ゆっくり運送2 -後編-

※もう、後編も二部編成になってしまいました。はは、駄目な作者ですね、全く……

※相変わらず会話パートが多いです、すみません。
























かくして、ゆっくり運送は数々のアクシデントを乗り越え、より結束を固めるに至る。
その後も注文は余り入らず、社内は終始ゆっくりとした空気に包まれた。
そして、れみりゃを迎えての最初の夜がやってきた。

「よ~し!諸君!!皆で風呂にするぞ!!」

「ゆっほほ~い!おふろだぜ~!!」

「おふろはすごくゆっくりできるね!!」

「おふゅりょ~♪」

「う~…おふろだどぉ~?」


ただ一人、れみりゃだけがお風呂という言葉に抵抗を示した。

「ん?どうしたれみりゃ君、風呂は嫌いかね?」

「うっう~…れみりゃはあとでひとりではいるどぉ~。」

「ふむ。(体付きだしなぁ…恥ずかしいのかもしれんな…」

そこで、私は霊夢と魔理沙を呼んだ。
二匹はチビ達を頭に乗せ、ポンポンとご機嫌に跳ねてきた。

「どうしたのしゃちょう!?」

「どうしたんだぜ?」

「うむ、私は後で入るから先にれみりゃ君を連れて入っていてくれ。」

「うぅ!?いいんだど!れみりゃはあとではいるんだどぉ!!」


何故かれみりゃは激しく抵抗した。
しかし、お風呂でテンションの上がりきった二人に逆らえるはずも無く。
背中を押されて脱衣所に連れて行かれてしまった。

「ゆっくりいっしょにはいろうね!!」

「ゆっきゅりはいりょうね!!」

「う…うぅ~…」

「もうかんねんするんだぜ!ゆっへっへっへ!」

「まりさ!いやらしいよ!」


賑やかな声が脱衣所から響く。
ゆっくり同士なら恥ずかしい事も無かろう、という私なりの配慮のつもりだった。
一人で入るのはちょっと寂しいが……

「社員の為ならば一人風呂ナド容易イ!!」

と、自らを鼓舞し、なんとか耐えた。




一方その頃、風呂場では……


「ゆへぇ~…いいゆなんだぜ~…」

「いいおゆだねまりさ!!」

「いいゆだにぇ~!」

「うっうー♪あったかいどぉ~☆」


先程とは打って変わって、れみりゃも風呂を堪能していた。
さっきの事が気になったのか、魔理沙はれみりゃに聞いてみた。

「さっきはどうしていやがったんだぜ??」

「うっう~……あのね…」


れみりゃの表情が一気に曇った、そして泣き顔へと変わっていく。

「れみりゃはみんなとぬくぬくするしかくなんかないんだどぉ~…」

と、れみりゃは粒の様な涙を零しながら呟いた。

「ゆ?どうゆうことなんだぜ?」

「うっう~…それはいえないんだどぉ~……でもそうなんだどぉ…」

「ゆぅ~…」


魔理沙は押し黙ってしまった。
チビ達を除き、あの時に似た重苦しい空気が漂う。

「れみりゃはここにいていいんだよ!!」


沈黙を破るは霊夢の声。その声は怒りが混じりながらも少し震えていた。

「れみりゃはここのしゃいんなんだよ!れいむもまりさもれみりゃのことがだいすきなんだよ!だいじなながまなんだよ!!
 なのに、でびりゃはどうじでぞんなごどいうのぉぉ!!」


霊夢は泣いていた。哀れみや同情ではなく、悔しさ故の涙だった。
れみりゃは大事な仲間。なのに自分はそんな仲間の力になって上げられない。
そんな自分がどうしようもなく情けなくて、なにより悔しかった…。
そして、その感情は連鎖していく。

「ぞうだぜぇぇぇ!!でびりゃはばでぃざのだいじなともだぢなんだぜぇぇぇ!!」

「うぅ~…でびりゃもみんなどいっじょにいだいどぉぉ!!」

「じゃあいっじょにゆっぐじじようよぉぉぉ!!」

「うぅ~ゆっぐじじだいどぉ~…」


れみりゃ、霊夢、魔理沙はお互い抱き合って泣いた。
三匹は暫くそのまま動かなかった。互いにその存在を確かめるかのように。
そして、最初に口を開いたのはれみりゃだった。

「うぅ~…ごめんだどぉ~、もうあんなこといわないどぉ~…」

「ううん、いいよ!これからもいっしょにゆっくりしようね!!」

「ゆっくりしようぜ!!」

「うっう~♪ゆっくりするどぉ~!!」

三匹はもう泣いてはいなかった。顔は涙と鼻水でグシャグシャだが顔は笑顔に変わっていた。


「おきゃーしゃんたちみんなでないたりしちぇ、へんなの~!」

「「へんなの~!」」


ようやく気付いたおチビ達、両親の様子を見てケラケラと笑っている。

「おとなをからかうんじゃないの!!」

「きゃー!おかーしゃんがおこったー!」

「ゆっきゅりにげるよ~!!」

「ほらほら、にげないとれいむにたべられちまうぜ!ゆっはっはっは!!」

「ぎゃお~!たぁ~べちゃうぞぉ~♪」

「ゆぎゃあぁぁぁ!!れみりゃはいいんだぜ!かまないでぇぇぇ!!」


いつの間にか皆、いつものゆっくりとした時間を。いつも通りの光景を取り戻していた……ハズだった。
































ただ一匹、れみりゃを除いては……
















[おまけに限りなく近い何か]




「なぁ、魔理沙君。」

「ゆ?なんだぜしゃちょう?」

「最近思うんだが、この物語のクオリティ、回を重ねるごとにどんどん落ちてはいないか?「後編で  ~」などと言っておきながら、次回に延びてしまっているし……。」

「ゆぅ!?そういう「めたはつげん」はいっちゃいけないんだぜ!!」

「フフ、それもそうだ。なぁ、魔理沙君。ケーキでも食べるか?」

「ゆ!?きゅうにどうしたんだぜしゃちょう!!」

「あぁ、なに、気にするな、たまには仲良くケーキでも食べようじゃないか。」

「やべでよぉぉぉぉ!ぎゅうにやざじぐじないでよぉぉぉ!!」

「はっはっは、どうした魔理沙君、ほら、食べさせてあげよう。」

「やべでぇぇぇぇ!!いづものじゃぢょうにもどっでよぉぉぉ!」

「はっはっは、ほら、遠慮するな。」

「もがもが……おいしいけどじあわぜじゃなぁぁぁい!!」










………りさ……ん…

…………まり…くん…

「魔理沙君!!」

「はッ!ここはどこだぜ!?し…しゃちょう…?」

「何を寝ぼけているんだ魔理沙君、社内でうたた寝とは関心しないぞ。」

と、でこピンをかまされる。

「ゆ゛!!」

「はっはっは!これからは気を付けてくれよ。」

「じ……じゃぢょおぉぉぉ!いづものじゃぢょうだぁぁぁぁ!!」

「おいおい、どうしたんだ魔理沙君、君らしくもない。」

「なんでぼないぜぇぇ!なんでもないんだぜぇぇ!!」

「まったく、悪い夢でも見たのか?ほれ、泣くな泣くな。」

ワシワシと頭を撫でる。

「ゆっぐ、ゆっぐ」

「ゆ!ずるいよ!!まりさばっかり!!」

「おとーしゃんばっかりじゅるいよ!!」

「なんだなんだ、お前達まで。」







今日も明日も来週も、ゆっくり運送は賑やかです。


















ゆっくり好きな新参者



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最終更新:2009年05月28日 22:46