちょっと遊んでただけだよね。」
素早く機転を利かせてくる諏訪子。こういうときはこいつの小賢しさがありがたい。
「そうそう。ね、ゆっくり、諏訪子。私達仲良しだから。」
よし。うまくあわせることが出来た。
「ゆ?」
ま~た頭に疑問符をのせている。まぁ、無事ごまかせたからいいか。
「そういえば早苗・・・・。この本どうしたの?」
話題をそらそうとして、思わず聞いてしまった。だってしょうがないよ。どうしても気になったし。
「ああコレですか。今度のお盆にゆっくりについての本が多く出るというので、私も少し挑戦してみようかなと。
にとりさんや、椛ちゃんが手伝ってくれました。そうそう、射命丸さんもいろいろアイデアを出してくれたんですよ。」
あぁなるほど。だからこんなアレな話になったわけか。
制作風景がありありと浮かぶよ。にとりちゃんは悪乗りしやすいし、射命丸は言うまでもない。
間に入った椛ちゃんの苦労が想像できるねぇ。
「この聖天使サナエルっていうのは・・・」
「私のペンネームです。かっこいいでしょう!」
・・・頭痛くなってきた。
そんな時早苗に向かってゆっくりが擦り寄っていった。
「さなえすごいよ!さいこうにゆっくりできるよ!もっとゆっくりみたいよ!」
「本当!ありがとうゆっくり!」
ゆっくりは馬鹿だからお世辞を言えない。だからゆっくりは早苗に正直な感想を言う。
そういうところがこいつは早苗に好かれてんのかもしれないな。
「じゃあこれから一緒に読もうね。ゆっくり、ちょっと待ってて。」
「うん♪ゆっくりしてるね!」
早苗はゆっくりを抱え込むと縁側を目指す。
「ま、早苗が幸せそうならいっか。だよね。」
諏訪子がそう同意を求めてくる。私はうなづく。
やれやれ、あんなに嬉しそうにしている早苗を見ると、こんな奇妙な生活も悪くないと思えてくるよ。
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- 物凄く和みました。 -- 名無しさん (2008-08-17 02:24:13)
- れいむかわいすぐるでしょこれは……何でこのシリーズ、今まで読んでなかったんだろう。サナエルてんてーの次回策に期待☆ -- 名無しさん (2008-09-23 20:40:34)
- ゆっくりできたんだぜ! -- 名無しさん (2010-11-30 15:13:16)
最終更新:2010年11月30日 15:13